Report/Work 2018.10.02

「広告って必要?」と思っている学生に広告の話をしてきました。

伊藤 大悟

伊藤 大悟

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「ぶっちゃけ、『良いゲームをつくったら、広告なんて必要ない』って思っている人、いますか?」
30人程度の学生がいる教室の中で、数人の手が挙がる。

 「『良いゲームをつくれば自然と口コミで広まるから、広告なんてしなくても広まっていく』って、ぶっちゃけ思っている人~」

 というと、またパラパラ、と手が挙がる。最終的に1/3程度の学生が手を挙げた。

 「はい、ありがとうございます。ゲームが大好きで、ゲームプランナーを目指す君たちからすると、広告って『本当に必要なの?』って感じですよね。
そんなものにお金かけるぐらいなら、ゲーム自体の質を高めたほうがいいんじゃないか? みたいな。でも、今日はそんな君たちにぜひ知ってほしい、広告とマーケティングの話をしたいと思ってます」

————-

これは、日本工学院専門学校のゲームクリエイター科の学生にD2C Rという広告代理店の者がマーケティングの講義をしたお話です。

 概要は下記のような感じです。

D2C Rは、82日、日本工学院八王子専門学校とゲームアプリマーケター育成支援で提携すると発表した。

 スマートフォンの普及を背景に盛り上がりを見せるゲームアプリ業界では、自社ゲームアプリを世の中に広めるマーケターのニーズが高まっている。そこで D2C R は、実践的なゲームアプリマーケティングの教育提供で日本工学院と提携したという。

D2C Rでは、授業と実地研修を通して、ゲームアプリ業界のマーケター育成を支援していく。夏期授業では、日本工学院のゲームクリエイター科四年制の学生を対象に、アプリマーケティングの基本知識をメインにした授業とワークショップを行い、オルトプラス協力のもと、実際のゲームを題材にしたゲームマーケティング企画コンテストを実施したという。

 

 D2C R、日本工学院八王子専門学校とゲームアプリマーケター育成支援で提携
https://gamebiz.jp/?p=217012

 今回のブログでは、日本工学院八王子専門学校の学生さんへの講義を通して改めて大事だと思った
・マーケターに必要な要素とは
・人になにかを教えるときのポイント

上記2点について書いてみました。

 なお、初めにお伝えしておくと今回の講義に関しては講義内容や資料作成含め、99%先輩とお取引先の方に頼ってしまいました。この記事はそんな先輩とお取引先の方への最大限のリスペクトと、自省を込めて書かせていただいております。

マーケターに必要な要素とは

ゲームアプリ業界のマーケターの仕事とは、ゲームをヒットに導く仕事といえます。
ゲームのターゲットを見極め、
ゲームを知ってもらえるかを考え、
ゲームを遊んでもらえるかを考え、
どうすればファンになってもらえるかを考え、
持っている資源でそれを達成する方法を考える。そんな仕事です。
※広告代理店は、そんなマーケターと二人三脚で頑張るポジションです。

 マーケターの要素を分解すると
・コミュニケーションのプロ
・戦略家

という大きく2つの側面があります。 

なぜコミュニケーションのプロかというと、マーケターはユーザーの感情を理解し、「なにが刺さるか?」「どうしたらユーザーの心が動くのか?」を徹底的に考える必要があるからです。

 また、なぜ戦略家なのかというと、限られた資源で最大の成果を出せるように作戦を立て、ゲームを成功に導く必要があるからです。

これを「情理」という形で表現している方もいます。

コミュニケーションのプロ、という部分が「情」にあたり、戦略家、という部分が「理」にあたるわけですね。

 私としては「マーケター」のイメージが「理」のほうに偏ってしまっていたので、確かに「情」の部分も必要だなと感心した部分です。

 「ロジックは正しそうだけど、なんか面白くない」

 こういう提案を今まで何度も見たことありますし、自分自身もしてしまっていたことがあるのですが、おそらく「理」の部分だけで考えていたからだと思います。

「情理」のベースを押さえた上で、マーケターが実際にやる具体的な仕事内容は上記のようなものです。

そして、これらを考えるためにまず仮説を立てたり、その仮説が正しいか分析したり(ここでSWOTとか使ったり)するわけですね。

 ただ、一番大事なのは「情理」の2つであって、ここを押さえないと
「面白そうだけどとても実現しない」
「実現しそうだけど全然面白くない」
マーケティングに陥ってしまう可能性がある、ということです。

 これは、広告代理店の人間としても当然押さえておきたい要素ですので、私は胸に深く刻んでおきました。

人になにかを教えるときのポイント

今回、講義をしていく上で大事にしたのは
「わかりやすく、おもしろく」ということでした。

 当初は「マーケティングについて正しい内容を伝えればOK」と考えていました。ただ、ふと自分の学生時代を振り返ると、小難しい講義は睡魔に負けてしまうことも多々ありました。

せっかく教える側も教わる側も貴重な時間を割いてやることなので、できれば最後まで聞いてほしいし、なにか一つでも学びになってほしいと思いました。

 なので、「わかりやすく、おもしろく」をテーマに講義内容、資料作成、導入部分などを先輩と考え、講義後はアンケートも取って次回の講義に活かしました。

 「わかりやすく、おもしろく」するためには、まずは相手の目線に立つことが大事です。

今回、学生たちはゲームプランナーを目指している学生だったので、ゲームは好きですがマーケティングに興味があるわけではありません。むしろ、「ゲームをつくる側」を目指しているので「マーケティングとか広告なんてそもそもいる?」と考えている可能性すらありました。

 なので、ゲームプランナーを目指している学生への講義の導入はこんな感じにしました。

下を向いてたり、ちょっと眠そうにしてる学生も、ここを話し始めたら「え?」という感じでこっちを見てくれたので、つかみとしては良かったと思います。

で、ここからは「どんなに良いゲームをつくっても、知らないゲームには興味持てないし、知ってるゲームでも興味持てないと遊ぶ気にならないですよね」というように話をつなげていきました。

また、「ゲームをつくる側」も「マーケティング」を学ぶことで流入するユーザーを意識したイベントを考えたり、今後のキャリアステップにもつながる可能性がある、といった具体的なメリットにつながる話をして、以上を導入パートとしました。

講義内容に入ってからは、
・みんなが良く知ってる事例をマーケティングの視点で解説する
・学生に話を振りつつ、コミュニケーション重視で進める
・授業の中でリアルタイムで発表とフィードバックをする

上記の3点を意識して進めていきました。

とくに、リアルタイムでの発表とフィードバックを実施する際には、Googleフォームのアンケート機能が役立ちました。

たとえば、ワークの一環として、あるゲームタイトルのキャッチコピーを考えるというお題の際には、

こんな風にフォームをつくっておいて、QRコードでスクリーンに映して学生に読み取ってもらい、スマホで入力してもらいます。

入力してもらったらいったん休憩タイムを挟んで、その間に目ぼしいものをピックアップして、パワポに張り付けて、簡単なフィードバックを記載します。

で、休憩終わったら学生とコミュニケーション取りつつ、講義を進めていく…という感じです。

 このような工夫の甲斐あってか、テンポよく講義は進み、時折笑いも挟みつつ、誰一人寝ることなく講義を終えることができました。

 また、今回の学生への講義を通して、改めて「わかりやすく、おもしろく」するということがいかに大事かということに気づきました。
自分は新人の研修などにも携わっていますが、研修内容が「業務内容を正しく伝える」だけで終わってしまっていることがあるなと思ったのです。

「仕事なんだから、受け手は学ぶ姿勢があって当然」

といえばその通りかもしれませんが、メンバーの成長やモチベーションというものを考えたときには、やはり研修も「わかりやすく、おもしろく」した方が良さそうだなと今は思っています。

さいごに

今回の取り組みでは私自身、いろいろと学ぶところは多かったのですが、今後の展望も簡単にお伝えします。

 今回はあくまでも「講義」という形での取り組みとなりましたが、今後は日本工学院専門学校・ディベロッパー・広告代理店の3社間でより実践的・双方向的な取り組みにつなげていければと考えています。

 具体的には、主に学生と協力しながら
・ゲームアプリに関するアンケート実施
・ゲームアプリのCBT(テストプレイ)実施
・インターン実施

といった取り組みの形です。

 ゲーム業界を目指す学生たちなのでとにかくゲームへの愛と知見が優れており、実際にマーケティングを行う際にも彼らの意見やアイディアは非常に参考になると講義を通して実感しています。

 この取り組みは今後も続けていくため、いずれまた記事にしたいと思っています。

 長文となりましたが、読んでいただきありがとうございました。

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伊藤 大悟
伊藤 大悟

クリエイティブデザイン部 クリエイティブプランナー メディアレップで代理店営業やって広告代理店で運用やって営業やってクリエイティブディレクターになりました。バズも獲得も両方やれちゃうクリエイティブをつくることが目標です。

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