インハウスでプロモーションを行う企業が代理店を使う理由~ポノス×D2C R対談~
CANVAS編集部
アドネットワークやSNSにて、動画広告の在庫がどんどん増えるなか、広告クリエイティブの比重を動画に置いているポノス様。
ポノス様には、8月に開催したセミナー「#MarketingLIVE Vol.2」でも「にゃんこ大戦争」を事例にリテンションマーケティングについてお話をしていただいています。
今回は、制作/検証コストのかかる「動画広告」を扱う上でどのようなことを代理店に求めているのか、お聞きしました。
[Profile]ポノス株式会社 佐藤 佑介氏(左)
2018年中途入社。マーケターとして運用型広告のオペレーションに従事する中で、にゃんこ大戦争のプロモーションを担当。
[Profile]株式会社D2C R 川村(右)
2016年新卒入社。営業本部 動画チーム 動画広告プランナー。ADNWやSNSをメインに1年間広告運用に従事。現在、動画チームで動画媒体の営業/プランニング/動画制作のディレクションを担当。
インハウスで広告代理店を使う理由
―ポノス様では複数のアプリを制作しており、そのプロモーションもインハウスにて実施されているとのことですが、現在の社内体制を教えてください。
佐藤:はい、現在は以下の体制でプロモーションを行っております。
運用型オペレーション:2名
デザイナー:4名
レポーティング・アシスタント:1名
※2018年11月時点
クリエイティブ制作から広告運用まで社内で完結しています。
ADNWやSNSを活用して、新規ユーザーの獲得や離脱ユーザーの復帰や再インストールを促す施策を行っています。クリエイティブに関しては、社内で検証軸を設けてPDCAを回しています。今は、検証の結果、効果が良かったサイズを中心に展開しています。
―クリエイティブの課題はありますか?
佐藤:媒体から推奨されるクリエイティブサイズが増えてきている点と、自社内で効果の良い勝ちパターンが出来上がっているため、新規のクリエイティブも一定のパターン化してしまっている事です。
川村:媒体から要求されるサイズが増えてきていて、網羅しようとするとかなりリソース割かれてしまいますよね。そうなると新しい検証にも手が回りにくくなる。
佐藤:そうですね…ただにゃんこ大戦争の場合だと、運営期間が長いので効果の良いクリエイティブに関してはある程度パターン化できています。こういった動画の見せ方がいいとか、この媒体はこのサイズだけ作ればいいとか。過去の実績を見て、効果がいいと思われるサイズや訴求軸に比重を置いて制作をしています。
とは言え、日々媒体のアップデートがあり、動画の新しいフォーマットが登場しています。直近だと縦長動画の配信面は今後さらに増えていくと思うので、注目しています。にゃんこ大戦争は横型のゲームなので、縦型のクリエイティブに合うよう要素を分解して訴求を構成していくのが今後の課題でもあります。
情報のキャッチアップや独自のクリエイティブ制作力
―インハウスで動画制作体制がありながら、D2C Rを活用する理由をお聞きしたいです。
佐藤:1つは市場の情報収集のためですね。海外ではインハウスの広告主が多いですが、日本ではまだ多くはなく、個人的には代理店文化が根付いていると思います。日本市場でプロモーションをするうえでは、完全にインハウス化するよりかは、役割を決めて代理店とお付き合いをすることは効果的だと考えています。
また制作いただくクリエイティブの毛色が違うところも貴社とお付き合いさせていただいている理由の1つだと思っています。先述の通り、社内でクリエイティブ制作していると、潜在的に過去のパターンから効果の良い要素を引っ張て来て制作してしまう事が多いです。
D2C Rさんにはコンテンツを理解いただいているというのが前提で、毛色の異なるクリエイティブをご作成いただけるので、参考になります。
川村:ありがとうございます。ゲームの設定や雰囲気を崩したりしてますもんね…(笑)
弊社では訴求軸を事前に決定し、クリエイター4,5人で案を持ち寄っています。この訴求軸の時にはどういった見せ方があるか、というところにこだわって議論しています。その際、にゃんこ大戦争を知らないクリエイターをあえてアサインすることで出てくる視点があったりするんですよね。
例えば、「にゃんこ城の中ってどうなってるの?」とか、「出撃してないにゃんこ達ってどこにいるの?」とか…。もちろんクライアントの要望に合わせてですが、にゃんこ大戦争では必ずしも世界観を踏襲しない、今までにない新しい視点を生み出すことを大事にしています。
また弊社では動画を制作後、様々な要素で動画も分析させていただき、次の動画制作につなげています。
にゃんこ大戦争であれば、休眠ユーザー向けに
・ユーザーが離脱したと想定されるステージの攻略動画
・ゲームに登場するにゃんこ達が休眠ユーザーに問いかける動画
・新ステージやステージクリアによるインセンティブに関する動画
といった訴求軸で動画を制作させていただき、そのそれぞれが、CPA、継続率、ROASにどのような影響を及ぼすのかレポーティングし、ご報告させていただいています。
当たり前ですが、動画の訴求軸毎に各指標へ及ぼす影響は大きく異なります。クリエイティブの見せ方だけでなく、休眠復帰施策のKPIに合わせて、どの訴求軸の動画を優先的に制作するかをご相談させていただいています。
―ちなみに、弊社が制作した動画で好評だったものはありますか?
佐藤:にゃんこ城の内側にフォーカスされた動画ですかね。あの発想はなかったです。そこを訴求するんだと思いましたね。笑
ただ、コンテンツへの理解があるので、超えてはいけないラインを意識して作成いただいているなと感じています。僕もそうですし、クリエイターからもそういう声を聞きます。
川村:ありがとうございます!この動画はアプリを遊んでいない休眠向けに制作した動画でしたね。にゃんこ大戦争を遊ばなくなった理由は何か、そういった人にもう1度遊んでもらうにはどんな動画の見せ方が良いのか考えた結果、遊ばなくなったことに罪悪感を感じさせたらいいのではないか、という案がでました。
その案をもとに、アプリを遊んでいる人なら1度は目にするにゃんこ城を使って動画を制作させていただきました。結果、遊んでいたユーザーからはかなり多くのエンゲージメントをいただけましたね。
縦型動画での最適化、音によるブランディング
―動画広告で今後取り組んでいきたいことを教えてください。
佐藤:ダイレクトレスポンス領域であれば、直近、縦型動画に対応した配信面が非常に多いですし、どんどん増えてきています。先程も申し上げましたが横型のゲームアプリで縦型動画を制作する際、どのような見せ方だと獲得効率が良いのかを要素分解し分析していきたいと思っています。
川村:自分は動画を構成する要素の1つである「音」の検証を進めていきたいですね。ちょっとダイレクトレスポンス領域とかけ離れてしまうのですが、、、
例えば、ファミリーマートの入店する時の音ってみんな耳に残っていると思うんです。一瞬出てこなくても、聴いたら「あ~それそれ!」「ファミマやん」ってなる。「音」から各商材や案件のイメージを作れたら面白いかなと。動画を構成する要素はたくさんありますが、BGMを統一しておけば、「音」のブランディングはできるかもしれないですからね。
後は、マスメディアで使用する動画のテストマーケとして、もっとデジタルを活用できたらいいなと思います。
佐藤:それいいですよね。先月、ラクスルさんが日本テレビのCM枠を1枠から買い付けできるサービスを展開されていましたよね。広告主にとってもTVCMが徐々に身近な広告枠になっていくと思っています。そうなるとTVCMに挑戦するプレイヤーも増えてきて、、、。
そんな中で、「こういうクリエイティブを使うとこうなる」っていうのを事前にわかっていると強いですよね。
対談を終えて
今回、ご縁があって対談させていただきましたが、ポノス様は代理店の「情報のキャッチアップスピード」や「独自のクリエイティブ制作力」に価値を感じてくださっているとのことでした。今後、代理店として生き残っていくためには、クライアントのニーズに応えられる柔軟さと、それを発信し続けることの重要性を再認識する機会となりました。
にゃんこ大戦争に限らず、D2C Rではクリエイティブプランナーとクリエイターでコンテンツを深掘りして制作を進める体制が整っています。
・動画クリエイティブの制作で悩んでいる
・動画クリエイティブの訴求軸別の検証したい
・1デザインの動画で媒体毎の最適なサイズも手配したい
といった方はぜひ、D2C Rの動画チームにご相談ください。
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デジタルマーケティング情報を発信する『CANVAS』の運営&編集担当。中の人としてTwitterはじめました(@canvas_d2cr)。テキストは標準語ですがしゃべると関西弁。オンライン社内報「R-ibrary」も兼務で運営担当をしています。