アドベリフィケーションとは?種類や重要性、ツール費用と導入のポイントを解説

みなさん、こんにちは。
デジタル広告の市場が急速に拡大する中で、広告の掲載場所や品質の管理がますます重要視されています。その中でも、広告が適切な環境で配信されているか、不正なインプレッションやクリックが発生していないかを確認する「アドベリフィケーション」という取り組みが注目されています。
今回は、アドベリフィケーションの基本的な仕組みや種類、なぜ導入が必要なのかといった重要性について解説します。さらに、導入時にかかる費用や具体的なツールの選び方、効果的な活用方法についても詳しく紹介していきます。
広告の品質を向上させ、無駄なコストを削減しながらブランドを守るために、アドベリフィケーションの知識をしっかり身につけましょう。ぜひ最後までご覧ください。
目次
アドベリフィケーションとは?
アドベリフィケーション(Ad Verification)とは、広告が適切な環境で配信されているかを検証し、広告の品質を確保するための取り組みです。具体的には、広告が意図したサイトやコンテンツに表示されているか、不正なインプレッションやクリックが発生していないか、ユーザーに適切に視認されているかをチェックするプロセスを指します。
デジタル広告の市場が拡大するにつれて、アドフラウド(広告詐欺)、ブランドセーフティ、ビューアビリティ(広告の可視性)といった課題が顕在化してきました。これらのリスクを最小限に抑え、広告の費用対効果を高めるために、アドベリフィケーションの導入が重要視されています。
また、広告主だけでなく、広告配信プラットフォームやメディア側にとっても、健全な広告配信環境を維持することは信頼性向上につながります。そのため、多くの企業が専用のツールを活用し、アドベリフィケーションを実施しています。株式会社D2C Rにおいても、アドベリフィケーション対策を実施しています。
アドベリフィケーションが求められる背景
1. 広告詐欺(アドフラウド)の増加
デジタル広告市場では、ボットによる不正なクリックやインプレッションの操作が問題視されています。広告費を搾取する目的で、実際のユーザーではなく自動プログラムが広告をクリックする「クリック詐欺(Click Fraud)」や、広告が見えない位置に表示される「インプレッション詐欺(Impression Fraud)」などが発生しています。これらの不正行為により、広告主は実際のユーザーにリーチできないまま広告費を消費してしまうリスクがあります。
2. ブランド毀損リスクの増加
広告が意図しないサイトや、不適切なコンテンツと並んで掲載されることで、ブランドのイメージが損なわれるケースもあります。たとえば、過激なニュース記事やフェイクニュース、アダルトコンテンツなどに自社の広告が表示されると、ブランド価値の低下につながる可能性があります。ブランドセーフティ(Brand Safety)の観点からも、広告の掲載先を厳密に管理することが求められています。
3. ビューアビリティ(View Ability)の重要性
デジタル広告がユーザーに視認されることは、広告効果を最大化するうえで不可欠です。しかし、一部の広告はスクロールしないと見えない位置に配置されたり、わずか数ミリ秒しか表示されなかったりするケースもあります。広告のビューアビリティを測定し、適切な掲載場所を確保することで、広告の効果を最大化できます。
4. 広告費の最適化とROIの向上
広告主にとって、広告の成果を最大化することは非常に重要です。しかし、不正なインプレッションや適切でない環境での配信によって、広告費が無駄になってしまうことがあります。アドベリフィケーションを導入することで、広告の品質を確保しながら無駄なコストを削減し、より高いROIを実現できます。
アドベリフィケーションの主な種類
またアドベリフィケーションに関しては、日本国内/海外含めて多くの企業が対策に乗り出しており、今後も市場(社会)として課題感が非常に多い領域となっております。
アドベリフィケーションにはさまざまな側面があり、それぞれ異なる課題を解決するために活用されます。特に重要とされるのが、ブランドセーフティ(Brand Safety)、アドフラウド(Ad Fraud)、ビューアビリティ(View Ability)の3つの要素です。
- ブランドセーフティ
広告が適切なコンテンツの中で配信され、ブランドイメージを守ること - アドフラウド
広告詐欺を防ぎ、無駄な広告費を削減すること - ビューアビリティ
広告が適切に視認され、効果的に表示されているかを確認すること
それぞれの種類について詳しく解説していきます。
ブランドセーフティ
ブランドセーフティとは、広告が適切なコンテンツの中で配信され、ブランドのイメージを損なわないようにする取り組みのことを指します。たとえば、次のようなサイトに広告が掲載されると、企業のブランド価値が低下するリスクがあります。
- 暴力的・差別的なコンテンツを含むサイト
- フェイクニュースサイト
- アダルトコンテンツを含むページ
- 政治的・宗教的に過激な主張をするメディア
このような環境で広告が表示されると、ユーザーにネガティブな印象を与え、ブランドの信頼性を損なう可能性があります。そのため、広告が安全な環境で配信されるよう、適切な対策を講じることが重要です。
アドフラウド
アドフラウド(Ad Fraud)とは、デジタル広告の詐欺行為を指します。不正に広告収益を得るために、自動化されたプログラム(ボット)が広告をクリックしたり、表示回数を水増ししたりする行為が含まれます。
広告費用に対するCV件数といった広告効果などを不正に水増しして不正CVとしたり、本来オーガニック流入で獲得できるはずのユーザーを、広告の成果として誤って計上してしまうケースがあります。
つまり、本来払う必要のない広告費用を支払ってしまう可能性があります。
※参考:世界の巨大広告主も警鐘を鳴らすアドフラウド問題。日本のマーケターはどうすべきか?
このような無駄な広告費がかかってしまう、アドフラウドには様々な手口があります。どんな種類があるのか、アプリプロモーションで主に起こりやすい種類を何点かご紹介いたします。
①クリック/インストールファーム(ファーム工場)
大量のスマートフォンを使用し、人力またはシステムを利用してクリックやインストールを人工的に増やす手法です。
IPの重複や挙動が一定といった形になるため、データを見ると比較的フラウドと判断をしやすい挙動となっております。
また東南アジアで実施されていることも多く、IPアドレス元や端末のバージョン/言語設定からも判別することが現在可能となっております。
②クリックインジェクション(Click Injection)
主にAndroidで起こるフラウド(Google Playの仕様上)で、ツールアプリ等に埋め込まれたマルウェア※などによって不正なクリックを行い、本来のアトリビューションを奪ってしまうフラウドです。
インストール中/された後にクリックを差し込むため、本来広告をクリックしてから掛かる時間よりも非常に短い時間でCVとして上がることが特徴となっております。
こちらはCTIT(クリックされてからインストールまでの時間)で判別することが可能となっております。
※不正のために作成された悪意あるソフトウェアや悪質なコードの総称

③クリックスパム/クリックスタフィング(Click Stuffing)
クリックを大量に発生させる手法で、クリックをばらまくことによってユーザーのアトリビューション期間を延ばし、期間内のCVを対応メディアの成果として挙げるフラウドです。
手法は様々で広告をユーザーが見えていない裏側で表示させてクリックを発生させたり、インプレッションをクリックとしてSDK側に偽装したりして、アトリビューション期間を得てCVを奪い取ります。
特徴として正常なインストールの場合は広告をクリックしてから1時間以内に約85%のインストールがされるといわれておりますが。
一方このフラウドで入ってくるユーザーはインストールまでの時間が本来クリックをしていないこともあるため、時間軸の獲得推移がなだらかかつ一定の水準を保ち推移する傾向があります。

ただ一点、クリックが多いから一概に悪い配信面、ということではなく、多くのメディアを繋ぎこむとAPI連携をした配信面は定期的なリンクチェック※でクリック数が増える傾向があります。
そのため、しっかりとクリックのアトリビューション期間を定め、広告効果の最適化をしっかりと図る必要があります。
※配信面がメディアに対して計測が有効か定期的にアクセスを行うこと
④SDKスプーフィング
ユーザーの携帯電話端末の個人情報を不正に使い、架空のアプリインストールを発生させる行為、と言われるもので、いわゆるなりすましの偽装通信を指します。
CVを通知するイベントデータ(URL)をハッキングし、不正なインストールを通知させるフラウドになります。
直近では実際に課金していないユーザーでも課金をしているという情報を飛ばし、SDK側のユーザーLTVが非常によく見えるといったスプーフィングも発生しております。
▼参考URL
悪魔のアドフラウド14の手法まとめ ―― いまのネット広告は落とし穴だらけ!
このような不正行為が発生すると、広告費が無駄になり、実際のターゲットユーザーにリーチできなくなります。アドベリフィケーションツールを活用することで、不正なトラフィックを検出し、広告費の無駄を抑制することが可能です。
ビューアビリティ
ビューアビリティ(View Ability)とは、広告がユーザーに適切に視認されているかを測定する指標のことです。たとえば、広告がページの下部に表示されていて、ユーザーがスクロールしない限り見えない場合、その広告は効果を発揮していない可能性があります。
ビューアビリティは、広告の費用対効果を高めるために重要な指標であり、広告主は以下の基準を基に広告の可視性を測定します。
ビューアビリティの測定基準(MRC基準)
- ディスプレイ広告:広告の50%以上が1秒以上表示される
- 動画広告:広告の50%以上が2秒以上表示される
ビューアビリティが低い広告は、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)も低くなりやすいため、配置の最適化が求められます。たとえば、ファーストビュー(スクロールしなくても見える範囲)に広告を配置する、動画広告の視聴時間を最適化するなどの工夫が重要です。
代表的なアドベリフィケーションツール
アドベリフィケーションは、広告の品質を確保し、ブランドの信頼性を守るために不可欠な取り組みです。近年、広告詐欺(アドフラウド)やブランド毀損リスクの高まりを受け、多くの企業がアドベリフィケーションツールを導入し、不正な広告配信や不適切な掲載を防いでいます。
本章では、代表的なアドベリフィケーションツールとして Spider Labs、IAS、Momentum、DoubleVerify Japanの4つついて詳しく解説します。それぞれの企業の概要と提供する主要な機能について、詳細に紹介していきます。
Spider Labs
Spider Labsは、日本発のサイバーセキュリティ企業で、特にアドフラウド対策に強みを持つアドベリフィケーションツールを提供しています。デジタル広告市場における不正クリックやインプレッション詐欺、ブランド毀損リスクの排除を目的として、広告主や広告代理店向けに高度な分析ツールを提供しています。
Spider Labsのアドベリフィケーション技術は、AI(人工知能)を活用してリアルタイムで不正広告トラフィックを検出・排除する仕組みを備えています。特に、日本市場に最適化されたソリューションを提供しています。
IAS(Integral Ad Science)
IAS(Integral Ad Science)は、アメリカを拠点とする世界的なアドベリフィケーション企業で、ブランドセーフティ、アドフラウド対策、ビューアビリティ測定など幅広い機能を提供しています。
IASは、GoogleやMeta、Amazonなどの主要広告プラットフォームと連携しており、グローバル規模で信頼性の高い広告配信を実現するためのツールを提供しています。
Momentum
Momentumは、日本国内でアドベリフィケーションサービスを展開する企業で、ブランドセーフティやアドフラウド対策に特化したソリューション「HYTRA」を提供しています。HYTRAシリーズでは機能別にソリューションが用意されているため、個別に活用することも可能です。
日本の広告市場に合わせた独自の分析技術を持ち、国内企業の広告配信環境を最適化するためのサービスを提供しています。
DoubleVerify Japan(ダブルベリファイ・ジャパン)
DoubleVerify(DV)は、2008年に設立されたアメリカ発のアドベリフィケーション企業で、広告の透明性確保と不正対策に関するグローバルリーダーとして知られています。日本市場には「DoubleVerify Japan」として進出し、国内の広告主や広告代理店向けに高度な広告品質管理ツールを提供しています。
DoubleVerifyは、世界中の広告プラットフォームと連携しており、Google、Meta(Facebook/Instagram)、YouTube、TikTok、Amazonなどの主要なデジタル広告プラットフォームでの広告配信を適正化する機能を提供しています。
アドベリフィケーションツールの費用と導入のポイント
アドベリフィケーションの重要性が高まる中、効果的に広告の品質を管理するために、専用のツールを導入する企業が増えています。しかし、ツールを選定する際には、費用の目安や導入のポイントを理解することが重要です。
本章では、アドベリフィケーションツールの費用の目安、選定時のチェックポイント、導入から運用までのステップについて詳しく解説します。
ツール導入にかかる費用の目安
アドベリフィケーションツールの料金体系
アドベリフィケーションツールの料金は、提供するサービスの内容や導入規模によって異なりますが、一般的には以下のような課金体系が採用されています。
- 月額固定料金
- ツールの利用料として、月ごとに一定額を支払う方式。
- 小規模から中規模の広告主や代理店に適している。
- 価格の目安:月額10万円~100万円
- 広告費に応じた従量課金制
- 広告の配信額に応じて、一定の割合で課金される方式。
- 大規模な広告キャンペーンを運用する企業に適している。
- 価格の目安:広告費の0.5~3%
- ハイブリッド型(固定+従量課金)
- 一定の固定費に加え、広告配信量に応じた従量課金が発生する。
- 柔軟な予算設定が可能。
追加コストの可能性
- 初期導入費用(10万円~50万円)
- ツールの設定やカスタマイズにかかる費用。
- サポート・トレーニング費用
- ツールの使い方を習得するための研修やサポートサービス。
ツール選定時のチェックポイント
1. 主要なアドベリフィケーション機能の確認
アドベリフィケーションツールには、さまざまな機能があります。自社のニーズに合った機能が搭載されているかを確認しましょう。
機能 | 説明 |
---|---|
ブランドセーフティ | 広告が不適切なコンテンツと 並ばないよう管理する |
アドフラウド対策 | ボットによるクリックや 不正なインプレッションを検出・排除 |
ビューアビリティ測定 | 広告が適切に視認されているかをチェック |
リアルタイムモニタリング | 配信状況をリアルタイムで監視し、 異常があれば即時対応 |
2. 既存の広告プラットフォームとの連携
Google広告、Meta広告など、運用している広告プラットフォームとの連携がスムーズに行えるかを確認してみてください。特に、ダッシュボードの統合やレポート機能が統合されていると運用がしやすくなります。
3. 導入後のサポート体制
ツールを最大限に活用するためには、導入後のサポート体制も重要です。以下の点を確認しましょう。
- 日本語対応のカスタマーサポートがあるか
- 初期設定のサポートが充実しているか
- トレーニングプログラムが提供されているか
D2C Rにおけるアドベリフィケーション対策状況
D2C Rでは、広告の品質を維持し、広告主様のブランド価値を守るためにアドベリフィケーション対策を実施しています。
JICDAQ認証に基づく広告品質管理
JICDAQ(Japan Interactive Advertising Quality & Certification)とは、日本のデジタル広告業界における品質認証機関で、広告の透明性と安全性を確保するための基準を定めています。D2C Rでは、JICDAQの認証を取得しています。
- ブランドセーフティの確保
広告が不適切なコンテンツと並ばないよう、厳格な掲載基準を適用。
これらはD2C Rが販売するdocomo ad Networkで遵守しています。 - アドフラウドの排除
ボットによる不正クリックやインプレッションを検出し、広告費の無駄を防ぎます。
ブランドセーフティの強化
D2Cブランドは、独自の世界観や価値観を大切にするため、広告が不適切なコンテンツと並ばないようにすることが求められます。D2C Rでは、独自のブラックリスト・ホワイトリストの管理を徹底し、以下のようなブランドセーフティ対策を実施しています。
- ブラックリスト管理
フェイクニュース、アダルト、暴力的なコンテンツを含むサイトへの広告掲載をブロック - ホワイトリスト管理
信頼できるメディアやSNSプラットフォームを厳選し、広告を配信
今後も更なるアドベリフィケーション対策を進め、広告主の皆様が安心してマーケティング活動が行える環境を整備して参ります。
まとめ
アドベリフィケーションは、デジタル広告の品質を確保し、ブランドイメージを守りながら広告費の無駄を防ぐために重要な対策方法です。アドフラウド、ブランドセーフティ、ビューアビリティといった課題に対応することで、広告の費用対効果を最大化することができます。
D2C Rでは、JICDAQ認証を活用した広告品質管理、ブラックリスト・ホワイトリストの厳格な運用、ビューアビリティの最適化といった施策を通じて、安心・安全な広告配信を行っています。
今後もデジタル広告市場の変化に対応し、より高度なアドベリフィケーション対策を推進することで、広告主の皆様が安心してマーケティング活動を行える環境を提供してまいります。アドベリフィケーションの導入や最適な広告運用についてお困りの際は、D2C Rにぜひご相談ください。