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最終更新日: 2025年11月04日

Googleスプレッドシート|AI関数を徹底解説!

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みなさん、こんにちは!

2025年6月25日からGoogleスプレッドシートにAI関数が導入されたことを知っていますか?

Googleの高性能AI「Gemini」がGoogleスプレッドシートのセル内でテキスト生成、要約、データ作成などを、専門知識がなくても簡単に実行できるようになり、これによって、データ整理や分析の業務効率を大幅に向上させる可能性が高まりました。

しかし、その一方で、AI関数に関する情報の中には誤った内容や、詳細な検証・解説が不足しているもの、さらには不安要素に触れていないものも散見されます。

本記事では、そうした現状を踏まえGoogleスプレッドシートのAI関数を徹底的にご紹介します基本的な機能から活用方法見過ごされがちな不安要素まで、深く掘り下げて解説していきます!

AI関数とは?

AI関数は、Googleの高性能AIであるGeminiを基盤としており、Google Workspaceの一部として提供されています。GoogleスプレッドシートのAI関数は、従来のWebサイトやアプリケーションを介さずに、Googleスプレッドシートのセル内で直接AIの能力を活用できる画期的な機能です。

具体的には、セルに「=AI()」と入力し、プロンプトとオプションのセル範囲を指定するだけで、AIによる処理を実行できます。

このAI関数を活用することで、多様なタスクを効率化することが可能になります。

できること

・テキストの生成:データに合わせて新しい文章やコンテンツを生成します。

・情報の要約:Googleスプレッドシートのコンテンツを分析し、重要なポイントや要点を抽出します。

・情報の分類:データ内のパターンを検出し、カテゴリに分類します。

(例)カスタマーサービスへの問い合わせ内容を「褒め言葉」「交換リクエスト」「返品リクエスト」などに分類。

・感情の分析:テキストから感情やトーン(肯定的、否定的、中立など)を読み取ります。

これらの機能は、従来のシート関数では難しかった、より複雑でロジックが組みにくい処理を自然言語の指示(プロンプト)だけで可能にするものです

これにより、手作業でのデータ整理や分析にかかっていた時間を削減し、ルーティン作業の負担を軽減できるようになります。データの扱いに不慣れなユーザーでも、AIの支援を受けながらスムーズに作業を進められる点も大きなメリットです。

利用可能ユーザー

個人ユーザーの場合

Google Oneの「Google AI Pro」または「Ultra」プランを契約している必要あり。

Google Oneの「Basic」や「Premium」プランでは、限定的に利用できる場合があり。

法人・チーム(Google Workspaceアカウント)の場合

Google Workspaceの「Standard」以上のプランを契約している必要あり。

「Business Starter」プランでは、AI 機能が制限される場合もあり。

Educationアカウントの場合は、プランの種類によりGeminiアドオンが必要。

企業や学校のGoogle Workspaceアカウントの場合、管理者がGemini機能を有効化している必要あり。

利用条件

2025年9月現在、AI関数を正常に動作させるためには、Googleアカウントの優先言語を「英語(English)」に設定する必要があります。この設定変更を行うと、Googleスプレッドシートのメニューも英語表示になります。

以下のリンクから、Googleアカウントの言語設定ができます。

https://myaccount.google.com/language

注意点①:日本語対応のアップデート

2025年8月のアップデートにより、日本語のプロンプトにも対応可能となりました。しかし、2025年9月現在では、日本語プロンプトでの生成ができず、「AI関数は利用できません」と表示されてしまいます。今後、順次展開されていく見込みなので、現段階では英語のプロンプトで記述するようにしましょう。

①「他の言語を追加」クリック。

「English」を選択。

②地域の選択

英語圏を設定する必要があるので、今回は「United States」を選択。 

③上矢印をクリック

Englishが最優先になるようにしましょう。

④メニューバー:日本語→英語

シート上部のメニューが英語になっていることが確認できればOKです!(元々Googleスプレッドシートを開いていた場合は、ページをリロードしてみてください。)

AI関数を使ってみよう

基本的な使い方

=AI("プロンプト", 範囲)

AI関数は第1引数でプロンプト、第2引数で参照したいセルの範囲を記載します。

(例)=AI(“What is the capital?”, A1)

もし日本語で回答をもらいたい場合は「日本語で」という指示をプロンプトに含めましょう。

(例)=AI(“Tell me in Japanese What is the capital?”, A1)

関数が紫色で認識されます。

その後すぐに回答が日本語で返ってきたのがわかります。

注意点②:関数は自動更新されない

AI関数は、参照しているセルの値が変更されても自動では再計算されません。紫色の網掛けが表示されたセルを選択し、手動で「Generate and Insert」をクリックして更新する必要があります。

セル内に指示を記載

①C1に日本語で指示を記載。

②C2にC1を翻訳するようなAI関数を記載。

=AI(“Translate into English”,C1)

③B1に第1引数をC2の指示、第2引数に参照したいセルA1を記載。

=AI(C2,A1)

④B1に結果が表示される。

⑤指示の内容を変更したい場合はC1の内容を変更し、C2、B1のセルが紫色の網かけになったタイミングで「Generate and insert」をクリックすれば、B1の内容も変更されます。

変更後のB1:日本の観光名所には、京都の金閣寺や伏見稲荷大社、東京タワーや渋谷スクランブル交差点などがあります。

翻訳の工程もAI関数に任せることで、他で翻訳してからコピペする手間が省けます!

複数セルへの関数適用

複数セルを選択して、関数を適用させることもできます。

注意点③:一度に生成できるのは 200セルまで

複数セルで再計算が必要な場合は 範囲を選択して、まとめて更新が出来ますが、一度に更新できるのは200セルが上限です。

注意点④:生成される結果の不安定性

通常のシート関数とは異なり、AI関数はまったく同じ式や引数を与えても、毎回同じ回答を返すとは限りません。

注意点⑤:他の関数と組み合わせられない

AI関数は他の関数と組み合わせて式を作ることができません。ただし、他のセルで計算された結果をAI関数の引数として参照することは可能です。

活用例

①レビュー分析

=AI(“Analyze the sentiment of this review as positive, negative, or neutral”, A1)

(レビューの感情を、ポジティブ、ネガティブ、またはニュートラルで分析してください)

顧客レビュー、SNSの投稿、アンケートの自由記述など、さまざまなテキストデータを分析し、膨大な量のテキスト情報から感情の傾向を素早く把握することが可能になります。

②要約

=AI(“Please translate this into Japanese and summarize it in 2-3 sentences and provide the translation with line breaks after each sentence”, A1)

(日本語に翻訳して2~3文に要約し、1文ごとに改行してください)

このようにテキストを分析してようやくすることが可能です。

注意⑤:テキストデータしか扱えない

画像に関する質問に回答したり、テキスト以外のコンテンツ(グラフなど)を参照・出力することはできません。

③複数セルの分析

=AI(“Please identify the category from the keywords and tell me in Japanese.”, A4:C4)

(キーワードから分類を判別して、日本語で教えてください)

第2引数に単一のセルだけでなく、複数のセル範囲を指定して参照することができます。

注意点⑤:スピルしない

AI関数はスピルしないため、複数セルを引数として指定しても、結果が自動的に複数のセルに展開されることはありません。

④特定の条件に合うデータを取得

=AI(“Please give me the item number for the product that costs 400 yen.”, A1:C5)

(価格が400円の商品の商品番号を返してください)

FILTER関数の処理のように、特定の条件に合ったデータを複数返すことができます。

⑤別シートを参照

<天気データシート>

<データ表示シート>

=AI(“プロンプト”,シート名!範囲)

=AI(“Please give me the temperature and humidity on a cloudy day.”, ‘天気データ’!A1:D3)

(曇りの日の温度と湿度を教えてください)

基本的なAI関数の書き方と少し変わり、範囲の直前に「シート名!」をつけることでシートを指定できます。

まとめ

GoogleスプレッドシートのAI関数は、テキスト処理やデータ分析のような非構造化データを扱う作業をぐっと効率化してくれる便利ツールです。特にテキスト生成、要約、分類、感情分析などではかなり便利です。

Googleアカウントの登録や、言語の設定が必要になりますが、一度設定すれば簡単に使うことができます。

ただし、現時点ではまだ制限も多めで、日本語プロンプトに直接対応していない点、手動更新が必要な点、他の関数との組み合わせに制限がある点などさまざまあるので、事前に理解しておく必要があります。

今後、日本語の本格的なサポートや機能の改善が進めば、既存の関数では対処できない複雑な場面での活用がさらに期待されます。AI関数の得意分野と制約をうまく押さえて、日々の業務をもっと効率的にしてみてください!

もし業務の効率化やAI活用に課題を感じているなら、ぜひ株式会社D2C Rへお気軽にご相談ください。

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