Creative 2023.09.11

キャラクター訴求のクリエイティブをより魅力的に制作するポイントとは?

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久保 文奈

CreatorZine転載分

こんにちは。
クリエイティブプランナーをしている久保文奈です。
以前の第6回記事(https://creatorzine.jp/article/detail/2958)では、キャラクターを活用し広告効果を高めていくための3ステップについて解説いたしましたが、今回は更に深堀りをさせていただき「キャラクター訴求のクリエイティブをより魅力的に制作するポイント」を抑えた、運用型広告のクリエイティブづくりについてお話しさせていただきます。 

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ソーシャルゲームにおけるキャラクターの重要性

まずは、ソーシャルゲームの利用実態について振り返っていきましょう。 

今や、この1年間にスマホゲームを1回以上プレイした人は全体の52%、月に1回以上プレイしているのは、48%と約半数を占めています。 この数値からもわかるように、スマホゲームは多くの年代で日常的にプレイされています。

引用元:https://www.cross-m.co.jp/report/it/20210824game/

参考:https://www.cross-m.co.jp/report/it/20210824game/

また、コロナ禍の影響もあり、スマホゲームのプレイ時間も伸びており、それに伴い、プレイ金額に費やす支出も増えているようです。

参考:https://www.cross-m.co.jp/report/it/20210824game/

猿楽庁が、2022年1月に実施した「課金にまつわるユーザー調査」を見ると「キャラの魅力」「ストーリー性」「綺麗なグラフィック」がコア層、ミドル層、ライト層でも大きな割合を占めており、特にミドル・ライト層では「キャラの魅力」が新しく始めたゲームを継続する決め手の中でも重要な要素になっていることがわかります。

参考:https://esports-world.jp/news/18692

ここからは、ゲームを継続する重要な要素である「キャラの魅力」をクリエイティブ内でより効果的に深堀りするために必要なポイントを解説していきます。

キャラクター訴求クリエイティブの基本の方は「ギャップ」

結論、キャラクター訴求では、 「ギャップ萌え」という言葉が日常的に使われるほど、人は見た目や第一印象とのギャップに惹かれます。なぜ、人はギャップに惹かれるのでしょうか?

「ギャップ萌え」という言葉が日常的に使われるほど、人は見た目や第一印象とのギャップに惹かれます。なぜ、人はギャップに惹かれるのでしょうか?

人がギャップに惹かれる理由の一つとして、心理学的に「ゲインロス効果」が関係していると言われています。「ゲインロス効果」とは、人の心理において、プラスとマイナスの変化量が大きいほど、人の心に影響を与える度合いが大きくなる効果のことを指します。 

 簡単にいうと、「相手に対して、最初にマイナスの印象を与え、その後にプラスの印象を与えた方が、より良い好印象を抱かせることができる」ということです。 

極端な例ですが、The真面目風な学生(眼鏡をかけて、制服もきっちり着ている)がゴミ拾いをしていると、「見た目通りだな」という印象になり、記憶に残りづらいです。

しかし、ギャルっぽい女の子やヤンキーっぽい風貌の男の子がこっそりゴミ拾いをしていると「なんていい子なんだ!」となりやすいですよね?これこそがゲイン・ロス効果です。

しかし、キャラクターのギャップを見せる際には、注意が必要です。

ターゲットにとってギャップには、「マイナスのギャップ」と「プラスのギャップ」があり、クリエイティブでギャップを見せる際には【マイナス⇒プラス】の見せ方をしなければ、ギャップ萌えを演出することはできません。

▼ターゲット:頼りなかったりする存在に対して「守ってあげたい!」という庇護欲の高い男性

例えば

・男勝りな表の性格(ターゲットの感情:強気なキャラもいいなぁ)→実は繊細でか弱い女の子(ターゲットの感情:え、可愛いとこもあるじゃん!守ってあげたい!)という見せ方をするとプラスのギャップを印象づけることができます。

しかし、これが逆の場合、

・繊細でか弱い女の子(ターゲットの感情:この子を守りたい)→実は男勝り(ターゲットの感情:え、守らなくていいんだ)は、第一印象の性格は好印象なのに、ターゲットの期待を悪い意味で裏切ることになり、イメージダウンになってしまいます。 

ギャップ萌えの基本は、良い印象に変わることです。
キャラクターのギャップを探す際はキャラのどの要素がマイナスなギャップで、逆にプラスのギャップはどこになるのかなどフラグ立てをしながら、深堀りしていきましょう。

ターゲットの感情を具体的に考えることで表現の最適解が見つかる

次のステップとして重要なのが「ターゲットの感情の深堀り」です。

・ちょっとやんちゃな見た目だけど、実は誠実で真面目
なキャラクターをクリエイティブで制作するとします。

では、このキャラクターに惹かれるターゲットはどのようなターゲットなのでしょうか?

・ヤンキーっぽい見た目が好きな人
・上記のギャップに惹かれる人
ですかね?いえいえ、これだけではキャラクターの魅力をしっかりと伝えるクリエイティブは制作できません。

このようなターゲットの感情の変化まで考えることが重要です。感情の変化をより具体的に考えることで、クリエイティブの構成やクリエイティブ内にどんな要素を入れるべきなのかが明確になります。

【ちょっとやんちゃな見た目だけど、実は誠実で真面目なキャラクター】のギャップに惹かれるユーザーの感情の過程を具体的にすると、下記になります。

「見た目はやんちゃそうでタイプかも。かっこいい。」⇒「え、こんなに繊細なの⁉実はさみしがりやなんだ!自分に自信がないから見た目を強そうに武装して、自分自身を守っているのかな…?うわ、この不器用さも尊い…。あなたが自分を信じられるように支えてあげたい…。」というようにユーザーの感情の流れを深堀りすると、
①冒頭はキャラのビジュアルで興味を引き付ける
②その後、真面目さや誠実な性格が伝わるシーンやセリフ、ビジュアルを保管するテキストを入れたほうがいい

など、構成や要素が明確になり、むやみやたらに素材を選ぶよりも工数を削減することができますし、クリエイティブが良効果になる確率も高めることができます。

効率的な素材選定のフローとしては以下になります。

Step1:ユーザーの感情の流れを決める。
Step2:キャラのビジュアルが人気の素材を選定
    └ソーシャルリスニングからピックアップするのがよい。
Step3:ギャップを伝える要素(セリフ、素材、プロフィールなどを選定
    └ソーシャルリスニングから任期のセリフなどをピックアップ
Step4:ユーザーの感情の流れに沿って、構成を考案。

このように目的をもって素材をえらぶことで、無数にあるクリエイティブ素材の中からなんとなくで選ぶ必要がなくなり、工数削減と効果のよいクリエイティブの創出に繋げられます。

キャラクターの深堀りを効果的に行う手段

最後に、前述で示したような「キャラクターのギャップの深堀り」「ターゲットの感情の深堀り」はどのような手順で進めるべきなのかを解説いたします。

推し活を日常的に行っている方々はある程度キャラクターのプロフィールを確認すると、感覚値で理解できるかと思います。しかし、まったく推し活をしたことのない方や、自分があまり担当してきていない領域のキャラクターのクリエイティブを制作することになった方は、是非、参考にしていただければ幸いです。

結論を申し上げるとキャラクターのギャップやターゲットの感情を深掘りする際に、一番効果的なのは、「ソーシャルリスニングを徹底的に行うこと」です。

SNSの浸透により、YoutubeやTwitterに莫大なターゲットインサイトが投稿されています。「このキャラに惹かれた理由」「特にこのシーン/セリフでこういう感情になった」などが非常にわかりやすいです。

最初は、大変かもしれませんが、ソーシャルリスニングでどんな単語で調べるとよいのかは続けていくうちに慣れてきます。「いいね」などを継続的に行っているとおすすめの投稿でも見る事ができますしね。

まとめ

「キャラクター訴求クリエイティブをより魅力的に制作するポイント」を解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか?

 今回は「キャラクター」に焦点を当てましたが、
・ターゲットにとってプラスとマイナスのギャップを意識する。
・ターゲットの感情の変化を具体的に考える。
・コンテンツの良さをソーシャルリスニングで分析する
という上記3つのポイントは他の商材にも転用することができると思います。

また、キャラクター訴求を行う際のフローとしては下記4ステップを意識することで

Step1:ユーザーの感情の流れを決める。
Step2:キャラのビジュアルが人気の素材を選定
    └ソーシャルリスニングからピックアップするのがよい。
Step3:ギャップを伝える要素(セリフ、素材、プロフィールなど)を選定
    └ソーシャルリスニングから人気のセリフなどをピックアップ
Step4:ユーザーの感情の流れに沿って、構成を考案。

運用型広告のクリエイティブが良効果になる確率を高めることもできますし、クリエイティブ制作で意外と時間を取ってしまう素材選びなども効率的に進める事ができるようになるので、ぜひ、上記3つのポイントを意識したクリエイティブ制作を参考にしていただければと思います。

この記事を読んでいる方へ

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久保 文奈

今年入社した新卒1年目のクリエイティブプランナー。 「TikTokといえば久保に相談」というようなプランナーになるのが目標です。 趣味はグルメ、マンガ、美術館、神社仏閣巡りと雑食。

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