Creative 2023.07.03

媒体設定では出来ない、クリエイティブでのターゲティングとは

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辻 藍里

CreatorZine転載分

こんにちは!株式会社D2C Rでクリエイティブプランナーをしている辻藍里です。

今回は若年層女性がターゲットの場合に焦点を当て、
運用型広告で成果を伸ばすための「クリエイティブでターゲティングする」という考え方についておはなしさせていただきます。

若年層女性ならではの特徴を踏まえた上で、転用しやすい考え方となっておりますのでご参考にしていただければ幸いです!

この記事を読んでいる方へ

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「クリエイティブでターゲティングする」とは?

早速ですが、あまり聞き慣れない「クリエイティブでターゲティングする」という考え方について、
実際のクリエイティブを踏まえながら説明していきます。

まずは下記2つのクリエイティブについてご覧ください!

どちらも女性向け商材・女性向けサービスのクリエイティブとなり、
「クリエイティブでターゲティングする」という考え方が反映されたものです!

それぞれのクリエイティブで、考え方が反映されているポイントは下記となります。

①「20代」「あごニキビ」という単語を含んだコピー
②濃いグレーと青みピンクを中心に、レースを施したデザイン 

それぞれ獲得が見込めるユーザーの年代や特有の悩み、普段着用しているお洋服のデザインをクリエイティブ表現に取り入れており、
”狙いたいターゲットユーザー”のみから関心を惹くことが出来ます。

つまり「クリエイティブでターゲティングする」とは、媒体設定では不可能なサイコグラフィックな部分を
クリエイティブ表現でターゲティングする事、です。

若年層女性がターゲットの際に活かすメリット

次に、若年層女性の特徴を踏まえつつ、ターゲットユーザーとする際にクリエイティブでターゲティングする必要性や
メリットについてお話しします。

まず若年層女性の特徴は、大きく2つあります。

1つめは、デジタルネイティブ・SNSネイティブ世代であるという点です。

総務省の情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書からは、10代~20代について平日・休日ともにネットの利用で最も多いのが「動画投稿・共有サービスを見る」、2番目に多いのが「ソーシャルメディアを見る・書く」と発表されていたりと、運用型広告を目にする機会が多いユーザーとなっています。
また、新しいブランドや商品もSNSを通じて情報を得ており、媒体はビジュアルデザインを重要視するInstagramが多く活用されています。

参考:https://www.soumu.go.jp/main_content/000831290.pdf

参考:https://dime.jp/genre/1305758/

2つめは、デジタルネイティブならではの“多様性と自分らしさ”を大切にしている点です。

デジタルネイティブな若年層は、多くの情報の中で生活することが当たり前になっており、多様な価値観や文化に触れ、多様性を受け入れることに抵抗を感じない傾向にあります。
その反面、多様性を認めるとともに自分らしさを重視する傾向が強く、「自分も人と違ってよい」という価値観をもっていることが多いです。
個性や自分らしさを大事にしているため、パーソナルカラー、骨格タイプ診断など、自分の個性を活かすサービスが若年層女性から人気となっています。

特徴をまとめると、若年層女性は運用型広告に慣れており、個の尊重を重要視しています。
また、広告に関心を持ってもらうためにはビジュアルコミュニケーションがポイントとなってきます。

だからこそ「クリエイティブでターゲティングする」という考え方を活かして「どんなユーザーに見てもらいたいか?」を表現し
パーソナライズ化されたクリエイティブ制作を行うことで自分事化の促進、広告成果へ繋げることが出来ると考えています。

クリエイティブでターゲティングする際のポイント2つ

運用型広告にて「クリエイティブでターゲティングする」という考え方の魅力をお伝えしてきました。
ここからは、実際のクリエイティブ制作時に考え方を反映するためのポイントを大きく2つに分けておはなしさせていただきます。

女性によって差異が出るネイルデザイン

若年層女性がターゲットと言っても、様々な属性の女性が見受けられます。
下記は一例ですが、大きく3つの属性を考えてみました。

①キレイ系女子

西麻布/銀座/六本木/表参道/恵比寿に生息
シンプルで身体のラインがわかりやすい服を着こなす
流行りのものには敏感で、ミーハーな一面もあり

②量産型女子

主に新宿歌舞伎町/池袋に生息
リボンモチーフやレースデザインなど可愛らしい服を着こなす
周りの目は気にせず、自分の好きなものには一直線

③ナチュラル系女子

中目黒/吉祥寺/高円寺/下北沢に生息
古着やスニーカーなど、カジュアルな服を着こなす
買い物をする時は、似た商品を複数ブランドで比較してから購入する傾向

上記は居住地や嗜好を調査し、「たしかにこんな女性いるよね!」というペルソナイメージになります。

しかしこれらの情報のみで「クリエイティブでターゲティングする」という考え方を活かした、
若年層女性向けのクリエイティブ制作に繋げる、というのは難しいです。

そこで私がオススメするのは、“属性の女性毎に、施しているネイルのカラーやデザインに着目する!”
という調査と理解の仕方となります。

ネイルは、女性が「可愛い、好き、似合いそうだ」と趣向が特に現れる部分であり、こだわりの強い女性も多く見られます。

つまり、ネイルで使用しているカラーやデザインに近いクリエイティブは「自分向きだ!」とパーソナライズ性を感じてもらいやすく、目に止めてもらえる可能性が高いことになります。

下記は、私が調査した結果の、それぞれの女性が施しているネイルデザイン例となります。

①キレイ系女子 ②量産型女子 ③ナチュラル系女子 

①肌のイエローベースのピンクカラーを活かしたフレンチが施されているデザイン

②青みピンクをベースとして、黒のリボンが施されたデザイン

③やさしい緑やゴールドを基調としたニュアンスデザイン

属性によって、ネイルデザインの傾向は大きく異なることがわかりますね。

「ペルソナも理解出来た、訴求したい内容も決まった、でも表現やデザインが…」と悩んだ際、是非参考にしていただければと思います。

ピンク色の使い分けで、ペルソナ像が見える!?

女性向け商材で良く使うピンク色に関しても、「クリエイティブでターゲティングする」という考え方では使い分けが必要となります。

前提、男性と女性では、色を認識する数(色の幅)が違うと言われています。

こうした色に対する感覚の違いが一番わかりやすく表れるのが、女性向け商材で多く使用されやすいピンク色となります。

ピンクといっても、サーモンピンクなどイエローベースの「暖色系のピンク」と、ショッキングピンクなどブルーベースの「寒色系のピンク」の2系統が存在しています。

上記を踏まえて、弊社では、「同じ訴求のクリエイティブでも、使用するピンクの色味によって獲得ユーザーに差異が出るだろう」と仮説を立て、下記の検証を行いました。

女性向け商材にて、同じ訴求、同じコピーを採用し、ピンクの色味のみ変更してクリエイティブ制作。

結果としては、imp、CTRに大きな差はないものの

左のブルーベースのクリエイティブは18歳~24歳女性の配信量と25歳~34歳女性への配信量が5分5分だったのに対して、
右のイエローベースのクリエイティブは18歳~24歳女性への配信量が8割以上を占めました。

また、右のイエローベースのクリエイティブの方がCVを獲得し、良効果での着地となりました。

この検証によって、ピンク色の種類を使い分けることによって、女性の中でも自分ごと化できる年代層に差異があることが見えてきました。

さらに、先ほどお話した”青みピンクカラーを使用したネイルを施す傾向にあるのは量産型系女子”というポイントも掛け合わせると、商材と親和性の高いユーザーのペルソナ像理解も深まります。

過去に検証したものの、良効果が得られなかった訴求軸も商材と親和性の高いユーザーのインサイトを深掘りすると、獲得に繋がる可能性もあります。

まとめ

若年層女性の特徴を踏まえ、ターゲットとする際に活かせる「クリエイティブでターゲティングする」という考え方と、実際のクリエイティブ制作時に活かすためのポイントについてお話しさせていただきました。

「考えられる訴求軸は全て検証したし、デザイン面でも打ち手が見つからない…」
「媒体設定だけではなく、より自分事化させるクリエイティブをつくりたい…!」

そんな時の打開策として、活用していただければと思います!

それでは次回もお楽しみに!

 

この記事を読んでいる方へ

▼2024年4月の媒体アップデート情報
・Xの2024年Q3のテイクオーバー商品情報解禁
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など広告担当者必見の内容になっています。

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辻 藍里

統合プランニング本部 クリエイティブ部所属、 スタートアップ企業様の事業グロースに貢献するため、 クリエイティブを起点としたマーケティングを勉強中。1CVに毎日必死です。

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