Creative 2022.02.26

デジタルとオフラインの狭間で苦しんだ元デザイナーのはなし

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安周 里佳

こんにちは、初めまして!
クリエイティブプランナーの安周です。
前職では、オフライン広告を中心とした企画制作会社で、ディレクター兼グラフィックデザイナーをしていました。
「私が作った広告で、ユーザーの心は動いてるの?」
そんな疑問を抱き、成果が数字で見えるネット広告の世界へ飛び込み早一年。
「わからないことがわからない!」怒涛の日々を過ごした中での学びを語らせていただきます。

「オフライン広告は華やかだけど効果が見えにくい…」
「ネット広告は成果が見えても、アウトプットが美しくない…」など、
デジタルとオフラインの狭間で揺れるすべての方に、なるべくリアルな “違い” をお伝えできればと思います!

この記事を読んでいる方へ

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広告の目的

いきなりですが、広告の目的はなんでしょう?

  • 売上達成に貢献するための販促ツール
  • ユーザーの購買意欲を促進するためのイメージ作り

この記事をお読みの方は、こんな印象をお持ちではないでしょうか。
デジタルもオフラインも広告である以上、その目的は同じです。
だから、基本的なクリエイティブの組み立て方も一緒のはず。
なのに、実際作ってみるとデジタルの方が圧倒的に複雑で難しい気がしました。

なぜ?

実際の企画の考え方を踏まえて解説します。

デジタルとオフラインの違い

まず施策の目的を決め、広告を発信すべきターゲットを絞り込みます。
その後、カスタマージャーニーマップを作成し、市場規模や獲得母数に応じて適切な施策を策定していきます。
ここまでは概ねセオリー通りかと思います。

オフラインの特徴

前職の場合は、“オフライン媒体(ポスターや駅サイネージ)へ出稿。網羅的なクリエイティブ表現でユーザーへアプローチ”が基本です。

オフライン広告は老若男女問わず幅広い趣向の人に露出が可能な媒体
クリエイティブを網羅的(=万人受け)に寄せることで、より多くのユーザーの興味を引くことが可能です。
ブランドに対する共感や憧れを創出することが、最も獲得効率の良い方法と言われていました。
ビジュアル表現の妥協はもちろんNGで「100人中99人の消費者に “ポジな印象を残すこと(かっこいい、洗練されているなど)”」と、耳にタコが出来るほど言われのを覚えています。

とはいえ、オフライン広告なので本当にそうすることが成果に繋がるのかはわかりません。
ですので前職では、チームメンバー全員で「かっこいいと思えるか」を追究し、確からしさを高めていました。

「消費者も私たちも同じ人。私たちが良いと思えなければ良いモノになり得ない」。前職で教わった特に心に残っている言葉です。“人の気持ちを主軸に顧みること” は私たちにとって絶対に欠かせないことです。 10回でも20回でも、感覚的な微調整は日々行うことが当たり前でした。

▲チームメンバーからの指摘で感覚的に微調整を重ねる(一例)

経験を積むにつれ「自分が作ってるものは自己満足ではないか。この広告でユーザーの心は動いているのか。」疑問を持つようになりました類似競合サービスの増加が進み、広告に対するリテラシーも向上。私自身も商材の差を明確に把握できなくなっていましたし、目に見える印刷部数の減少などから、ユーザーが広告をスルーする力を身に付けているようにも感じていました。

ネット広告が得意なこと

ネット広告の良いところは、なんといっても使えるデータの精密さとその量の多さです!年齢・性別・職業といったデモグラだけでなく、趣味趣向も踏まえた精緻なターゲティングでピンポイントなアプローチが可能。広告を配信する媒体やデバイスも、目的に応じて自由に選定できました。オフライン広告あがりの私からしたら、まさに目から鱗。これにより親和性の高そうなユーザーへ、それぞれのベネフィットに基づいたアプローチが出来る。「ネット広告、強い…!」心の底からそう思いました。“限られた広告費用で多くのユーザーを効率良く獲得できる” 。1回で莫大な金額を使うオフライン広告と比較すると、コスパの良さもまたネット広告の強みだと感じています。

▲広告で与えられるユーザー心理のイメージ

ただし、ネット広告には、“データに固執するあまり、良くも悪くも費用対効果さえ合えばいい” という風習があるのもまた事実です。私自身が「ふと我に帰ると、成果に追われ数字に溺れていた」のはつい数ヶ月前のことです。

とあるクライアントを担当した際に「成果は合うのかもしれないけど、この広告は私たちのブランドイメージから離れている」と、ご指摘を受けたことがあります。
その時、広告がユーザーへ与える影響やアプローチすべきユーザーの質を疎かにしてしまっていたことに気付きました。お恥ずかしながら、前職では当たり前のように考えていた筈の “人の気持ちを主軸に顧みること” が出来なくなっていたのです。
成果が見えるとどうしても数値に囚われ、視野が狭くなってしまう。学びであり、大きな反省でした。

デジタルとオフラインの融合

私がそこから学んだのは、柔軟な視点を持つことです。

「コスパ重視で獲得ならネット広告!金額消化で認知獲得ならTVCM!」と決めつけるのではなく、ブランド重視か、成果重視か。クライアントの温度感も鑑みた際にバランスをどう調整するのか、など、目的や必要に応じて “クライアントが持つ課題に対して、いま使える武器で出せる最大のパフォーマンスを考えること”こそが、広告効果の最大化はもちろん、日々の業務において大切にしています。

オフラインだけをやっていた前職よりも、結果が出る喜びにのめり込んだ数ヶ月前よりも、“いまが一番楽しく柔軟に、クリエイティブに向き合えていると自負しています。

クライアントが売りたいモノを、欲しいと思っているユーザーに、そのユーザーが好むビジュアル表現で的確に届けられる広告の時代。

「いつ、誰に、どんな情報を、どんな形で送るべきなのか」をデータに基づいて深く分析し、ユーザーのインサイトをおもんばかって作る広告こそ、広告の”あるべき姿”ではないかと感じています。

成果も良くユーザーからの反応も良い “強いクリエイティブ” を生み出せたときの快感はひとしおだからです!

▲デジタルとオフラインの簡易特性表

おまけ 〜ネット広告におけるビジュアル表現の謎〜

「この広告ダサい」「パワポみ、ある…」思わず目を疑うようなネット広告に出会ったことありませんか?ビジュアル表現の質の低さはネット広告が持つ根強い課題の一つだと私も感じていました。でもこれ、意味なくダサいわけではないようです。考えられる理由を2つほどご紹介します。

① 適任者が居なかった問題?
数年前、突如普及したネット広告。「ネット広告配信しよう!バナー広告…作ってくれる人が居ない!えぇい、俺(素人)が作る!」という歴史があったとか無かったとか…。それが効果が良いので良いとしている、コスパが見合わないから最低限のクオリティで出している…など、諸説あるみたいです。気になる方は調べてみてください。(D2C Rのデザイナーさんは、クオリティにもこだわりを持たれている方が多いです)

② 引きの強い表現手法
昨今、効果の良い表現手法としてUGC風が流行りましたね。“素人っぽさ” を演出することで広告臭を排除し、ユーザーに抵抗なく視聴してもらう手法です。これに関しては【後編】で少し触れたいと思います。

あとがき

またまだ新参者ですが、クリエイティブへの愛と、広告を通じてユーザーへ気付きや驚きを届けたい想いは誰よりも強いと自負しています!

「数打ちじゃなくて、強いクリエイティブで効率的に広告配信したい」
「クオリティにもこだわって作って欲しい」
「成果も大事だけど、サービスの魅力が伝わるような広告配信がしたい」など…

現状のクリエイティブにお悩みをお持ちの企業さま。
是非一度、わたしたちに広告制作のお手伝いをさせていただけませんか?
お問い合わせお待ちしております!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

株式会社D2C Rは、アプリ・Web配信企業やコンテンツプロバイダをはじめとする広告主のニーズにマッチした、効果的な広告の開発・提供を行うデジタルマーケティング会社です。

D2C Rでは、企業が提供する良質なコンテンツやサービスに関する情報を、より多くの生活者に届けることを通じて、生活者の生活をより豊かにします。また、モバイルコンテンツ市場の健全な発展に寄与すべく、安心かつ効果的なデジタルマーケティングサービスを提供しています。

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安周 里佳

クリエイティブ部 クリエイティブプランナー / 広告企画制作会社でデザイナー兼ディレクターを経験後、D2C Rに転職。全学生時代を美術専攻で終えたのはちょっとだけ自慢したいこと。何かとマイナスに捉えられがちな広告を、ユーザーから愛される魅力的な存在にすべく、日々奮闘中!

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