Creative 2021.02.17

女性ファッション誌のコピーを分析してみた

上野 美紅

上野 美紅

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こんにちは、はじめまして!クリエイティブプランナーの上野です。

早速ですが、この記事を開いたということは「女性に刺さるコピーってどうやってつくるの?」と思っていらっしゃるのではないでしょうか。
街を歩いていると、コスメの広告だったり、ショッピングモールの看板だったり…素敵なコピーがいっぱいありますよね。

ところが!デジタル広告はどうでしょうか。
外見のコンプレックスを訴求する広告に不快感を覚えたことはありませんか?
昨年は外見コンプレックスを煽った広告の差し止めのため署名活動が行われたり、いろんな取り組みがあったので、少しずつ改善はされてきています。
でも、「ちょっと攻めた表現を使わなきゃ、ユーザーの目には留まらなそう…」「獲得重視のデジタル広告は、“なんか素敵”より“強さ”が大事」と、ぼんやり感じている人は多いのではないかと思っています。

だからこそ私は…
ネガティブなこと言わずに強いコピーを作りたいんだ!!
と思います。だって人間だもの!ポジティブなものに触れていたいですから!
そして、それができているのはどこだろう?と考えたときに女性ファッション誌が思い浮かびました。
雑誌の表紙って見ているだけでワクワクしませんか?
私はファッション誌のコピーに、強いときめきを感じます!!

ファッション誌って、もちろん流行はあっても、だいたい言いたいことはいつも同じになってしまうはず、と思うんです。
というのも、春は毎年カラーを取り入れるのが定番だし、スタイル良く見えるコーディネートだって、目の錯覚の原理でも狂わない限り、違うことは言いづらいから…。
でも常にちゃんと新しい言葉が生まれている。
だから、ファッション誌の言葉の使い方は勉強になるはずで、ここに広告のコピーにも通ずるヒントが潜んでいると思うのです。

ということで…今回は直近1年間の女性ファッション誌のコピーを分析し、広告のコピーでも活かせそうなTipsをまとめてみました!
ぜひぜひ最後までお付き合いいただけますと幸いです。

女性ファッション誌から発見!コピーTips5つ

コピーを考える上で、まずは物事の本質を捉えることや、受け手にどんな提案をするのか考える必要があると思いますが、ここでは言葉に焦点を当てて見ていきます!「伝えたいことは定まった!よし、コピーに乗せよう!」という段階で、ヒントとなるものを挙げ出しております。

逆に「そもそも伝えたいことが決まってない!」という段階で、言葉から飾ろうとすると、中身がスカスカになってしまうと思います。まずは、そっちから…という場合は、以下の記事もご覧ください!

良いクリエイティブは、良い情報収集から。

元デザイナーが語る、強いクリエイティブの考え方

 

①「わたし」のセリフ型

まずは、わたし(読者)のセリフになっているものです。よく見かけるものとして、「○○しよう」「○○なら△△!」など、こちら(訴える側)のセリフ、問いかけ系・提案系のコピーがあります。もちろん、そういうコピーで強いものもありますが、世の中に多い分、「わたし」のセリフ型はそれだけで目を引きやすい気がします。何より、「え、私が考えてること、いま口に出てた⁈」と思わせやすい!
「私は○○します」というド直球だけでなく、語尾を変えるだけで、だいぶ「わたし」の発言っぽくなります。なんか普通すぎ…?と思ったときは、このように言い換えてみると、新鮮味が増すのではないでしょうか。

 

②反対ワード組み合わせ型

次に、修飾語をよりイメージとは遠いワードで掛け合わせたもの。これが効く理由のひとつは、ギャップを感じやすい言葉に言い換えてみると、何でそれじゃなきゃいけないのかが際立つからだと思います。これは言葉のテクニックと言うよりも、価値を転換するという、コピーの本質的なワザにも関わってきますが、例のもので考えてみましょう。
例えば、「モノクロワンピを探す旅」と言われると、「へ~そうですか」としか思いません。じゃあ「“甘くない”ワンピを探す旅」なら?「“キレイめご近所服”」を「“気分が上がるご近所服”」と言ったら?「ワンピって甘めの印象」と思っている人に、「ご近所服は手抜きスタイルで十分」と思っている人に、それを選ばなきゃいけない理由がハッキリと見える形になったと思います。

 

③類義語チェンジ型

②のような組み合わせは無理そう…というときは、こっちならもう少しやりやすいです。一部の単語を“いつも合わせている語”の類義語にチェンジすることで、キャッチーさを生み出すものです。その類義語が思いつかないんだ…!というときは、類語辞典で調べて使えそうな単語がないか泥臭く調べてみるのも、全然アリだと思います!
例のもので言うと、関連語・連想して出てくる言葉も考えられますね。「デートワンピ」と言うと、勝負服感が強く新鮮味のない言葉ですが「カノジョワンピ」に言い換えることで、あまり聞いたことのない言葉に変身できていると思います。

 

④ハードル落とし型

次は、当たり前のこと言っているように感じるかもしれませんが、「ちょっと変えたら、もう少しハードルの低い文にならない?」とできるだけ推敲することです。
例の「捨てる・着やせる・痩せる」の順番が「痩せる・着やせる・捨てる」だったらどうでしょうか。まず痩せなきゃいけない感がしませんか?
また、「お肌で変わる運命ある 真冬のスキンケア読本」だったらどうでしょうか。私は「」になるだけで、相当お肌を変えなきゃいけない感じがします。「」だから、ちょっと変わるだけでイイことありそうくらいに感じられます。
このように、順番を変える・助詞を変えるなどの細やかな調整だけでも、コピーから感じるハードルはもっと低くできます。

 

⑤自己らしさ肯定型

最後に、これは最近のトレンドで、「自分らしさ」を軸にしたコピーです。今回いろんな雑誌を見ていて、どの表紙にもひとつはあるんじゃないかというくらい、たくさん見つけました。今はコロナの影響もあって、「自分を労ろう」的なメッセージ性も増えていますね。
最近は「イエベ/ブルべ」「パーソナルカラー」や「骨格タイプ別」などに当てはめた解説が流行っていますが、「こうしなきゃダメ!」ではなく「あなたの良さが引き立つよ」というニュアンスで伝えた方が良いと思います。

 

まとめ

①~③は「なんかフツーすぎ?」なときに、④⑤は「ちょっと理想論すぎ?」「押し付けがましい?」なときに使えそうですね。決して、ネガティブなことを言わなくても、強くてポジティブなコピーがつくれそうな気がしてきませんか?

今回示したTipsは以上の5つですが、これ以外のヒントもまだたくさん眠っていると思います。私は以下のような手順でよく分析しています。「このコピーなんかいいぞ⁈」と思ったら、その場、頭一つで考えられるお手軽手法です。

コピーを考える上で注意したいこと

ですが…「“ポジティブ”なコピーなら絶対に安全か」と言われると、そうではありません。
最後に、女性をターゲットにする上で、コピーのTipsよりも大切にしていきたいことをお話させてください。
たとえば、Tips⑤の自分らしさ肯定型を使用したコピーで、議論があった事例を見てみましょう。

 

必ず“ポジティブ”で良いとは限らない

昨年、花王さんは生理用品ロリエのプロモーションで「生理を“個性”ととらえれば私たちはもっと生きやすくなる」というコピーを掲げていました。コンセプトもポジティブなもので、「生理痛は個人差の大きいものだけど、お互い理解し合っていこうね。その違いを“個性”と捉えれば、助け合えるはず」といった内容でした。
しかし、「“個人差”と“個性”は違う」といった反応、「仕事に行けないくらい辛い生理を“個性”で済ませるべきではない(実際、病気のサインであることもあり、見逃してはいけない)」などの意見がありました。
(※上記は、私の要約文なので、詳細をきちんと知りたい方は調べてみてくださいね…!)

「理解し合おう・生理の重い人が“悪い”わけではない」という方針自体は問題がなさそうですが、何でもかんでも“みんな違ってみんないい”では説明しきれない、ということがよく分かる事例だと思います。このように、伝えたいメッセージがポジティブだったとしても、細かく背景や言葉のニュアンスに配慮しなければ、コンセプトを正しくコピーに乗せることが難しい題材も存在します。

 

対策はないけど、できることはある

近年は多様性や女性のエンパワーメントについて、よく語られる時代になってきましたが、その分、議論も起こりやすいテーマでもあります。残念ながら、完全なる対策というものは存在しないでしょう。でも、できることはあると考えています。
それは日ごろから、女性たちのリアルな声に耳を傾けること、こういった“女性”に関する様々な議論を聞いて、思考を続けること。そして、それですべて知った気にならないこと。

 

綺麗事を言っているようですが、本気で、心の底から思っています!
意識を変えるだけでも「このコピーって、違和感ないかな?」と気づける感度はかなり変わってきますし、感度を高めることが最大限できることではないでしょうか。

最後はちょっと真面目な話になってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます!何か一つでも印象に残ったものがあると嬉しいです。

 

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上野 美紅
上野 美紅

2020年度入社の最年少クリエイティブプランナー。日々先輩たちの背中を追いながら猛勉強中。学生時代から続けているダンスが趣味で、TikTokハッシュタグチャレンジの振り付けを担当したことも。

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