Creative 2021.02.24

動画広告における「構成」のポイントって?

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佐藤 菜穗

初めまして。
動画エディターの佐藤 菜穗と申します。
以前はグループの広告制作会社でキャンペーンサイトや動画のディレクション・制作を行っていました。
現在はゲーム案件やコスメ・保険などの様々な広告を日々制作しています。

突然ですが、動画広告を作る上で大事なことは何だと思いますか?
パッと思いつくのは下記のような要素でしょうか。

・ターゲット
・訴求軸
・コピー
・表現(デザイン)

もちろんそれらは大事ですが、もう一つ、大切なものがあります。
それは、動画の「構成」です。

例えば、15秒の動画広告があったとして、ラスト5秒に一番訴求したい内容・コピーを入れていたとします。
それがどんなに良いコピーであっても、前半の10秒が退屈で視聴離脱されてしまっては、ユーザーに伝えたい内容は届きません。

動画広告で商品の魅力を伝えてコンバージョンへ繋げるためには、「ユーザーに興味を持ってもらえる構成(動画の流れ)」が必要です。
そこで今回は「動画広告における『構成』の重要性とポイント」についてお話させていただきます。

 

この記事を読んでいる方へ

▼2024年3月の媒体アップデート情報
・Yahoo!の画像アセットの提供開始
・TikTokのカルーセル広告が一般利用可能に
・Xのバーティカル広告や最適化学習の強化
・LINEのトークリストで動画に対応
など広告担当者必見の内容になっています。

詳しく知りたい

構成がもたらす影響は?

動画の構成が重要だということは言われてみればなんとなく分かるものの、構成が違うだけで本当に効果に差は出るの・・・?
その疑問に挑むべく、動画を4つのパート(カット)に分け、パートの組み合わせが異なる動画を制作して検証を行いました。

簡単に各パートを説明すると下記のようです。

・アテンション(注意喚起):ターゲットの心を掴んで視聴を継続してもらうためのパート
・訴求ポイント:その動画広告で一番伝えたいポイント
・動機付け:補足的な情報を伝えて、行動の動機付けをするパート
・CTA:具体的な行動を促すパート

今回は下図のような動画3本で検証しました。デザインは3本とも同じです。

早速、検証の結果を見ていきましょう。
下図はパターンA〜Cの数値をまとめたものです。

このデータから、構成を変えただけで効果に差が出て、今回の訴求内容で最も効率的に獲得できる構成はパターンBであることが分かりました。
「ジェム1億コもらえるチャンス」といった引きの強い内容であれば、それ自体で興味を引けるので動画冒頭に出してしまった方が良いということと、「◯◯万円分もれなくもらえる」といった動機付けがあるほうがコンバージョンに繋がりやすいことが言えそうです。

この結果を踏まえて、今度は以下のような構成で動画を制作/配信しました。
訴求ポイント自体がアテンションとして機能することと、動機付けをより強めればCVRが向上するのではないかという仮説に基づいています。

デザインなど構成以外の要素による影響もありますが、結果、このパターンDはパターンBと比べてCVR1.5倍・CPA20%抑制と効果改善することができました。

 

構成のフォーマット

構成がもたらす影響について、一例を通してお伝えしました。
次に気になるのは実際の構成の考え方です。

構成考案は広告のターゲットや訴求軸を決めた後に、動画内にどのような要素をどのような順番で入れていくかを決めていく工程となります。

ここでは動画広告でよく使われる構成のフォーマットをいくつかご紹介します。

 

①問題提起形式

冒頭にユーザーの悩みや問いかけ調の言葉を表示して問題提起し、「このサービスならこのように解決できます」といった解決策を提示する方法です。

冒頭で共感を得ることで興味を引くことができ、ストーリー性があるために最後まで見てもらえる可能性が高まります。

 

②商品性紹介形式


ストーリー性は持たせずに、ストレートに商品の魅力を紹介していく方法です。
例えば、ゲーム商材の場合、キャラクター紹介やゲーム画面を次々に見せていく方法がこのタイプにあたります。

商品の優位性が高く、機能自体がユーザーに驚きやメリットをもたらすものである場合に有効な構成だと考えられます。

 

③HowTo / Tips紹介形式

手順を紹介するHowTo動画や、コツ/ヒントを紹介するTips動画も動画広告で有効な構成の一つです。
例えば、コスメ商材ではヘアアレンジのHowTo、ゲーム商材では初心者が強くなるためのTipsを紹介していくようなタイプの動画です。

この形式では、ターゲットの知りたい情報を見せることで興味/理解の促進が期待できます。具体的なサービス利用イメージを沸かせることができるためコンバージョンへの不安を払拭できるのがメリットです。

 

④ルーレット形式


静止画素材をルーレットのように高速で切り替える動画の構成です。
例えば、ゲーム商材であればキャラクターのイラストや特徴を高速で切り替えて、ユーザーにタップやスクショで止めて見てもらいます。

高速で切り替わることでユーザーは”思わず”興味を引かれ、動画を止めて見ることで訴求内容の認知/理解も向上します。
SNS広告において、このようにインタラクティブ性があってユーザーに楽しんでもらえるコンテンツはエンゲージメントを生みやすい傾向にあります。

 

構成のポイントは?

ここまで構成の重要性とフォーマットをいくつかご説明しましたが、最後に全ての構成において共通して心がけるべきポイント3点をお伝えしたいと思います。
動画広告を制作する際にはぜひ意識したいポイントです。

 

①冒頭2秒のアテンションで興味を引く

ユーザーがスマートフォンの画面をスクロールする速度はわずか1.7秒とも言われています。特にスマホネイティブの若者は「見るか」「見ないか」をすぐに判断してしまうため、いかに冒頭2秒で興味を引きつけてスクロールの指を止めてもらえるかが重要です。

動画冒頭の「アテンション」ではキャッチーな情報を伝えることや、ユーザーへの問いかけ・呼びかけ・ルーレットなどという”思わず”興味を持ってしまうギミックを取り入れることが有効です。

 

②1本の動画にメッセージを詰め込みすぎない

15秒程度の動画に言いたいことをたくさん詰め込んでしまうと、結果的に何が言いたいのか分からず、ユーザーに何も伝わらない動画になってしまいます。
そのため、1本の動画では「1つの訴求ポイント」に絞り、その1つを伝えるために「動機付け」や「問題提起」といった複数の工夫をしていくのがポイントです。

 

③フォーマットに捉われず新しい構成にチャレンジ

普段SNS広告を見かける際、漫画形式のものなど「最近こういう広告よく見るな〜」と思うことがあるかと思います。
本記事で紹介した「ルーレット形式」の構成なども同様に、初めは目新しくても見慣れてしまえば「よくある広告が流れてきた」とユーザーに飽きられてしまうはずです。

飽きられない広告を作るために、弊社のクリエイティブチームでは驚きや共感・楽しさを与えられるような新しい構成を日々考えて制作を行っています。

一例をご紹介すると、先ほど紹介した構成のフォーマットを応用して下記のような構成で動画を制作しました。

冒頭2秒間「ルーレット形式」→「問題提起(問いかけ)」→「商品性紹介」→CTA

この動画は配信開始から約2ヶ月経ってもコストシェア上位の良効果クリエイティブとなっております。

 

最後に

本記事では、動画広告における「構成」の重要性とポイントについて紹介いたしました。

動画広告では、商品の特性やターゲット・訴求軸に応じて構成を様々な形に工夫していくことが重要です。
また、配信するメディアやターゲットの年代によってもユーザーに興味を持ってもらえる構成は違ってくるのです。

現在配信中の動画広告の効果が伸びきらないのは、コピーやデザインのせいではなく、実は構成のせいかもしれません・・・

D2C Rではユーザーの心を動かす広告配信のため、ターゲット・訴求軸・デザイン・構成…など、様々な視点から広告考案・制作を行っています。
クリエイティブについてお悩みのある企業様は、どうぞお気軽にD2C Rまでお問い合わせください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を読んでいる方へ

▼2024年3月の媒体アップデート情報
・Yahoo!の画像アセットの提供開始
・TikTokのカルーセル広告が一般利用可能に
・Xのバーティカル広告や最適化学習の強化
・LINEのトークリストで動画に対応
など広告担当者必見の内容になっています。

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佐藤 菜穗

総合プランニング本部クリエイティブ部所属。ゲーム・コスメ・保険など幅広い案件にてプランニングとディレクションを担当。趣味はトランペットとデジタルアート鑑賞。一眼レフも趣味だったが、最近はおこもり生活につき持て余し中。

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