【イベントレポート 前編】音マーケティング「時代×生活者から見た“音”の変化」
新井 優奈
こんにちは!クリエイティブプランナーの新井です。
5/26に弊社主催のウェビナー「アド耳2021」が開催されました!
こちらの記事では、ウェビナー前半の内容をレポートいたします。
前半となる第一部では「時代×生活者から見た“音”の変化」と題し、
なぜ『音』が注目されてきたのか?について、弊社クリエイティブプランナーの郡が解説。
生活の中で人々に大きな影響をもたらしている音について、一緒に考えていきましょう!
目次
スピーカー紹介
メインスピーカー:郡 茜
株式会社D2C R 統合プランニング本部
大学卒業後、広告業界に入りコピーライター・プランナー・CDとして一貫してクリエイティブに携わる。2015年~個人事業主として動画マーケティング会社、アプリ支援会社、IT系企業等と契約。ブランディング~獲得の両領域にて実績を上げる。
第71回広告電通賞WEBムービー部門最優秀賞受賞 2020年9月から現職。
“音”を取り巻く市場・環境の変化
音が注目された背景
昨今、“音”がより注目を集めるようになったことについて、日本におけるキーイベントがその背景にあるようです。
【サービス】
TikTok,Clubhouse,radiko,Spotifyといったサービスの増加・成長
→オーディオアド(音声広告)も増えている【ガジェット】
ワイヤレスイヤホン,骨伝導ヘッドホン,音声系ガジェットの普及【世情】
パンデミック(コロナ)
→コロナ化で自由に消費できる時間が増えたこと、リモートのイベント増加
「Clubhouseが流行ったよね」など、それぞれについては認知しているものの、こうして世情・プロダクト・サービスを結びつけてみると、「音」の注目度の高さに改めてはっとしますね……!
より気軽に音に触れることができる時代が来ていると言えそうです。
2018年でこの割合……!月額性、手軽さなども影響している気が。
数値的に観察してみても、音に関する市場が拡大の一途をたどっていることがわかります。
ここ数年の映像・音声需要の変遷
▼市場の変化から推察したイメージ図
また、郡自身も、動画コミュニケーションをおこなった経験から図のような変化を感じているとのこと。
2016年頃は8割程度が無音再生のためテロップが重要視されていました。
そこから、先に述べたガジェットの進化により音がさらなる注目を集め、TikTokなど音声を前提としてメディアがどんどん伸び、音声広告が盛り上がりを見せたイメージとなっています。
広告における“音”の役割、影響について
生活者視点で音の有効性をあげると上記の6つの要素にわかれます。
これらの内容は、ニールセンの脳波の研究など、音にまつわる研究結果や、統計データの実証をもとに考察したものです。
CMで歌が多いのはこのため……!? 理にかなっている。
企画構成要素についで、音がランクイン!
いつでも気負わずに触れることができて、記憶や印象の要となっている“音”。
映像は見るものから「聞くもの」にもなり、可処分時間の奪い合いが目から耳へと移り変わってきているようです。
赤枠のとおり「ながら視聴」が圧倒的に多い
音の本質は昔から変わらない
ここまでの話を聞くと「音ってなんて最先端の表現手法なんだ……!」と感じてしまいますが、6つの有効性のうち「気づく」「残る」「好きになる」「入り込める」は、昔から変わらず、音が本来持つ性質のひとつ。
「音の力」は昔から超定番の表現手法なのです。
つまり、「音が最先端の表現手法として有効・流行している」というよりも、
「デバイスや技術の進化により、視聴者の生活様式が変化している」というほうが正確に昨今の状況をとらえているといえます。
「デバイスの進化により、視聴者の生活様式が変化している」、ひいては「生活者の音への対峙の仕方が変わった」ことの大きな例として、下記のデータがあります。
MMD研究所の調査によると、10~30代の音楽を聴く手段として「YouTubeなどの動画サイトを利用する人」が2人に1人以上いるという結果に。
先ほどの「ながら視聴」の増加データを併せてみると、生活者の態度が「映像は見るものから聞くもの」に、「音楽は聴くものから見るもの」に変化していっている様子が伺えます。
映像という見るためのデバイスで人は聞いており、
音楽は聴くものですが、その手段として映像という見るためのデバイスを活用しているのです。
プラットフォーム別の音について
これまでに述べた状況をふまえ、プラットフォーム別に現状を整理するとこのような傾向となります。
TikTokで発信された音楽がダウンロード数を伸ばす、企業が自社にまつわる象徴的な効果音を用いてアピールするなど、音をキーとするプラットフォームにおいて、新しい手法が散見されています。
TikTokで流行った曲がその年を象徴するまでになっている…!
マクドナルドのポテトが食べたくなる…「ティロリチューン」
ほかにも、インタラクティブ音声広告によるパーソナライゼーションや、技術革新による没入感を特徴としたリッチなコンテンツなど、今後も「テクノロジー×音」が多くのコンテンツのヒントになりそうです。
あとがき
あらためて“音”という視点で、広告や生活のあり方を振り返る濃密な1時間でした。
“音”そのものだけでなく、テクノロジーの進化に適応していることや、時代背景まで考えたコミュニケーションが、今後より一層求められることになりそうですね。
“音”を使った広告について興味のある方・お悩みの方は、お気軽に弊社にお問い合わせいただけたらと思います。
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本ウェビナー、そしてレポート記事が、少しでもみなさまのお役に立てば幸いです。
後半のレポート記事もアップされておりますので、是非ご覧ください!
▼「アド耳2021」後半のレポートはこちら
▼過去のウェビナーレポート記事はこちら
2020年にD2C Rに入社。ゲーム・コスメなどの案件にてプランニングとディレクションを担当。休日はカフェでまったりしがち。1番好きな食べ物はビターチョコレート。