Creative 2022.02.26

強いクリエイティブに必要な‟ブラッシュアップ” の過程

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上野 美紅

こんにちは!クリエイティブプランナーの上野です。

強いクリエイティブ、良いクリエイティブ、当たりクリエイティブ…皆さんはどの言葉をよく使いますか?
いろいろあると思いますが、弊社のクリエイティブプランナーは“強いクリエイティブ”の制作を目指しています!

そこで今回は、クリエイティブプランナーとクリエイターが、
どのように協力して強いクリエイティブを追求しているか
についてお話しします。

普段はちょっと見えづらい、私たちの制作過程を知っていただき、
クリエイティブに対する考え方を共有できればと思っています!

 

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そもそも強いクリエイティブって何?

まず、強いクリエイティブについて、どんなクリエイティブのことなのか、もう少し深掘ってみましょう。
強いクリエイティブとは、ファンを創出するものだと考えます。

逆に獲得効率が良い“当たりクリエイティブ”でも、ファンの創出まではできていない、クオリティの低いクリエイティブは多く存在します。例えばコンプレックスを煽る内容や、実際のアプリと全く異なる内容で誤解をさせるような広告はよく見かけませんか?

このようなクリエイティブは、ユーザーをCVまでには至らせられるかもしれませんが、RRROAS、リピート率など長期的、質的な側面で見たときに、目標数値を達成することが非常に難しいはずです。なぜなら、その時の衝動的な負の感情でCVに至っていたり、期待していたものとは異なる現実にガッカリしたり、必ずどこかでネガティブな感情が生まれているからです。

このようにファンが作れない状況に留まるならまだしも、ギャップの大きさから低いレビューが広まってしまったり、信頼を失ってしまったりすることだってあり得ます。商材自体は魅力的だったのにチープな印象を植え付けてしまったら、挽回する難易度がどんどん上がって、とても勿体ないです。

ファンを創造するクリエイティブは、
「すごい!」「エモい…」「好き」「笑った~」など
ユーザーのポジティブな感情を引き出した上で、CVに至らせることができます

…ということは、目的はCVだけでなく、ユーザーの感情まで具体的に想像し続けることも必要になります。

 では、ユーザーの感情の動きについて
重要な役割を担っているのは、クリエイティブプランナーとクリエイターのどちらだと思いますか?

クリエイティブプランナーとクリエイターの役割って?

弊社では、クリエイティブを制作するにあたって
クリエイティブプランナーがラフ案を考え、それをもとにクリエイターが静止画や動画を制作しています。

クリエイティブの要素をおおまかに分けるとしたら
中身(訴求内容・コピー)と外身(デザイン・表現)という捉え方ができるでしょう。

そう捉えるとしたら、中身はクリエイティブプランナー担当で、外身はクリエイター担当になるのでしょうか?

基本的にはそうなりますが、きっかり分担してお互いの領域には立ち入らないようにしていると、強いクリエイティブは作りづらくなってくると、私は考えています。

クリエイティブプランナークリエイターで協力してブラッシュアップができれば、お互いに想像していたクリエイティブよりもっと良いアウトプットが生まれ、商材・サービスの魅力が引き出せると思うからです。

クリエイティブプランナーは、専門領域ではないデザインや表現についても積極的に意見を出しますし、クリエイターもラフに示されていることをそのままアウトプットするのではなく、意図をしっかり読み込んだ上で演出を考えるようにしています。

ご察しの通り、ユーザーの感情は両者で想像し続けて制作を進めている…!というのが先ほど投げかけた質問の答えです。

クリエイティブのブラッシュアップ過程

テキストで説明してもイメージしにくいと思うので
クリエイティブがブラッシュアップされていく流れを、例をもとに追っていきましょう。
例えばゲーム案件で、コラボ訴求をする想定で考えてみます。

案件の概要や、コラボ内容、クリエイティブの戦略は以下の通りで
これらとラフ案をクリエイターに渡して、制作がスタートするとします。

【案件概要】
・モンスターを倒していくアクションRPG
・トンマナはカジュアルな方で、フォントはゴシック体が使われることが多い

【コラボ内容】
・洋風の世界観が舞台のアニメで、主人公の勇者はブレードを使いこなして色んな技を繰り出す
・トンマナはシックな方で、フォントは明朝体が使われることが多い

【ターゲット】
コラボアニメ好き、アクションRPG好き

【クリエイティブ戦略】
・クライアントはトンマナを重要視しているため、
 コラボ先のトンマナも重視したいが、ゲームの雰囲気も残しつつ制作。
・冒頭はキャラの登場でアイキャッチを狙い、
 雰囲気を一変させゲーム画面に切り替わり、コラボ上のキャラの動きを見せる。
・ユーザーの感情の動き方としては「え、○○じゃん!なになに?!」
→「(ボイスを聞いて)うわ、かっこよ…」
→「(ゲーム画面を見て)技めっちゃかましてるじゃん!自分で動かしてみたいかも~」
→「へ~コラボか、プレイしてみるようかな」の流れ

※これは例にあげるための簡易的なもので、普段はもっと詳細に詰めています…!

▼クリエイティブプランナー作成ラフ

ここから分かることは、とにかくコラボ先のキャラの魅力を全面に演出したいということだと思います。アイキャッチとしては原作らしさを使いたいが、ただコラボしているだけのキャラではなく、このゲームに馴染んで戦っているゲーム画面までを見せたいという狙いです。

これをクリエイターが咀嚼して、実際に制作すると、このように初稿が上がってきます。
(動画と想像しながら見てください…!)

▼クリエイター制作物(初稿)

基本的にはラフの通りに制作されていますが、ラフから変わっている点もいくつかあります。
今回の場合だと、以下3つのポイントです。

CUT1】
ゲームのトンマナと両立させるより、コラボアニメのトンマナをしっかり出した方が「らしさ」が伝わるため
ゲームのトンマナは優先順位を下げた

CUT3】
BGMが単調なため一回止めて入り直すことで、BGMの良さも際立つ上に、セリフを目立たせることもできる。
飽きが来ないよう、動画のメリハリをつけてひと工夫。

CUT4~6】
そのサイズで伝えられる限度を考慮し、適切な見せ方に調整。

以上のように、ラフの意図を踏まえて「ここを特に強調した方が目的に沿っているんじゃないか」「見え方を考えるとこっちの方が最適」「飽きられないような見ごたえのある演出を追加」などのアレンジが加えられました。

こうしてクリエイティブプランナーには考えられなかった演出や、現実的に有効な見せ方をクリエイターが模索してくれます。

コラボ訴求という軸からは外れていませんが、トンマナの面からゲームよりコラボを際立たせるものに、
キャラのビジュアルだけでなくセリフも視覚的に伝える内容に変わりました

そしてクリエイティブプランナーはこの初稿に対して、さらにより良くできるポイントを見つけて、調整をかけることもあります。例えば、以下のようになります。

▼最終クリエイティブ

CUT1】
キャラビジュアルだけでなく、名前も同時に目立たせたいと考えると
フォントの大きさだけでなく視認性も上げた方が良さそう

CUT4】
キャラが出すこの技は全体部分が見えた方がファンは歓喜しそうだから、カットする位置を少しずらしてもらう

このように、クリエイティブプランナーは
いちユーザー目線で、このデザインだと最初はどこに目が行くのか、
それで本当に伝えたい内容が伝わっているのか
というチェックをします。
また、コンテンツを理解した上で
「これはユーザーが期待している内容になっているだろうか?」という目線で見て、デザインにも意見を出すことがあります。

クリエイターが上記の意図を汲み取って、修正をすれば、クリエイティブは完成です!

こうしてお互いの業務領域を理解しながらブラッシュアップを重ねることで
ユーザーの感情の動き方に着目した、強いクリエイティブを目指しています。

 

まとめ

今回は、弊社のクリエイティブプランナーとクリエイターがどのように制作進行をしているかという、普段見えにくい部分のお話をしました。

ひたすら大量生産をするなら、クリエイターは意図まで読み込まず、とにかく数多くラフそのままの制作を進め、クリエイティブプランナーも上がってきたデザインに対し、無条件でOKを出して即監修に出すこともできます。しかし、そのようなクリエイティブ制作は長期的にみると、ファンの獲得を達成するには難しいことが多いでしょう。

強いクリエイティブのためにできる手段は様々あると思いますが
そのうちのひとつとして、この二者間でブラッシュアップしていく作業は非常に大切なものだと、私は思っています。

「クリエイターには制作意図や背景まで理解して制作してもらいたい」
「今のクリエイティブでも問題はないけど、商材の魅力が伝えきれていない気がする」
「大量生産も大事だけど、クオリティの担保はもっと重要視したい」

など…そのようなモヤモヤを感じたことがあれば
是非私たちデジタル広告代理店にクリエイティブのお手伝いをさせてください!

お問い合わせお待ちしております!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

 

▼前回書いた記事もぜひご覧ください。 

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この記事を読んでいる方へ

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上野 美紅

2020年度入社のクリエイティブプランナー。日々先輩たちの背中を追いながら猛勉強中。学生時代から続けているダンスが趣味で、TikTokハッシュタグチャレンジの振り付けを担当したことも。

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