意味のあるクリエイティブ検証を解説してみた
鈴木 雄太
こんにちは!クリエイティブプランナーの鈴木です。
突然ですが、弊社の菊池が先日投稿した「僕が昔やらかした、思い付きでのクリエイティブ検証の話」は、
読んでいただけましたでしょうか?
上記の記事では意味のあるクリエイティブ検証に関して、
「似たような内容でテストは実施しないこと」と「事前に仮説をたてて、その仮説に基づいて検証を行うこと」の
2点が大切だと述べています。
では、なぜ仮説を立てる事が大切なのでしょうか?
僕は、仮説を立てる最大の意味は「仮説を持ったクリエイティブテストは勝ち要因が正しく判断ができ、
無意味なクリエイティブを制作しなくてすむこと」だと思っています。
この言葉だけではイメージがわきづらいかと思うので、今回はマンガのSNS広告を具体例として立て、
意味のあるクリエイティブ検証を行っていきたいと思います。
パターン1:インセンティブ訴求に効果があるのか試す
企業のご担当者様や代理店の方だとまずは試すであろう「インセンティブ訴求」
上記のようなご経験者ならわかるかと思いますが、クリエイティブにインセンティブをつけたほうが
当然効果良くなると思いますよね。
果たしてそれは本当でしょうか?
今回のお題はマンガですので、
ある仮説をもって下記のようなインセンティブをつけたクリエイティブとインセンティブがない広告を作成してみました。
※仮の具体例です
上記のクリエイティブが有名作品ではないマンガの広告だとしたら、どのような仮説を持って制作したかわかりますか?
少しだけ考えてみてください!
僕は下記のような仮説を立てた上で、上記クリエイティブを制作しました。
■仮説:有名ではないマンガにインセンティブをつけても意味がない
よってクリエイティブAの方が効果が良くなる。
■理由:有名でないマンガの場合は、ユーザーに「このマンガが気になっていた」という感情が存在しない。
そのため少しでもコマを大きく見せることで可読性を高め、世界観に没入させた方が効果が良くなると考えたため。
もし何も考えずにこの2パターンのクリエイティブを制作しA(インセンティブ無し)が当たった場合、
次にとるアクションはどのようなものが考えられるでしょうか?
「マンガ案件は、インセンティブをつけない方が効果が良いんだ!」という間違った判断を下し、
「すべてのマンガのクリエイティブにインセンティブをつけない」アクションにつながってしまうかもしれません。
実際には、効果が良かった理由として「有名ではない作品の場合は、インセンティブをつけずに可読性を最重要視したほうが良い」といった仮説が有力でした。
思考停止で有名なマンガのインセンティブをつけなかった場合、
「話題になって気になっていたけど読んでみるまであと1押しがない。」といった層を取りこぼし、
効果が悪くなる可能性が出てきます。
パターン2:補助テキストの効果を試す
※仮の具体例です
これはSNS等でどちらもよく見るマンガの広告ですね!
では再度の質問になりますが、マンガに慣れていない層をターゲットとした場合、
上記のクリエイティブはどのような仮説をもって作られているでしょうか?
このクリエイティブを制作する際には、下記のような仮説を持って制作を進めます。
■仮説:マンガに慣れていない層をターゲットにするときは補助テキストを入れるとCPAが下がりやすい。
よってBの方が効果が良くなる。
■理由:ターゲットはマンガを読み慣れていないので、マンガに対するリテラシーが低いことが予測される。
まずはターゲットにマンガの世界観を理解させ、興味を持ってもらうために補助テキストで流れを伝えることで
獲得が見込める。
こちらのクリエイティブは実際に配信してみたのですが、補助テキストを入れていた方が効果が良かったです。
ただ、いつでも補助テキストが良効果になるわけではなく、
やはりメディアやターゲティングでマンガ慣れしていない人を狙ったときに顕著に補助テキストの効果が出ていました。
もし、仮説を立てずに結果だけ見たらどうでしょうか?
補助テキストを入れていても効果が良かったり悪かったりするので、
きっと「もう少しA/Bテストをして結果を確かめよう」とダラダラとA/Bテストをしてしまったり、
あるいは「補助テキストは効果には関係ない」と切り捨ててしまうかもしれないですね。
パターン3:フォーマット違いを試す
パターン3は少し毛色を変えて、クリエイティブフォーマットの違いにしてみました。
配信面やクリエイティブフォーマットが違うだけでどのような仮説がたてられるでしょうか?
配信面やフォーマットの違いでなかなか仮説を立てることはないかと思うので、少し難しかったかもしれませんが、
僕は下記のように考えました。
■仮説:Facebook広告(Instagram)で配信するときは、ストーリーズに配信するとCPAが下がりやすい。
■理由:Facebook広告は9:16の縦長のサイズを使用することで、画面1面にクリエイティブが表示されるため、
タイムライン上に出てくるカルーセル広告より視認性が良くなる。そのためマンガの内容の理解度が高まり獲得が見込める。
こちら、仮に思考停止したままA/Bテストを進めると、どうなるでしょうか?
そもそも縦型のフォーマットをつくる際に「コスパ良く進めるために、カルーセルの1:1に黒帯をつけて、
縦型フォーマットに対応しよう!」と判断してしまうかもしれません。
上記の例だと、9:16にリサイズしても可読性においてカルーセルとあまり変化が無いですよね。
縦型の良さを活かしきれていません。
このように仮説が無いと、アドフォーマットのA/Bテストも有効でなくなってしまうケースが出てきます。
まとめ
仮説を立てる最大の意味「仮説を持ったクリエイティブ検証は勝ち要因が正しく判断ができ、
無意味なクリエイティブを制作しなくてすむこと」の具体例を交えた解説はいかがだったでしょうか?
配信する前に仮説を立てることは難しいですよね。
ただ配信する前に仮説を立てることで、ターゲットやメディアのことを深く考えた上でクリエイティブを制作するので、
効果がいいクリエイティブになる可能性が高まりますし、
仮説が当たっていた際は再現性が高いため次のクリエイティブも効果がよくなる可能性が高まります。
いいクリエイティブサイクルを作るために上記は常に意識しておきたいところですね。
最後に
もちろん今回はあくまで仮説なので、上記の例が正解というわけではありません!
ぜひみなさんがどのような仮説を立てたか、お酒を飲みながら語り合いたいですね・・・!
今回上記の記事をご覧いただいて
・「理解はしたけど、実際どのようにクリエイティブを回せばいいかわからない・・・」
・「クリエイティブだけにそんなに時間割けないよ・・・」
・「正直何をやっても効果が良くならない・・・」
など現状のクリエイティブにお悩みをお持ちの企業さま。
是非一度、わたしたちに広告制作のお手伝いをさせていただければ幸いです。 お問い合わせお待ちしております!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
2019年より総合プランニング本部クリエイティブ部所属。休日の過ごし方はもっぱら昼のみ。そのため中性脂肪が大変なことになっており、手軽な運動から始めようと思っているが、なかなか動けず。