Data 2019.01.24

ART DMPによって可能となるデータ分析とは?~Vol.1~

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CANVAS編集部

今回は連載を通して、普段どのような分析を行っているのか、実例をもとに紹介していきたいと思います。

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など広告担当者必見の内容になっています。

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データ分析ツール「ART DMP」について

私たちは社内で開発しているART DMPというツールを用いて、アプリの利用ログ(インストール、起動、課金etc…)を蓄積しています。

 このツールを用いることで、たとえば「何日以上休眠してしまったユーザーに対してリテンション広告を配信するのが最適か」など、計測SDK単体では行うことができない分析を行うことができます。

 ART DMPについては弊社北中の記事「リテンション施策/広告:第3回【DMPの活用がリテンション広告効果を高める!】」でも詳しく紹介されているので、この記事を読んで興味を持ってくださった方はぜひこちらもご一読ください。

実際に行ったデータ分析

私が最近行った分析のうちの1つが、ユーザーがアプリをインストールしてから初めての課金(初課金)が行われるまでの期間の分析です。

現在、私が担当している案件はゲームアプリが多いため、課金を行うユーザーの特徴を明らかにすることで、広告効果を高めるための手がかりになるのではないかと考え、今回の分析を行いました。

分析の結果を記事化するにあたり、分析したアプリ独自の傾向なのか、それともゲームアプリ全体の傾向なのかを調べるため、ゲームアプリ3つのデータをそれぞれ抽出し、比較しています。

抽出結果は以下のようにまとめました。

・横軸:インストールしてからの経過日数(単位:日)
・縦軸:インストール後0日~350日経過までの全課金ユーザーのうち、該当期間に初課金したユーザーの割合(単位:%)

まず、1つめのアプリから傾向を見てみます。

アプリAでは、インストール後9日目までで約25%の課金ユーザーが初課金を行っており、50日目まででこの割合は約50%となります。一方で課金ユーザーの残り50%51日目以降に初課金を行う傾向にあるため、ある程度ステージが進んだ段階で初課金が行われるアプリと言えそうです。

この結果から、アプリAのプロモーションにおいてはインストール後1か月程度の課金率やROASを評価して配信先を最適化しつつ、インストール後ある程度の日数が経過したユーザーを継続・復帰させるようなプロモーションが有効だということがわかります。

具体的には、インストールしてから一定の日数が経過したユーザーに対して、ステージ突破のための攻略動画を訴求するリテンション広告などがあげられます。

次に、2つめのアプリの傾向を見てみます。

アプリAと同様にインストール後50日目までで約50%の課金ユーザーが初めての課金を行いますが、アプリAと異なるのはその後のカーブが緩やかな点です。

特に151日目以降に初課金を行うユーザーの割合がアプリAは約20%に対してアプリBは約30%となっており、インストール後、長期にわたって無課金でプレイしているユーザーでも、その後の課金転換が見込めるアプリと言えます。

この結果から、アプリBのプロモーションにおいては、アプリAと比較して長期スパンで広告効果の評価を行い、インストールしてから長い日数が経っているユーザーも対象として、休眠復帰や課金転換を図るプロモーションが有効となりそうです。

この傾向は箱庭系や乙女系のゲームアプリによく見られます。効果的な施策としては、課金に至るまで比較的長い時間がかかるため、アクティブユーザーを離さないためのリテンション広告配信などが考えられます。

 最後に、3つめのアプリの傾向を見てみます。

アプリCではインストール後9日までで9割以上の課金ユーザーが初課金を行っており、ほとんどの課金ユーザーがインストール後すぐに初めての課金をしていることがわかりました。

この結果から、アプリCにおいてはアプリABと比較して短期スパンで広告の評価を行い、親和性の高いユーザーを獲得できる配信チャネルを見つけていくことが重要といえそうです。

また、課金してくれたユーザーに長く遊び続けてもらうため、課金ユーザーを対象とした継続的なコミュニケーションが売上最大化に有効な施策と考えられます。

 たとえば、アプリ内で「初心者限定パック」ガチャを実施しているのであれば、それを押し出したクリエイティブでインストールしたユーザーの課金転換を図り、その後は課金ユーザーを対象としてイベントクリエイティブを定常的に配信するなどといった施策が考えられます。

3つのアプリを分析した結果、アプリごとにユーザーが初課金するタイミングは異なっており、それぞれの特徴に合わせたプロモーションを実施することが重要だということがわかりました。

実際に書いたSQL

ART DMPから分析に必要なデータを抽出するために、私たちはSQLというデータベース言語を使っています。

今回の分析結果を抽出するため、私が実際に書いたSQLは以下の通りです。

select
diff_day,count(idfa)
from
(
select
t1.idfa,DATE_DIFF(‘day’,CAST(cv_day AS DATE),CAST(kakin_day AS DATE)) AS diff_day
from
(
select
idfa,min(time) AS cv_day
from
テーブル名.データベース名
where
log_type=’cv’
and
idfa is not null
and
idfa !=”
group by idfa
)t1
join
(
select
idfa, min(time) AS kakin_day
from
テーブル名.データベース名
where
reporting_revenue is not null
and
idfa is not null
and
idfa !=”
group by idfa
)t2
on
t1.idfa=t2.idfa
)
group by diff_day
order by diff_day

普段SQLを扱わない方が見ると、すごく複雑で専門的なもののように思えるのではないでしょうか。ですが、実は私はいままでデータベース言語に触れたことは一度もなく、現在のチームに異動してから学ぶようになりました。

チームでは週に1SQL講座が開かれており、初心者の方でも安心して学ぶことができる体制になっています。私も、実践の繰り返しにより、少しずつではありますがSQLを書けるようになってきました。

 この連載では、そんな私がこのようにSQLを書いて抽出したデータに関する分析と考察について、数回にわたってご紹介していきたいと思います。

まとめ

ここまでの内容をまとめます。

ART DMPにデータを蓄積することで、さまざまな分析が可能
・アプリごとにユーザーが初課金するタイミングは異なっており、それぞれのアプリに合わせた施策を行うことが必要

2回目の連載では、「ART DMPによって可能となるデータ分析とは?~ゲームアプリユーザーのイベント突破傾向を探ろう編~」というテーマで今回とはまた違った角度から、ゲームアプリの課金ユーザーの傾向についてお話しさせていただきます。

 D2C Rには、リテンションを専門とするチームがあり、リテンション広告に関する知見やノウハウがございます。

 「リテンション広告が気になっている/配信したい」
「離脱するユーザーが多くて困っている」
といったご要望をお持ちの方は、是非お気軽にお問い合わせください!

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CANVAS編集部

広報の川向です。デジタルマーケティング情報を発信する『CANVAS』の運営&編集担当。中の人としてTwitterはじめました(@canvas_d2cr)。テキストは標準語ですがしゃべると関西弁。最近つけてもらったあだ名はゲリラ広報。

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