Data 2022.02.26

ART DMPによって可能となるデータ分析とは?~Vol.3~

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CANVAS編集部

前回の連載記事ではこのART DMPによって抽出したデータをもとに、イベントの突破傾向から課金傾向を分析しました。
今回は、アプリの売上傾向を明らかにすることで新たなアプリプロモーションの切り口を見つけることが出来ると考え、高課金ユーザーによる課金がアプリ全体の売上の何割程度を占めるのか分析しました。

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パレートの法則とは

さっそくですが、「パレートの法則」という言葉、皆さんは聞いたことがあるでしょうか?
組織全体の2割程度の人が大部分の利益をもたらしており、その2割程度の人が間引かれた場合、残り8割の中の2割がまた大部分の利益をもたらすようになる、といった理論です。(Wikipediaより抜粋)

パレートの法則と言えばあまり耳馴染みが無いかもしれませんが、「働きアリの法則」と言うと聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。この法則は果たしてゲームアプリにも当てはまるのか、データをもとに検証していきます。

データ分析内容

今回行った分析は、「高課金ユーザーの課金額はアプリ売上の何割を占めるのか」という分析です。
アプリの売上も結局のところパレートの法則のように、コアなユーザーによる売上で大部分は成り立っているのではないか?という仮説のもと検証を進めました。

具体的な手法としては、まず一定期間におけるユーザー毎の課金額を抽出し、同期間のアプリ内売上に対して高課金ユーザーの課金額の割合はどれぐらいなのかを見ていきました。
本記事では、「高課金ユーザー=課金者の中でも課金額上位20%のユーザー」とし、前回までの連載と同様に3つのアプリで検証を行いました。
その各アプリにおいて、アプリ全体の売上の中で高課金ユーザーによる売上が占める割合を以下のグラフで示しています。

取り上げたアプリはアクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲームの3つです。
アプリのジャンルは異なるもののグラフを見ると、アプリ全体の売上に対して高課金ユーザーによる売上が6割前後を占めていることが分かります。
ここから、アプリのジャンルに関わらず、高課金ユーザーによる売上がアプリ全体の売上の半分以上を占めているということが分かりました。

また、課金者の中でも課金額上位20%のユーザーを高課金ユーザーとしましたが、非課金ユーザー含むアプリ全体のユーザーの中では高課金ユーザーは2%前後しかいないことも共通の傾向として見られました。
驚くことに、今回の分析で扱ったアプリA,B,Cでは、どれもたった2%のユーザーによる売上が、アプリ全体の売上の半分以上であることが分析から明らかになりました。

それでは、こういったアプリ売上の傾向をもとに、どういったアクションをとっていけば売上拡大につながるのでしょうか?

アプリ売上の傾向から考えるアクション

分析から明らかになったアプリの傾向から、売上拡大のためにとるべきアクションは大きく下記2つに分けることが出来ます。

①ユーザーの高課金化
②高課金ユーザーの定着

ひとつひとつ説明していきます。

①ユーザーの高課金化

高課金ユーザー以外のユーザーは先ほどのグラフからも分かる通り、どのアプリでも大部分を占めています。したがって、このユーザーを高課金化させていくことが重要です。
高課金ユーザー以外のユーザーは、

(a) 課金しているものの課金額は上位20%に満たないユーザー
(b) そもそも課金していないユーザー

2つに分けることが出来ます。このユーザーに対して、課金の促進をしていくことが求められます。

(a) 課金しているものの課金額は上位20%に満たないユーザーに対しては、

・期間限定イベントやガチャ訴求の広告配信を実施
・tips訴求と合わせ、「このキャラがいるとこの面が攻略しやすくなるよ!」といった内容の広告配信を実施
・一定回数引くことにより確実に高レアキャラが確定で引けるガチャを実施

といったような施策が考えられます。

(b) そもそも課金していないユーザーに対しては、まずは初課金につながるような導線を引くことが最も重要であると言えます。たとえば、

・初心者向けガチャパックの販売を実施
・初回10連のみお得にまわせるガチャパックの販売を実施
・期間限定キャラクターがまとまったガチャを定期的に実施

といったような施策が考えられます。 

②高課金ユーザーの定着

①でご説明したようなユーザー全体の高課金化だけでなく、高課金ユーザーを離脱させることなく定着させるような施策を実施することも重要となってきます。

具体的には、

・ユーザーにアンケートをとり、満足度の高いイベントや人気キャラクターの復刻ガチャを実施
・課金がつく傾向にある期間限定ガチャやイベントの際には、課金額が高いアクティブユーザーへの配信も実施
・イベント配信時には、その期間内に課金しているユーザーへの広告配信を強化
・イベントが無い時でもプッシュ通知やリテンション広告でユーザーとコミュニケーションをとり離脱を防ぐ

といった施策が考えられます。

まとめ

ART DMPによる分析から、

・アプリ全体の売上に対して高課金ユーザーによる売上が6割前後を占めている
・全ユーザーの2%による売上がアプリ全体の売上の半分以上を占めている

ということが分かりました。

またこの結果から、アプリの売上には

①ユーザー全体の高課金化
②高課金ユーザーの定着

が重要であることを導き出すことができました。

アプリの特徴によって実施するべき施策は異なりますが、今回の分析で分かったようなどのアプリでも共通して見えてくる傾向も踏まえて施策を実施し、さらなる売上拡大へつなげていきましょう。

\連載記事はこちら/
ART DMPによって可能となるデータ分析とは?

Vol.1~ゲームアプリユーザーの課金傾向を探ろう編~

Vol.2~イベント突破から課金傾向を探ろう編~

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CANVAS編集部

デジタルマーケティング情報を発信する『CANVAS』の運営&編集担当。中の人としてTwitterはじめました(@canvas_d2cr)。テキストは標準語ですがしゃべると関西弁。オンライン社内報「R-ibrary」も兼務で運営担当をしています。

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