Data 2019.09.27

アドフラウドの異常データを分析してみた

北中 建

北中 建

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D2C Rデータマーケティングチームの北中です。
アプリ向けプライベートDMP「ART DMP」の開発と、データを活用したマーケティングのプランニングおよび運用に携わっています。

先日ART DMPの新機能として「メディアフィルタリング機能」をリリースしました。
D2C Rはデジタルプロモーションをより強固にサポートすべく、アドベリフィケーションを意識し、アドフラウドへの対策を強化しています。
(アドベリフィケーションの記事についても是非ご参照ください)

近年騒がれているアドフラウドについて「アドフラウド自体は知っているが、具体的にどのようなものか分からない」といった声をよくお聞きします。

今回は異常データを分析することで、対象のアドフラウドの手口を想定してみたいと思います。
データについては、ART DMPが広告効果測定ツールから取得しているものを利用します。

 アドフラウドの理解促進と、データからアドフラウド分析をする際の参考になれば幸いです。

今回ご紹介するアドフラウドデータ

  • CTIT異常
  • 端末情報異常
  • アクティビティ異常

CTIT(Click To Install Time)異常

有名なアドフラウドのデータから見ていきます。
配信メディアID(Sub/PubIDと呼ばれる)ごとにソートしてCTITの平均を確認します。

明らかにCTIT平均が長いメディアが存在しています。
広告効果測定ツール提供社のadjust社によると、約90%のクリックスルーインストールについてCTIT1時間以内になると発表されています。
(参照:https://ja.help.adjust.com/en/fraud-prevention-suite/distribution-modeling)

データ母数も考慮する必要はありますが、インストール数が多くCTIT平均が1時間を超えているメディアは怪しいです。

これらのようなCTIT異常のインストールデータについては、クリックデータを虚偽に報告されている可能性があり、

・クリックスタッフィング
・クリックスパム
・クリックインジェクション

などのアドフラウドを疑うことができます。

端末情報異常

端末データが異常だったアドフラウドのデータを紹介します。
同一メディア内で多くのインストールログが発生しているにも関わらず、Android端末が3種類しか存在しないものがありました。

※一部ネットワーク名やメディアIDを伏せています

Android端末は数多く存在するため、インストールデータを見ると多数の端末情報が確認できます。今回は複数メディアで計測されたインストールデータの端末情報が3種類のみで、OSのバージョンが1種類のみとなっていました。

おそらく3台のAndroid端末を利用して不正インストールを複数回した後、他メディアへ転々と移動して不正収益を得ようとしていることが推測されます。

インストールデータに似た傾向があるため、疑われるアドフラウドとしては

・ファーム
・ボット

によるものが考えられます。

アクティビティ異常

配信メディア毎にインストールした広告IDをグルーピングし、翌日のアプリ起動データと突き合わせることで、配信メディアごとにアプリ利用継続率を確認することができます。

メディアによって継続率の良し悪しが分かります。
明らかに悪いものについてはOSや端末情報などを更に確認することで異常値を確認できますが、この情報だけではアドフラウドかどうかは判定しづらいです。

 そこで”アプリ内イベント”の突破率を確認してみます。
例えばゲームだと”チュートリアル突破”のイベント発火率です。先ほどの配信メディアごとに”チュートリアル突破率”を確認してみます。

チュートリアル突破率「0%」がありました。
数十件のインストールが発生していて、翌日継続率が80%を超えているにも関わらず、チュートリアル突破者が0人。明らかに異常な値となっています。

インストールデータ単体では不正に見えづらい場合でも、配信メディアごとにアクティビティを見ると異常値であるケースもあります。

アクティビティ異常の場合は、インストールデータや起動データの虚偽報告を疑うことができるため、

・スプーフィング
・ファーム
・ボット

によるアドフラウドである可能性が高いといえます。

さいごに

アドフラウドと呼ばれる異常データについて、いくつかピックアップしてまとめてみました。

データの出し方や数値感を確認することで「データの違和感」に気づくことや、「不正への危機感」を持つことが重要です。

前述の通り、D2C RART DMPの「メディアフィルタリング機能」にてローデータをシステムで確認し、異常データについて一部媒体社へ通知する仕組みを設けております。今回紹介したアドフラウドデータについても、ART DMPから検知ができます。

不正メディアへ広告収益をできるだけ支払うことのないよう、これからも機能強化を続けていく予定です。

今後もみなさまへノウハウや知見を共有させていただければと思います。もしアドフラウドについて困りごとや相談などございましたら、ぜひお問い合わせくださいませ!

最後までお読みいただきありがとうございました!

株式会社D2C Rは、アプリ・Web配信企業やコンテンツプロバイダをはじめとする広告主のニーズにマッチした、効果的な広告の開発・提供を行うデジタルマーケティング会社です。

D2C Rでは、企業が提供する良質なコンテンツやサービスに関する情報を、より多くの生活者に届けることを通じて、生活者の生活をより豊かにします。また、モバイルコンテンツ市場の健全な発展に寄与すべく、安心かつ効果的なデジタルマーケティングサービスを提供しています。

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北中 建
北中 建

メディア本部 運用部 リーダー。広島県出身。首都大学東京卒業。D2C Rにて、アプリマーケティングの分野において、メディアプランナーを経験後、 現在データマーケティングチームでリテンション広告のプランニング/運用を担当。趣味はフェス参加、バスケ、マンガアニメ鑑賞。わかりやすくおもしろい記事を書けるように精進します!

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