Data 2022.02.26

【イベントレポート】モバイル広告に潜む広告不正とブランドセーフティの落とし穴とは?

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星野 いずみ

こんにちは!
D2C R データマーケティングチームの星野です。

直近、コロナ禍ということも相まって、生活者のデジタル利用時間が増えてきていますね。
この記事を見てくださっている方の中にも、
デジタル広告予算を増やすという判断をされたマーケター様も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、プラットフォームの多様化・自動化も進んでいて、
どこで、どのように生活者とのタッチポイントが発生しているのか、
マーケター様自身すべてを把握できなくなってきているのも事実かと思います。

また、アプリ領域のプロモーションにおいては、
アドベリフィケーション(アドフラウド、ブランドセーフティ、ビューアビリティ)の概念も必要とされており、
生活者とのデジタルコミュニケーションにおける適切な文脈を設計することが重要です。

そのような観点に触れたウェビナーモバイル広告に潜む広告不正とブランドセーフティの落とし穴とは?が、
7/29にApp Annie Japan、Momentum株式会社との共催で開催されました!

弊社データマーケティングチームのマネージャー北中が登壇いたしましたので、本記事でレポートいたします!

 

 

この記事を読んでいる方へ

▼2024年8月の媒体アップデート情報
・Googleの配信先にXが追加
・Yahoo!の配信面/FMTアップデート
・MetaのFQのアップデート
・LINEのFMTアップデート
など広告担当者必見の内容になっています。

詳しく知りたい

モバイル市場とアプリ内広告の最新トレンド – App Annie Japan

まずは、App Annie Japan 卯木 研也氏からモバイル市場、そしてアプリ内広告の最新トレンドについてお話がありました。

 

モバイル市場における最新トレンド

ゲーム市場、非ゲーム市場ともに、収益が大きく増加。

コロナ禍という環境要因もあり、MAUや利用時間が特に若年層で伸びています。
収益含め、特に非ゲームの成長が大きいですね…

iOS14.5以降のIDFAオプトイン化(ATT)により、アプリ内広告でできないことは増えつつも、
引き続き
アプリ内広告の役割が拡大し続けていると言えるのではないでしょうか。

 

アプリ内広告市場現況

実際に、2020年度はアプリ内広告の出稿量がなんと前年比90%成長…!
App Annie調査によると、2021年度もさらに成長していく見込みとのこと。

この数値から、各企業でアプリ内広告を重要視していることが分かりますね。

しかし、このような状況の中…
ストアレビューにて「サクラ業者」や「マルウェア*1が含まれている」などと記載されている、
いわゆる”怪しい”アプリへ広告出稿してしまうケースも多々発生しています。
*1 マルウェア:不正かつ有害に動作させる意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称。コンピュータウイルスやワームなどが含まれる。 

トラフィックが増え、ユーザーとのコミュニケーションの場として魅力あるアプリ内広告ではありますが、
その分様々なリスクが生じているのが現実。
一広告代理店の人間としても、そのリスクを実感することがよくあります。

次の章からは、具体的なリスクの検知と対策に関するお話です。

 

アプリマーケターがアドフラウドで意識すべき3つの観点 – D2C R

この章では、弊社の北中が登壇。
アドフラウドの観点からモバイル広告のリスク検知や対策について、
弊社D2C Rが運用している検知システムを例にお話しました。

観点①アドフラウドを定義する

上記はアドフラウド手法の一部。
色々な手を使ってクリックやインストールの成果偽装が行われてしまうわけですが、
これらはデータ的な定義が可能です。

具体的には、広告効果を計測するMMP SDKのログから、端末/配信面の2単位でデータ定義を行います。

それぞれの指標や基準については、こちら。

例えば、CTITの指標ではクリックスタッフィング等を検知できます。
弊社では、LINEなどのホワイト面での広告流入における平均CTITを算出し、
それ以上短いものを異常値として定義しております。


配信面単位についても、オーガニック数値平均等と比較した基準値を設けることで、
異常値の定義をすることが可能です。

観点②フラウドメディアへお金を流さない

また、フラウド検知した端末、配信面についてはブロックするだけでなく、
成果から除外するように(除外した成果の費用を支払わないように)広告配信事業者と調整することが重要です。

弊社としても、フラウドを根絶させるために広告配信業者と協力して、
悪意のあるメディアへお金を流さない仕組みを引き続きつくっていければと考えております。

 

観点③不正な挙動を把握する

フラウド検知については、継続的に観察しながら評価することで、
プロモーション費の安定運用を実現することができます。

弊社のログ処理・集計方法は、計測ログを取得できる広告主の皆さまでも再現可能です。
できる限り「経過観察」や「判断」にリソースを割いていただくためにも、システム化を推奨しております。

もし、リソース不足等でお悩みの企業様は、パートナー企業や弊社にご相談ください。
業界全体でアドフラウドを取り締まっていきましょう。

 

今本当に必要なモバイルアプリにおけるブランドセーフティー – Momentum株式会社

続いて、Momentum株式会社 柳谷俊輔氏からアプリのブランドセーフティーについてお話がありました。

 

アドベリフィケーションとは何か

アドベリフィケーションとは、広告を検証する仕組み。

具体的には、自社で出稿している広告に関して、
・アドフラウド(本当の広告成果なのか)
・ブランドセーフティ(ブランド毀損リスクがある配信面に掲載されていないか)
・ビューアビリティ(広告が見られる場所に表示されているか)
の3つの観点からの検証が求められています。

特にブランドセーフティ観点だと、直近法的規制が入ったファスト映画などの関連YouTubeチャンネルに
広告が表示されないようにしたいという相談をもらう事例も多いそうです。

 

アプリのブランドセーフティー対策

モバイル広告におけるブランドリスクも例外ではなく、
なんとブランドリスクがあるアプリの割合は全体の約20%…

つまり、5つに1つは何らかのブランド毀損リスクがあるアプリということになります。

主要なプラットフォームでは、上記のようなアプリの除外が広告主側で設定可能であったり、
独自基準で自動ブロックされているケースもあります。

ただし、除外の基準もバラバラで、広告主側やブランドの思想も反映されていないので、
Momentum社のようなアドベリベンダー基準で一貫した対策を行うことが重要になってきます。

ただ、広告主自身で世の中の潮流をキャッチアップし、
「ブランドとしてミスマッチが起こり得るトピックは何か」を常にアップデートしていくこと
が、
やはり重要なのではないかと感じました。

 

パネルディスカッション

ここからは、パナソニック株式会社 富岡広通氏も登壇して、登壇者全員でのパネルディスカッションです!
とても残念ではありますが、ボリューム満載のため抜粋して記載いたします。

 

Q1  IDFAのオプトイン必須化やCookie規制のトレンドに伴い、プロモーション予算の配分比率に変化はありましたか?

富岡氏:昨今の広告規制の背景には、
    プライバシー保護や計測が出来る出来ないという観点は勿論の事ながら、
    広告体験を良く感じていないお客さまが多いということがあると感じている。
    今後はこれまで以上に、
    お客さま視点の「より良い広告体験とは何か」に立ち返り
    予算配分を検討する必要があるのではないかと考えている。

北中 :計測観点で言うとやはり精度は落ちており、CVRやCPAにも影響が出ている。
    それにより、デジタル広告数値の信用度が低下しているが、
    「CPI/CPAが安ければいい」という概念が是正され、
    プロモーションの捉え方としてコンテキスト形成の重要度が増している状況。

 

Q2  ブランド保護と認知拡大は、時に相反する関係性にあるかと思いますが、バランスを取る上で意識されている点はありますか?

富岡氏:ブランドリスクに関しては、世の中の情勢や風潮、
    受け手の価値観や感情に基づくことが極めて複雑であり、
    一律に○×を線引きしカテゴライズすることが難しいのが昨今の現状。
    そのため、改めて広告主側でブランド保護の方向性について意思を持ち、
    お客さま視点で定義することが認知拡大以前に急務であると感じている。

柳谷氏:富岡氏のご意見に賛成。
    また、ブランドリスクのアプリ除外を行うにあたっても、
    広告主のブランドを理解した上で、チューニングを行えば、
    ブランド保護と認知拡大を両立させることは十分可能と考えている。

 

あとがき

今回、広告不正やブランドセーフティといったモバイル広告の一側面に着目したウェビナーではありましたが、
今後の「モバイル広告のあり方」「モバイル広告への向き合い方」のヒントがたくさんあったのではないでしょうか。

共通して述べられていたのは、コンテキスト形成の重要性

IDFA取得オプトイン化により見えないものが増えていく中で、目の前の数値だけでよしあしを判断していくことはナンセンスです。

・「誰に」「どんなときに(場所で)」「どのように」伝えるのか
・目の前の数字は、本当にそれが出来ていた結果なのか
・実現するにはどうすればよいのか
今後のモバイル広告では、上記を考え続けていく必要があるのだと思います。

「コンテキスト形成重視でのプロモーションについて相談したい」
「アドフラウド検知システムを実現してみたい」などありましたら、
こちらより是非D2C Rへお気軽にご相談ください!

 

▼IDFA取得オプトイン化に関する記事はこちら

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この記事を読んでいる方へ

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など広告担当者必見の内容になっています。

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星野 いずみ

メディア&ソリューション本部 データマーケティング室 データアクセラレーターチーム。 プライバシー下における広告効果評価環境の設計や整備、 TableauやLooker Studioを活用したデータビジュアライズが得意。 ファッションやインテリアなどデザインにまつわることが大好き。

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