フレーズ一致とは?完全一致やインテントマッチ一致(旧部分一致)との違いを解説
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みなさん、こんにちは。
デジタル広告が日々進化する中で、広告効果を最大化するためには、キーワードのマッチタイプを正しく理解し、適切に活用することが重要です。その中でも、「フレーズ一致」は広告表示の精度を高めるための効果的な設定方法です。
この記事では、「フレーズ一致」の基本的な仕組みや特徴を解説しながら、完全一致やインテントマッチ(旧:部分一致)との違いを詳しくご紹介します。また、それぞれのマッチタイプのメリットやデメリットを踏まえ、どのように使い分ければ広告効果を最大化できるのかについても解説します。
後半では、運用の助けになるような内容も記載しておりますので、ぜひご一読くださいませ。
目次
フレーズ一致とは?
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フレーズ一致とは、リスティング広告のキーワードマッチタイプの一種で、設定したキーワードがユーザーの検索語句に含まれる場合に広告を表示する仕組みです。このマッチタイプは、完全一致よりも表示範囲が広く、インテントマッチ(旧:部分一致)よりもターゲットを絞り込むことができます。そのため、適切に活用することで、無駄な広告費を抑えながら、関連性の高いユーザーにアプローチできます。
フレーズ一致の定義
フレーズ一致は、検索語句の中に設定したキーワードが完全な順序で含まれている場合に広告が表示されるマッチタイプです。たとえば、設定キーワードが「ウェブ広告」であれば、以下の検索語句で広告が表示されます:
- 「ウェブ広告の事例」
- 「おすすめのウェブ広告」
一方で、設定キーワードの語順が崩れる「広告ウェブ」や全く異なる意味の語句を含む「ウェブマーケティング」では広告は表示されません。これにより、特定の意味を持つ検索クエリに限定して広告を表示することができます。
フレーズ一致の特徴
フレーズ一致には以下のような特徴があります。
- 関連性の高いユーザーへの広告表示
設定したキーワードの意味をそのまま含む検索語句に限定されるため、意図しないユーザーへの広告表示を抑制できます。 - 柔軟性と精度のバランス
完全一致よりも広い範囲をカバーしつつ、インテントマッチほど範囲が広すぎないため、無駄なクリックを減らすことが可能です。 - 広告表示機会の拡大
「完全一致」ではカバーできない関連性のある検索語句にも対応できるため、表示機会が増加します。
マッチタイプの種類と違い
リスティング広告では、ユーザーの検索意図に応じた広告を表示するために「マッチタイプ」を設定します。このマッチタイプは、広告を表示する条件を定めるものであり、設定によって広告が表示される範囲が大きく異なります。
▼マッチタイプについて詳しく解説した記事はこちら
代表的なマッチタイプには「完全一致」「フレーズ一致」「インテントマッチ(旧:部分一致)」の3つがあります。それぞれの特性を理解し、広告運用の目的に応じて適切なマッチタイプを選ぶことが重要です。ここからは、マッチタイプの違いについて詳しく解説します。
フレーズ一致と完全一致の違い
主な違い
- 一致範囲の広さ
完全一致:キーワードとクエリが完全に一致(類義語や異なる語順は対象外)。
フレーズ一致:キーワードがクエリ内にそのままの形で含まれている必要がある。 - 精度と拡張性
完全一致:ターゲティング精度が非常に高い。
フレーズ一致:中程度の拡張性。インテントマッチより狭いが完全一致より広い。 - 活用目的
完全一致:明確なターゲット層への効率的な広告配信をしたい場合。
フレーズ一致:ターゲット層をある程度拡張しつつも、適度な精度を保ちたい場合。
フレーズ一致とインテントマッチの違い
主な違い
- 一致の条件
フレーズ一致:キーワードがクエリ内にそのままの形で含まれている必要がある。
インテントマッチ:同義語、類義語、関連性の高い語句をカバー。 - 適応範囲
フレーズ一致:中程度の拡張性。インテントマッチより狭いが完全一致より広い。
インテントマッチ:ターゲティングは柔軟だが、関連性が低いクエリに表示される可能性も。 - 活用目的
フレーズ一致:ターゲット層をある程度拡張しつつも、適度な精度を保ちたい場合。
インテントマッチ:検索意図を重視し、幅広いユーザーをターゲットにしたい場合。
フレーズ一致のメリットとデメリット
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フレーズ一致は、リスティング広告の運用で有用なマッチタイプですが、メリットとデメリットがあるため解説します。
フレーズ一致のメリット
無駄な広告費の削減
フレーズ一致では、設定したキーワードが検索クエリにそのままの形で含まれている場合にのみ広告が表示されるため、無関係な検索クエリへの無駄なクリックを防ぐことができます。この結果、広告費を効率的に活用できます。
- 不要なクリックによる広告費の浪費を防止
- 関連性の低いユーザーへの広告表示を抑制
- コンバージョン率の向上による費用対効果の改善
ターゲットユーザーへの効果的なアプローチ
フレーズ一致は、設定したキーワードに関連性の高い検索クエリに対して広告を表示するため、興味・関心のあるユーザーへ的確にアプローチすることが可能です。これにより、より高い広告効果が期待できます。
- 購買意欲の高いユーザーへのリーチが可能
- サービスや商品に関心を持つターゲット層への最適化
- コンバージョン率の向上に貢献
フレーズ一致のデメリット
一部の潜在顧客を取りこぼす可能性
フレーズ一致は、設定したキーワードが検索クエリ内にその順序で含まれている必要があるため、語順が異なる検索語句や関連性のあるバリエーションを取りこぼす可能性があります。
- 語順の違いによる機会損失
例:「広告ウェブ」というクエリは、「ウェブ広告」ではカバーできない。 - 関連性の高い類義語や同義語を拾えない
例:「デジタル広告」という関連語が除外される可能性がある。 - 潜在的なニーズの見逃し
特定のキーワードパターンに依存することで、新しい検索傾向への対応が遅れる場合も。
クリック単価が高くなるリスク
フレーズ一致は、完全一致よりも広い範囲で広告が表示されるため、競争の激しいキーワードではクリック単価(CPC)が高騰する可能性があります。
- 競合が多いキーワードの価格上昇
例:「SEO対策」などの人気キーワードでは高い入札が必要になることがある。 - 関連性の低い検索による無駄なクリック発生
広めの範囲で表示されるため、コンバージョン率が低いクリックが増加する可能性がある。 - 広告費用対効果(ROAS)の低下
無駄なクリックが積み重なることで、広告全体のパフォーマンスが悪化することも。
フレーズ一致の効果的な活用方法
フレーズ一致を効果的に活用するためには、その特性を理解し、適切な設定と運用を行うことが重要です。ここでは、フレーズ一致を最大限に活用するための具体的な方法と注意点について解説します。
除外キーワード設定での活用
フレーズ一致は、関連性のある幅広い検索語句に広告を表示することが可能ですが、意図しない検索クエリへの広告表示を防ぐためには、除外キーワードの設定が欠かせません。除外キーワードを適切に設定することで、無駄な広告費を抑え、コンバージョン率の向上が見込めます。
活用ポイント
- 不要なクエリの特定
広告配信後、Google広告の検索語句レポートを分析し、無関係なクエリやコンバージョン率の低いクエリを特定します。 - 除外キーワードとして追加
特定した不要なクエリ(例:「無料」「求人」「詐欺」など)を、広告グループまたはキャンペーン単位で除外キーワードとして追加します。 - 定期的な見直し
広告運用中も定期的にレポートを確認し、新たな不要クエリを継続的に除外設定することで、広告パフォーマンスを維持することができます。
地域キーワードでの活用
フレーズ一致は、地域名を含むキーワードと組み合わせることで、特定の地域に関連する検索クエリに対して広告を効果的に表示することができます。これは、ローカルビジネスや地域限定のサービスを提供する企業にとって非常に有効です。
活用ポイント
- 地域キーワードの選定
「カフェ 東京」「美容院 渋谷」など、地域名を含むキーワードをフレーズ一致で設定することで、地域密着型のターゲティングが可能です。 - 地域に関連する除外キーワードの設定
逆に、対象外の地域名(例:「大阪」「名古屋」)を除外キーワードとして設定することで、不要なエリアへの広告表示を防げます。 - 地域ごとのパフォーマンス分析
地域別の広告効果を分析し、クリック率やコンバージョン率が高い地域には予算を増やすなどの最適化を行います。
他のマッチタイプとの使い分け
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効果的な広告運用を実現するためには、フレーズ一致、完全一致、インテントマッチの特徴を理解し、どの場面でどのマッチタイプを活用するかを戦略的に考えることが重要です。ここでは、各マッチタイプをどのように使い分けるべきか、具体的なシチュエーションと活用ポイントを詳しく解説します。
完全一致との使い分け方
1. ビジネスフェーズごとの使い分け
- 立ち上げ期:完全一致をメインに活用
広告キャンペーンの初期段階では、完全一致を中心に活用することで、広告予算の無駄を最小限に抑えつつ、コンバージョン率の高い検索クエリに集中できます。特に、商品・サービス名やブランド名など、明確な意図を持つユーザーをターゲットにする場合に有効です。 - 拡大期:フレーズ一致でターゲット層を広げる
ビジネスが成長し、より多くのトラフィックを獲得するフェーズでは、フレーズ一致を活用して、関連性の高い検索クエリまでターゲットを拡大します。これにより、潜在顧客層へのアプローチが可能となり、集客効果が向上します。
2. 予算規模に応じた使い分け
- 限られた予算の場合:完全一致で効率重視
限られた広告予算の中でROI(投資対効果)を最大化するためには、完全一致で無駄なクリックを防ぎ、高いコンバージョン率が期待できる検索クエリに絞り込みます。 - 潤沢な予算の場合:フレーズ一致で新規層開拓
広範囲なターゲティングが可能なフレーズ一致を活用することで、新しい顧客層の発掘や新規キーワードの発見が可能となり、ビジネスの成長をサポートします。
3. 競合環境の違いによる使い分け
- 競争が激しい市場:完全一致で無駄な競争を回避
高単価なキーワードや競合が多い市場では、完全一致を活用して、明確な購買意図を持つユーザーのみに絞ることで、無駄なクリックコストを防ぎます。 - 競争が少ない市場:フレーズ一致で市場拡大
競争が少ない市場では、フレーズ一致を活用して幅広い関連クエリにリーチし、新たな需要の掘り起こしが可能です。
インテントマッチとの使い分け方
1. ユーザーの購買意図に応じた使い分け
- 購買意欲が高いユーザー:フレーズ一致で正確にアプローチ
商品名や具体的なサービス内容など、明確な購入意図がある検索クエリには、フレーズ一致を使用することで、コンバージョン率の高いユーザー層に効果的にリーチできます。 - 情報収集段階のユーザー:インテントマッチで幅広くカバー
商品やサービスについて情報収集中のユーザーには、インテントマッチを活用して、関連する幅広い検索クエリに対応し、潜在顧客層の発掘を促進します。
2. キャンペーン目的による使い分け
- ブランド認知向上:インテントマッチを活用
新商品やブランドの認知度向上を目的とする場合、インテントマッチを活用することで、より多くの検索意図に基づいた広告表示が可能になり、幅広い層へのリーチが実現できます。 - コンバージョン重視:フレーズ一致で確度の高い層へ配信
すでにニーズが顕在化しているユーザー層へのアプローチには、フレーズ一致が効果的です。これにより、コンバージョンの可能性が高いクエリに広告配信を絞り、費用対効果の向上が期待できます。
3. 広告パフォーマンスの最適化
- ABテストによる最適化
同じ広告グループ内でフレーズ一致とインテントマッチを併用し、どのマッチタイプがより高いCTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)を獲得しているかを分析します。このデータを基に、効果の高いマッチタイプに予算配分を最適化する運用が有効です。 - リマーケティングとの組み合わせ
既存顧客や過去にサイトを訪問したユーザーに再アプローチする場合は、フレーズ一致でパーソナライズされた広告配信が効果的です。一方で、新規顧客獲得を目指す場合は、インテントマッチを活用して、より多くの潜在ユーザーにリーチできます。
まとめ
Google広告において、広告表示の精度と柔軟性のバランスを取るための重要なマッチタイプ「フレーズ一致」についてご紹介しました。
効果的に活用するためには、除外キーワードの適切な設定、地域キーワードとの組み合わせ、そして検索クエリの分析による新たなキーワードの発掘が重要です。また、完全一致やインテントマッチと目的に応じて使い分けることで、広告パフォーマンスを最大化することができます。
本記事で解説したポイントを参考に、フレーズ一致の特性を広告運用にぜひ活かしてみてください。