Looker Studioでグラフの追加&カスタマイズのポイントを紹介!

みなさん、こんにちは。
前回は、Looker Studio におけるデータ接続や統合方法について解説しました。
今回は、Looker Studio で利用できるグラフの種類や、見た目のカスタマイズ方法について詳しくご紹介します。
ダッシュボードを作成するうえで、接続したデータの特徴に合ったグラフを選ぶことや、色・ラベルの調整は、視認性を高めるために欠かせない要素です。
豊富なグラフ形式と、ノーコードで直感的に操作できるカスタマイズ機能の活用法を身につけ、日々のデータ分析にぜひお役立てください!
目次
グラフ追加方法
Looker Studioのレポートにグラフを追加する基本的な手順は、以下の通りです。
使用するデータは事前に接続しておきましょう。
ツールバーにある「グラフを追加」をクリック
追加したいグラフの種類を選択
利用可能なグラフには、スコアカード、表、ピボットテーブル、時系列グラフ、円グラフ、複合グラフ、散布図などがあります。
記事後半でそれぞれの特徴やカスタマイズについて詳しく説明します。
レポートのキャンバス上で、グラフを配置したい場所をクリック
プロパティを設定
画面右側に表示されるプロパティパネルを使って、グラフのデータやスタイルなどを設定します。
各プロパティパネルで、使用するフィールドを「ディメンション」と「指標」に分けて指定します。
「ディメンションを追加」から選択、または右の使用可能な項目からドラッグ&ドロップで移動させます。
ディメンションは、日付、アカウント名、カテゴリなど、一般的に数値以外のフィールドで、データを集計する際の「軸」となる項目です。
一方、指標はクリック数や売上高など、集計や計算の対象となる数値データを指します。
また指標については、データ型や表示フォーマット、集計方法などを変更できます。
以上でグラフの追加は完了です。
一度レポートに追加したグラフは、新しく作り直さなくても、別のグラフタイプに切り替えることが可能です。グラフの種類を変更しても、設定済みのディメンションや指標、スタイルオプションなどのカスタマイズ内容は保持されます。
💡グラフを切り替えた際に、通貨形式を日本円に設定していても、自動的にドルに変更されることがあります。グラフを切り替える際は、通貨の形式やデータ型、集計方法などが意図せず変更されていないか、注意が必要です。
なお、1つのレポートに追加できるグラフの数には上限があり、最大50個までです。また、ピボットテーブルに関しては、1ページあたり最大5つまでとなっていますのでご注意ください。
グラフの特徴と設定方法
スコアカード
合計CV数や平均IMP数などひとつの数値で表示させたい場合に向いています。前期間との比較(%増減)や比較ラベルを表示できるため、トレンド把握にも便利です。
プロパティの設定方法
①スパークライン
ディメンションにデータの期間を設定することで、中央のスコアカードのようなシンプルな折れ線グラフ(スパークライン)を追加でき、下降傾向などを一目で確認できます。また、ⅲのスタイル設定により、スパークラインの線の色や塗りつぶしの色を指定することも可能です。
②比較期間
比較期間の設定をオンにすることで、前の期間との比較値を表示できます。ⅰのスタイル設定により、増加時は緑色、減少時は赤色で色分けすることが可能です。さらに、左のスコアカードのように変化量を絶対値で表示したい場合はⅱをオンに、中央のスコアカードのように変化率(%)で表示したい場合はオフに設定してください。
③比較タイプ
比較タイプは「期間」「値」「指標」「なし」から選択でき、表示中の指標を別の指標や値と比較した数値を表示できます。「指標」を選択した場合は、右のスコアカードのように目標に対する達成率を表示することが可能です。
表/棒付きデータ表/ヒートマップ付きデータ表
広告キャンペーンの詳細確認や月別の集計値など、カテゴリ情報と数値を整理したい場合に適しています。棒グラフやヒートマップなどでセルの背景色を変更でき、視覚的に値の大小を把握することができます。
プロパティの設定方法
①ディメンション
日付、アカウント名、カテゴリなど、一般的に数値以外のフィールドで、データを集計する際の「軸」となる項目です。
②オプションの指標
オプションの指標をオンにすることで、ユーザーは必要に応じて表示する指標を追加・切り替えることができます。「オプションの指標」をクリックし、表示したい指標にチェックを入れることで設定できます。この機能は、表、棒グラフ、折れ線グラフなど、一部のチャートタイプでのみ利用可能です。
ⅰ ヒートマップ
指標の表示方法は「数値」「ヒートマップ」「棒グラフ」から選択でき、各表示形式に応じて色の設定も可能です。
折れ線グラフ/棒グラフ/複合グラフ
日別のCV数の推移、COSTの推移などトレンドの可視化に向いています。複合グラフではスケールの違うデータを同時に確認することができます。
プロパティの設定方法
①ディメンション
日付、アカウント名、カテゴリなど、一般的に数値以外のフィールドで、データを集計する際の「軸」となる項目です。
②並び替え
グラフは、特定の指標やディメンションに基づいて、昇順または降順に並び替えることができます。
ⅰ スタイル
系列のタイプを「折れ線」、「棒」から選択できます。それぞれのグラフの色を選択でき、「折れ線」であれば線の太さ、線のスタイル(「実線」「点線」など)もカスタマイズできます。「データラベル」にチェックを入れるとグラフ上で数値確認することができます。チェックを入れていない場合でも、グラフ上でマウスオーバーすることで数値を表示させることができます。
その他のグラフ
そのほかにも、Googleマップ上に円(バブル)を表示し、その大きさや色でデータの特性を表現するバブルマップや、データを長方形で示し、面積の大きさによって数値の大きさを視覚化するツリーマップなど、多様なグラフを利用できます。
データの種類や分析の目的に応じて、適切なグラフを選びましょう。
フィルタの設定方法
大量のデータから、特定の条件に合致するものだけを抽出することで、視覚的にも分析的にも多くのメリットが得られます。さらに、表示されるデータ量が物理的に少なくなるため、ダッシュボードの読み込み速度も向上します。
分析の目的や利用者のニーズに応じて、最適なフィルタを使い分けましょう。
レポートフィルタ
レポート全体にフィルタを適用するレポートフィルタ
手順1:上部メニューの「ファイル」>「レポート設定」を選択
手順2:右のサイドバーから「フィルタを」追加を選択
手順3:以下のように条件を設定
名前:フィルタ名(フィルタは再利用可能なため後からでもわかる名前にしておきましょう)
フィルタ条件:「一致条件」「除外条件」から選択
ディメンション:絞り込みをかけたいディメンションを選択
演算子:「次と等しい」「含む」「次を含む正規表現」「nullである」などから選択
値:選択したディメンションの値を選択
フィルタ設定では「AND」条件「OR」条件を追加することもできます。
例えば、「AND」条件では、Country
を「Japan」、かつ Device Category
を「DESKTOP」に設定することで、両方の条件を同時に満たすデータのみにフィルタを適用できます。
一方、「OR」条件では、Country
を「Japan」または「United States」に設定し、いずれかの条件を満たすデータに対してフィルタをかけることが可能です。
💡 異なるフィールドにまたがる OR 条件(例:Country
が「Japan」または Device Category
が「DESKTOP」)は、Looker Studioの標準機能では直接サポートされていません。
このような条件を実現したい場合は、データソース側であらかじめ条件列を作成するか、カスタムフィールドを使って論理判定列を定義することで対応できます。
ページフィルタ
特定のページにだけ適用されるページフィルタ
手順1:上部メニューの「ページ」>「現在のページの設定」を選択
手順2:「フィルタを追加」から作成ずみのフィルタを選択、またはフィルタを作成
手順3:ページフィルタと同じようにフィルタを作成するか、既存のフィルタを追加
チャートフィルタ
個別のグラフや表にだけ表示されるチャートフィルタ
手順1:フィルタを追加したいグラフや表を選択
手順2:サイドバーの「設定」>「フィルタを追加」を選択
手順3:ページフィルタと同じようにフィルタを作成するか、既存のフィルタを追加
フィルタコントロール
閲覧者が自由に条件を選べるインタラクティブなフィルタ
手順1:上部メニューの「挿入」から挿入したいフィルタイプを選択
主なフィルタコントロール
- 期間設定
- プルダウンリスト
- スライダー
- 入力ボックス
その他のおすすめカスタマイズ
上記で紹介した他にも、レポートの「わかりやすさ」「使いやすさ」を向上させる機能がたくさんあります。
その中でも特におすすめの便利機能を紹介します!
条件付き書式

CLICKが800,000以上の時に背景色をピンク、
CTRが5%未満ならテキストを赤/10%を上回るならテキストを緑に設定
「COSTが100万を超えたら緑」「IMPが前月比でマイナスなら赤」といったように、数値の大小や特定の条件に応じてセルの背景色や文字色を変更することができる機能で、異常値や重要ポイントを直感的に把握できます。
手順1:フィルタを追加したいグラフや表を選択
手順2:サイドバーの「設定」>「書式を追加」を選択
手順3:ルールの作成画面から色のタイプ、書式ルール、色とスタイルを設定
書式ルールは「または」「および」を活用し、中間層のピックアップやネガティブ傾向のデータ値を可視化することができます。
💡条件付き書式は一部のチャート(テーブル・スコアカード)に限定されており、グラフには直接適用できないことが多いです。その場合は、計算フィールドと組み合わせて対応したり、代わりに色スケールを活用するようにしましょう。
奇数行(偶数行)の背景色設定
視認性を高めるため、グラフ(特にテーブル)で奇数行のみ背景色をつける設定ができます。
手順1:フィルタを追加したいグラフや表を選択
手順2:サイドバーの「スタイル」>「奇数行の色」を選択
行ごとの視線移動がしやすくなり、特にデータ量が多いときに効果的です。
条件付き書式とも併用可能ですが、条件付き書式で設定された背景色が奇数行の背景色より優先されることがあるため、意図した色分けが崩れないか確認しましょう。
まとめ
Looker Studioでは、グラフの選択や装飾の工夫によって、より伝わりやすいデータ可視化が可能になります。
ご紹介したポイントを参考に、ぜひご自身のレポートでも試してみてください!
今回はLooker Studioの使い方についてご紹介しましたが、実際の業務では、TROCCOを活用したデータの自動集約・加工と組み合わせることで、より効率的で再現性の高いダッシュボード構築が可能になります。TROCCOについては、TROCCO(トロッコ)とは?主要機能・特徴・料金・類似サービスとの違いを解説で、主要機能や導入支援についてご紹介していますので、あわせてご覧ください。
またD2C RではTROCCOによるデータ処理基盤の整備から、Looker Studioを用いた可視化・レポーティングの設計・構築まで一貫した支援を行っています。
詳しくはこちらよりお気軽にお問い合わせください。