検索クエリとは?キーワードとの違いやリスティング広告とSEOでの活用方法を解説
CANVAS編集部
みなさん、こんにちは。
リスティング広告やSEOで抑えておきたい検索クエリ。
今回は、検索クエリとキーワードの違いや種類について解説していき、検索クエリの調査に最適なツールと調べ方、活用方法までを一挙にご紹介します。
本内容は、マーケティングの中でも重要度の高い内容ですので、ぜひご一読ください。
目次
検索クエリとは?
検索クエリの基本的な定義
検索クエリとは、ユーザーが検索エンジンに入力する語句(単語・複合語・フレーズなど)を指します。ユーザーが知りたい情報、解決したい問題、購入を検討している商品に関連するキーワードを入力することで、検索エンジンはそのクエリに関連するウェブページを表示します。
検索クエリの種類
検索クエリには、ユーザーの意図やクエリの長さに基づいてさまざまな種類があります。それぞれのタイプを理解することで、SEOや広告戦略を効果的に策定することが可能になります。
ユーザーの意図による分類
ユーザーが検索エンジンを利用する際の意図に基づいて、検索クエリは以下の4つに分類されます。
分類 | 例 | 別名 |
---|---|---|
ナビゲーショナルクエリ | D2C R 問い合わせ D2C R 資料 | 案内型 Doクエリ |
インフォメーショナルクエリ | ドコモ広告 とは ドコモ広告 メニュー | 情報型 Knowクエリ |
トランザクショナルクエリ | 広告 おすすめ 広告 人気 | 取引型 Buyクエリ |
ビジットインパーソンクエリ | 汐留 ホテル 汐留 ランチ | エリア型 Goクエリ |
ナビゲーショナルクエリ:Doクエリ
特定のウェブサイトやページにアクセスしたい場合のクエリです。例えば、「Amazon」や「YouTube ログイン」などのクエリがこれに該当します。ユーザーは特定のウェブサイト・ページにたどり着くことを目的としています。
インフォメーショナルクエリ:Knowクエリ
情報を得るために使用されるクエリです。例えば、「天気予報 大阪」や「SEOとは」など、ユーザーが特定の情報を検索している場合に使われます。インフォメーショナルクエリは、知識を深めるために広く使用されます。
トランザクショナルクエリ:Buyクエリ
購入やアクションを伴うクエリです。「iPhone 14 購入」や「レストラン 予約」など、ユーザーが特定の行動を起こすことを目的としています。このクエリタイプは、リスティング広告で特に重要です。
ビジットインパーソンクエリ:Goクエリ
ユーザーが物理的に特定の場所を訪れることを目的とした検索クエリです。例えば、「渋谷 カフェ」や「近くのコンビニ」などの検索がこれに該当します。ユーザーは特定の場所や施設の情報を求めており、その場所を訪れることが最終的な目的です。
キーワードの長さによる分類
キーワードは、ボリュームとその長さによっても分類されます。一般的に、クエリが短いほど競争が激しく、長いほど特定のニーズに対応しやすいとされています。
ビッグキーワード
検索ボリュームが非常に大きく、競争も激しいキーワードを指します。例えば、「ダイエット」「旅行」「スマートフォン」などの単語が該当します。これらのキーワードは、幅広いトピックに関連しているため、非常に多くのユーザーに検索されますが、その分競合も多く、上位表示を狙うのは難しいのが特徴です。
ミドルキーワード
ビッグキーワードほどではないものの、一定の検索ボリュームがあり、比較的競争が少ないキーワードです。例えば、「ダイエット 食事メニュー」「格安 旅行 パッケージ」「スマートフォン 最新モデル」といった複数語から成るキーワードが該当します。ミドルキーワードは、ビッグキーワードに比べて競争が緩やかです。
スモールキーワード
検索ボリュームが少なく、非常にニッチなトピックに関連するキーワードです。例えば、「ダイエット 低糖質 食事プラン」「沖縄 個人旅行 3日間」「ゲーミングスマートフォン おすすめ」といった、具体的なニーズを持つユーザーが検索する複数語から成るキーワードが該当します。スモールキーワードは、競合が少なく、特定のニーズに合わせたコンテンツで上位表示を狙いやすいのが特徴です。
ロングテールキーワード
スモールキーワードと似ていますが、さらに具体的で長いフレーズから成るキーワードです。ロングテールキーワードは、検索ボリュームは少ないものの、非常に具体的なニーズに応えるものであり、コンバージョン率が高くなる傾向があります。また、ロングテールキーワードを複数ターゲットにすることで、トータルのトラフィックを増やすことが可能です。
キーワードと検索クエリの違い
「キーワード」と「検索クエリ」は、混同されがちな用語ですが、マーケティング用語として異なる意味を持ちます。キーワードは、ウェブサイト運営者やマーケティング担当者が、特定のコンテンツや広告キャンペーンのために選定する言葉やフレーズです。一方、検索クエリは、ユーザーが実際に検索エンジンに入力する言葉やフレーズを指します。
例えば、キーワードとして「ダイエット サプリ」を設定している場合、ユーザーが「ダイエットサプリ おすすめ」と検索エンジンに入力する検索クエリに対応します。このように、キーワードはユーザーが入力する可能性のある検索クエリを予測して設定されますが、実際の検索クエリはより具体的で多様なものになることが多いです。
検索クエリの調べ方
検索クエリの分析は、SEOやリスティング広告において不可欠な要素です。以下に、検索クエリを効率的に分析できる5つの主要なツールと調べ方を紹介します。
Google Search Console
Google Search Consoleは、ウェブサイトの検索パフォーマンスを監視し、改善するための無料ツールです。このツールでは、ユーザーがどのような検索クエリでサイトを訪れたかを確認でき、クエリごとの表示回数、クリック数、クリック率(CTR)などのデータを確認できます。
- Google Search Consoleにログインし、対象のウェブサイトを選択
- 左側のメニューから「検索パフォーマンス」を選択
- 「クエリ」タブをクリックし、どのような検索クエリでサイトにアクセスしたかを確認
- 表示されたクエリごとにクリック数・表示回数・クリック率(CTR)・平均掲載順位を確認
Google広告
Google広告(Google Ads)では、リスティング広告キャンペーンの一環として検索クエリを調べることができます。手順は以下の通りです。
- Google広告にログインし、対象のキャンペーンを選択
- 左側のメニューから「分析情報とレポート」を選択し、さらに「検索語句」をクリック
- ここで、ユーザーが広告をクリックするために使用した具体的な検索クエリを確認
- 各クエリごとにクリック数・表示回数・CTR・コンバージョン数などの詳細データを確認
どのクエリが効果的かを分析
Yahoo!広告
Yahoo!広告でも、Google広告と同様に検索クエリを調べることができます。手順は以下の通りです。
- Yahoo!広告にログインし、対象のキャンペーンを選択
- 「キーワード」セクションから「検索クエリー」を選択
- 広告がクリックされた検索クエリが表示され、各クエリのパフォーマンスデータを確認
- クエリごとのクリック数・CTR・コンバージョン率などを確認
効果的なクエリを特定し、最適化
Googleアナリティクス4
Googleアナリティクス4(GA4)は、ウェブサイトのトラフィックとユーザー行動を分析するための強力なツールです。検索クエリを調べるには、Search ConsoleとGA4を連携させる必要があります。手順は以下の通りです。
GA4の強みは、クエリデータを他のユーザー行動データと組み合わせて分析できる点にあります。これにより、クエリごとのエンゲージメントや離脱率、コンバージョン率を深く分析して、改善を進めることができます。
キーワードプランナー
キーワードプランナーは、Google広告に組み込まれたツールで、検索クエリのリサーチにも非常に便利です。手順は以下の通りです。
厳密には検索クエリを調べることはできませんが、キーワード単位での検索ボリュームを調べることができます。
- Google広告にログインし、ツール>キーワードプランナーを開く
- 「新しいキーワードを見つける」を選択し、関連するキーワードやフレーズを入力
- 関連する検索クエリやその検索ボリューム、競争度などのデータを確認
- 新しいキーワードのアイデアや、ユーザーが実際にどのようなクエリを使用しているかを確認
▼キーワードプランナーの使い方をさらに知りたい方はこちら
検索クエリの分析方法
検索クエリの分析は、ユーザーの意図を理解し、効果的なSEOや広告戦略を構築するための重要なステップです。以下に、具体的な分析方法を解説します。
検索画面のサジェストを活用する
検索エンジンの検索バーにキーワードを入力すると、関連するサジェスト(予測検索クエリ)が自動的に表示されます。これらのサジェストは、実際にユーザーが検索しているクエリに基づいており、SEOやリスティング広告のキーワード選定において非常に参考になります。
例えば、Googleの検索バーに「ダイエット」と入力すると、「ダイエット 食事」「ダイエット レシピ」「ダイエット サプリ」などのサジェストが表示されます。これらは、ユーザーが関心を持っている具体的なクエリであり、それに対応するコンテンツを作成することで、検索エンジンでの露出を高めることができます。
PAA・PASFを調査する
PAA(People Also Ask)やPASF(People Also Search For)は、検索結果ページに表示される関連クエリのセクションです。PAAは「他の人はこちらも質問しています」、PASFは「他の人はこちらも検索しています」といった形で表示され、ユーザーが追加で検索しそうなクエリがリスト化されています。
これらの機能を活用することで、ユーザーが次にどのような情報を求めているかを予測し、そのニーズに応えるコンテンツを提供することが可能です。PAAに表示される質問に答える形でコンテンツを作成することで、特定のクエリに対する検索順位を上げやすくなります。
X(Twitter)などのSNSでのトレンドを調査する
X(旧Twitter)や他のSNSは、ユーザーがリアルタイムで何に関心を持っているかを反映する貴重な情報源です。SNS上でのトレンドや人気のハッシュタグを調査することで、ユーザーの最新の関心事や話題となっているテーマを把握できます。
例えば、特定の商品やサービスに関するクエリがSNS上で頻繁に言及されている場合、それを元にSEOや広告戦略を調整することで、より多くのトラフィックを獲得することが可能です。また、SNS特有の略語や流行語をクエリに取り入れることで、ターゲット層に訴求力のあるコンテンツを作成できます。
Yahoo!知恵袋やAmazonレビューを活用する
Yahoo!知恵袋やAmazonレビューなどのQ&Aサイトやレビューサイトは、ユーザーが抱える具体的な疑問や不満、ニーズを把握するのに役立ちます。これらのサイトで頻繁に出現する質問やコメントを分析することで、ユーザーが何を求めているのかを詳細に理解し、それに基づいたクエリを見つけることができます。
例えば、Yahoo!知恵袋で「ダイエット」と検索した際に、多くのユーザーが「ダイエットの食事制限やカロリー計算」と質問していることが分かった場合、それをキーワードとして取り上げたコンテンツを作成することが考えられます。同様に、Amazonレビューでは、ユーザーが特定の製品に関してどのような点を評価しているのかを確認し、それに基づいたクエリを考えます。
リスティング広告での検索クエリ活用方法
検索意図の深堀りとクエリ分析
検索クエリはユーザーの意図を直接的に反映していますが、その背後にある意図を深く理解するためには、クエリの分析が不可欠です。形態素解析を利用することで、クエリを構成する単語を分解し、各単語が持つ意味や役割を理解できます。これにより、ユーザーが具体的に何を求めているのか、どのような問題を解決しようとしているのかを把握し、それに合わせた広告戦略を構築することが可能になります。
例えば、「安いスマートフォン 東京 購入」というクエリを形態素解析で分解すると、「安い」「スマートフォン」「東京」「購入」という要素に分かれ、それぞれが価格、商品、場所、意図を示していることが分かります。これに基づいて、価格に敏感な顧客をターゲットにした広告文を作成することができます。
成果に繋がらないキーワードの除外
リスティング広告の効果を最大化するためには、成果に繋がらないキーワードを除外することが重要です。否定キーワードとして設定することで、無駄なクリックを減らし、広告費の無駄遣いを防ぐことができます。
例えば、「無料」「サンプル」「レビュー」など、購入意図が低いクエリに対応するキーワードを除外することで、クリック率(CTR)やコンバージョン率を向上させることができます。
コンバージョンクエリによる成果の最大化
コンバージョンに直結するクエリを特定し、キーワードとして登録することで、より効果的なリスティング広告運用が可能になります。これらのクエリに対して入札を強化することで、広告の表示順位を上げ、クリック率やコンバージョン率を高めることができます。
例えば、「即日発送 スマートフォン 購入」などの具体的な購入意図が強いクエリは、入札強化の対象とするべきです。このようなクエリに対する効果的な広告出稿により、売上を大幅に伸ばすことが期待できます。
広告文やランディングページのキーワード最適化
検索クエリに応じて広告文やランディングページのテキストの最適化も重要です。ユーザーが使用する具体的なクエリに合わせて、広告文やランディングページのメッセージを調整することで、クリック率やコンバージョン率が向上します。
例えば、「東京で安いスマートフォンを探している」というクエリに対しては、広告文やランディングページに「東京での特別割引」や「最安値保証」などのテキストを追加することで、ユーザーの関心を引きつけ、購入に繋げることができます。
他の広告施策への活用
検索クエリから得られるデータは、リスティング広告だけでなく、他の広告チャネルにも活用できます。Google広告やYahoo!広告ではキーワードを活用したターゲティングがディスプレイ広告にあり、SNS広告でもキーワードでターゲティングが可能なメニューもあります。
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SEOでの検索クエリ活用方法
SEO戦略の効果を最大化するために、検索クエリのデータを活用は非常に有効です。以下では、検索クエリの分析を基にした具体的なSEO施策例をご紹介します。
検索クエリの分析によるコンテンツ改善
検索クエリの分析は、既存コンテンツの改善において非常に重要です。まず、先述したツールを使用して、どの検索クエリが特定のページにトラフィックをもたらしているかを確認します。大きく3つのステップで考えてみてください。
- キーワードの最適化
ページが狙っているキーワードに対して、実際にどのクエリがトラフィックを生んでいるかを確認して、メインのキーワードやサブキーワードを調整します。 - コンテンツの充実
特定のクエリで訪れるユーザーのニーズを満たすために、コンテンツを充実させたり、FAQセクションを追加したりします。 - メタデータの調整
タイトルタグやメタディスクリプションを、よく検索されるクエリに最適化することで、クリック率(CTR)を向上させます。
クエリデータを基にしたキーワード戦略の見直し
検索クエリデータを分析することで、現在のキーワードよりも効果的なキーワードを見付けることができたり、狙うキーワードを分割して新規コンテンツ作成のきっかけにすることができます。
- 新しいキーワードの発見
クエリデータからターゲットにしていなかったが、実際にはトラフィックを生んでいるクエリを特定し、それらのキーワードに対してのコンテンツを作成します。 - 既存キーワードの分割
公開したコンテンツで複数のキーワードが取れている場合に、より高順位を目指すため、キーワードを分割して新規コンテンツを作成することで、キーワードをより細分化することができます。 - キーワードの除外
クエリデータを基に、トラフィックが少ない、またはコンバージョンにつながらないキーワードを見直し、コンテンツを新規作成するか、コンテンツ自体を削除します。
クエリを基にしたコンテンツ企画の立案
検索クエリのデータは、新しいコンテンツを企画する際の重要なヒントとなります。ユーザーがどのような情報を求めているかを理解し、そのニーズに応えるコンテンツを作成することで、SEOの効果をより高めることができます。
- トレンドクエリのキャッチ
一時的に検索ボリュームが増加しているクエリをキャッチし、そのクエリに対応したタイムリーなコンテンツを企画・作成します。 - ロングテールキーワードの活用
特定のニッチなロングテールクエリをターゲットにした専門的なコンテンツを作成し、競争の少ない分野での検索順位を狙います。
クエリを活用した内部リンクの最適化
内部リンクの最適化は、SEOにおいて重要な施策の一つです。検索クエリのデータを活用することで、より効果的な内部リンク構造を構築できます。
- 関連性の高いリンク設置
クエリに基づいて、関連性の高いページ同士をリンクさせることで、ユーザーの滞在時間を延ばし、コンテンツの発見性を高めます。 - アンカーテキストの最適化
実際の検索クエリに基づいて、内部リンクのアンカーテキストを最適化することで、検索エンジンがリンクの関連性をより高く評価するようになります。
まとめ
検索クエリは、ユーザーの意図を直接反映する重要な要素であり、SEOやリスティング広告での成功に欠かせません。クエリを分析し、適切に活用することで、コンテンツや広告の効果を最大化できます。
リスティング広告では、クエリに基づいて入札を強化し、無駄なクリックを防ぐことで、効率的な運用が可能です。SEOでも、クエリに応じたコンテンツ改善が検索順位向上に直結します。
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