【Yahoo!広告運用者へ】YDAキャンペーン設計~虎の巻~
八木 季央
こんにちは!運用部の八木です。
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(通称:YDN)が2019年11月から2020年度にかけて、
Yahoo!広告 ディスプレイ広告(通称:YDA)の運用型に生まれ変わりました。
変更されたことは知っているが実際の運用手法がわからない!
という方必見!
本記事では、新プラットフォームになったことで、
ディスプレイ広告の運用型にどのような変更があり、
どのように運用していくのかをご紹介していきます。
※YDNは2021年春に終了予定です。まだ変換されてない場合は、お早めのご対応をオススメします。
目次
新YDAになって何が変わったの?
新プラットフォームになって大きく変わった点は下記の4点です。
①キャンペーン目的を選択可能。
目的に沿ったアクション数を最大化することが可能に。
②オーディエンスカテゴリーが登場し、
「興味関心」「購買意向」で狙いたいユーザーに的確なアプローチが可能に。
③自動入札が機能改善し、より活用しやすい状態へ。
④ビューアブルベース(広告の50%以上の範囲が1秒以上連続して表示される)
のフリークエンシーキャップ機能の提供
上記に関しては、既にご存知の方も多いかと思いますが、端的に言うと、
『広告プロモーションのKPI達成に重要な指標に合わせて
調整・最適化が進みやすくなった』ということです。
YDA運用型のアカウント設計時の基本的な考え方
アカウント設計時の前に、まずは追加される項目と削除される項目を正確に把握する必要があります。
下記図の、赤文字が新登場の機能で、「×」が削除された項目となります。
見てお気づきの通りで、各階層の役割に変更等は無く、
大きなアカウント構造はございません。
しかし、実運用する際のキャンペーン・広告グループの細分化には
旧YDNと比較して注意する必要があります。
YDAのアカウント設計の基本的な考え方
大前提:広告グループはなるべく1つにまとめる。
こちらがアカウント設計時に必要になる考え方となります。
①自動化に向けたCV蓄積
基本的に入札調整機能で調整できるようなターゲティングであれば、
広告グループは1つにまとめ、自動最適化に必要なCV数の蓄積を優先します。
1つにまとめた後は、CV数が50件以上ある場合は自動入札へ。
50件未満の場合は手動入札で運用してください。
一方、PC/SPでURLが違う場合は、デバイス別の出し分けができないので、
広告グループを分けてください。
②異なる広告の掲載フォーマットも1つにまとめる。
今まではインフィード広告、PC版ブランドパネル等は
キャンペーンで設定が必要だったのですが、
YDAでは必要サイズを網羅することで1つの広告グループで配信可能です。
一方、PC版ブランドパネル・動画といった素材は他フォーマットと比較して、
広告の成果や予測アクション率の異なっているケースが多いため、
場合によっては広告グループを分けた入札調整が必要になるので、ご注意ください。
③自動入札で分けるべきターゲティング
・リターゲティングの階層
・オーディエンスカテゴリ
上記の2つは自動入札のシグナルとして読み込まれないので、
細かく調整したい場合、広告グループを分けて配信する必要があります。
④手動入札で分けるべきターゲティング
・リターゲティングの階層、リーセンシー
・サーチキーワードリスト
・オーディエンスカテゴリ
・プレイスメント
上記はターゲティングごとに配信が出やすい入札額が
異なっている可能性が高いため、手動入札の場合は
広告グループを分けて入札調整する必要があります。
YDA運用型のキャンペーン/広告グループ統合について
続いてYDA運用型のキャンペーン/広告グループ統合についてです。
基本的な考え方でもお伝えしましたが、
広告グループをなるべく1つにまとめることが重要となってきます。
それでは条件別で推奨・非推奨ついて見ていきましょう。
条件について4パターンに分けて考えていきます。
このパートでは自動入札を設定していることを前提に進めていきます。
それでは条件について下図の4パターンに分けて
推奨・非推奨ついて見ていきましょう。
①【CR/LP:同様 ターゲティング内容:同様】のケース
まずは左上のパターンです。
この場合は条件なく統合推奨となります。
広告掲載方式で広告グループが分かれているケースが多いかと思われますが、
YDAでは統合を進めてCV数の蓄積を行ってください。
ただし、PCBP/動画を個別で入札調整したい場合は
広告グループを分けておくことが必要になります。
②【CR/LP:異なる ターゲティング内容:同様】
【CR/LP:異なる ターゲティング内容:異なる】のケース
次に下二つのパターンです。
この場合は基本的に統合非推奨となります。
具体的にはターゲットごとにクリエイティブを出し分けている場合や、
同一ターゲットに商品別等で広告グループを分けて
クリエイティブ/LPの出し分けをしている場合などになります。
▼例:ターゲットごとにクリエイティブを出し分けている場合
▼例:商品別で広告グループを分けて運用している場合
③【CR/LP:同様 ターゲティング内容:異なる】のケース
最後に右上のパターンです。この場合が少し複雑になってきて、
この場合は条件がそろえば統合推奨となります。
それぞれターゲティング別に見ていきましょう。
▼CR/LP:同様 ターゲティング内容:異なる<リタゲの場合>
まずリタゲリストの分け方が階層か、リーセンシーかを確認してください。
階層の場合は基本的に統合非推奨となります。
リーセンシーの場合は統合予定の広告グループで計50CV以上となるかをご確認ください。
ここで50CV以上となる場合は統合しても問題ありません。
一方で50CV未満の場合は統合非推奨となります。
▼CR/LP:同様 ターゲティング内容:異なる<サーチターゲティングの場合>
まず統合予定の広告グループで計50CV以上となるかをご確認ください。
リーセンシーや検索回数のシグナルも読み込まれるため、
50CV以上となる場合は統合しても問題ありません。
50CV未満の場合は次に各リストのキーワード重複率を確認してください。
重複率が高い場合はリストを1つにまとめてしまって統合しても問題ありません。
重複率が低い場合はリストのリーセンシーや検索回数を確認してください。
ここで成果差が少ない場合はKWを分けていると
CVの分散につながるので統合は推奨となります。
一方で成果差がある場合はKWごとに調整を行う方が
効果が良くなる可能性もあるため、統合は非推奨となります。
▼CR/LP:同様 ターゲティング内容:異なる<オーディエンスカテゴリの場合>
この場合は自動入札/手動入札問わずカテゴリ別に入札調整したい
(成果差がある)場合は統合は非推奨となります。
▼CR/LP:同様 ターゲティング内容:異なる<プレイスメントの場合>
自動入札の場合は効果の良い面に配信が寄るため、統合推奨となります。
手動入札の場合は広告グループ内での出し分けができないため統合非推奨となります。
ただし、プレイスメントごとで成果差がない場合は統合推奨となります。
▼CR/LP:同様 ターゲティング内容:異なる<デモグラの場合>
この場合は手動入札/自動入札を問わず統合推奨となります。
自動入札の場合はシグナルが読み込まれて
効果の良いデモグラに配信が寄るようになります。
手動入札の場合は入札価格調整機能を使用して
デモグラごとに出し分けをすることが可能になります。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
本記事ではYDAでのキャンペーン設計について紹介いたしました。
今回の管理画面の大幅なアップデートでYDAに対して
苦手意識を持ってしまう方もいらっしゃったかと思いますが、
そんな方に本記事が少しでも参考になりましたら幸いです!
基本的な考え方を網羅することで、
YDAでの広告効果を最大化できますので是非実践してみてください。
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メディア本部 運用部所属。 新卒で銀行に入社。投資商品の営業を経て、プロダクトアウトではないインターネット広告運用に憧れ2019年6月にD2C Rへ入社。 入社後から運用部へ配属され、ゲーム・非ゲーム案件の広告運用を担当。 2020年10月より組織体制の変更に伴い、非ゲーム案件を中心に扱う第一運用チームへ参画。メディアプランニングから日々の運用改善提案を中心にクライアント様の広告配信の改善を行う。趣味は楽器演奏。ジャズとメタルをこよなく愛する。