【BLSとは?】ブランドリフトサーベイの活用方法とアウトプット事例
池原 一成
こんにちは。D2C Rの池原です。
今回はGoogle広告における『ブランド効果測定(ブランドリフトサーベイ)』(※略:BLS)という機能についてご紹介していきます。
認知拡大のプロモーションには欠かせないサービスとなっているので、この記事を読んで活用を検討してみてください。
目次
BLSのご紹介
はじめに、Google広告におけるBLSについて簡単にご説明致します。
BLSは、YouTubeに表示される短いオンラインアンケートを利用してブランドリフト調査を行うことができる機能です。このオンラインアンケートにより、広告に接触したユーザーと接触していないユーザーから回答が集計され、
動画キャンペーンの配信による、広告想起、認知度、比較検討、好意度、購入意向のうちいずれかの伸びを測定することができます。
実際のアンケートは下図のように表示されます。
獲得を目的とした広告配信とは違い、BLSを利用することでブランド認知の向上を図ることができます。
ユーザーの態度変容を把握し、今後のプロモーションに活かすことができるので、
想定していたペルソナ像と乖離がないか確認することも可能です。
利用条件
続いては、BLSの利用条件についてご説明致します。
利用条件は、以下の条件を満たしていることです。
最低出稿料金は測定したい設問数に応じて異なります。
また、出稿期間は、10日間が推奨となっているものの、実際には10日間で上記期間/金額を配信する必要はありません。
BLSは日予算が(最低出稿金額)÷(10日間)分を上回れば実施可能です。
ただし、利用する金額が少なくなるとアンケート回答数のサンプルが減り、リフトが検出されにくくなりますのでご注意ください。
日別に落とし込んだイメージは下図の通りです。
(例) 1つのキャンペーンでBLS(広告想起/認知度/比較検討/好意度/購入意向)の中から測定指標2つの調査を実施したい場合
⇒ 紐づけているCPNの日予算のが合計$3,000(N)(≒$1=¥150の場合¥450,000(N)以上で設定している間、BLSは有効状態となる
計測できる項目について
ここからは、BLSで計測できる項目についてご説明致します。
アンケートによって計測出来る項目は下図の通りです。
御覧の通り、測定できる項目が豊富にございます。測定項目を選択頂き、
YouTube広告によってユーザーにどのような態度変容があるのか計測することができます。
注意点といたしましては、認知の測定項目に比べて、検討・アクションに関する項目は肯定的な回答が集まりにくく、
統計的に有意なデータが得られにくい傾向があります。そのため、データが不十分になる可能性が高い点にご留意ください。
これは、アンケートの回答内容に正確性を持たせるためGoogle側で定義されている
「絶対的ブランドリフト」という指標が影響しております。
この指標が低ければ低いほど、アンケートの回答数を多く必要とします。
つまり、より多くのリーチを促しアンケートに答えてもらう必要があります。
※「絶対的ブランドリフト」とは、広告非接触グループの肯定的回答の頻度を広告接触者グループの肯定的回答の割合から差し引いて算出される指標です。広告接触者のブランドやサービスに対する好感度に、広告がどの程度影響を与えたかがわかります。
運用方法
加速モードと再測定の機能を理解して対応
・加速モード
加速モードとはアンケート収集期間を短縮してくれる機能です。
正確な結果を得るのに十分な数に達したら調査は完了します。
※デフォルトで加速モードに設定されており、加速モードのみでの運用となりますのでご注意ください。
※加速モードにより計測終了のタイミングが読めないため、都度確認が必要になります。10日以内で終わることが多いです。
・再測定機能
再測定機能とは測定が終わってしまったアンケート収集に対して追加計測が可能な機能です。
追加データを集めて詳細を分析したい時に利用でき、想定していた配信期間よりも早く集計が完了した場合は、再測定を実施することを検討してみてください。
データ不足とされた結果を覆すことやデータの正確性を高めるために推奨しております。
再測定後は、1回目の計測と2回目の計測を合算して集計することができます。
アウトプット事例
ここからは、BLSがGoogleの管理画面でどのようにアウトプットされるのか、簡単にご説明致します。
以下は、広告接触者・広告非接触者のグループに分かれ、肯定的な回答の差分を「効果があったユーザー数」として可視化されているキャプチャとなっております。
タブ別では、年齢/性別/キャンペーン/動画別で数字を確認することができ、どの属性でブランドリフト値が検出されたのかを確認することが出来ます。
結果次第では、今後のプロモーション戦略に役立てることが出来ます。
例えば、30代女性に好印象を与えることが出来た場合、30代女性に向けた獲得プロモーションに費用を投じて商品・サービスの利用を促すことができます。また、20代男性でリフト値が検出されなかった場合、20代男性に商品・サービスを利用してもらえるようなプロモーションを行い改善につなげることもできます。
図の下部には各指標の実績が記載されており、具体的なユーザー体動を確認することが出来ます。
各指標の説明はGoogleのヘルプからご確認いただけますと幸いです。ヘルプはコチラ。
サーチリフトについて
続いては『サーチリフトサーベイ』(※略:SLS)という機能をご紹介致します。
SLSとは、オーガニック検索を追跡して広告内容がユーザーの興味・関心を引き、検索を促せたかどうかの調査を行える機能です。この調査機能を『サーチリフト』と言います。
指定したキーワードについて、接触したユーザーと接触していないユーザーの検索量変化を検証することができます。
利用条件は以下でございます。
利用条件を満たしていれば計測することは可能ですが、
検索されにくい商品・サービスはSLSに向いていないのでご了承くださいませ。
例えば、検索で購入を検討しない商品・サービスはサーチリフトの上昇は見込めません。
サーチリフトの上昇が確認できた場合は、利用ユーザーの増加、比較検討ユーザーの増加が想定されます。
広告配信の結果(視聴数/クリック数)以上に効果的な指標と言えるので、実施を検討してみてください。
まとめ
最後に実施するべきポイントと注意事項をまとめておりますのでご確認くださいませ。
実施するべきポイント
・最低出稿金額、期間を満たせば無料で実施することが出来る。
・通常の配信では成果として確認できない項目(広告想起~購買意向のリフト値)を計測することが出来る。
・今後のプロモーションに活かせる結果が得られる。
注意事項
・実施には機能開放が必要なため、配信までのスケジュールを3週間以上空けておくことを推奨いたします。
※機能開放には、Google様のご担当者様とつながる必要があり、機能開放にも最大10営業日かかります。
・BLS、SLSともに最低出稿金額の配信を満たしていれば、無料で利用できるものの結果を確約するものではありません。
※十分な回答するを集めることができなかった場合、リフトが検出されないことがあります。
・最低出稿金額に加えて、最低デイリー予算を満たす必要があります。
・SLSのキーワードは、広告掲載で検索量が増えることが想定されるキーワードを選定する必要があります。
※検索量が増えにくいものを選定するとリフトが検出されにくくなります。
・測定項目の購買意向は、有意なデータが集まりにくい傾向にあります。
(対応策としては、最低出稿金額以上の予算を配信することでアンケートの回答数を稼ぐ必要があります。)
以上BLS、SLSの紹介になりました。いかがだったでしょうか。
認知拡大、商品・サービス理解度拡大を目指した広告配信を実施するのであればBLSを実施することをおススメいたします。
難しいこと、もっと確認したいことがあれば弊社にご相談頂けますと幸いです。
また、認知拡大のプロモーションを実施する際は、以下VASという機能もご検討いただけると幸いです。
配信手法でユーザーの態度変容を促すことが出来ます。
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最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
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メディアデザイン本部 プラットフォームソリューション部所属。新卒でD2C Rに入社し、主にGoogle、Yahoo!広告運用を担当。趣味はサッカー観戦(海外、Jリーグ両方)、音楽フェスです。