Facebook広告とは?種類・費用・ターゲティング・運用方法まで要点を徹底解説!
清家 隆弘
こんにちは!プランニング&ディレクション本部の清家です。
今日はオンライン広告において必須メディアとも言える、Facebook広告の基礎についてお話します!
今更?と思う方もいるかも知れませんが、今回は「名前はよく聞くけど運用したことないよ~」という方や、
「運用はしてるけど、網羅的にメディア情報を把握できてるのかな?」といった方に向けて、本記事を執筆いたしました^^
今や世界の最先端を走っているメディアであったり、直近社名変更をしたりと、
話題が尽きないメディアとなってますので、基本情報はぜひ押さえておくべきです!では行きましょう!!
目次
Facebookの概要
Facebookの全世界での利用者数は、2021年9月30日現在のMAUは29.1億で、前年比で6%増加しました。
日本でのMAUも2,600万人を超えている状況で、多くのユーザーが実名で登録し、同級生や同僚など、実際に会ったことのある人とつながる場として利用されています。
2004年に設立されたFacebookの使命は、「人々にコミュニティを構築し、世界を近づける力を与えることです。人々はFacebookのアプリとテクノロジーを使用して、友人や家族とつながり、コミュニティを見つけ、ビジネスを成長させます」
と銘打っており、人々のつながりとビジネスにコミットをしているメディアとなっています。
FacebookからMetaへ社名変更
2021年10月28日(現地時間)米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは、
オンラインカンファレンス「Connect2021」で社名を「Meta」に変更すると発表。
「これからはFacebookファーストではなく、メタバースファーストになる」(ザッカーバーグCEO)としています。
2021年11月時点で、広告プラットフォームとしてのFacebook/Instagramについては、名称変更などは特にないようです。
▼カンパニーブランドMetaを発表
https://about.fb.com/ja/news/2021/10/facebok-company-is-now-meta/
▼メタバースに向けたビジョン
https://about.fb.com/ja/news/2021/10/connect-2021-our-vision-for-the-metaverse/
Facebook広告とは?
Facebook広告の大きな特徴は「ターゲティング精度の高さ」と「自動最適化」です。
Facebook自体の登録が「実名制」であることや、プロフィール情報(年齢、性別、住んでいる地域など)に加えて、学歴、勤務先までを登録されていることが多く、
さらに、ユーザー自身が興味のあるコンテンツ(いいね、などのアクティビティ)をもとに詳細なターゲティングを行うことも可能となっているため、
実際のユーザーデータ+Facebook内での実行動データを元にターゲティングが行えるため、リアルなユーザーにかなり近しいターゲット設定を行うことができます。
また配信時の「自動最適化」も優れており、
FacebookのユーザーIDをもとに、デバイスをまたぐ場合のシグナルも人ベースにした計測ができるため、
広告配信する際のあらゆる目的(認知、購入など)に応じた成果地点に対して、
ターゲットやクリエイティブの最適化を自動で行い、成果の最大化を行うことができます。
上記に加えて、
Facebook、Instagram、Messenger、AudienceNetworkへの配信が可能となっており、特にInstagramは日本でのMAUが3,300万人を超えているため、ユーザーの質/量ともに優れたメディアといえます。
参照:https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/
Facebook広告の基本情報
配信面
前述している通り、Facebook、Instagram、Messenger、AudienceNetworkへの配信が可能となっており、
各メディアの中でも、フィード/ストーリーズといった多岐にわたる配信面に広告出稿することができます。
▼Instagram広告を詳しく知りたい方はこちら
※AudienceNetworkとは
Facebookが提携しているパブリッシャーの媒体を通じて配信するアドネットワークです。国内2,450万人以上のユーザーへ配信が可能となっています。具体的なメディアとしては、Gunosy/SmartNewsといったニュースサイトや、マンガアプリ、ゲームメディアなどがあります。
▼アプリ配信を検討の方はこちら:AAAについて
▼アプリ配信を検討の方はこちら:iOS14の対応について
これらの配信先は任意で選択をすることができますが、すべての配信先を設定することを「自動配置」、任意の配信先を選択することを「手動配置」と言います。
Facebookの推奨としては「自動配置」とされており、これはFacebook広告の自動最適化機能が優れているため、各配信面で獲得しやすいユーザーを自動的にターゲットとして認識し配信を行ってくれるため、トータルで見たときに安価で獲得できるケースが多くなります。
広告フォーマット
Facebook広告の広告フォーマットは多岐にわたりますが、
抑えるべきフォーマットは「動画」「静止画」「カルーセル」の3種類。
それに加えて「動画」の制作が難しい場合は、静止画をもとに動きや音声を管理画面上でつけることのできる「スライドショー」を活用することをおすすめします。
運用担当者として議論に上がりやすいことの一つに、広告フォーマットに優劣はあるのか?ということがありますが、
Facebook広告においては、上記の3フォーマットを網羅的に作成し一つの広告G内に入稿しておくのがベターです。
これもFacebook広告の「自動最適化」に起因するのですが、ユーザー、配信面によって最適な広告フォーマットが異なるため、網羅的に入稿しておくことで最適な広告を配信してくれ、良い結果に繋がりやすいです。
ターゲティング
Facebook広告におけるターゲティング設定は大きく分けて4つになります。
Facebookが保有する情報を活用した「基本的な項目」に加えて、
企業が保有している保有データを用いた「カスタムオーディエンス(カスタマーファイル)」、
Facebookピクセル(タグ)を用いてデータを収集する「カスタムオーディエンス(ウェブサイトトラフィック)」、
カスタムオーディエンスをもとに類似したユーザーに拡張する「類似オーディエンス」が、
Facebook広告において活用できるターゲティングになります。
▼基本的な項目
こちらはFacebookが保有するユーザーデータを用いて配信することができます。
具体的には、年齢/性別/ブラウザ・OSなどの基本的なものに加えて、興味・関心や地域、特定のページにいいねしたユーザーなども設定することができます。
▼カスタムオーディエンス(カスタマーファイル)
こちらはクライアントが保有している顧客データを管理画面上にアップロードすることで、
Facebookが保有している利用者のデータベースと照合し、合致したユーザーに対して広告配信をすることが可能となります。
称号に活用できるデータは、
メールアドレス/電話番号/端末識別子(IDFA/GAID)/FacebookユーザーIDなどがあります。
顧客データ活用の際に懸念されるのが個人情報の取り扱いですが、Facebook上でのデータの照合はハッシュ化された状態で行われるため、Facebookへの顧客データの受け渡しは発生しません。
ただし、顧客データをクライアントの変わりに管理画面上へアップロードする作業が発生する場合は、一時的に顧客情報を保有することになるので、取り扱いに注意が必要です。
そのため、理想的なアップロードの方法としては、クライアント側のビジネスマネージャー上で顧客データをアップロードし作成されたカスタムオーディエンスを、実際に活用する広告アカウントへ共有をしてもらうことで、顧客データを取り扱うことがなく、データ活用をすることができます。
▼カスタムオーディエンス(ウェブサイトトラフィック)
クライアントの特定のサイトにFacebookピクセルを設置することで、
そのサイトに訪問したユーザーに対してFacebook内で広告を配信することができます。
▼類似オーディエンス
カスタムオーディエンスなどで作成したユーザーと類似したユーザーをFacebook内で新たに探し出しターゲットオーディエンスとして活用することができます。
類似元として活用できるユーザーはカスタムオーディエンスに加えて、Facebookページでアクションした人、動画視聴した人なども利用することが可能。
また類似度(元のユーザーにどれくらい近いか)を設定することができ、類似度の幅は1%~10%で設定することができます。
1%に近いほど元のユーザーに近くなり、10%に近づくにつれて元のユーザーから遠ざかっていきます。
Facebook広告の入稿規定/クリエイティブ
Facebookのクリエイティブ入稿については、画像/動画×テキストの組み合わせが基本となります。
具体的な入稿規定については、別の記事にまとめてありますので、ぜひこちらをご参照ください。
本記事では入稿規定とは別にFacebookにおけるクリエイティブの注意点を記載します。
①画像内に含まれるテキスト量
②タイトル/説明文について、重要な情報/伝えたい情報はなるべく前半に記載
③クリエイティブの優先度は、画像/動画 > テキスト
①画像内に含まれるテキスト量
こちらは画像内に記載されるテキストの占有率がどれくらいなのか?という話なのですが、
テキストの占有率が20%を超えると、配信量に悪影響がでると言われています。
以前は専有率20%を超えると広告審査に落ちてしまう仕様でしたが、現在は撤廃をされています。
しかしながら、画像内の過度なテキストはFacebookとしても良しとしていないため、
配信量が抑制されてしまうという仕様に変更となっています。
②タイトル/説明文について
Facebook広告では文字数制限に余裕があるため、ついついあれこれ詰め込みがちになりますが、入稿したテキストすべてが広告表示されるわけではありません。表示される文字数は配信面や広告枠、端末によっても異なるため一概に明言はできませんが、
できれば冒頭十数文字以内に重要な情報は入れておくのが良いです。
③クリエイティブの優先度
画像/動画とテキストの組み合わせになりますが、クリエイティブとしての優先度が高いのは、画像/動画になります。
これはFacebookやInstagram上で流れてくる膨大な情報の中で、ユーザーが思わず手を止めて広告を見てくれるかがとても重要になってきます。ユーザーは基本的に情報を流し読みするため、視認性の高い画像/動画の重要性が高まってきます。
特に動画については、
冒頭3秒でどれだけユーザーの興味を引けるかが勝負になるため、
ユーザーが興味を持ちそうな情報や大手企業であれば企業ロゴなどを冒頭に持ってくるのが良いとされています。
Facebook広告のキャンペーンの目的
これまでは、Facebook広告の配信面、ターゲティング方法をお話しましたが、ここからは目的によって使いわけるキャンペーンについて解説いたします。
キャンペーンの目的は大きく「認知」「検討」「コンバージョン」という3つに分けられていて、更に11個のキャンペーン目的が存在します。認知、検討、コンバージョンの目的によって選べるキャンペーンは異なります。
クライアントのビジネス目的を正しく把握し、適切なキャンペーン目的を設定しましょう。
▼認知
目的 | ビジネスの目標 |
---|---|
ブランドの認知度アップ | ビジネス、ブランド、サービスへの認知度を高める。 |
リーチ | ターゲットオーディエンスのできるだけ多くの利用者に広告を表示する。 |
▼検討
目的 | ビジネスの目標 |
---|---|
トラフィック | Facebookから、自社のウェブサイトのランディングページ、ブログ投稿、アプリなど、選択したリンク先に利用者を誘導する。 |
エンゲージメント | 投稿にエンゲージメントする可能性の高い利用者にリーチする。エンゲージメントには、「いいね!」、コメント、シェアなどが含まれますが、ページからのクーポン利用も含めることができます。 |
アプリのインストール | ビジネスのアプリをダウンロードできるアプリストアに利用者を誘導する。 |
動画の再生数アップ | ビジネスの動画を視聴する可能性の高いFacebook利用者に、その動画を配信する。 |
リード獲得 | リードを獲得する。商品に関心を持つ利用者の情報をニュースレターの購読申し込みや電話による問い合わせなどを通じて収集するための広告を作成する。 |
メッセージ | Messenger、Instagram Direct、WhatsAppで利用者とつながる。潜在顧客や既存の顧客とコミュニケーションをとり、ビジネスへの関心を促す。 |
▼コンバージョン
目的 | ビジネスの目標 |
---|---|
コンバージョン | ビジネスのサイト上で利用者に特定のアクションを促す。アクションには、商品のカートへの追加、アプリのダウンロード、サイトへの登録、電話での問い合わせ、購入などがあります。 |
カタログ販売 | Eコマースストアのカタログの商品を掲載して、売上を増やす。 |
来店数の増加 | 近隣の利用者に実店舗の所在地を宣伝する。 |
Facebook広告のオークション
Facebook広告では広告が表示される度にオークションが発生します。
では、このオークションに勝って広告表示されるには何を考慮すれば良いのでしょうか?
Facebook広告のヘルプページには下記のように記載されています
利用者とビジネスの両方に最大の価値をもたらす広告が落札されるため、
全体的な価値が最も高い広告がオークションの勝者となります。
ここで重要なのは「利用者」と「ビジネス」の両方に「最大の価値をもたらす広告」と定義していることです。
つまり、「入札単価」だけではなく「ユーザーからの反応率(CTR)」「CVR」、更には「広告品質」と呼ばれるユーザーからのポジ/ネガのフィードバックまで考慮されます。
そのため全体的な価値は、主に次の3つの要素から判断されています。
① 入札価格
広告主がその広告に対して設定した入札価格(つまり、広告主が目的達成のために支払う用意がある金額)です。
② 推定アクション率
特定の利用者がその広告でアクションを実行するか、
その広告経由でコンバージョンに至る可能性(つまり、その利用者に広告を表示することが広告主の目的達成につながる可能性)を示す推計値です。
③ 広告品質
広告を見た人や非表示にした人からのフィードバックや、
低品質とみなされる広告の特徴(情報の隠ぺい、扇情的な表現、エンゲージメントベイトなど)といったさまざまな要素から判断された広告の品質指標です。
①②については管理画面上で数値化されるので良し悪しの判断が付きやすいですが、
③については、管理画面上で数値上で可視化されないため要注意です。
広告品質については、ポジティブ要素とネガティブ要素に分けられ、
「いいね」などのポジティブな反応が増えると上がり、「広告非表示」などのネガティブな反応が増えると下がると言われています。
特にネガティブ要素はポジティブ要素よりも品質により大きな影響を与えるので、ユーザーに対して不快感を与えたり、誤認を与えるようなクリエイティブにならないように気を配る必要があります。
また上記に加え、
Facebookが指標の良し悪しを適切に判断するための、十分な配信実績(データ量)が必要となります。
そのため、適切な日予算設定もFacebookの運用には重要な指標となってきますのでご留意ください。
Facebook広告における運用のポイント
以上のことを踏まえた上で、実際にどのように広告運用を行っていけば良いのでしょうか?
ここで抑えておくべきポイントは、記事の冒頭でもお伝えしたFacebook広告最大の強みである「自動最適化」を考慮することです。では「自動最適化」を考慮するとはどういうことでしょうか?
ポイントは大きく2つ。
1つ目は、自動最適化を行うためのデータ量(配信実績)を十分に確保すること。
2つ目は、設定をこまめにいじらないことです。
この2点を抑えた上で、「アカウント設計」と「日予算設定」について解説していきます。
Facebook広告のアカウント設計
Facebookにおいてアカウント設計は、日々の運用調整よりも圧倒的に重要です。(初期設計8割と言っている人もいるくらいです)
ただ、必ずしもこれが正解!というのがないのも現実です。
代理店や運用担当者によっても、細かいところは必ず意見が別れてきますし、案件の状況によっても変わってきます。
しかしながら必ず共通する点としては、
①ターゲットを細分化しすぎない
②キャンペーン/広告セットでのターゲットのカニバリを起こさない
の2点が挙げられます。
これを踏まえた上で、D2C Rとして推奨するアカウント設計の一例を今回お話します。
キャンペーンの目的は一つとした前提で、かつコンバージョンを目的としたケースにて説明します。
キャンペーンでは日予算の管理、広告セットではターゲットの管理を行います。
この場合、リターゲティングとそれ以外でまずはキャンペーンを分けます。
これは一般的に効果の良いとされるリターゲティングは予算を最大化したいので、予算とCPAコントロールのために切り出しています。
広告セットでは、年齢/性別・興味関心・類似配信やリータゲティングのポイント別で細分化しています。
人によっては最適化してくれるから細分化する必要がないという意見もありますが、
最適化が完了するまではCPAが上振れたり、コントロールするのが難しいケースがあります。
そのため、こちら側でも調整するための変数を持たせるためであったり、
ターゲット別による効果の違いを把握し、調整できるようにしておくのがベターだと考えます。
ただし、ここで気をつけなえればいけないのが、
このターゲットの分け方をしたときに「自動最適化」を活かせているのかを判断する必要があります。
そこで重要になってくるのが「日予算設定」です。
Facebook広告の日予算設定
自動最適化を最低限活用するために重要になってくるのが日予算とお伝えしましたが、
正確には、キャンペーン目的に応じた成果地点の十分なデータ量です。
今回はコンバージョンを目的にしているため、コンバージョンを例に上げて話します。
Facebookおいて必要なデータ量(コンバージョン数)は、
広告セットあたりの1週間のコンバージョン数が50件以上となっています。
しかし、管理画面上でコンバージョン数を設定する項目はありません。
そこで設定するのが日予算/月予算の設定になります。
例えば、目標CPAが3,000円の案件があったとします。
1週間で50CV必要ということは1日あたり平均7件のコンバージョンが必要になります。
そのため、3,000円×7件=21,000円が1日あたりに必要な日予算です。
月になおすと、21,000円×30日=630,000円となるので、
この金額が広告セットあたりに一ヶ月で必要な月予算となります。
この630,000円が広告セット数だけ発生するので、
必然的にクライアントから預かってる月予算の上限によって、作れる広告セット数が決まってきます。
広告セットあたりのコンバージョン数が確保できない場合は、
ターゲットの優先度を決めて順序立てて配信を行うか、もう少し広告セットをまとめて配信することを検討する必要があります。
最後に
いかがだったでしょうか?
今回はFacebook広告の基本的な情報と運用で抑えるべきポイントを簡単にお伝えさせていただきました。
ここ数年のメディアトレンドとしては、「自動最適化」と「ユーザーファースト」があり、世界のトップを走るFacebookとGoogleがここに注力をしてきました。
YahooやLINEなどもこの構想に追随する形となっているので、Facebookの思想やロジックを理解しておくことで、今後の広告業界/メディアがどのように進んでいくかをある程度予測することができますので、まだあまりFacebook広告を運用したことがない方は、これを機会にぜひいろいろ試してみてください。
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P&D本部 メディア部所属。2020年4月にD2C Rへ中途入社。前職でもWEB専業代理店だったこともあり、入社半年間は運用担当者として、ゲーム/アプリ領域の業種を担当。 その後、2021年10月よりアカウントコンサルとしてダイレクト領域の案件を担当しつつ、Facebook/Tik Tokのメディアパートナーセールスを担当。 座右の銘は『足るを知る』で、最近Pokerにハマる。