Tips 2023.05.24

日本工学院での特別授業を取材してきた!(講義篇)

プロフィール画像

田村 麻里子

みなさん、こんにちは。D2C R広報の田村です。

 2018年より日本工学院八王子専門学校との産学連携を推進しておりますが、この活動が高く評価され、弊社ストラテジックプランナーの池邊が、めでたく非常勤講師を拝命し、同校の「CP/PLコース 23年度前期特別講義」を行いましたので、その様子をお伝えしたいと思います。

2年生~4年生のゲームプランナーを目指している生徒さん、60人に集まっていただきました。就活でやむなく欠席の人もいましたが、先生曰く、9割方参加しているとのことでしたので、やはりこの職種の人気ぶりがうかがえるなぁと感じました。そして、池邊も前職でゲームプランナーの経歴があり、その現場の話を聞ける大きなチャンスということで、皆さんの参加率の高さにやる気を感じました。

さあ、それでは早速、講義に移りましょう。

はじめに、本講義での心構えみたいなところのお話をさせていただきました。

この記事を読んでいる方へ

▼SNS×広告 意識調査レポート
Z世代のSNS・広告事情について
オンラインアンケートを実施!
・日常的に使っているSNS
・SNSの利用目的
・SNSの利用シーン
など広告担当者必見の内容になっています。

詳しく知りたい

ゲーム作りに「情熱」と「エゴ」は欠かせない!

ゲームが好きで、楽しいゲームを作りたい!そう思うのは当たり前です。では、「売れる/人気のゲームが作れる」ようになるためにはどうしたらよいのでしょうか?

 自分だけの思考ではなく、遊んでくれる人の気持ちにもなってみる、これが「マーケティング視点」なのです。
相手の事を考えてつくっていくことになるので「売れる確率」をあげることができます。

ある会社のアンケート(参照元:https://confidence-qogl.jp/column/230203/)結果を見ても、やはり、プランナー、ディレクター力が求められることがわかります。つまりそれは、「思考のスキル=マーケティング力」と言えるのです。将来、作ったゲームを「遊んでくれる人」に届けるため、「思考のスキル=マーケティング力」を磨いていきましょう!

適切なターゲットを見極めるのに必要な事

「絞れているようで絞れていない」、「細かすぎて広がらない」悪いパターンを例に、話をしていきました。情報も新しいゲームもあふれかえっている今の時代だからこそ、共感や熱狂や爽快感を生まないものではファンの心はつかめない・・・、だからと言って、狭すぎるターゲット層だけでも、売上にはつながらない・・・。ちょうどいい塩梅を見極めることが重要です。

マーケティングとは「質」と「量」を天秤にかけながら、ちょうどいいところを見極める極めて重要な手法といえます。

これはもちろん、実際に作るゲームの中身でも同じと言えます。
ゲームプランナーとしてキャラ設定を考える時、魅力をしっかり伝えられないと、ストーリーやゲームそのものがつまらなくなってしまう恐れがあります。ゲームプレイ自体には必要なくても、その設定一つでゲームに対する好感度が上がったりすることがあるので、「どこを深ぼってみるか」と考える際にも、ターゲットがより具体的な方が考えやすいということになりますね。

 ここまでくると、ターゲット作りからゲーム作りが始まっていると言っても過言ではないですね!

ターゲット設定をするのは、受け手の気持ちを想像して、楽しんでくれるゲームを作るため、そしてその結果、ゲームのファンになってもらうというwin-winの関係を作るための行動なのでマーケティング志向を養っていく事は、非常に重要なのです。

コアファン分解とは?

ターゲットを作ることが大事なのはわかった、じゃあ、どうしたらいいんだということですよね?
(私も何度も経験ありますけど、0から1を作るのってホント大変・・・)

それはずばり・・・

この3つの力を身に着けようということなのです。

①「引き出し力(知る力)」
これは、シンプルに普段からの情報収集力、経験のノウハウ化、蓄積が知識につながっていきますよね。

「機動力(調べる力)」
これも、普段からグーグルやハッシュタグなどでの検索力、その方法の蓄積が力となります。

「抽象化力(言葉にする力)」
漢字の通り、言葉にする力、言葉にする思考力の蓄積ということになります。

コツコツコツコツこういう事を続けていくのってすごく大変です。
そこで、総合的に高めていく方法として「コアファン分解」をご紹介していきます。

マーケティングでは「デコンストラクション」(哲学的思考の理論で、既存の枠組みや体系を解体し、新たに構築し直すことを意味します。また、解体した枠組みや体系の中から要素を抽出し、新しい枠組みを構築することを表します。)に近い考え方なのかもしれません。

要は、世間で既に売れている、話題になっているコンテンツを選んで、そのゲームを支えるコアファンはどんな人なのかを探る作業、これが「コアファン分解」ということなのです。実際にある成功事例を自分なりに分解して、調べて知って言葉にしていこうという作業です。

「コアファン分解」をするためには、まず、話題になっているゲームを知るために市場を知る必要があり、ファンを知るためには、そのユーザーを様々な面から調べ、自分なりの言葉にしないといけませんね?先ほどの3つの力「知る」「調べる」「言葉にする」全てが必要になってくる作業なので、この力をそれぞれ高める事ができるのです。

ここで、実際、世界で売れているゲームは何か?を5分程度でそれぞれ生徒さんに調べてもらいました。

情報収集源としては、ストア、ゲームメディア、SNS、口コミ、企業HP、大型イベントetc…、これさえ見ればOKという大正解はないですが、幅広く、様々な手段、自分なりの「情報倉庫」を持ち、そこで得られる情報軸を持つという事が大事なわけです。

では次に、「ユーザーを探る」ためには何を調べたらいいのか?を考えてみましょう。

先ほどと同じようなものが出てくるかとは思いますが、こちらはSNSだったりライブ配信、Twitterなんかがリアルタイムでの情報があふれているので、よりよいと言えるでしょう。「知る」と「調べる」はほぼ近い作業になりますね。

最後に、「言語化する力」です。
目的によって変わってきますが、ベーシックに考えるべきこの5つを意識して、言葉に落していけると大体の全体像のコアファン分解ができるとのことでした。

ということで、実際にコアファン分解を生徒さんにしていただきました。

実際にやってみて、手ごたえを感じた生徒さん、難しいなぁと感じた生徒さん、様々いらっしゃいましたが、皆さん、とても真剣に取り組んでいただいていました。この分解作業を重ねていく事によって、ゲームユーザーが何を考えているのか?を知ることになるので、是非、継続をしてみて欲しいですね。

ターゲット設計方法について

ここからは3つの池邊なりのオリジナルターゲット設計方法の紹介となります。あくまでも独自ですので、ここから生徒さんがそれぞれ自分に合う方法を見つけてくれたら嬉しいなと思います。


①ご近所法:競合集め、グルーピング、ネーミング(作りたいもののイメージがある程度見えている時に使用)

メイン競合1タイトルのみだと、視野がかなり偏ってしまうので、少なくとも3個以上サブ競合タイトルを集めて、何がウケているのかを考えてみましょう。共通するポイントを抽出することで、偏りの生まれないターゲットイメージが作れます。そして、軸を決めて、4象限でタイトルをグルーピングしてみましょう。なるべくバラつきが出る軸を探すことがカギです。

次に、そのグルーピングしたものに名前をつけてみましょう。

実はここまでくるともう、事実だけを引っ張ってきているのではなく、自分が調べたこと考えたことを元に自分の想像力を使って、最後はネーミングという想像力をフル活動させることができている(=分析できている)のです。自分なりの言葉、自分なりの想像力を高めていくことを意識してほしいわけですね。

ネーミングした後は、コアファン分解の5つを考えて、人物像を練っていく事が大事なんですね。

マーケティングで言うところの、STP分析という考え方に近いかもしれません。

ここでも、生徒さんにはご近所法を使って新しいパズルゲームのターゲットを考えてもらいました。少し、4現象の軸の切り方に苦戦しつつも、頑張って取り組んでくれました。

続いて、
②お悩み法:不満集め、似た者探し、ネーミング(内容が定まっていない、市場のニーズをしっかり捉えて考えたいときに使用)

実際にたくさんの人が感じている不満、自分自身でも気づいてないマンネリ、そういうものを見つけて、それを解消しようという考え方です。そして、実際に周囲に聞いてみたり、SNSの声を集めたり、最近話題のニュースを読んだりしてより沢山の人が感じていそうな「不満」と、その「理由」を考えます。見つけた「不満」とその「理由」を感じている人たちにネーミングしてみるのです。

そしてこの後も、コアファン分解を行って人物像を練り上げます。

マーケティングで言うと、インサイト分析に近いですね。自分では気づいていない「不満」を探るわけですから・・・。

ここで、普段自分が感じているゲームに対しての様々な「不満」について書き出してもらいました。

スプレッドシートに60人ちょっとの生徒さんが一斉に不満を書き出す・・・。みんな、好きなゲームなだけに、様々な不満が飛び交いました。他人の不満も読むことで、共感する面もあれば、こんな思いもあるのか、言い方違うけど同じ事言っているな・・・など、シートを眺めながらなんでこの不満が出てきたんだろう?なんて、その理由を考えているうちに、既に、似た者探しができているわけなのです。

授業に一緒に参加してくださっていた先生方もゲームに対する生徒の不満一覧を見て、「不満があるということは、変えるきっかけがあるという事、自分の制作ゲームについても、このくらい振り返って、より良いものを作り上げて欲しい」と感心してくださっていました。

やっぱり、自分が作ったものって何でも愛着ができてしまうから、バイアスがかかってしまって、冷静に判断できないですよね・・・。そういう時、こういった作業をするといいのかもしれませんね。

そして、更に今見ている不満、理由を持つ人にネーミングをつけてもらいました。

ここでも、生徒さんが、積極的に自分の考えたネーミングをバンバンチャットに貼ってくれました。
人が考えたネーミングに拍手をする生徒も何人か見受けられました。オンラインと言えど、みんな課題に真摯に取り組んだ結果ですね。ネーミングって結構、難しいと思うんですよね。でも今回は、自分の好きなゲームに関して、自分自身の不満だったり、他の生徒さんの気持ちを汲んで、そのくみ取った結果、より具体的なネーミングが出てきたんだと思います。なんでそういうネーミングにしたのかも深ぼっているから、はっきりと理由が言えますしね。
それって、もう立派にターゲットを作ることができたという事なのではないでしょうか。

結構、白熱したのでここで終わりかと思いきや・・・まだ3つ目がありましたね。

最後は、
③実在法:実話集め、ポイント整理、ネーミング(内容が定まっていない、市場のニーズをしっかり捉えて考えたいときに使用)

何が好きなのか?どういうときに遊ぶのか?などいくつか項目は決めつつ、とにかく、相手の熱意のままにインタビューしてみるという方法です。それを後で冷静に、自分なりに整理してネーミング、コアファン分解してみるのです。

マーケティングで言うと、n=1分析に近いですね。特定の顧客を一人だけ抽出し、その人の考え方や意見を徹底的に深堀りすることで、対象顧客を理解する、リサーチの手法です。

3つの手法まとめと、どの方法でもたどり着くべき最終地点

いよいよ、授業も大詰めです。

池邊としては、②お悩み法を意識できる人、ユーザーの気持ち、今の思いを引き上げて、それをどうやったら解決できるか、何を思っているのか・・・と、相手の気持ちになって、ターゲットを考えられる人が強いのではないかとのことでした。
(確かに、私も人と何かをするときには、相手の立場になって物事を考えることしてますね。)

そして、紹介したどんなパターンから始めても、最終的にネーミングすることで、ターゲットに個性が生まれ、コアファン分解5項目を考えれば、個性に厚みが生まれます。マーケティングは「質」と「量」という話を冒頭にしましたよね?
「質」はある程度できた、では「量」は?考えるポイントとしては、下記の4つです。

・今考えてるターゲットは市場にどのくらいいるのか?
・何をKWにしたら、その人数を大きく出来るのか?
・どのくらい大きくしたら、
・今考えてるコンテンツの成功が叩きだせるのか?

こうした定量的な情報は、企業の社内情報や分析ツール、ネット上のデータからある程度調べられることが多いので、有効活用しましょう。

ここまで考え抜いて実行して繰り返して、やっとターゲットの精査ができるのです。そのためには、やはり3つの力「知る」「調べる」「言葉にする」を全て磨き上げて欲しいのです。なんでもいいので、周りで起きた出来事なんかに興味を持ち、そして疑問を持ち、考える事でこの力は養えます。様々な体験をしてほしいですね。

さあ、一旦、本日の授業はここまでです。
3時間にわたるとても内容の濃い「講義篇」は終わりです。
来週は、いよいよグループに分かれて、新しいゲームのアイディアを考えてもらいます。
どんなアイディアが出てくるのか楽しみです。

実践篇」も公開しておりますので、是非こちらもご覧ください。

講義を担当させていただきました、弊社ストラテジックプランナー池邊沙也加が心動かされた世の中の様々な事例を「分解」し、その魅力を探っている記事はこちら☟

【企画分解のじかん Ver.1】『感電』MV配信企画を勝手に大解剖

【企画分解のじかんVer.2】THE FIRST TAKE広告賞4冠の理由を勝手に考える

【企画分解のじかんVer.3】My Hair is Bad 音楽サブスク解禁に伴うプロモーションを分析

過去の日本工学院八王子専門学校との取組についてはこちら☟

 

【D2C R×日本工学院八王子専門学校】ゲームマーケティングコンテスト優勝チームインタビュー

「広告って必要?」と思っている学生に広告の話をしてきました。

この記事を読んでいる方へ

▼SNS×広告 意識調査レポート
Z世代のSNS・広告事情について
オンラインアンケートを実施!
・日常的に使っているSNS
・SNSの利用目的
・SNSの利用シーン
など広告担当者必見の内容になっています。

詳しく知りたい

プロフィール画像
田村 麻里子

2021年からD2C R広報チームのお手伝いをしています。とにかく色々やってきました。ゲーム会社で広告宣伝、販促、イベント運営など、洋酒販売代理店では銀座担当の営業を、新規事業会社では営業企画を・・・。そしてMCも得意です。今は、広報しながらeスポーツとかプログラミング教育辺りでお仕事させてもらっています。趣味は野球観戦とゴルフ、テーマソングは「ultra soul」、テーマカラーは「赤」です。将来は海辺でバーを開きたいなと思っています。

PICKUP RANKING
PAGE TOP
お役立ち資料 canvas お問い合わせ