Tips 2019.02.05

アドベリフィケーション対策 アドフラウド入門

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CANVAS編集部

アドベリフィケーション(以下アドベリ)対策チームの本多です。

現在はゲームアプリを中心にプロモーション提案の営業担当と、ノンインセンティブ(CPI保証)メディア向き合いを行いながら、アドベリ対策チームとして日々社内の知見向上に尽力しています。

今回は、現在業界を超えて社会問題としても取り上げられてきているアドベリに関して、またその中の一つ「アドフラウド」をピックアップし、種類と弊社で行っている対策をまとめさせて頂きます。

この記事を読んでいる方へ

▼SNS×広告 意識調査レポート
・年代別の広告媒体への印象
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アドベリフィケーションとは

広告配信により、広告主及びプロダクトに損失が発生しないよう配信をコントロールする動きの総称となっており、今回ピックアップする「アドフラウド」のほかに「ビューアビリティ」「ブランドセーフティ」「アドエクスペリエンス」の4つの問題への対策として活用されております。

またアドベリに関しては日本国内/海外含めて多くの企業が対策に乗り出しており、今後も市場(社会)として課題感が非常に多い領域となっております。

▼参考URL
・海外企業
https://www.principle-c.com/column/global-marketing/pg_nomore_fraud_in_-digitalad/#__1948208414.1548941961
・日本企業
https://webtan.impress.co.jp/e/2017/12/25/27757

アドフラウドとは

その中の今回はアドフラウドの話になります。

そもそも「アドフラウド」と聞いたとき皆さんはどのような印象を持つでしょうか。

「んー、よくはないこと。」や言葉の通り「広告詐欺!」等の印象はお持ちかもしれません。

しかしなぜ良くないことなのかをしっかりと理解しておく必要があります。(詐欺は当然悪いこと!というのは置いておいて、、)

実はアドフラウドによって、正式な広告効果を図ることができない事態が引き起こされる可能性があります。

なぜかというとbot等の実際には存在しないユーザーを使用し、無効なインプレッションやクリックを行い、広告費用に対するCV件数といった広告効果などを不正に水増しし不正CVとしたり、本来自然流入(オーガニック)で入ってくるユーザーを広告効果としてカウントしたりするためです。

要するに本来払う必要のない広告費用を支払っているということです。

※数値は下記URL2文目の数値の中央値にて算出
https://webtan.impress.co.jp/e/2017/12/25/27757

アドフラウドの手口

ではそんなアドフラウドにはどんな種類があるのか、アプリプロモーションで主に起こりやすい種類を何点かご紹介いたします。

①クリック/インストールファーム(ファーム工場)

大量のスマートフォンを用いて、人力ないしシステムでクリックやインストールを行うフラウドです。

IPの重複や挙動が一定といった形になるため、データを見ると比較的フラウドと判断をしやすい挙動となっております。

また東南アジアで実施されていることも多く、IPアドレス元や端末のバージョン/言語設定からも判別することが現在可能となっております。

②クリックインジェクション(Click Injection)

主にAndroidで起こるフラウド(Google Playの仕様上)で、ツールアプリ等に埋め込まれたマルウェア※などによって不正なクリックを行い、本来のアトリビューションを奪ってしまうフラウドです。

インストール中/された後にクリックを差し込むため、本来広告をクリックしてから掛かる時間よりも非常に短い時間でCVとして上がることが特徴となっております。

こちらはCTIT(クリックされてからインストールまでの時間)で判別することが可能となっております。

※不正のために作成された悪意あるソフトウェアや悪質なコードの総称

③クリックスパム/クリックスタフィング(Click Stuffing)

クリックのばらまきと呼ばれるもので、クリックをばらまくことによってユーザーのアトリビューション期間を延ばし、期間内のCVを対応メディアの成果として挙げるフラウドです。

手法は様々で広告をユーザーが見えていない裏側で表示させてクリックを発生させたり、インプレッションをクリックとしてSDK側に偽装したりして、アトリビューション期間を得てCVを奪い取ります。

特徴として正常なインストールの場合は広告をクリックしてから1時間以内に約85%のインストールがされるといわれておりますが。

一方このフラウドで入ってくるユーザーはインストールまでの時間が本来クリックをしていないこともあるため、時間軸の獲得推移がなだらかかつ一定の水準を保ち推移する傾向があります。

ただ一点、クリックが多いから一概に悪い配信面、ということではなく、多くのメディアを繋ぎこむとAPI連携をした配信面は定期的なリンクチェック※でクリック数が増える傾向があります。

そのため、しっかりとクリックのアトリビューション期間を定め、広告効果の最適化をしっかりと図る必要があります。

※配信面がメディアに対して計測が有効か定期的にアクセスを行うこと

④SDKスプーフィング

ユーザーの携帯電話端末の個人情報を不正に使い、架空のアプリインストールを発生させる行為、と言われるもので、いわゆるなりすましの偽装通信を指します。

CVを通知するイベントデータ(URL)をハッキングし、不正なインストールを通知させるフラウドになります。

直近では実際に課金していないユーザーでも課金をしているという情報を飛ばし、SDK側のユーザーLTVが非常によく見えるといったスプーフィングも発生しております。

▼参考URL
https://webtan.impress.co.jp/e/2017/10/24/27098
https://spideraf.com/blog/application_marketing_indicators/
https://markezine.jp/article/detail/26960?fbclid=IwAR0uPrLDZ-HZ2RfJPxQvIHeZUaajNkh5ClbrIEfHqRdC0dYG_ewKbZktuW0

フラウドの判断基準/対策

上記は数あるフラウドの一例ですが、いくつものフラウドがある中でしっかりと対策を行うために、弊社では一定の基準を設けて配信/対策を行っております。

またフラウドの基準は案件によって当然異なるため、柔軟に対応をしております。

  1. SDKに基づいたフラウド検知
  2. メディアと明確にラインを引き、怪しいCVの調査/請求対象外
  3. ユーザーの質を目視確認

上記3点の観点から、対策を行っております。

①は各SDKに準拠するため割愛させて頂きますが、②の基準に関して以下の通りとなります。

D2CRが定めるフラウド対応ルール

・メディア計測でクリックからインストール(CTIT)までの時間が●秒以下の成果
⇒フラウドの種類の②対策

・メディア計測でクリックからインストール(CTIT)までの時間が●時間以上の成果
⇒フラウドの種類③の対策

・翌日継続率●%以下の場合(ただし、SubPubIDでの成果数が一定以上あった場合)
・端末言語設定/キャリア/OSVer./IP重複/端末のシェア/タイムゾーンなど
⇒フラウド種類各フラウドに対して対策
※効果不良以外での不正関連の請求対象外はSubPubIDで一定数以上CVのメディア

案件内容によって基準値は異なるため、●は案件内容によって柔軟に対応しています。
Ex)
・容量が軽いタイトルはCTITを15秒以下に設定
・CM期間はCTITを12時間に設定

現在は上記ルールに則った配信メディアを拡大中です。

 

また、実際に起きたアドフラウド事例を何点か挙げさせて頂きます。

事例①

ある日クリック数が前日比約100倍近くの数値となり、CV数も約20倍ほどに増加。
翌日の継続率を確認したところ、一桁%台と非常に低い数値となっており、メディア側に要因を確認。

実際に配信面の追加は行っていたものの、一部メディアで異常数値と見られるクリック数/CV数が上がっており、請求対象外として対応。

 

事例②

KPIが継続率の案件。KPIも達成しており、また挙動も怪しくないメディアだったが、各ユーザーの質を追った際に、平均セッション時間が約5~15秒と(ログインだけしている時間と想定)極端に短いことが判明。

※可能性としては画面立上げのイベント情報を不正に手に入れ、システムで毎日イベント情報をポストバックしていたorフラウド業者の方で人的にログインを行っていた、等が想定される。

データをSDKより抽出し、メディアと交渉をし請求対象外とした事例となります。

上記事例はほんの一例にはなりますが、人的に行われるとシステム部分での排除が難しくなるため、怪しい挙動をしているメディアに関してはしっかりと目視での確認も弊社で行っております。

まとめ

最後までお読み頂き有難うございました!

今回はアドベリの中のアドフラウドに関して記載させて頂きましたが、次の機会では残りの3種に関してもご紹介できればと思います。

いたちごっこになっており、100%防ぐことが難しいアドフラウドですが、明確な基準を設けて、少しでも被害を減らすことが私たち代理店の仕事でもあると考えております。

ノンインセンティブ(CPI保証)媒体を現在配信している、今後配信をしたいけど、アドベリ周りが不安だという方は是非お気軽にご相談ください。

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・マス広告
・屋外広告
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広報の川向です。デジタルマーケティング情報を発信する『CANVAS』の運営&編集担当。中の人としてTwitterはじめました(@canvas_d2cr)。テキストは標準語ですがしゃべると関西弁。最近つけてもらったあだ名はゲリラ広報。

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