Tips 2018.06.14

思わずユーザーが反応してしまう禁断の広告表現とは?<ゲーム編>

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伊藤 大悟

D2C Rの伊藤大悟です。
今回はゲーム系の案件が主な対象となりますが、
ユーザーが思わず反応してしまう訴求方法をご紹介します。

結論からお伝えすると、それは「どっち?訴求」です。

「どっち?訴求」とは、例えば下記のようなものです。

「どっち?訴求」のバリエーションとして、
「どっちと戦う?」「どっちを選ぶ?」「どっちが好み?」など様々ありますが、
いずれにせよ、ユーザーに対して選択を迫る形の訴求です。

これらの訴求はweb・SNS問わず、
ゲーム案件を中心に非常に多いのですが、
なぜこんなにも多いのでしょうか?

それは、とある心理学的なテクニックが活用されているからなんです。

“また、「決められない」人には「AとB、どちらが好き?」というように、他の選択肢を消すことで、答をAかBのどちらかに誘導することができます。このように、実際には複数の選択肢があるのに、二択しかないと思わせるのは、誤った前提ゆえ「誤前提暗示」と呼ばれています。”

引用:交渉に強い人が使っているテクニック 「ヤバすぎる心理術」から紹介
(http://news.livedoor.com/article/detail/12293485/)

上記が「誤前提提示」というテクニックです。
(他にも「二者択一話法」「ダブルバインド」などと呼ばれることもあります)

このテクニックを活用することで、ユーザーは

「このゲームで遊ぶ/遊ばない」
「このアプリをインストールする/しない」

という選択を飛び越して、

「どちらのキャラが好きか?」
「どちらのキャラを選ぶべきか?」

といった「遊ぶこと前提」
判断を迫られることになるのです。

上記が、「どっち?訴求」に思わずユーザーが反応してしまう理由となります。

なお、この訴求がゲーム案件に多い理由としては、
「どっち?」と迫る場合は最低でも選択肢が2つ必要ですので、
訴求する商材が1種類だったり、
優劣をつける見せ方が難しいゲーム以外の案件では
あまり使用されないと考えられます。

「どっち?」訴求がゲーム案件において、
ほぼ鉄板の訴求形式である理由はこちらでわかったかと思います。

では次に、ただでさえ強力な「どっち?訴求」を
さらに強力にするいくつかのパターンをご紹介しましょう。

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①選択肢はなるべく対称的、かつ魅力的なものを

ユーザーに対して「どっちがいい?」と問いかける形式なので、
ユーザーが「どっちも微妙…」とならないよう、
できる限り選択肢は魅力的に、かつ対照的なものにした方が良いでしょう。
(デザイン的にも、対称的な選択肢の方が明暗くっきり分かれて目立つかと思います)

・マフィアモーレ(https://twitter.com/mafiamore_info)

上記の例は、
「クール×照れ屋」
「おバカ×わんこ」
という、ユーザーの好みがはっきり分かれるような
対照的なキャラにて「どっち?訴求」をしています。

・本格幻想RPG 陰陽師(https://www.onmyojigame.jp/)

上記も「白・黒」という対照的なキャラクターを並べていますね。

ゲームであれば、
「光属性・闇属性」
「近距離・遠距離」
「物理・魔法」など
対比できるパターンはたくさんあると思いますので、
バリエーションで作成しても良いかと思います。

②コンテンツに沿った「どっち」にしてみる

ゲームのコンテンツ内で特徴的なアクション・操作がある場合は、
そちらと絡めることで、よりゲーム性も踏まえた訴求ができます。

・三国大戦スマッシュ!(https://www.sangokutaisen-smash.com/)

例えば、上記の例では「ひっぱって離すとキャラが飛んでいく」というゲーム性のため、
「ひっぱる」という特徴と上手くと絡めた「どっち?訴求」になっています。

また上記のようにアニgifを用いて明暗を切り替えたり選択肢の大小を切り替えたりするのも
目立つので良いかと思われます。

また下記はSNS上でもかなりバズっていた訴求となります。

・ユバの徴(http://www.dmm.com/netgame/feature/yuba.html)

こちらは、ガチャを引いた時に半分のキャラを「見捨てる」必要があるという
そもそも尖ったゲームシステムとなっており、そちらをそのまま使った広告です。

上記のようなユーザーの声を見ていると、
見捨てるもなにも、そもそも自分にはまったく関係ないキャラのはずなのに、
ついついどちらを見捨てるべきなのか迷ってしまう。
「誤前提提示」が非常に強力に作用している例かと思われます。

③ユーザーにアクションを要求する(Twitter広告限定)

最後は、Twitter限定ですが、
「どっち?訴求」とユーザーへアクションを要請する手法を組合せた訴求となります。

・【公式】シノビナイトメア(https://twitter.com/FgG_shinobina)

上記のように、「〇〇ならRT、☆☆ならいいね」といった形で、
ユーザーへアクションを迫ります。

こちらのメリットは主に3点あります。
【Ⅰ】
インストールするよりも「RT」や「いいね」の方がハードルが低いため、
ユーザーのアクションをより引き起こしやすくなるのです。

【Ⅱ】
既存ユーザーの熱量を利用できるという点です。
とくに、ゲーム内の人気キャラなどで「どっち?訴求」をすることで、
既存ユーザーが大いに盛り上がる可能性があります。

【Ⅲ】
広告が1種のコンテンツとして機能し、拡散されるという点。
拡散されればされるほど、獲得効率が良くなるのでこちらは単純な効果改善となります。

以上、「どっち?訴求」のメリットと効果的な使い方の紹介でした。

「どっち?訴求」のデメリット

さんざん良い点をお話した「どっち?」訴求ですが、実は1点、デメリットもございます。
それは、「この訴求方法を使っている企業が多すぎる」という点です。

「どっち?訴求」はあまりに鉄板訴求のため、
いまやほとんどのゲーム系広告が実施しているのが現状です。

そのため、ユーザー間でも飽きられつつあるケースが徐々に見え始めました。

あまりの多さにうんざりするユーザーたち。


また、効果が出るゆえにゲームの実態とかけ離れた「どっち?訴求」をしてしまう
ケースもあり、ユーザーの不信感につながってしまう例も。


読んでいるとなぜかディスプレイがぼやけてきますね。

上記のように、いわゆる「広告慣れ」したユーザーたちにとっては、
「どっち?訴求」もかつてのように効果的では無くなってしまっているかもしれません。

「どっち?訴求」は確かにまだまだ効果的な訴求方法ではあるのですが、
盲目的に使用するのではなく、アレンジを加えたり、
使いどころを考えて使用する必要があると言えそうです。

効果的な訴求が見つかったからといってそれに頼り切るのではなく、
常に新しい表現手法を模索することで、
より良いプロモーションが実現できると考えています。

 

転載元:D2Cスマイル

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伊藤 大悟

【Twitterアカウント:@ito_daigo65】クリエイティブプランナーチーム(マネージャー) メディアレップで代理店営業やって広告代理店で運用やって営業やってクリエイティブプランナーになりました。バズも獲得も両方やれちゃうクリエイティブをつくることが目標です。

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