Tips 2019.09.12

日本Z世代のインサイト分析やってみた

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池邊 沙也加

こんにちは。D2C Rストプラの池邊です。
前回はペルソナ、ニーズ、インサイト分析の考え方について記事を執筆いたしました。

今回は実際にターゲットを設定して、インサイト分析をやってみようと思います。
簡略的ではありますが、ケーススタディとしてご参照いただければ幸いです。
ターゲットは「Z世代」を設定させていただきます。

この記事を読んでいる方へ

▼SNS×広告 意識調査レポート
・年代別の広告媒体への印象
・マス広告
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詳しく知りたい

Z世代って?

大前提として、Z世代とは下記のような世代を指します。

1996年~2009年頃生まれた世代を指す。(現在10歳~25歳前後)
・アメリカのマーケターから発祥した世代区分。日本におけるゆとり・さとり世代に近い。
・日本では、ミレニアル世代と比較される事が多い。

色んなサイトやブログで既に取り扱われているZ世代ですが、上記の通りあくまでアメリカ発の分類である為、その説明もアメリカの文化をベースにしたものが多いです。

日本におけるZ世代は、ゆとり・さとり世代の中でも年代的にさとりに偏重しています。
平成から令和に年号が変わり、ひとつの世代が終わった今、この世代は日本でも消費者層の中核を担う世代に成長しました。

さて、前回の記事で書いた内容について再度軽く触れさせていただきます。

  • マーケティングは「人」と「数」…人を見つめるマーケティングには、インサイトが必要不可欠。
  • 「圧倒的多数」と「徹底的一人」を用いて人を見つめ、インサイト発見の際は認知バイアスに気を付ける。

上記ポイントを踏まえ、この後のお話を進めさせていただきます。
もしより詳細がお知りになりたい時は、コチラから前回の記事をご覧いただけます。

日本におけるZ世代…
「圧倒的多数」を用いて定量的な情報を整理する

まずは、定量的な情報を用いたターゲット像の整理からです。
定量データや調査を通じて、今回特筆したい部分は以下の2点とします。

●デジタルネイティブである
人と人との平等性を重視し、友人とのつながりを大切にする

ゲームでもこの傾向は見て取る事が出来ます。
弊社貴志の記事でも記載している通り、20代に人気のあるジャンルは圧倒的にPvPというデータがあります。
ただし、その相手は必ずしも顔が見える必要は無く、オンライン上の友人とのプレイも活発です。

ゲームから更に視野を広げれば、位置情報を友人と共有しあい、充電状況まで筒抜けの「Zenly」、学生限定トークコミュニティという触れ込みのもと、アプリ上の見知らぬ相手とチャット~電話まで出来てしまう「ひま部」などに代表されるコミュニケーションアプリはZ世代で生まれた特徴の一つと言えるでしょう。
若年層を中心に広がっているVtuberのような、インフルエンサーの存在も無視できません。もちろん、LINETwitterといったSNSも盛んに使用しています。

注目すべきポイントは?…
「徹底的一人」を用いて定性的な特徴を探す

上記の特徴は、あくまでツール調査やデスクワークで得られる知識の域を出ません。これにソーシャルリスニングやより定性的な調査、実際のインタビュー、アンケートの結果を併せ、よりリアルなZ世代を掘り出します。

今回はZenlyに関する以下の点を取り上げたいと思います。

フリーズは自分の位置情報を固定して、リアルタイムの場所を伝えない機能です。LINEで言う「ブロック」に近い機能だと考えてよいと思います。
また誰もが使っているかと思いきや、「位置情報を共有するのは気が進まない」ので使用しないという回答も案外多かったです。
実際に詳しく話を聞いてみると、Zenlyを使うのはカップルが中心で、彼氏や彼女が居ない学生は、面倒に感じて使用しないことも多いとのことでした。待ち合わせの際、LINEで連絡を取り合うことすら面倒だからZenlyを使うという意見もありました。

本質は一体どこにある?…
「認知バイアス」を意識しながらインサイトを考察する

以上の調査を踏まえ、今回は顕在化しているニーズと比較しながらインサイトを導き出したいと思います。
※ここからはあくまで情報をもとにした仮定のお話となりますので、ご参考までにご覧ください。

「ニーズ→けど/何故なら→インサイト」という一つの文章にすることで、筋が通っているか、客観的に確認しやすくなります。

・デジタル環境の整ったサービスを利用したい。けど、情報を共有する相手や情報の粒度は管理したい。
・いつでも友人と繋がっていたい。けど、繋がる範囲は極めて小規模で良い。大きなコミュニティはいらない。
・いつでも友人と繋がっていたい。何故なら、言葉のコミュニケーションは煩わしくて、なるべく省略したいから。

最初は「デジタルを使いこなしてとにかく人との繋がりが欲しい世代」という印象が強かったZ世代ですが、ここまでの分析を通して見えてきたのは「デジタル環境が当たり前でリテラシー水準が高い為“ネットでつながる”事へのハードルは低いが、手当たり次第にいいね!を求めている訳ではない。むしろ相手は慎重に選んでいるし、見せる情報と隠す情報を精査している」のではないかという仮説が立てられます。

インサイト分析の終着点…分析を踏まえたマーケティング設計

今回は分析そのものが目的でしたが、実際はこの分析を用いてクライアントの課題を解決することがインサイト分析の目的です。

同じZ世代の分析を行うとしても、事前に共有いただく与件や課題によって分析の焦点は変わります。
結果、今回とは全く違う側面のインサイトを見つけることもあるでしょう。沢山の仮説を課題と照らし合わせながら、マーケティング全体の設計を行っていくことが大切です。「人」と向き合うマーケティングは時間がかかりがちですが、慎重な調査と分析を繰り返すことが、精度の高い施策に繋がります。

もしここまでの話に興味を持っていただけた方がいらっしゃいましたら、以下のお問い合わせフォームからいつでもご連絡下さい!お待ちしております。

株式会社D2C Rは、アプリ・Web配信企業やコンテンツプロバイダをはじめとする広告主のニーズにマッチした、効果的な広告の開発・提供を行うデジタルマーケティング会社です。

D2C Rでは、企業が提供する良質なコンテンツやサービスに関する情報を、より多くの生活者に届けることを通じて、生活者の生活をより豊かにします。また、モバイルコンテンツ市場の健全な発展に寄与すべく、安心かつ効果的なデジタルマーケティングサービスを提供しています。

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池邊 沙也加

ストラテジックプランニング部 ストプラチーム。ゲームディレクションやWEBコンテンツ制作などの企業を経て、D2C Rに入社。ユーザーモーメントやペルソナ分析を軸に、感情を大切にした戦略を書きます。ごはんとお酒で大体幸せ。在宅勤務のリフレッシュに、ネットサーフィンのお供に。読みやすくて為になった気がする記事を発信します。

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