ラグビーW杯から考える「にわか層の巻き込み」の重要性
八島 秀登
ラグビーW杯が大盛り上がりですね!
皆さんもラグビーに関するニュースを耳にする機会が増えたのではないでしょうか?
先日の日本VSスコットランド戦は痺れましたね。TVの前で叫んだのはあれが初めてだった気がします。
瞬間最高視聴率も53.7%(ビデオリサーチ調べ)ととてつもない数字を残しております。
これだけ日本全体が盛り上がりを見せているラグビーW杯。
正直私は開幕時点で、ここまで日本全体がラグビーに対して盛り上がりを見せるとは思っていませんでした。
一体何故ここまで盛り上がっているのでしょうか。盛り上がった要因は何なのか。
今回は「にわか層の巻き込み」という言葉をキーワードにしてお話ししていきたいと思います!
はじめに
こんにちは!D2C Rの八島です!
ストラテジックプランナー(以降ストプラ)として日夜働いております。
ストプラとは、クライアントが抱えている課題を解決する戦略設計を行う部署です。(詳しくはこちら)
クライアントの課題と一口に言っても様々なものがあるのですが、その中の一つに、「サブターゲットの獲得」というものがあります。
サービスに対して関心度は高くないが、ある程度の熱量を持っているユーザー。
いわゆるにわか層と呼ばれるユーザーを、どのようにして振り向かせサービスに流入させるのか。
本課題を解決するにあたって今回取り上げるラグビーW杯の例はかなり参考になるのではないかと思っております。
「にわか層の巻き込み」、この言葉をキーワードにお話ししていければと思います。それではお付き合いください。
「にわか層の巻き込み」の重要性
そもそも何故「にわか層の巻き込み」をする必要があるのでしょうか?
理由として挙げられるのは大きく2つあります。
- そもそもコア層だけでは母数が足りていないから
- 波及効果望むうえで口コミなどの横の広がりが重要であるから
サービスやイベントを成り立たせるうえでのこの「にわか層」は大きな重要性を持ちます。
また、「にわか層の巻き込み」による効果で最も大きいのは、「参加ハードルが下がる」という点です。
どんなジャンルにも一定のコア層は存在します。コア層は傍から見ると「マニア」や「専門家」といった少し敷居の高い存在に変換されがちです。
故にいわゆる新参者は盛り上がりに加わることに対して抵抗を抱く可能性が高くなります。そのハードルを下げる効果が「にわか層の巻き込み」にはあります。
ラグビーW杯のプロモーションに関して
では、ラグビーW杯では、どの点が「にわか層の巻き込み」を引き起こしたのか。
プロモーションを「大会開催前」と「大会開催中」の2フェーズに分けて考えます。
大会開催前
プル型コミュニケーション
開催前の施策の目的は、コア層にチケットを買ってもらう事や、既にラグビーを知っている人に日本での開催を認知してもらう事でした。
この段階でにわか層にアプローチを行ったとしてもモチベーションが保てず離脱する可能性が高いためだと考えられます。
その為プロモーションは、チケット発売のためのWeb広告や、開催地を告知するために沿線で駅広告の実施などを行っていました。
つまりもともとW杯に興味を持つであろうターゲットに対して、自発的に行動を起こしてもらうための認知施策のみに絞っていたのが開催前の時期です。
大会開催中
プッシュ型プロモーション
開催中の施策はいかにしてラグビー未経験者をラグビーW杯に引き込むのかに重きを置いています。
ラグビーW杯用の特別番組編成や、ルール説明動画の配信、複数個所にてパブリックビューイングの実施、民放アプリを用いたLive中継の実施等、様々なチャネルを用いて試合観戦へのハードルを下げています。
そして実際に視聴してくれたターゲットに対して、放送中に反則の解説を行うことで視聴ユーザーのフォローアップを実施しました。
上記以外に、協賛企業によるプロモーションの一環でにわか層に向けたものが実施されていました。
例えば、ハイネケンの「にわかでいいじゃないか」等、視聴する心理的ハードルを下げるプロモーションが実施されていました。
W杯開催後はラグビーに対してあまり興味を抱いていなかったターゲットに対して、積極的な情報発信、そして流入後のフォローアップまでしっかりと行うことで、「にわか層の巻き込み」を成功させたと言えるでしょう。
「にわか層の巻き込み」をするためのフェーズ別役割
ラグビーW杯では、積極的な情報発信、参加障壁を下げる、流入後のフォローアップを実施する、という三段階の施策で「にわか層の巻き込み」を図っていました。
このフェーズに合わせたプロモーションを実施し、成功しているアプリもあります。
例えば、「荒野行動」です。
従来素人が参加しづらいと考えていたFPSに対して興味を抱かせ、流入させるに至ったタイトルです。
荒野行動はまず、実況風の動画やアニメ風の動画などを大量に出稿することで認知拡大を図りました。
その後高校生をターゲットに絞ったプロモーションや、ゲーム内に女子を多く滞留させるためのプロモーションを実施したりと、FPSに対する敷居を大きく下げることに成功しました。
また、流入後は積極的な生放送等公式からの発信や、複数のインフルエンサーをキャスティングし、簡単にプレイの参考にする動画を探せる環境を整備しました。
このように荒野行動も3段階の施策を実施し、「にわか層の巻き込み」に成功しています。
いかにしてにわか層の興味を引き、そこから流入、継続させるか。
実際の施策はサービスごとに変化する必要はありますが、「にわか層の巻き込み」のためには、認知・参入障壁の引き下げ・フォローアップの実施、この3つを意識したプロモーションが必要になると思います。
終わりに
サブターゲットの獲得を「にわか層の巻き込み」という言葉をキーワードにお話ししてまいりました。
成功しているものの規模は異なりますが、一定の法則に則って施策が展開されていることが分かりました。
熱しやすく冷めやすいにわか層を獲得するためには、ターゲットのステータスを理解したプロモーション設計が必須です。
D2C Rは、ファンを生み出すコミュニケーション設計を通じて、マーケティング領域から今後もゲーム会社様を支援してまいります。
コミュニケーション設計に関するご相談も承ります。
お手伝いできることがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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新卒6年目。新卒入社後、プランナー、営業を経てストプラチームへ異動。毎日美味しいものと楽しいことを探しています。好きなものはYoutubeとラーメン二郎。ちなみにラグビーやってました。