Tips 2020.09.28

【2023年版】GoogleAC(旧UAC)の「コンバージョン数の最大化(Max Conversion)」を運用してみた!

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柳澤 匡

こんにちは!柳澤です。

今回はGoogleアプリキャンペーン(旧UAC、AC)にて実装されている、
入札戦略「コンバージョン数の最大化(MaxCV、Max Conversion)」についてのご紹介です。

Googleアプリキャンペーンでは2022年6月現在、「目標インストール単価」(=目標CPI,tCPI)を設定するのが主流です。
これは「1インストール当たりこの価格で獲ってこい!」とGoogleにインプットし、Googleがその設定された単価でインストールを獲得するように働くような戦略です。

想定した単価でインストールを促せる非常に優れた戦略である一方で、
適切な単価を設定するのは予算やアプリの特性、クリエイティブなど複数の要素に左右されるため中々難しいことがあります。

適切なtCPIを設定できないと、設定単価が高すぎてハイペースで予算を使って早い時間帯で配信がストップしてしまったり、
逆に設定単価が低すぎて思った通りに配信が進まない場合があります。

その悩みを解決するのがデフォルトで設定されている自動入札戦略、「コンバージョン数の最大化」の入札戦略です。

この戦略を使用した場合、目標単価の設定が不要になり、
設定された日予算に対して最大のインストール数を獲得できるようにオークション参加が行われます。

少々話は逸れますが、この入札戦略はFacebook広告における「最小単価」と非常に似ています。
Facebook広告にも「最小単価」という、設定された日予算の中で最大のコンバージョン数(インストール数)の
獲得を目指す入札戦略と、「平均目標達成単価上限」という、
設定された日予算と目標単価を基にコンバージョンを獲得する入札戦略が存在します。
Facebook広告においては、より制限が少なく、機械学習を生かせる「最小単価」が推奨設定となっています。

次に、「コンバージョン数の最大化」を使うメリットについて解説します。

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「コンバージョン数の最大化」のメリット

◆どんなときに使用するか

①アプリアップデート直後、リリース直後など、CPIよりもインストールの数を重視して配信を拡大したいとき

②(ゲームアプリの場合)コラボやキャンペーン、イベント実施時など、予算に対してインストール数を最大化したいとき

③目標CPIを見直したい、獲得単価の相場が知りたいとき

①②はより多くのインストール件数を獲得したい場合で使えると思います。この場合、
早期にインストールを多く貯めることでよりスピーディに学習を効かせることができ、短期間でCPIを低下させることができます。

③は他二つとは毛色が違いますが、こんなときでも「コンバージョン数の最大化」が役に立ちます。

◆「目標インストール単価」と比較した具体的な違い

「目標インストール単価」を設定する場合に比べ、積極的なオークション参加を行うため学習が早く進み、
結果として「目標インストール単価」設定時に比べ低いCPIで運用できることがある
ことが挙げられると思います。

具体的な広告オークションロジックはブラックボックスである前提のもと、イメージをお話すると、

「目標インストール単価」を設定する場合は、単価を大きく上振れないよう、慎重にオークションに参加していきます。
この場合、限られた特徴を持つユーザーにしか広告が当たらず、学習効果を得づらい可能性があります。

一方で、単価を設定しない場合は、初動2週間~1か月は「目標インストール単価」よりもCPIが上振れる場合があります。
理由は単価の制限がないので、積極的にオークションに参加しコンバージョンを最大化しようとするためです。
しかし、これによって学習が進み、結果として「目標インストール単価」に比べCPIが低下するケースがあります。

こうなると、長期的に見れば「コンバージョン数の最大化」を採用する方が優れた入札戦略だと言えますね。

※すべてのケースで「コンバージョン数の最大化」の方が、CPIが低下するわけではありません。

運用方法

コンバージョン最大化の入札戦略を実施するうえでいくつかコツがあるのでご紹介します。

◆「目標インストール単価」と2週間~1か月程度並走する

どちらのキャンペーンが案件にとって最適かを調査するため、「目標インストール単価」との並走による検証をオススメします。
検証期間が終わり次第、よりビジネス目的に適ったパフォーマンスを実現できているキャンペーンに配信を絞るのが良いでしょう。

運用するキャンペーン数が倍になるため、その分予算投下が必要になりますが、長期的なビジネスグロースのため、
Googleアプリキャンペーンを運用する早いうちから並走することをオススメします。

ABテストの基本ですが、両キャンペーンの入札戦略以外の条件(OS、日予算など)は合わせるようにしましょう。

◆初動の2~3日間程度はCVがほとんど出ない可能性があることを了承する

これは正式ローンチを迎えて徐々に改善していくかもしれませんが、目標インストール単価と学習ロジックが異なるためか、
CV数が伸び始めるのに2~3日程度かかることがあります。

そのため、CV数を伸ばしたい3日前にはキャンペーンを開始できるような準備をオススメします。

経験上OS別だと、Androidに関しては開始1日目からimpもCV数もしっかり伸びてくれる(少なくとも設定日予算の半分)ことが多く、
逆にiOSは最初から伸びてくれるケースは稀でした。

◆初動の7日間程度は予算¥10,000~¥30,000/日で推移を見守る

目標インストール単価を設定しないため、日予算を基にオークションに参加する入札額を決定します。
そのため、最初から大きな日予算を設定してしまうと、非常に高い入札でオークション参加を行ってしまう懸念があります。
どれくらいの入札額、CPCになるのかを観察するために、
最初は日予算¥10,000から、高くても¥30,000ぐらいで推移を見守ることをオススメします。

CPCやCPIが許容の範囲内であることが確認出来たら、徐々に日予算を上げて想定のインストール数獲得を狙っていきましょう。

◆可能な限り余計な変更を加えない

これは「目標インストール単価」でも同様ですが、Googleの機械学習機能を最大限生かすため、
可能な限り日予算の変更は避けてください。

Googleの配信金額は設定日予算に対して前後することがありますが、
月全体で見ると設定日予算×その月の日数で着地するように調整されます。

Google広告では日予算を変更すると、変更日予算×その月の残日数で調整されるためです。
https://support.google.com/google-ads/answer/6385083?hl=ja

変更を加える毎に再学習が必要になり、適切なユーザーにリーチする機会を損失します。
初動7日間程度で様子を見るために何度か調整を加えた後は、可能な限り日予算を変更しないようにしましょう。

理想的な変更頻度は月2回以下です。

運用結果

そんなコンバージョン最大化戦略ですが、実際に弊社の案件8件程度でトライしました。

そこから得られた結果(主に目標インストール単価を設定したケースとの比較)を述べます。

①目標インストール単価を設定する場合、設定単価が適切でない限り、
 一日の配信金額が大きくぶれる(設定日予算の数%~200%超)ことがある一方、
 コンバージョン最大化は日予算の消化が(初動3日間を除くと)設定日予算の100%から±10%程度しかぶれない。

②初動二週間は「目標インストール単価」と比べ、CPIが高く推移することが多い。
 主な違いとしてはCPCで、「コンバージョン数の最大化」の方が高い。
 二週間経過した後でCPIが「目標インストール単価」よりも低下するケースが見られた。

②のCPIに関しては「目標インストール単価」の方が引き続き低いという案件もありました。

正直なところ、「コンバージョン数の最大化すごい!!全キャンペーン今すぐ入札戦略を切り替えるべき!!」という
歯切れの良い結果は得られませんでした。

いずれの案件も並走期間が最大二週間程度だったため、もう少し並走期間を長くすれば違う結果も見えてきたかもしれません。

まとめ

これまでのことをまとめると、「コンバージョン数の最大化」は

まず、配信ボリュームをコントロールしながら最大化し、その過程で多くのインストールを獲得した結果、
「目標インストール単価」と比べて、より配信最適化が進んで低CPIで推移しうる入札戦略である
、ということが言えると思います。

「目標インストール単価」と比べ必ずCPIが低下するわけでは無いですが、正しく運用していけば低CPIで推移できる可能性も大いにあり、
また、単価設定が不要なため運用の手間も省けるという、メリットの多い戦略です。

このようにGoogleアプリキャンペーンでは常に最新・最適な運用方法を模索しているため、
自社のアプリ広告に課題感をお持ちの場合は、是非D2C Rまでご相談ください!

今回ご紹介した内容の前にGoogleアプリキャンペーンの運用Tipsをご確認したい方はコチラ!

【2023年最新版】Googleアプリキャンペーン(旧UAC)の基本!仕組みや設定・運用のコツ

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柳澤 匡

P&D本部 ディレクション部所属。 新卒D2Cグループに入社し、大型リスティング案件を中心に運用担当として従事。 その後、エンタメ・金融をはじめ、様々な業種のアカウントコンサルの経験を経て、現在の部署にてGoogleのメディアパートナーセールスを担当。 趣味はダブルダッチで、世界大会出場の経験を持つ。

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