Tips 2021.02.08

【実例】新米マーケター必見!相関関係と因果関係の見分け方

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本田 英一郎

はじめまして。D2C R ストラテジックプランナーの本田 英一郎といいます。

普段、私はマーケティング戦略の立案~施策の設計・検証を行っています。そこで欠かせないスキルが数字を読み解く「分析力」です。「数字は嘘をつかない」と耳にしますが、この読み解き方を誤ると意図せずに嘘をつくことになりかねません。

そんな私も運用型広告の運用担当だった頃、分析を誤り、その分析結果に紐付いて適切ではない配信設計をやりかけたことがあります。そんな時に学んだ数字の読み解き方をご紹介します。
テーマは『相関関係と因果関係』です。

 

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相関関係とは

辞書をひくと

・二つのものが密接にかかわり合い、一方が変化すれば他方も変化するような関係。
・数学で、一方が増加すると、他方が増加または減少する、二つの変量の関係。

 ※出典:weblio辞書
 (https://www.weblio.jp/content/%E7%9B%B8%E9%96%A2%E9%96%A2%E4%BF%82)

要約するとAとBが何らかの関わり合いを示す関係を意味します。
よりイメージが湧くよう事例を見てみましょう。


※出典:収入が高いほど“睡眠時間が短く起床時間が早い”傾向に「民間給与実態統計調査」
(https://ampmedia.jp/2019/04/22/10million-yen-player-sleep/)

上のグラフは起床時間と年収の相関性を示したものです。1,000万円プレイヤーと平均年収層を起床時間で比較した結果を見ると、早起きは3文の徳ではないですが、早起きをすると年収が上がる。そんな風に見ることが出来ます。

この数字は早起きと年収が何らかの関わり合いを示す相関関係であることを意味します。しかし、実際のところ早起きをすれば年収は上がるでしょうか。結論の前に、次は因果関係を見ていきましょう。

 

因果関係とは

続いて因果関係の説明になるわけですが、こちらも辞書をひいてみると

・二つ以上のものの間に原因と結果の関係があること。
・犯罪や不法行為などをした者が法律上負担すべき責任の根拠の一つとして、
 ある行為と結果との間に存在していると認められるつながり。

※出典:weblio辞書
(https://www.weblio.jp/content/%E5%9B%A0%E6%9E%9C%E9%96%A2%E4%BF%82)

要約するとAという原因に対して、Bという結果がついてくる関係を意味します。それでは、先ほどの相関関係も確認しながら事例を見ていきます。


※出典:平成30年分 民間給与実態統計調査(P18)
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/pdf/001.pdf

これは年齢階層別の年収を表すものです。先程の相関関係のグラフと合わせて見てみると、原則年齢が上がると年収が上がるという相関性が見えます。この推移は何故起きるのでしょうか?

その答えとして自分たちの生活を振り返って見てみると、年齢の上昇に伴い昇給・昇進など起こることが考えられます。つまり年齢が上がる原因に対して年収が上がる結果がついてくる因果関係であることが分かります。

さらに、年代と起床時間についても見ていきます。


※出典:厚生労働省(e-ヘルスネット)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-004.html

突然ですが質問です。皆さんは次のような経験ありますか?

大学の頃に比べて「徹夜・オールがキツくなった…」とか「朝起きるのが早くなった…」とか。経験があるならわかるはず。年齢が上がる(加齢)原因に対して、起床時間が早まる結果という因果関係にあることが分かります。

 

相関関係と因果関係

ここまでお読みいただいた方はお気付きかもしれませんが、相関関係と因果関係はパッと見で判断できません。

イメージにすると、上の図のように相関関係に内包される形で因果関係が存在することが分かります。

さらに、これまでの年収・起床時間・年齢の関係性を整理すると次のようになります。

結論、起床時間が早いから年収が上がるではなく、年齢の上昇に伴い起床時間が早まる。加えて、年収も上昇する。これが真相です。

 

配信設計に違いが出る具体例

これまでの分析を踏まえて配信設計の違いを見ていきます。与件は年収が高いターゲットに広告を配信するものとします。(成果地点は戸建ての資料請求などが考えられますね。)

早起きをすると年収が上がる。という解釈で設計を進めた場合1日の配信の山を朝方に作る設計になると思います。その一方年齢の上昇に伴い起床時間が早まる。加えて、年収も上昇する。と分析した場合20代以下の年代を除外する設計が考えられます

このように分析一つで配信設計が変わります。

 

まとめ

これまで相関関係と因果関係について紹介してきましたが、これは数字を読み解く一手法に過ぎません。ここで意識すべきは数字を読み解く際数字を人として捉えることだと思います。日々、運用型広告で管理画面に羅列されている数字と対峙している方は特に、この「人として捉える」意識付けをするべきなのかもしれません。

 

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本田 英一郎

ストラテジックプランニング部 ストプラチーム所属。新卒では食品商社の営業を経験。2015年 D2C Rに転職後、プランナー・ADNWやSNSの広告運用・メディアセールスを従事。エンタメ系のアプリを中心に案件を担当。猫の心情をくみ取るのが得意です。

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