Tips 2021.03.22

海外開拓で分かった中国企業と日本企業の違い

黄嘉驊(コウカカ)

黄嘉驊(コウカカ)

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こんにちはD2C Rストラテジックプランナーのコウカカです。

前回投稿したときにまだ運用部所属だった私は去年6月にストラテジックプランニング部へ異動しました。異動後も運用業務が中心でしたが、去年の後半から中国企業のクライアント開拓に特化することになりました。

その中で、中国と日本における仕事の進め方の違いを身をもって経験しました。まだ(日本では)社会人四年目の私ですが、根本的に企業文化、構造が違う国の間に挟まれ、大変な日々を送ることになったお話をしたいと思います。

OMOとは?

中国の事例に学ぶOMO

・前例にこだわらず

一般的に、日本のビジネスは丁寧に合理的に物事を進めるイメージで、中国のビジネスは勢いがあってぞんざいな部分があるものの、いざと決まったらすぐ実行してみるイメージがあると思われます。

実際「丁寧」と「ぞんざい」というイメージはおおよそ間違いないと思いますが、実際取引してみると本質はそこじゃない印象を受けました。
本当に対比しているのは「リスク」「スピード」に対しての考え方だと思われます。

日系企業は「リスク」を回避することを最優先し、慎重に確認を重ね、完璧に近いものをクライアント様に提供しようとします。またビジネスマナーを重視し、マナー的に良くないことはあまりしません。これに関しては本当に素晴らしいことです。正直私自身繊細さをまったく持ち合わせていないのですが、3年間日本で働いた結果かなり意識することができ、昔と比べてかなり丁寧になりました。

中国のほうでは、むしろ合理的」でリスクを恐れていないイメージが強いです。ビジネスマナーももちろんありますが、法律に反していない限りはプロジェクトの成功を最優先にします。

日本のビジネス習慣に慣れている人は、中国との仕事に多少アレルギーを見せる傾向があると一年の業務を通して感じました。どちらかが悪いというより、中国企業への誤解が課題じゃないかと思います。

 

・ルールに縛られず

体制は意外と整えないほうが正解かも…?

タイトルのように、弊社は2019年から上海の広告代理店Madhosue」と業務提携を結び、中国のクライアント様をサポートすることが増えました。各部署から精鋭が集まり、数々のコンペに挑んできました。私は運がよく、当時社内でただ一人の中国人として本来の運用業務を超えてコンペ案件に参加し、翻訳などの手伝いもしていました。

ただ、やはり言葉の壁は大きく、コミュニケーション業務が運用業務を上回りはじめ、最終的に中国案件の全体に関与するようになりました。コンペの方も最初はなかなか大きく結果が出せず、徐々にタイトルのコミュニケーション全体戦略と平行して個別の施策提案も増やし、関わるメンバーも減りました。

その時に施策提案でTikTokハッシュタグチャレンジ(※)の実施チャンスをいただき、私が部内で尊敬する先輩・高尾さんをはじめとした現在のメンバーが集まりました。その後実績を積みながら、弊社内における中国企業との売り上げを伸ばしているところです。


※TikTokハッシュタグチャレンジ「#わっしょいゾン踊り」
 

なぜこの半年で好転できたかというと、
私は体制ができていないまま進めてきたことが成功につながったと思っています。

「体制ができていない」という言い方は聞こえこそよくないですが、言い換えると「通常の体制だと対応しづらいため、あえて体制がないほうがよかった」と言うべきでしょうか。

その理由は先で話した「スピード」に関係しています。

 

・スピード感を大事にする

まず、よく中国企業から依頼されるケースを紹介します。

  • 三日後にこのリストのKOL見積もりを出してください
  • 急に宣伝PVの作成が決まりまして、二か月後に納品できるように協力してもらえませんか?
  • 急に新規ゲームタイトルのリリースが決まりました!来週すぐ買える媒体はありますか?

などなど、急に決まりました!ビジネスチャンスです!という感じの仕事の降り方が多く、社内は大体パニックです(笑)。

上記のオーダーに応えるためには、提携会社へのコミュニケーション、社内のリソース分配などなど、普段のプロセスで進めると提示された締め切りに間に合わせることに骨が折れるし、遅れたら提案のチャンス自体他店に持っていかれることも十分ありえます。

そういう時に私たちは特攻部隊として、クライアント折衝や外部提携会社へのやりとりなどの業務を巻き取ったりしています。

かつ、この施策ならXX部のXXさんにお願いしたい、手伝ってもらえるように相談しよう、交渉しようなどの行動も縦横無尽に行い、その上でようやく無茶なスケジュール感を合わせられるようになりました。

もちろん、この話を聞くと「それ、ただクライアント様をちゃんと握っていないんじゃないの?」、「あらかじめスケジュールをちゃんと切って伝えれば良いだけじゃないの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。

もちろんそれが理想なのですが、先ほどお話した通り、
中国企業のビジネスは「スピード」重視・合理性優先なので、日本的で慎重な進め方を押し通そうとしても、結局どこかでほころびが起きてしまうことが多いです。

 

・現在の市場環境が形成した理由は?

海外事業としてのスマホゲームを成功させている中国企業は、老舗や大手以外だと創業35年の企業が多いです。短時間に売り上げの急成長を遂げている彼らを見て、大手もスピード感をより一層重視して仕事を進めています。また日本で成功しているタイトルの企業は、大体日本に中国メンバーで支社を立ち上げています。代理店に任すのは最初だけで、業務フローなどに慣れたら、すぐインハウス化に切り替える企業が多いです。

その理由は「日本のスピードだとなかなかこちらの要求に合わせてくれない」からだとよく中国人の担当者から聞きます。また現在日本で支社がなく、タイトル自体が売れている企業も大勢います。コロナの関係で来日も困難な状況です。

国内の代理店にとっては一番のチャンスですが、ここまで話してきた通り、仕事の習慣があまりにも異なるために、よく業界の友達からも「中国の案件がかなり大変だ」と聞くことが多いです。
そこの差が埋まらない限り、このミスマッチは解決できないと考えられます。

また例えば自社の新作タイトルが北米で予想より成功し、前作も日本で収益が得られていたので、新作の日本リリース時間をいきなり半年前倒しするなどの経営判断も聞いたことがあります。
中国の経営者にとって、稼げるのに売らないリスクは、完成度が低いまま売り出すリスクより遥かに高いようです。

その故リスクを取った上でのスピード勝負が多いし、リカバリーのために、削減できる原価を容赦なく削減します。

よく同業者から「中国のクライアント様って相見積もりめっちゃ取って、こちらが可否と見積もりも取ったのに他店のほうが安いからやめますと言われることが多いよな」などの話を聞きます。その行為の良し悪しは別として、クライアント側になって考えれば同じタレントを起用するのに、安いに越したことはありません。

繰り返しになりますが、日本と中国のビジネス、どちらが悪いということでは無く、相手を理解しようとしないスタンスではチャイナマネーを獲得するのは難しいのでは…と考えるようになりました。

 

・結局どう付き合えば?

正直なところ私も中国企業を担当してまだ一年弱で、大きな成果も出せておらず、偉そうなことは言えません。
ですがこの一年で培った経験としては「郷に入っては郷に従え」が通用できない時代になっていると思います。弊社も、クライアントファーストを考え、他店を先回る対応をし、信頼関係を築くことがまだまだ大事なフェーズです。ただ、そうやって再現無く対応に追われていると事業としてスケールさせることも出来ません。

業界内でも弊社しかできない中国企業へのサポート、サービスを今までの経験を糧にして作らないと、後発側としてかなり厳しい将来が待ち受けているでしょう。その解決策を考えるのも、私のこれからの役目だと思っています。

また、間近で中国の仕事のスピード感とお金のかけ方を見てきて、ものすごく危機感を覚えました。2015年に日本で就職すると決めた時、正直言って中国の企業はまだまだ日本に勝てる感じではなかったんですが、
「前例にこだわらず」「ルールに縛られず」「スピード感を大事にする」という姿勢が日本に大きな衝撃を与えていると実感しています。

中国案件に関わらず、我々も過去の考え方に囚われすぎず、これからの時代に向けてどう働き方を変えていくべきかを考える時がきたかもしれません。

 

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ストラテジックプランニングチームって何してるの?

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黄嘉驊(コウカカ)
黄嘉驊(コウカカ)

総合プランニング本部に所属しており、現在主に中国クライアントの開拓に注力しています。趣味はゲームで、最近ブレイブリーデフォルト2をはまっています。

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