Tips 2021.08.10

中国ライブコマースから見るインフルエンサーの力

黄嘉驊(コウカカ)

黄嘉驊(コウカカ)

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こんにちは、ストラテジックプランナーのコウです。
前回の記事からだいぶ時間が経ってしまいましたが、今回も中国の事例を紹介していきたいと思います。

海外開拓で分かった中国企業と日本企業の違い

皆さんライブコマースという販売形式をご存知でしょうか?ライブコマースとはライブ動画を配信し、商品を紹介して購入していただくサービスです 。

あれ?何かと似ていると思いませんか?実はこのモデル、一昔前のテレビ通販とほぼ一緒です。現在中国のライブコマース事業の勢いは非常に強く、売上規模もかなり大きくなっています。

 

1.テレビ通販との違い

日本で、いわゆる「通販王」と呼ばれるような人たちが商品紹介をすると、 一日の売上は数億程度と言われています。ですが、中国の有名なライバーたちの売上はもっと凄まじいことになっています。

中国の「独身の日」 をご存知ですか?11月11日がこれに当たるのですが、中国では有名な一大ショッピングフェスティバルが行われる日です。2020年は「薇娅」、「李佳琦」という二名の有名ライバーだけで3億回の視聴と80億元(1362億円相当)の売上を叩き出しています。

※出典:「小紅書」、「ビリビリ動画」の検索結果により

中国で有名な情報まとめアプリ「小紅書」と動画サイト「bilibili」で、この二人の紹介リストを検索すると2万いいねと20万視聴などの高い数値を得ています。影響力だけでいうと本当に一般タレントさんを超える集客を誇っています。

彼らのような有名なライバーとテレビ通販王と違いは4つあります。

①通販番組と違ってライブ配信中ユーザーとコミュニケーションを取ることが可能

②ライブ配信のコメントが全て自動に残っているためライブ配信のPDCAを行うことが可能

③商品はすぐライブ配信中に購入URLを飛ばすことが可能で購買に結びやすい

④現在中国のZ世代に向けてのコミュニケーションは、テレビより圧倒的にWebが主戦場

こういった理由で中国のライブコマース市場を盛り上げていると考えられます。

 

2.中国のライブコマース市場

中国のライブコマース市場規模は2017年190億元(3237億円)でしたが、たった二年後の2019年にはおおよそ23倍成長し4339億元(7.4兆円)に上っていました。

また去年は新型コロナウィルスの影響でネットショッピングの需要が増えており、売上高がさらに9610億元(16.4兆円)まで伸びました。数字だけ見ても巨大なマーケットであることが分かります。


(出典:「ライブEC生態進化論─2020ライブEC業界研究報告」(微播易)より引用)

 

配信プラットフォームは主に下記の三つになります。

  ①淘宝直播(Taobao Live): 中国一番大手のECサイトプラットフォーム

  ②抖音(Douyin): TikTokの中国版

  ③快手(KuaiShou)TikTokと似たような配信プラットフォーム

それぞれの売上規模は、淘宝直播:2500億元、TikTok400億元、快手(1500億元)

 

彼らの特徴としてはどちらも大きなユーザーを抱えているプラットフォームであること。
うまくプラットフォームを利用し、従来と違うアプローチの仕方でうまくライブコマース販売参入になっています。

 

 3.中国のライブコマースから見るインフルエンサーの力

実はこの4年間だけでライブコマースが中国では約40倍ほどの市場規模を広げており、さきほど紹介した「薇娅」、「李佳琦」のようなビックインフルエンサーも生まれてきました。なぜそこまで成功できるのか、私なりに分析しました。

4G回線の携帯料金がかなり下がり、いつでもライブを見られるような環境を整えた

②特に若い世代の視聴習慣がテレビ→webになり、
 一昔前のテレビ通販番組需要がインターネットに移った

③中国人は特に口コミを重視する傾向があり、ライブコマースの販売形式にかなりマッチする

④中国独自のライブ配信プラットフォームを持っていて、かつ大きなユーザーを抱えている

これらの条件がそろっていたため、昔全く無名だった「薇娅」、「李佳琦」たちが一躍有名人になり、1回のライブ配信で何十億元の金額を動かせるようになりました。

中国ではかなり有名なタレントさんがライブコマースで商品を紹介しても、彼らのような草の根から成長したインフルエンサーに勝てない時代にもなっています。 

 

4.日本のライブコマース事業 今後の展望

結論から申し上げますと、日本ではしばらくライブコマース事業が中国のように盛り上がることはないのでは…と考えています。理由は簡単で、現在の日本はプラットフォームに大きな強みを持っていないからです 。

国民が普段見るライブ配信機能付きアプリはYouTube、Instagram、TikTok、ニコニコ動画などが主ですが、その中で国産プラットフォームはニコニコ動画だけです。国内ユーザーのシェアを大きく占めているYouTube、Instagramは、中国のように配信中どんどん違う商品のURLをプッシュすることが不可能だったりと、特にライブコマース事業に乗り気では無い様子です。このような状況でいきなりライブコマース事業を伸ばすのはかなり難しいと見られます。

ただし、実はコスメ界ではライブコマースと違いますが、有名なインフルエンサーが紹介した商品が店頭で売り切れてしまうようなケースがかなり増えています。

規模が小さいとはいえ特に若い世代では好きなインフルエンサーのライブ配信を見て、商品を買う習慣が確立しつつあると思ってもよいでしょう。 携帯料金の値下げに伴い、若い世代がどんどん普段からライブ配信・視聴を行うようになったら、こういったライブコマース事業にも期待できると考えられます。

 

 5.まとめ

中国では現在大人気のライブコマース事業ですが、現在の日本の状況を見るとすぐ中国のようになるのは難しいと思います。ですが、若い世代の間でインフルエンサーの力は確実に強まっています。こうした変化に伴い、今後タレントだけではなく、インフルエンサーを活用したコミュニケーション戦略も重要になっていくと考えられます。

D2C Rでは豊富なインフルエンサー企画経験を活かし 、商品の紹介だけではなく、インフルエンサーを使ったPV撮影やTwitterのイベントなども実施可能です。ぜひご興味をお持ちになった方はお問い合わせください。

 

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中国の事例に学ぶOMO

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黄嘉驊(コウカカ)
黄嘉驊(コウカカ)

総合プランニング本部に所属しており、現在主に中国クライアントの開拓に注力しています。趣味はゲームで、最近ブレイブリーデフォルト2をはまっています。

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