Tips 2021.11.08

【イベントレポート】ゲームマーケティングのホンネ-TVCMってぶっちゃけどうなの?

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池邊 沙也加

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はじめに

みなさんこんにちは。
D2C Rでストラテジックプランナーを担当している池邊です。

私は元々ゲーム会社で働いており、担当コンテンツでCMが放映された経験もあります。制作に携わって自分の大切なタイトルが形になっていくワクワクや、実際にTV画面で遭遇したときの感動は忘れられません。放映枠の番組CMを正座しながら見てました。

ただ、その効果にしっかり向き合って、その後のゲーム運営に役立てられていたか…?と言えば、「なんかCMフィーバーしたよね!たぶん!」という肌感で終わっていた気がします。

ですが、令和のTVCMは効果をWEB広告よろしく分析できるようになりました。最近色んな所で広告を見る…という読者の方も多いのではないでしょうか?そして、「数値化って言われましても…本当に?」と疑いの目で見た方も少なくないはずです。

本記事はタイトルの通り「TVCMのホンネ」を、現場最前線の皆様がこれでもかと生々しくぶっちゃけてくれたウェビナーのレポートです。CMを打ちたい方も、悩まれている方も、そんな気は無い方も、是非現場を覗き見するような気持ちでご一読ください!

登壇者紹介

クライアントサイドであるゲーム企業、サービスを運営するメディア企業、広告代理店、それぞれの第一人者にお集まりいただきました。

大きく分けて3部構成のセミナーです。
ほぼノンストップのトークで進んだ60分、気になる内容は以下からどうぞ!

第1部:ゲームアプリ・マーケに感じる市場変化、潮流

まず、弊社貴志より3つのKWに沿って上記テーマの概観をお話しました。

『ファミ通ゲーム白書2021』によれば、2020年ゲーム市場は対前年比17%の成長を果たしました。

一方で、VODやコミックアプリなど、「巣ごもりコンテンツ」自体が軒並み成長している側面もあります。
ゲームだけではなく、隣接市場との伸び率比較も大切です。

直近の中国で起きたゲーム規制が、日本国内への海外勢進出をより扇動する可能性は大きく、今後もこの勢いは衰えないでしょう。

iOS14以降、世界的に広告費用はiOSからAndroidへ偏重しました。iPhoneのシェアが高い日本では感じ辛いかもしれないですね。

以上、
「ゲーム業界の急伸」
「海外勢の猛威」
「IDFAのオプトイン化」
という3つのトピックスを伝えつつ、登壇者それぞれの視点で以下所感もいただきました。

 

土井氏:TELECY販売を通じて感じた「意外な抜け落ち」
TVCMの低価格出稿&効果の可視化は今までも出来ないことでは無かった。だがその視点が抜け落ちがちだったのではないかと改めて今感じている。IDFA問題などでデジタルが頭打ちになり、改めてオフライン広告が見直されるタイミングということもあって、各企業が再度価値を感じ始めているのではないか。

吉岡氏:ゲームアプリの「出・アプリ」
最近はストア配信だけではなく、マルチプラットフォームで楽しめるゲームアプリが増えている。同じコンテンツをシーンに合わせて利用できるようになればより没入感が進み、プレイヤーが増えるのでは。ライフスタイルのアップデートが行われ、新しい未来が訪れそうだと感じる。

松本氏:競合均質化により始まる「本当の戦い」
競合が増えたことにより、コンテンツ自体はもちろんTVCM訴求自体も均質化している印象。無料OO連ガチャの勝負にもなり得る中で、どうやって生き残るのか。これは常に他人事ではなく、TOPアプリもいかに勢いを維持するのか、本当の意味で試される。

 

いずれも共通するのは、今までのやり方が通用しなくなっている…という危機感を肌で感じているということでしょうか。ゲーム内部からも外部からも、変化の風は吹き始めているようです。

第2部:ゲームマーケにおけるTVCMのホンネ

このパートは、
「トレンド」
「ぶっちゃけ」
「TVCMの肝」
という3つのテーマに沿って議論が進みました。

■トレンド

このパートは、吉岡氏より今のゲームアプリのTVCM出稿事情についてお話をいただきました。

ここ数年で広告予算は急成長、TVCM予算も増加傾向。

しかし、年間出稿GRPで比較してみると「1回出稿する企業」の方が増えているそうです。

そもそも、今のゲームアプリ市場はローンチ期を狙ってゲームユーザーを確実に取りに行く傾向があり、新しい情報を広く遍くターゲットに伝えるのにTVCMが非常に有効な手段となっています。以前はマイクロスタートでリリースし、ユーザーの声を集めながらアップデートを重ねたのち大規模マーケに踏み切るのが通例だったものの、上述のパワーマーケ/フルスイング指向に変わってきているとお話いただきました。なかなか見ることのできないリアルなデータと実績、非常に勉強になりました…!

■ぶっちゃけ

そしてここからは、「そこまで言っちゃって良いんですか!?」という広告現場の生々しい声を、貴重な資料と共にお届けします。

最初に、それぞれの思うTVCM市場天気予報が発表されました。

みんな(ほぼ)晴れという結果に。会場では「これはポジショントークでは無く…」という声もちらほら飛び交いました(笑)。
以下、みなさんが説明してくださった予報の根拠です。

 

土井氏:意外と釣り合うCPIと、休眠アプローチ効果
この1年、多くのゲームアプリパートナーとも実績を残してきたが、その中で感じるのが「以前やってみたけどあまり成果を感じなかった」というCLが再度声を掛けてくれていること。そして、まず小規模実施で成果を検証するという前提のもと、【TVCMのCPIは、意外と高くないこと】【WEB広告の成果リフトアップを後押しできるメディアであること】【休眠復活にも有用であること】という3点から、TVCMの価値を感じ「晴れ」と予報。

吉岡氏:時代の変化によるTVCMへのポジティブマインド拡散
一時期「TVは効果が無い」という声が上がり、そのタイミングでデジタル全振りのマーケ成功事例も出てきたときがあった。そこから何となくTVCMは博打、というイメージが広がった気がするが、成功も失敗も明確化するTVCMに対し、WEBはそもそもトライ&エラーを繰り返すものなので、失敗が見えにくいと認識している。直近、TVCM効果可視化の動きが活発化したことで明確に効果を感じた企業が増えている。そしてその事例を見て更に実施を決める企業が増えていく。この好循環を感じるので「晴れ」と予報。

松本氏:施策全体を貫くコミュニケーション軸としての有用
mixiでは現在新たな試みとして、ミドルファネルで効果を追っている。そうすると認知からの歩止まりを注視する訳だが、各施策の中でもTVCMの認知ボリュームは非常に大きい。

●実施結果のデータが、「WEB」のみより「WEB+TVCM」で高い成果を示している。
●コンテンツの側面でも、TVCMから統一的なコミュニケーションフレームが生まれ、育てていきやすいと感じる。
という、大きく2点を挙げて「晴れ」と予報。

「曇り」をかけている理由としては、そもそものマーケット全体の変化に触れてお話。
数年前までは効果を追わなくても、「良いものを作れば人がついてくる」と感じていたが、その時代が終わってしまったと感じる。今は仮説検証を繰り替えすことが非常に大切。TVCMが良い、と狭窄的にならずマーケ全体の効果検証をするべき。

 

いずれの意見も、各企業ならではの視点から語られる納得感がありました。やはり、TVCMをやらない手は無いのか…と思いますが、闇雲に手を出して成果を挙げられないほどもったいないことはありません。みなさんから、TVCMを成功させるための「肝」をお話いただきました。

 

■TVCMの肝

土井氏:いきなり博打はさけるべき
既存は少額トライアル、新規なら事前にコミュニケーションの刺しどころを入念に調査し、コケない座組の準備を怠らないこと。最初から都心に高額の出稿をするのではなく、出稿地域から丁寧に検討を重ねるのが望ましい。

吉岡氏:ターゲットとタイミング
そのアプリで最も裾野が広がったときのターゲット像を捉え、彼ら/彼女らが見ている番組などまでしっかり把握すること。そして、代理店が持っている実績やシミュレーションと照らし合わせながら最適なプランニングを行うことが大切。更に、クリエイティブも非常に重要と考える。メディアプランニングは効率の差はあれど、誰かに届く特性を持っている。だがクリエイティブは訴求を誤れば誰の心にも届かない。

松本氏:ターゲットを念頭に置いてシンプルに
メディアよりも表現に重きを置いている。ターゲットは誰なのか意識すること。制作者側はついついあれこれ詰め込みたくなるが、なるべくアイデアは1つに絞り込む。複雑になればなるほど、視聴者の理解は追い付かなくなっていく。また、アイデアにはプロダクト起点(ガチャ、イベント、コラボなど)とコミュニケーション起点の2種類があるが、それらが連携しているかどうかも非常に大切。最終的にはプロダクト内のアイデアに紐づく形であるべきだと思う。

松本氏の締めに、土井氏から「説得力がありますね…」という声が漏れました。

第3部:今後注力すべきマーケテーマは?

最後のテーマは今後についてのお話です。

 

土井氏:オフライン媒体の価値再発見
もともとTVCMから手を付けたが、今はオフライン全体の価値再発見、及び再発掘を試みている。例えばドローンだって媒体となり得るし、そういった「まだ市場に無いオフライン媒体」の創出を1年以内に仕掛けていきたい。

吉岡氏:実践知を埋没させない組織・運営作り
従来の代理店における、認知/獲得のタテ割り文化から両者間の連携を強める方向へ変えていきたい。垣根を超えた実践知を分かち合うことで事業成長に繋がると感じている。プロジェクトメンバー全員で立体的に考え、良いマーケを行使したい。

松本氏:一気通貫の総合コミュニケーション
カスタマージャニーに沿ったトータルコミュニケーションを行いたい。発信する情報の粒度、場所などを見つめ直すことで、様々な体験設計ができる。それによって1+1を2以上にできる可能性があると感じている。TVCMはもちろん含まれるが、出稿前のPR仕込みなどで、まさに吉岡さんのおっしゃった「立体的」な流れを心掛けたい。

 

最後に

ここまで読んでくださったみなさま、ありがとうございます!登壇者のみなさん、様々な資料を織り交ぜながら淀みなく闊達な議論を繰り広げて下さいました。情報の濃度はもちろんのこと、テンポの良いトークセッションはまるでラジオを聞いているようでした。

この記事が、TVCMに興味はあるけどやるべき判断が付かない…という方の、「TVCM、試しにやってみようかな!」という気持ちを後押しするものになっていれば幸いです。その際は是非、弊社にお声がけください!ホンネで向き合い、一緒に最適解を探していければと思います。

 

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池邊 沙也加

ストラテジックプランニング部 ストプラチーム。ゲームディレクションやWEBコンテンツ制作などの企業を経て、D2C Rに入社。ユーザーモーメントやペルソナ分析を軸に、感情を大切にした戦略を書きます。ごはんとお酒で大体幸せ。在宅勤務のリフレッシュに、ネットサーフィンのお供に。読みやすくて為になった気がする記事を発信します。

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