Z世代が共感する「エモ」とは?|ゼットモ
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目次
「エモ」って何?
みなさんこんにちは。ゼットモです。
突然ですが、今この記事を読んでいるあなたは普段「エモい!」と口にする機会はあるでしょうか。
情緒的な写真、平成レトロ、青春の思い出、恋愛小説…
さまざまな場面、商材に対して「エモ」という形容詞が巷には溢れています。
Z世代の消費行動や価値観に大きく影響を与える言葉…それが「エモ」です。
「エモ」はZ世代から生まれた言葉?
ただ、「知ってる知ってる、Z世代はみんな“エモ”言いがちだよね」と
一括りにしてしまっていることはありませんか?
実は「エモ」の発祥は音楽のジャンルの1つからとも言われており、
Z世代が使い始める以前から言葉の概念としては存在していました。
当時はエモの抒情的なメロディラインや歌唱法に触れたときのように
心が揺れ動くさまを形容していたように思います。
(本記事の筆者はミレニアム世代で、マイケミやenvyはド世代でした。エモい)
つまり、上世代にも「エモ」という言葉や感情自体は存在しており、
大きく世に広まったきっかけがZ世代だったに過ぎないのでは…とも思います。
そしてZ世代と上世代で「エモ」に違いがあるなら、知らず知らずのうちにあなたの知っている、
もしくは伝聞を通して「エモ」だと思っている認識は少しずつズレているかもしれません。
本記事では、Z世代と上世代の「エモ」に対する利用習慣や印象などのアンケート調査を通し、
世代で言葉の意味や想起する「エモ」コンテンツにどの程度差異が生まれるかを検証しました。
読者のみなさまの理解の一助となれば幸いです。
「エモ」はZ世代の言葉?利用状況アンケート
まず、「日常的に“エモ”を使うか」という質問に対する回答グラフがこちらです。
Z世代と上世代では真逆の回答結果になり、やはり現代において
「エモ」は圧倒的にZ世代が多く使う言葉でした。
一方で、使わないと回答した上世代も「エモ」という感情自体を多くの人が理解しており、
中には「音楽のエモと被る」「エモという感情をエモ以外の言葉で表したい」など、
今広まる汎用性の高い「エモ」に違和感を感じている層も居るようでした。
ただ、Z世代の中でも「軽薄にトレンドに乗っているようで使いたくない」といった回答があり、
「エモ」という言葉が市民権を得れば得るほどそこに抵抗を感じる層は世代問わず一定数居るようです。
少し前で言うと、なんでも“ヤバい”“可愛い”と言いがちな心理に近いと考えられます。
エモさをイラスト・音楽に感じるZ世代、写真・風景に感じる上世代
続いて、普段「エモ」を使うと回答した人に対して「エモ」と感じる
シーンやモチーフ、情報の種類について聞きました。
すると世代を通じて「写真・イラスト」に最もエモさを感じる一方、
Z世代は上世代と比べ「音楽」へのエモさが強い傾向が出ています。
また、写真とイラストの比較でも、イラストによりエモさを感じる人が僅差で多い結果となりました。
「エモ」が広く使われることによって、その感情の該当幅が広がり、
Z世代は「エモ」の間口がより広くなっていると捉えることが出来るのではないでしょうか。
センチメンタル×ノスタルジック=エモ?
具体的なシーンとしては、自分の学生時代を思い出すとき、美しい情景・景色の中でゆっくりすごすとき、
レトロで可愛いものを見かけたときなどが傾向としてあげられました。
こうしたデータから「感情が大きく揺さぶられること≒センチメンタル」
「思い出や記憶が刺激されること≒ノスタルジック」と定義し、
上世代もZ世代も共通して「センチメンタル」「ノスタルジック」が掛け合わさると
エモを感じやすいのではと考えられます。
ただ、同じノスタルジックでも、上世代にとっては「実際の思い出、懐かしさ」を伴う事が多い一方で、
Z世代は「自分が体験していない憧れ」を抱くことも多い傾向も、今回の調査では現れています。
上世代ほど「感情が動く」ことに焦点を置く一方、
Z世代は「懐かしい」そのものに言い変える傾向もありました。
一概には言えませんが、上世代は“感情の揺れ動き”とノスタルジックが紐づくのは自然であり、
わざわざ“懐かしさ”を言葉にしないのかもしれません。
エモの第一想起モチーフは「学生時代の青春」
これらの調査を通じて、上述の通り「エモ」には「センチメンタル」と「ノスタルジック」の
2側面があるのではと考え、両極端な2つの項目を並べて「よりエモさを感じるのはどちらか?」を
問う比較調査を実施しました。その結果から作ったムードボードがこちらです。
この比較では、世代を問わずほとんどの方が前者により強いエモを感じる結果となりました。
しかし、具体イメージとして「恋愛・ドラマチック/ロマンチック」などの要素も
回答が世代をまたいで出現したことを考慮すると、
後者に対する「エモ」も間違いなく存在していると考えられます。
ただ、より強い「エモポジション」は学生時代や青春、といった要素が持っていると言えるでしょう。
エモい楽曲は世代を超える?
Z世代はより「情報の種類」として音楽にエモを感じやすいというデータがありましたが、
より具体的な「エモ」と感じる楽曲、アーティストについて聞いてみるとZ世代と上世代に共通して
「穏やかで詩的なお洒落J-POP」に対するエモを感じる層が存在していました。
上世代が最近の曲を挙げている、Z世代がムード歌謡を挙げている、といった極端な例は少なく、
今回のケースでは24歳と37歳がともに「若者のすべて/フジファブリック」を挙げていたり、
サカナクションやくるりが共通して回答に含まれていたり…
という世代を超えた共通点も見受ける事が出来ました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はアンケート調査を軸に「エモ」についてのご紹介をさせていただきました。
結果としては、
・「エモ」と口に出すか出さないかは、世代で大きな差がある
・「エモ」をひも解いた時グラデーションの濃淡はあれ、全く違う感情ではない
・「センチメンタル×ノスタルジック」はエモを引き起こす大きなファクター
・Z世代は「イラスト」「音楽」などに対するエモを感じやすく、情報の間口が広い
・Z世代は上世代と比べ、「架空の懐かしさ、ノスタルジック」にも感受性が高い
といった示唆を得ることが出来ました。
「エモって何?」「なんでもエモいんでしょ」「エモって言っても通じないでしょ」と
お互いにボーダーラインを張らず「エモ」の中身を分かち合うことで、
世代を超えた大きな共感を産み出すことも出来るのではないかと思います。
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