MBTIとは?Z世代にどう楽しんでいるのか聞いてみた|ゼットモ
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目次
Z世代にMBTIが流行中?
みなさんこんにちは!Z世代研究プロジェクト『ゼットモ』です。
ここ数年、Z世代の中で流行している「MBTI」をご存じでしょうか?
MBTIはスイスの精神分析家ユングの著書を元にアメリカで誕生した性格診断です。
日本でも「当たりすぎてゾッとする」と話題になったことで2023年頃からZ世代中心に流行し、2023年上半期のZ世代トレンドランキングにもランクインしました。
▼トレンドランキング|マイナビ学生の窓口より引用
https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/66719
そんなMBTIですが、2025年現在もZ世代の約54%が流行していると回答する程人気があり、長期にわたって流行しているコンテンツだということが分かります。
本記事ではそんなMBTIが何故流行したのか、Z世代はどう楽しんでいるのか、をZ世代の本音をもとにご紹介していきます!
そもそもMBTIとは?
MBTIとは前述の通り性格診断の1種で、大きく4軸で各自の性格を分類し、全16タイプに振り分けることができる診断です。
※昨今世間で流行している無料の診断はMBTIではなく、
MBTIと同じアルファベットを使用した”16personalities診断”ですが、 記事構成上、読者の皆様に伝わりやすいよう本記事ではMBTIと表記いたします。
それぞれ4軸は下記の意味を持っており、4×4の組み合わせによって、”ENFP”などのアルファベット4文字で性格結果を表すことが特徴です。
■興味関心の方向(外向型E-内向型I)
人との接し方を示す指標で、自分のエネルギーが人と接する”外側”に向いているのか、
自分の時間を大切にする”内側”に向いているのかが分かります。■情報収集方法(感覚型S-直感型N)
ものの見方や感じ方を示すカテゴリーで、情報を受け取ったときに、事実をベースに解釈するのか、
未来や概念を重視して解釈するのかが分かります。■判断方法(論理型T-感情型F)
意思決定の基準や価値観を表すカテゴリーで、なにかを判断するときに、
真実を優先するのか、人の気持ちを優先するのかが分かります。■生活様式(判断J-認識型P)
行動スタイルや物事へのアプローチの仕方を表すカテゴリーで、計画通りに進めたいのか、
ある程度の自由性が欲しいのかが分かります。
また、ENFPなどのそれぞれの分類には”運動家”のような日本語での役職名が割り振られており、Z世代は自身のMBTIをアルファベット4文字と役職名を掛け合わせて記憶していることが多いそうです。
MBTIは大きく4つに分類できる
更に、この合計16タイプに分類されるMBTIですが、実は大きく4つのグループに分かれており、タイプの2番目と3番目のアルファベット(情報収集方法と判断方法)を軸にして区別します。
具体的には、情報収集方法(感覚型S・直感型N)と判断方法(論理型T・感情型F)の掛け合わせによって、
①分析家(NT型)/②番人(SJ型)/③外交官(NF型)/④探検家(SP型) の4つのグループに分かれており、
特に日本人は③外交官(NF型)の割合が多い傾向にあります。
SNS上では”MBTIあるある”のような投稿が多く見られることから、「ENFPの人は〇〇」「外交官の人は〇〇」のように、MBTIを聞くだけで特徴や傾向が分かる層も多い様子です。
▼SNSでのMBTIあるある投稿例
【大流行】MBTI診断【あるある】/P丸様。
何故MBTIが流行しているのか
流行のきっかけは韓国
そんなMBTIですが、人気K-POPアイドル達が自身のプロフィールにそのMBTIタイプを記載し始めたことがきっかけで日本へ広まったようです。
実際にZ世代にMBTIを知ったきっかけを聞いてみても流行し始めた当初は「K-POP好きの友人から勧められた」という声が多く、そこから友人と大勢でいる時に皆で診断してみる流れが一般化していき、どんどん広まっていったようでした。
流行のワケ
MBTIについては、「趣味よりもふわっと自己紹介できるので使いやすい」という意見がありました。
何故自己紹介に抽象度があると良いのか探ると、「大勢でいる時は普通でいたい」「悪目立ちしたくない」という声が挙がったことから、Z世代(…に限らず現代の風潮なのかもしれませんが)には、”自己主張はしたいが浮くのは嫌”という価値観があるのかもしれないと思いました。
他にも「人間は前提として自己主張できるコンテンツを求めていて、現状MBTIが最もスタンダードで都合が良いから」と答えるZ世代もおり、インターネットで簡単に診断が行えるうえに、「抽象的×手軽に自己主張できるコンテンツであること」がZ世代の価値観と好相性だったことが、MBTI流行の要因の一つかもしれないと思いました。
また、上記に加えて
・公的な機関で利用され始めた
・SNSでプロフィールに載せる等、自己紹介として主流になった
ことでより一般的なコンテンツとして見られるようになり、長期的な流行に繋がったのではないでしょうか。
実際に、企業が研修や育成、組織マネジメント領域でMBTIを利用する事例が数多く存在しているようです。
こういった事例により、MBTIは”流行”の域を超え、徐々にスタンダードなものになりつつあるのかもしれません。
日本におけるMBTIの導入事例/一般社団法人 日本MBTI協会より引用
https://www.mbti.or.jp/what/jirei1/
MBTIを会社経営に活かすには? Z世代の会社が実践するMBTI活用法/僕と私と株式会社 今瀧健登さんのnoteより引用
https://comemo.nikkei.com/n/naff08194dc51
MBTIの楽しみ方3選
では実際に、Z世代はどのようにMBTIを楽しんでいるのでしょうか?
Z世代に楽しみ方を聞いてみると、大きく3つの軸に分かれる傾向が見られました。
①初対面の人とのアイスブレイク、飲み会での話題
初対面の人とのアイスブレイクや、飲み会序盤でMBTIが話題にあがることが多く、手っ取り早く相手がどういう人なのかの傾向を掴めるので、アイスブレイクに使う人が多いそうです。
また、MBTIを聞いてどのように盛り上がるのかを聞くと、「同じMBTIの人を見つけてあるあるで盛り上がる」等の声が見られました。
殆どの人が自分のMBTIを答えられるほどMBTIが浸透しているZ世代ならではのアイスブレイクなのかもしれません。
②自己紹介
MBTIが流行したきっかけでも触れた”SNSプロフィールへの掲載”に始まり、対面で自己紹介する際やマッチングアプリのプロフィールなど、さまざまな自己紹介の場面でMBTIを活用しているZ世代が多いそうです。
一方で、”性格良いMBTIランキング”のようにMBTIをランク付ける風潮もあるそうで、その中でランキングが下位のMBTIに関してはプロフィールに掲載しない人が多いなど、MBTIのタイプによっては主張しないと判断する層もいるようです。
③他人の理解/分析
MBTIをきっかけに他人の分析/理解を楽しむZ世代もおり、大きく下記の3つに分類されます。
・特定の人の話をする
∟恋愛相談等で気になる相手へのアプローチ法を練る際に相手のMBTIを基に分析し、 「△△くんのMBTIは〇〇だからこうアプロ―チし
よう」と作戦を立てるために使う。
・知らなかった一面の理解
∟気になる相手や、仕事仲間など身近な人のMBTIを知り、 「このMBTIってことは見せていないだけで〇〇な一面があるのかも?」
と知らない一面を理解・想像し楽しむ目的で使う。
・相手の特徴の分析
∟周囲にいる自分と感性が異なる人に対して、 「MBTIが〇〇だからこういう考えになるのかな」や「MBTIが〇〇なら、悪気があってキ
ツい発言をしている訳じゃないんだな」等と分析し、その人と関わる際の抵抗感を減らすために使う。
またその他にも、(公式の情報では無いらしいですが)MBTI同士の相性を紹介する記事やSNS上の投稿等もあり、そういったものも活用しながら様々な場面でMBTIを他社理解の糸口として楽しむ人も見受けられています。
中にはMBTIを苦手と感じるZ世代も
またZ世代に対して、MBTIに対して抱いている印象を聞くと12.5%(N=88)が「嫌い」と回答しており、その理由を聞くと
・診断結果に当てはまらないことが多すぎる
・複数回実施した際に、診断結果が変動することがある為、精度を疑う
・人それぞれで性格が異なるのに、16種類のみに分類するのは無理がある
・そもそも人類皆会う人によって態度を使い分けている”ので、その時によって性格は変わる
…のように、診断の正確性に疑念を抱く声や、また、中でも多かったのは
・性格を決めつけられている感じがして、血液型ハラスメントのよう
・以前MBTIだけで全て分かり切った風に語る人に出会ってから苦手
・このMBTIならこういう性格でしょ!と言われるのが嫌い
…のように、「決めつけられることへの嫌悪感がある」という声でした。
決めつけられることのどういった部分に嫌悪感を抱くのか聞いて見ると、「人との会話の中で性格や傾向などを知っていく”過程が楽しい”のに、それを第三者にすっとばされた気がして嫌」「MBTIの結果を見ることは嫌じゃないが、それを強制されたくない」という声が見られました。
以上から、MBTIに対する苦手意識の本質は、MBTIに対してではなくMBTIを基に”決めつける風潮”なのではないかと思いました。
MBTIを活用した施策をご紹介
そんなMBTIですが、「MBTIグッズ」のようにMBTIを活用した食品やグッズがあることをご存じでしょうか?
以下のようにMBTIを商品名に取り入れたり、モチーフとしたグッズを制作しているお店もあるようです。
▼商品名をMBTIの名称にしているグリークヨーグルト屋さん「yognim」/isutaより引用
▼性格診断 アクリルキーホルダー/THANKYOUMART ONLINE SHOPより引用
MBTIのキーホルダーは、推しのMBTIのキーホルダーを購入して楽しむユーザーもいるようです。
ただ、インタビューする中で、MBTIのグッズを手に取ることで、「流行に乗っている感」が出てしまうことを懸念するZ世代も見受けられたため、ただMBTIを取り入れれば商品の人気が出るという訳でもないようです…
そんな中、MBTI関連商品の中では以下の手軽なお菓子のような形態が相対的に高評価でした。
▼2025年1月21日にセブンイレブンで発売された「MyBTIグミ」「MyBTIラムネ」/PR TIMESより引用
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000287.000038157.html
こちらについては、
・買って楽しむついでに気軽に友人とお互いのMBTI知れるので良さそう
・可愛くて映えそうだから自分のMBTIを揃えてストーリーやBeRealに載せたい
など、SNSで気軽に自己主張するための方法として、購入を検討する声が見られました。
MBTI×モノで施策を考案する際は、”友人と買って楽しむ”や”商品自体が映える”など、目立たず自己主張できる要素を抑えつつ展開することが、良い反応を生みやすいのかもしれません。
また、MBTIごとにユニットを組んだアイドルなどMBTI×人にまつわる施策については、
「グループの差が分かりやすくて面白そう」
「MBTIごとのあるあるが見られて楽しめそう」
等と、MBTIごとの差分に対する好意的な声が多く見られました。
以上から、元々人の性格を診断するMBTIを施策に落とし込む際は、アイドルやインフルエンサーなど人と掛け合わせることで、
よりイメージしやすく、Z世代にとって好印象な施策に繋がりやすいのかもしれないと思いました。
まとめ
今回は実際のZ世代へのインタビューを踏まえつつ、MBTIへの楽しみ方を深堀りしてみましたが、いかがでしたでしょうか。
MBTIはZ世代共通の話題となっており、実際にMBTIをモチーフとした商品やMBTIを関連させた施策等も存在しています。
一方で、流行しているとはいえ、MBTIを通して「決めつける」ことに苦手意識を抱くZ世代も一定存在するため、活用する際は気持ちの良いコミュニケーションを意識することが重要となります。
昨今、MBTI以外にも”骨格診断”や”パーソナルカラー診断”等の診断コンテンツもZ世代をはじめ流行しており、自分理解・自己主張のツールとして楽しまれています。
こういった診断は、手軽に自己主張できるコンテンツを好みやすいZ世代とも相性が良く、自分ゴト化しやすく目に留まりやすいと考えられるため、マーケティング施策に活かせそうなトピックとして今後も目が離せませんね。
今後もゼットモでは、Z世代に関する情報やプロモーション事例をXやNotion、CANVASにて紹介していきます!
次回もお楽しみに!
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