Home

    用語集 

最終更新日: 2025年05月08日

顧客志向とは?意味・重要性・企業が実践すべきポイントをわかりやすく解説

プロフィール画像

CANVAS編集部

    #用語集

ツイート シェア
プロフィール画像

CANVAS編集部

    #用語集

ツイート シェア

この記事を読んでる方へ

ドコモデータで顧客を知る

ドコモデータ分析ソリューション
docomo data square(dds)では
既存顧客の購買行動から
日常生活に至るまで分析が可能。
ぜひ一度お問い合わせください。

みなさん、こんにちは。

競争が激化する現代のビジネス環境では、単に商品やサービスを提供するだけでなく、「顧客の本当のニーズを捉え、満たす」ことが企業の成長に直結しています。その中でも注目されているのが「顧客志向」という考え方です。

今回は、顧客志向の基本的な意味や重要性、さらに企業が実践するうえで押さえておくべきポイントまでを詳しく解説します。顧客視点を取り入れることで、サービス品質の向上やリピート率の増加、ブランドロイヤルティの強化に直結させることができるようになります。

顧客満足度を高め、ビジネスの競争力を一段と強化したい方は必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。

顧客志向とは?

顧客志向とは?

顧客志向とは、企業や組織があらゆる活動の中心に「顧客のニーズ」や「顧客の価値観」を据え、製品開発、サービス提供、マーケティング、サポートなどすべてにおいて顧客視点を優先する考え方を指します。単に商品を売るのではなく、顧客の課題解決や期待以上の価値提供を目指す姿勢が、今の時代ますます重要視されています。

かつては「良いものを作れば売れる」というプロダクトアウト型の考え方が主流でしたが、近年は市場の成熟化や顧客ニーズの多様化により、「顧客が本当に求めているもの」を起点にビジネスを設計するマーケットイン型のアプローチが求められています。

顧客志向を徹底することで、ブランドへの信頼感が高まり、リピーターの獲得や口コミによる新規顧客の拡大にもつながります。

カスタマーサポートとの違い

顧客志向とカスタマーサポートは、似た言葉に見えますが、指している範囲や考え方が異なります。

カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせやクレーム、要望に対応する「受け身の対応」を中心とした活動を指します。一方、顧客志向は、サポートにとどまらず、商品設計、プロモーション、営業活動など企業全体のあり方そのものを顧客目線で設計・運営する考え方です。

つまり、カスタマーサポートは顧客志向を体現する一部の機能であり、顧客志向はより広範囲かつ経営レベルでの取り組みを指します。サポートだけではなく、「そもそも顧客が困らない仕組みを作る」「期待を超える体験を提供する」ことこそが、真の顧客志向と言えます。

顧客満足との違い

顧客満足(Customer Satisfaction)は、顧客が商品やサービスに対して「期待通りだった」「満足した」と感じる状態を意味します。一方で、顧客志向は「満足」にとどまらず、期待を超える体験や価値提供を目指すより広い概念です。

顧客満足は結果指標であり、顧客志向はその結果を生み出すための組織の姿勢・戦略だと捉えるとわかりやすいでしょう。顧客満足を高めることは重要ですが、それ自体が目的化すると「現状維持」に甘んじてしまうリスクもあります。常に顧客の変化を捉え、新たな価値を提案し続けることが、顧客志向に基づく真の成長戦略です。

なぜ今、顧客志向が重要なのか

なぜ今、顧客志向が重要なのか

近年、顧客志向の重要性はかつてないほど高まっています。

かつての大量生産・大量消費時代では、品質や価格を競うだけでも市場で十分な成果が得られました。しかし現在は、商品・サービスのコモディティ化が進み、単に「良いもの」を提供するだけでは選ばれない時代です。

顧客はより自分に合った体験や、自分の価値観に寄り添ったブランドを求めるようになり、企業側には一人ひとりのニーズに応える柔軟な姿勢が求められています。そのためには、単なる商品・サービス提供にとどまらず、顧客の期待を超える価値を生み出す「顧客志向」が不可欠です。

ここからは、顧客志向がなぜ今のビジネスに不可欠なのか、具体的な理由を掘り下げていきます。

市場環境の変化と顧客ニーズの多様化

インターネットとスマートフォンの普及により、情報の非対称性が解消され、顧客は自ら積極的に情報を収集・比較できるようになりました。この結果、顧客の購買行動は非常に複雑化・多様化しています。

また、近年ではジェンダー・エシカル消費・サステナビリティなど、従来とは異なる新しい価値観を持つ顧客層も増加。年齢や性別だけでは顧客をセグメントできない時代になっています。

▼Z世代の消費傾向について詳しくはこちら

こうした背景のもとでは、画一的なマーケティングやサービス提供ではもはや通用しません。顧客一人ひとりの価値観やライフスタイルを理解し、それに沿った体験を提供することが、選ばれるための絶対条件となっています。

顧客志向がビジネス成果に与える影響

顧客志向を徹底することは、単なるイメージアップだけにとどまりません。
具体的には、次のようなビジネス成果に直結します。

  • 顧客満足度の向上によるリピート率の増加
  • 顧客ロイヤルティの向上による長期的な売上安定
  • ネガティブなクチコミや離脱の減少
  • ポジティブな口コミによる新規顧客の獲得
  • ブランド価値の向上による価格競争からの脱却

さらに、顧客志向の企業は「売れる商品・売れるサービス」のヒントを顧客から直接得ることができるため、結果的にプロダクト開発力やマーケティング精度の向上にもつながります。単なる短期的な売上向上だけでなく、中長期的な企業成長を支える基盤としても、顧客志向は非常に重要な要素となっています。

顧客志向の企業が得られるメリット

顧客志向を実践する企業は、ビジネスのさまざまな側面で多くのメリットを得ることができます。

①競合優位性の確立

顧客インサイトに基づくサービス設計やコミュニケーションができれば、他社との差別化が明確になります。価格競争に巻き込まれにくく、持続的な競争優位を築くことが可能です。

②売上と利益率の向上

満足度やロイヤルティが高い顧客は、継続的な購入や高額商品の購入にも積極的です。これによりLTV(顧客生涯価値)が向上し、収益性の高いビジネスモデルが構築できます。

③従業員エンゲージメントの向上

顧客志向の文化が根付くと、従業員も「誰のために仕事をしているか」が明確になり、やりがいやモチベーション向上につながります。結果的に、組織の生産性も高まります。

④イノベーションの創出

顧客志向を突き詰める過程で、新たなニーズや潜在的な課題が見えてきます。これを起点に、革新的な商品やサービスが生まれる可能性が高まります。

顧客志向を実現するには「顧客理解」がカギ

顧客志向を実現するには「顧客理解」がカギ

顧客志向を掲げるだけでは、実際のビジネス成果にはつながりません。大切なのは、表面的な満足度ではなく、顧客が本当に求めていること=顧客インサイトを深く理解し、それに基づいて施策を設計・実行していくことです。

顧客理解を深めるためには、直感や経験に頼るだけでなく、客観的なデータに基づいた分析が不可欠です。ここでは、顧客志向を実現するうえで押さえておくべき「顧客インサイトの把握」と「データ活用」について解説します。

顧客インサイトを把握する重要性

顧客インサイトとは、顧客自身も明確に言語化できていない「潜在的なニーズ」や「行動の背景にある心理」を指します。たとえば、「価格が安いから選んだ」という表面的な理由の裏には、「経済的な安心感を得たい」という深層心理が隠れていることがあります。

このインサイトを捉えずに施策を打つと、表面的なニーズに対応するだけの短期的な施策に留まってしまい、顧客との本質的な信頼関係を築くことができません。逆に、インサイトを正しく理解していれば、顧客自身も気づいていない価値を提供できるため、強いブランド体験を生み出すことが可能になります。

顧客インサイトを把握するには、アンケートやインタビューだけでなく、購買データ、Web行動履歴、カスタマーサポート記録など、多角的な情報を組み合わせて読み解くことが重要です。

定性的・定量的なデータ活用の必要性

顧客理解を深めるためには、「感覚」だけに頼らず、データに基づく客観的な分析が必要です。ここで重要なのが、定性的データと定量的データをバランスよく活用することです。

● 定性的データとは

  • 顧客インタビュー
  • 自由記述アンケート
  • SNS投稿や口コミ内容
    など、言葉やストーリーから顧客の想いを読み取るデータです。

● 定量的データとは

  • 購入回数・頻度
  • サイト閲覧履歴・クリック数
  • NPS(顧客推奨度)スコア
    など、数値で可視化できるデータです。

定性的データは「なぜその行動をとったのか」という深掘りに、定量的データは「どのくらいの傾向があるか」という全体像の把握に適しています。これらを組み合わせることで、顧客を一面的ではなく、多面的に理解できるようになり、より精緻な顧客志向施策を設計できるのです。

顧客理解を加速させる「docomo data square」

顧客理解を加速させる「docomo data square」

顧客志向を本質的に実現するためには、膨大かつ多様な顧客データを活用し、より深いインサイトを得ることが重要です。しかし、自社だけで収集できるデータには限界があり、特に行動データやライフスタイルデータなど、網羅的な顧客理解には外部データの活用が欠かせません。

そこで活躍するのが、「docomo data square」です。docomo data squareは、NTTドコモが保有する日本最大級の位置情報や行動データを活用し、企業のマーケティング活動や事業戦略において、より精度の高い顧客理解を支援するプラットフォームです。

docomo data square でできること

「docomo data square」は、ドコモが保有する1億以上の会員データをベースに、マーケティング分析から広告出稿支援までをワンストップで提供するデータ活用サービスです。具体的には以下のような機能が利用できます。

  • エリア別・属性別の購買傾向の可視化
  • 来店・購買の行動測定
  • セグメント抽出とターゲティング広告配信

これらの機能により、自社では取得できないリアルな生活者行動を基にした分析が可能になり、マーケティングの精度を格段に高めることができます。

\ ドコモデータで顧客分析 /

企業が顧客志向文化を根付かせるために必要なこと

顧客志向を一過性のスローガンで終わらせず、企業文化として定着させることは簡単ではありません。
単発の施策ではなく、組織全体に顧客起点の思考・行動を浸透させ、継続的に磨き続ける仕組みが必要です。

顧客志向文化を根付かせるには、「リーダーシップ(トップダウン)」と「現場主体(ボトムアップ)」の両輪を回すこと、そして「データに基づく継続的な改善サイクル」を回すことが欠かせません。

ここでは、文化定着に向けた具体的な考え方とアプローチを解説します。

トップダウンとボトムアップの両輪が重要

顧客志向文化の定着には、経営層からの明確なコミットメント(トップダウン)と、現場社員の主体的な行動(ボトムアップ)の両方が不可欠です。

トップダウンの重要性

  • 経営層が「顧客志向」を企業理念や経営戦略に明確に位置づける
  • リーダー自らが顧客視点での意思決定を実践し、模範を示す
  • 重要指標(KPI)にも顧客満足度やNPSなどを組み込み、組織運営に反映する

トップ層が率先して顧客志向を体現することで、組織全体に一貫したメッセージが伝わり、浸透力が高まります。

ボトムアップの重要性

  • 現場の小さな気づきや改善提案を尊重し、実行に移す仕組みを整備
  • 顧客接点に近い現場からリアルなニーズを吸い上げ、経営にフィードバック
  • 顧客志向を意識した行動を称賛・評価し、モチベーションを高める

現場の主体性を育むことで、単なる「指示待ち」ではない、自走する顧客志向文化が生まれます。

継続的なデータ活用とフィードバックの仕組み化

顧客志向文化を維持・発展させるには、データに基づくフィードバックループを仕組み化することが極めて重要です。

単発のキャンペーンや一時的なアンケートだけでは、顧客理解は深まりません。
常にリアルタイムで顧客の声や行動データを取得し、施策に反映し、結果をまたデータで検証する──この継続的なサイクルを確立することが求められます。

具体的な仕組みの例は以下の通りです。

● 定期的な顧客データの収集・可視化

  • NPS調査、ユーザーインタビュー、Web行動ログ、購買データなどを定常的にモニタリング

● データに基づく改善提案・施策立案

  • 顧客インサイトに基づき、商品改良やカスタマーサポート改善施策をスピーディに実行

● 成果指標のトラッキングとナレッジ共有

  • 施策の成果を数値で可視化し、組織内で知見を横展開していく

このような「データドリブンのフィードバックサイクル」を仕組み化することで、感覚頼りではない、持続可能な顧客志向文化を築くことが可能になります。

まとめ

顧客志向とは、単なるマーケティング手法や接客姿勢ではなく、企業のあらゆる意思決定を顧客視点で行うための“文化”そのものです。顧客の声に耳を傾け、そのインサイトを捉え、全社で実行に移すことが、いまの時代に選ばれる企業になるために必要です。本記事でご紹介した内容を参考に、自社の顧客理解のあり方を再確認し、より精緻な顧客志向戦略を設計してみてください。

顧客志向を強化したいとお考えの際は、データ活用でサポートできるD2C Rまでお気軽にご相談ください。

この記事を読んでる方へ

ドコモデータで顧客を知る

ドコモデータ分析ソリューション
docomo data square(dds)では
既存顧客の購買行動から
日常生活に至るまで分析が可能。
ぜひ一度お問い合わせください。

おすすめ記事