OMOとは?O2Oとの違いと事例を解説!
黄嘉驊(コウカカ)
こんにちは、コウカカです。本日私が取り上げる題材は「OMO」となります。
これを語るには中国が欠かせませんので、今回は私の体験談と実際中国の事例も含めて、皆様にご紹介できればと思います!
まずこんな生活を想像してみましょう。 ランチタイムに中華料理屋でニンニクたっぷりの極旨焼き餃子を食べて、QRコードで電子決済し退店。 会社への帰り道でちょっと口臭が気になっているあなたに近くのコンビニで使えるガムのクーポンを配布されたり、店頭で家庭用ゲーム機を購入し、家帰ったら人気ゲームのセール情報が来たりする生活。
今までのように、見たくもない広告を見せらることもなく、自分に対して本当に有益なプロモーション情報しか出てこない世の中が、想像だけではない、現実のものになろうとしています。
これを実現できる手法が「OMO」であり、提唱者である中国は現在「OMO」社会に向けてテクノロジーがどんどん進化しています。
目次
OMOとは?
OMOはOnline Merges with offlineを略したワードで、かつてのGOOGLE中国トップ李開複が提唱した概念です。 日本語に訳すと「オンラインとオフラインの融合」になります。
さきほど紹介した例はあくまでもこの「OMO」応用の一つで、この他にも様々な手法がありますが、実現できていないことも多いのが現状です。 李開複氏が提唱した概念を実現できれば、人間の生き方、マーケティングの仕方など、今の当たり前をひっくり返すような生活になると考えられます。諸説ありますが、私が考えるOMOの段階はこんな感じで進んでいくのではないでしょうか。
① オフラインの役割が販売から体験に移り、売上を背負うのはオンラインになる
すでに中国では店頭の役割が徐々に販売型から体験型に移っています。
店頭で鮮やかなプロモーションをしていて気になった商品のQRコードをスキャンすれば、商品の詳細を記載しており、その後またスマホを開くときにTAOBAOから同じ商品のレコメンドが出ます。 そこからすぐ購入すれば、早ければ当日の夜に自宅の配達ボックスに入っているという流れ。買い物のストレスがなく、選ぶ楽しみも得られるショッピングになります。
② 5Gの発展により、IoTの普及が実現できればもはや人間が買い物に対して悩むことすらなくなるでしょう。
冷蔵庫の中に卵が減ってきた時に自動的にあなたのスマホに「卵減ってきましたので、ご購入はいかがでしょうか」と通知が来る。 その場で購入したら、また良いタイミングで家まで届いてくれる。もちろん、店舗がない分普通のスーパーより値段は安くなります。
特にこういった生活日常品のオフラインでの需要がどんどん少なくなり、オンラインとオフラインの融合とは言っていますが、結果的にオフラインは無くなることになるはず。
※アマゾンがアメリカでドローンを使って、配達しているように、今後配達員なども不要になり、自分が欲しい商品を欲しい時間帯に届いてくれる世界が現れると考えられます。
OMOとO2Oの違い
そもそも「OMO」と「O2O」の違いは何なのか?という疑問が生まれると思います。
簡単に説明するとO2Oはonline to offlineの略称で、オンラインからオフラインへの行動を促すという意味になります。
よく使われる手法としてはオフラインでクーポンなどを配布し、店頭への誘導を行う。
OMOとO2Oの根本的な違いはオンラインがオフラインのサブというポジションではなく、オンラインとオフラインの境界線をなくすことを目指す、というところです。 なので、OMOが目指す未来では、オンラインとオフラインのすべての行動をアプリで完結でき、ユーザーの個人IDを使ってもっと精度が高いターゲティングやプロモーションすることが可能になります。
OMOの事例
中国では「Luckin COFFEE」というコーヒーチェーン店の事例が日本では有名だと思いますが「OMO」を通じて、スターバックスと対抗するようになり、またスターバックスもそれに応じて自社アプリをアップデートする良い事例がありました。
次の記事では、「美団」という飲食サービスのアプリの事例をご紹介します。
具体的にどういう施策をやって、「OMO」を成功させたのかを詳しく分析しますのでぜひご覧ください。
総合プランニング本部に所属しており、現在主に中国クライアントの開拓に注力しています。趣味はゲームで、最近ブレイブリーデフォルト2をはまっています。