Data 2021.09.29

【iOS14】IDFA取得オプトイン化によるアプリ広告の変化~計測手法編~

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星野 いずみ

※2021/09/29更新

こんにちは!データマーケティングチームの星野です。

2021年4月、Appleにより「iOS14.5デバイス以降のIDFA取得オプトイン化」が施行されましたので、
上記におけるアプリ広告の計測への影響を本記事でまとめております。

直近iOS15や、Android12のリリースによる新しいプライバシー保護強化(詳細は後述)もございますので、
改めてご確認いただければと思います。

また、他にもiOS14に関する2記事を公開しています! どうぞご確認ください。

\ATT関連のアップデート情報はこちら/

※2021/5/28更新※【iOS14】アップデート情報まとめ―Apple、MMP、媒体など―

\ATT実装前後の実績値比較記事はこちら/

ATT実装前後の挙動を追う ~未来を読み解く~

この記事を読んでいる方へ

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・Yahoo!の画像アセットの提供開始
・TikTokのカルーセル広告が一般利用可能に
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・LINEのトークリストで動画に対応
など広告担当者必見の内容になっています。

詳しく知りたい

IDFA取得オプトイン化とは

iOS14デバイス以降、IDFAの取得はオプトイン形式に変更になる」
これはどういうことなのか、iOS13以前とは何が変わるのかについて説明していきます。

iOS13以前とiOS14以降のIDFA取得方法の変化

iOS13以前まで、IDFAの取得はオプトアウト形式だったため、デフォルトの状態でIDFAの取得が可能でした。
(端末の設定画面にて追跡型広告の制限をONにすると、IDFAの取得が不可能になります。) 

そのため、アプリ広告の計測を担うMMP SDKは自由にIDFAを取得し、それを用いてアトリビューション判定を行ってきています。

しかし、iOS14.5以降はオプトイン形式に変更されます。
IDFAを取得するには事前にユーザーから許諾をもらわなければならないため、アプリ使用時にIDFAの取得許可を求めるダイアログを表示させる必要があります。

つまり、ユーザーから”アプリごとに”IDFA取得の許諾をもらわない限り、IDFAの取得は不可能となります。

そこでまず問題になってくるのが、アプリ広告の計測です。
先述の通り、従来の計測ではIDFAを用いた手法が主流のため、かなり大きな影響を受けることが想定されます。 

次の章からは、その“IDFA取得オプトイン化での計測手法について説明していきます!

“IDFA取得オプトイン化での計測手法

IDFAの取得がオプトイン形式になった状況でのアプリ広告の計測は、2つの選択肢があります

下記の表に記載の通り、Appleが計測を担うSKAdNetworkと今まで通りMMP SDKが計測を担うMMP計測です。

SKAdNetworkとMMP計測の特徴

それぞれの計測フローと特徴について、詳しく説明していきます。

SKAdNetwork※2021/09/29更新

SKAdNetworkは、広告クリックデータをAppleが収集しアトリビューション判定を実施、その情報を各媒体にポストバックする計測手法です。

計測にIDFAを用いないため、ユーザーのオプトイン有無に関わらずインストール計測が可能です。

SKAdNetworkの計測方法

計測フローは上記の通りです。
初回起動時に作動するタイマーとポストバック準備に入るためのタイマーがあるため、ポストバックに最短でも24時間の遅延が発生いたします。 

他にも下記のような特徴があり、従来までのIDFAを用いた計測と比較して計測できるものが限られてしまいます。

▼特徴
・インストールと再インストールの計測のみ可能。リエンゲージメント計測は不可能。
・アプリイベントのポストバックは1インストールにつき、1イベントのみ可能。
 多種類のイベント計測が不可能。また、継続的・長期的なイベント計測は不可能。
 ※MMP SDKのSKAdNetwork計測機能を利用すれば、柔軟なイベント計測が可能※
・計測できるキャンペーン情報は合計100個まで。

MMP計測 ※2021/09/29更新

MMP計測は、従来の計測フローにオプトインが追加された計測手法です。

MMPの計測方法

計測フローは上記の通りです。
SKAdNetworkのように計測内容に制限もないため、リアルタイムでのレポーティングやLTVを追うことも可能です。 

しかし、オプトインがされなかった場合は、確率論的マッチング(各MMP SDKでの名称は、Adjust:確率的アトリビューション、AppsFlyer:確率論的モデリング)で計測が行われます。
この計測手法は、IDFAベースでの計測と異なり、IPアドレスやユーザーエージェントなど端末固有でない情報を基に計測しています。
IDFAベースの計測と比較するとどうしても精度が落ちてしまうため、高精度の計測をするにはオプトイン率を向上させる必要がございます。

▼特徴
・これまで通りの計測が可能。
 (自由なキャンペーン構成、リアルタイムでのレポーティング、長期的なイベント計測)
・高精度の計測には、IDFA取得のオプトインが必要。

▼補足
IDFAの取得は、アプリごとにオプトインされる必要があるため、広告掲載面アプリ、広告出稿アプリそれぞれのオプトイン状況によって計測手法が変わってきます。

・広告掲載面、広告出稿アプリどちらもIDFA取得が許諾された場合
 →従来のIDFAベースでの計測
・広告掲載面、広告出稿アプリどちらか、またはどちらもIDFA取得が許諾されなかった場合
 →確率論的マッチング

今後のアプリマーケティングについて

以上、IDFA取得のオプトイン化と計測手法の変化についてお伝えいたしました。

各媒体、SKAdNetwork計測の対応を進めておりますが、
先述の通り、LTVなど計測できなくなるものが多く、計測できないものに関しては推測で評価する必要がございます。

また、直近ではiOS15のリリースによるSafariでのIPアドレス保護や
10月頭にリリースとされているAndroid12以降、MMPでLAT(オプトアウト)ユーザーのGAID取得不可となるなど、
プライバシー関連のアップデートが頻発しております。
Android12:オプトアウトされた場合でもリファラ計測(確定的)で計測できるため、現状大きな影響なし。

このようなユーザープライバシー保護の変遷とともに、プロモーション方針や評価指標もアップデートしていく必要があります。 
プライバシー保護下でのプロモーション方針や評価指標の変更に不安な方は、ぜひD2C Rまでご連絡ください。

※2021/09/29更新

 

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星野 いずみ

メディア&ソリューション本部 データマーケティング室 データアクセラレーターチーム。 プライバシー下における広告効果評価環境の設計や整備、 TableauやLooker Studioを活用したデータビジュアライズが得意。 ファッションやインテリアなどデザインにまつわることが大好き。

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