※2021/5/28更新※【iOS14】アップデート情報まとめ―Apple、MMP、媒体など―
星野 いずみ
※最終更新日:2021/5/28
こんにちは!データマーケティングチームの星野です。
2020年6月のAppleによるWWDC内で、iOS14におけるプライバシーポリシーについて大きな変更が加わることが発表されました。
「今まで取得できていたIDFAが、ユーザーの許可がない限り取得できなくなる」
この大きな変更はステークホルダーも多く、各社の方針など情報の整理に苦労されている方々も多いのではないかと思います。
そこで、Apple、MMP SDK、広告媒体など広告にまつわるすべてのiOS14最新情報をまとめました。
随時更新もしてまいりますので、本記事を字引のように活用いただければ幸いです。
\他にもiOS14関連について記事を書いております!/
最新TOPICS ※2021/5/10更新
2021/4/26にiOS14.5がついにリリースされ、IDFA取得がオプトイン制となるATTが施行されました。
既に実装しているアプリも多いかと思いますが、IDFA取得を希望されるアプリに関しては、許諾ダイアログの実装を急ぐ必要がございます。
一方で、SKAdNetwork対応が済んでいない媒体もございますので、引き続き情報収集と各媒体での対応が必要となります。
Apple
iOS14.5におけるIDFA取得のオプトイン化(ATT) ※2021/5/10更新
iOS14デバイスにおいてIDFAを取得する場合は、オプトイン形式でアプリごとにユーザーから許諾をいただく必要がございます。
(許諾ダイアログの表示)
iOSにおけるアプリ広告の計測やターゲティングは主にIDFAを用いた手法が主流のため、オプトイン化によってアプリ広告が大きく変わることは確実です。
各媒体社の発表も参照しつつ、新しい運用/数値評価方法を模索していく必要がございます。
“user-privacy-and-data-use”の解釈(未確定) ※2020/12/16更新
Appleのユーザープライバシー規約において、【追跡】の定義内に「MMP社のSDKをApp内に実装すること」が追加されております。
この追加により、「MMP SDKの起動」に関して下記2つの解釈が想定されます。
▼想定される2つの解釈
①オプトイン後にMMP SDKが起動する
②オプトインしていなくてもMMP SDKが起動する
つまり、①の解釈となった場合は、「オプトインしない限りはMMP SDKが動かない」ということなので、計測などSDK内に組み込まれているすべての挙動が不可能となります。
※現在、こちらの内容はMMP SDK社を通して確認中です。
計測手法
SKAdNetwork ※2021/5/10更新
広告アトリビューションデータをAppleが収集しアトリビューション判定を実施、各媒体に成果データをポストバックする計測手法です。
IDFAを用いないため、ユーザーのオプトイン有無に関わらずインストール計測が可能です。
しかし、ポストバックに時間を要することで結果反映までタイムラグが発生したり、長期的なイベント計測が不可能となります。
先日、これまで未対応だったビュースルーアトリビューションにも対応されています。
(各媒体の対応状況は媒体社にご確認をお願い致します。)
MMP計測 ※2021/5/10更新
従来の計測フローに“オプトイン“が追加した計測手法です。
これまで通りの計測が可能なため、リアルタイムでのレポーティングやLTVを追うことも可能です。
ただし、オプトインがされなかった場合は、Probabilistic計測(各MMP SDK社の名称は、Adjust:確率的アトリビューション、AppsFlyer:確率論的モデリング)という確率論モデルでの計測が行われます。
上記2点の計測手法の詳細は、下記の記事をご覧ください。
MMP SDK
SKAdNetworkへの対応 ※2021/5/10更新
AppsFlyer、Adjustの両社は、SKAdNetworkデータをSDK管理画面上に集約することを発表しました。
上記は、各媒体からAppleが計測した成果データを提供されることで可能になります。
AppsFlyer、Adjust各社の管理画面は下記ページにて公開されております。
▼SKAdNetwork用管理画面
AppsFlyer
(引用元:https://support.appsflyer.com/hc/ja/articles/360011307357)
【特徴】
・シミュレーションデータで管理画面の利用が既に可能。
・計測したいコンバージョン内容に合わせて、測定タイプを選ぶことが可能。
・代理店アカウントでも、2021年4~6月を目処にSKAdNetworkのデータが確認可能になる予定。
Adjust
【特徴】
・様々なグラフパターンを用いて、データの可視化をカスタマイズすることが可能。
最新SDKバージョンのアップデートについて ※2020/12/16更新
SDKを最新バージョンにアップデートすることで、SKAdNetworkデータが集約された管理画面の利用が可能になります。
また、Appleの“user-privacy-and-data-use”が、「オプトインの許諾がないと計測SDKが起動できない」という解釈となりました場合は、SDK最新バージョンに含まれている“SKAdNetwork””AppTrackingTransparency(ATT)”のビルドを取り除かなければいけない(ダウングレード)可能性がございます。
広告媒体
Apple Search Ads ※2020/12/16更新
▼計測
AppleIDベースでの計測のため、iOS14においても計測方法に変更はなし。
▼管理画面への影響
iOS14ユーザーのインストールは「Appからのトラッキング要求を許可」設定のON/OFFに関わらず、Apple Search Ads管理画面上のLAT ON/OFF インストール数には含まれなくなり、インストール総数にのみ計上されます。
詳細は下記の記事をご覧ください。
Google広告 ※2021/5/10更新
▼計測
SKAdNetworkとコンバージョンモデリングという2つの計測手法を利用。
コンバージョンモデリングとは、計測に必要なデータが欠損している場合にGoogle独自のロジックでコンバージョンを推定する計測方法。
この計測により、SKAdNetwork数値では不可能であるクリエイティブ別の推定CV数確認や最適化学習への利用が可能となります。
しかし、MMP側には送信されません。
※詳細はこちら
▼広告作成時の制限事項
・各iOSアプリにつき8キャンペーンまで
・iOSのtROASキャンペーンは提供終了のため、tCPAキャンペーンに変更する必要あり
※詳細はこちら
▼レポート
・通常管理画面上には、コンバージョンモデリングの数値が計上
・SKAdNetwork数値は、[レポート] > [その他] > [SKAN コンバージョン] で確認可能
▼その他
ACe(アプリリエンゲージメント広告)に関しては、iOS14以上のデバイスは配信対象外となる。
Twitter ※2020/12/16更新
▼計測
SKAdNetworkに対応する予定。
▼具体的な対応
10/15から一部のLATユーザーに対して広告配信とSKAdNetworkでの計測を開始。
現状は、SKAdNetworkデータをMMP SDKに送信していない。
MMP SDKとのポストバック連携(12月目途)が完了次第、LATユーザーの100%に配信開始予定。
Facebook広告 ※2020/12/23更新
▼計測
SKAdNetworkに対応する予定。
▼広告作成時の制限事項
・iOS14ユーザーへのアプリ広告配信は、【既存広告アカウント】で配信可能
└1アプリにつき1広告アカウントのみ
・iOS14用のキャンペーンを別途作成する必要あり
└キャンペーン:アプリごとに9本まで
└広告セット :各キャンペーンにつき5本まで(同じ最適化タイプのみ)
▼レポート
・iOS14用キャンペーンは、SKAdNetworkデータのみをレポートに利用可能
・アクションの内訳(年齢、性別、地域、配置など)表示は、サポート終了
本記事では割愛いたしましたが、ウェブサイトキャンペーンに関する変更内容もございます。
上記の詳細含めて、Facebook社のヘルプセンター記事のご確認をお願い致します。
TikTok For Business ※2021/2/9更新
▼計測
MMP、SKAdNetworkどちらも対応予定。
▼レポート
TikTok広告マネージャーではMMPデータを表示。
※TikTokでは、イベントマネージャーによるレポート以外のSKAdNetworkのデータは使用しない。
キャンペーンの最適化では、モバイル測定パートナーのデータを引き続き使用。
最新の情報や詳細に関しては、TikTokビジネスヘルプセンターに更新される予定です。
ADNW ※2020/12/16更新
現状、対応方針の発表はなし。
アフィリエイト媒体(Geniee) ※2020/12/16更新
▼計測
MMP SDK社の方針に沿って対応する予定。
※最終更新日:2021/5/28
メディア&ソリューション本部 データマーケティング室 データアクセラレーターチーム。 プライバシー下における広告効果評価環境の設計や整備、 TableauやLooker Studioを活用したデータビジュアライズが得意。 ファッションやインテリアなどデザインにまつわることが大好き。