GA4(Google Analytics 4)とは?使い方・設定方法・画面・UAとの違いを解説

みなさん、こんにちは。
近年のデジタルマーケティングにおいて、ユーザー行動の可視化や効果的な改善施策の立案はますます重要になっています。そんな中で注目されているのが、Googleの新しいアクセス解析ツール「GA4(Google Analytics 4)」です。
今回は、GA4の基本的な仕組みや使い方、初期設定の手順、画面構成の見方、さらに従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)との違いについてもわかりやすく解説します。計測ツールの理解を深めることで、より高度なデータ分析とマーケティング戦略の立案が可能になります。
これからGA4を導入したい方や、UAからの移行を検討している方は必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。
D2C Rでは、GA4を活用したデータ分析支援サービスを行っています。
BtoB・BtoC問わず多様な業界のクライアントに対して、GA4の導入設計からイベント定義、Looker StudioやBigQueryとの連携、広告運用改善までを包括的に支援していますので、GA4でお困りの際にはぜひ一度お問い合わせください。
目次
GA4(Google Analytics 4)とは?
Google Analyticsは、Googleが提供する無料アクセス解析ツールです。現在利用されているUAは3世代目のツールとなり、WEB解析の領域で広く利用されてきました。
今回、UAの提供が2023年7月に終了し、注目を集めているのがGA4です。2020年に提供が開始されたWEBとアプリを統合して計測が可能となった4世代目のツールとなります。
これまでの変遷を振り返ると以下です。
Google Analytics 4(GA4)は、Googleが提供するアクセス解析ツール「Google アナリティクス」の最新バージョンです。従来の「ユニバーサルアナリティクス(UA)」に代わり、2023年7月1日以降はGA4が正式な後継プロパティとして位置づけられています。
ユーザーの行動を多角的に分析し、より深いインサイトを得ることを目的として設計されたGA4は、従来の解析手法とは大きく異なる構造を持ち、ウェブサイトだけでなくアプリのアクセスデータも統合的に分析できるようになりました。
ここでは、GA4の登場背景や目的、そしてUAとの主な違いについて詳しく見ていきましょう。
GA4導入の背景と目的
GA4が登場した背景には、ユーザー行動の多様化とプライバシー規制の強化という大きな潮流があります。
従来のユニバーサルアナリティクスは、主にセッション(訪問)単位での計測をベースとしていました。しかし、現代のユーザーはPC・スマートフォン・アプリなど複数のデバイスをまたいで行動するため、「ユーザーを軸にした分析」が求められるようになりました。GA4は、こうした変化に対応するため、イベントベースの計測モデルを採用し、より柔軟で粒度の高い分析が可能となっています。
また、Cookie規制やGDPR(EU一般データ保護規則)などの影響により、個人データの取り扱いに関する要件も厳しくなっています。GA4では、プライバシーに配慮した設計がなされており、データ保持期間の設定やIPアドレスの匿名化などが強化されています。
従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)との違い
GA4とUAの最大の違いは、「計測の単位と構造」にあります。
UAでは、「セッション(訪問)」を基軸にページビューやイベント、トランザクションなどを分類・集計していました。一方、GA4ではすべてのユーザー行動が「イベント」として記録される構造になっており、柔軟かつ自由度の高い分析が可能になっています。
また、以下のようなポイントも大きな違いです。
項目 | ユニバーサルアナリティクス (UA) | Google Analytics 4 (GA4) |
---|---|---|
計測モデル | セッションベース | イベントベース |
デバイス間計測 | 限定的 | クロスプラットフォーム対応 |
レポート画面 | 静的な標準レポートが中心 | 分析ハブで 自由にカスタマイズ可能 |
予測機能 | なし | 機械学習による 予測インサイトあり |
データ保持 | 最大50か月 | 最大14か月 |
BigQuery連携 | 有料(GA360) | 無料で連携可能 |
このあと細かく、UAとGA4の違いについて改めて解説していきます。
GA4とUAの違いを比較
Google Analytics 4(GA4)は、従来のユニバーサルアナリティクス(UA)と比較して、構造・機能・指標の定義・分析方法まで大きく異なります。特に、計測モデルの根幹が「セッションベース」から「イベントベース」へと転換されたことで、ユーザー行動の捉え方そのものが刷新されています。
このセクションでは、GA4とUAの違いを以下の4つの観点から比較し、実務上どのような影響があるのかを解説します。
計測モデルの違い(セッション vs イベント)
従来のUAは「セッション(訪問)」単位での解析を基軸としており、ユーザーがサイトに訪れてから離脱するまでの一連の行動を1セッションとして捉えていました。これに対してGA4は、すべてのユーザー行動を「イベント」として記録する設計になっています。
GA4では、ページビュー・スクロール・クリック・動画再生・ファイルダウンロードなどもすべて個別のイベントとして扱われ、それぞれにパラメータを付加して柔軟に分析できます。また、自動で収集されるイベント(例:page_view, scroll, session_start など)もあり、初期設定の時点でより多くのユーザー行動が可視化されています。
項目 | ユニバーサルアナリティクス (UA) | Google Analytics 4 (GA4) |
---|---|---|
計測単位 | ページ | イベント |
計測方法 | セッション | ユーザー |
イベントの設定 | カテゴリ/アクション/ラベル で分類 | 任意のイベント名 +パラメータで柔軟に設定 |
自動計測機能 | ページビューが中心 | スクロール・クリック 離脱リンクなども自動収集 |
複数デバイス対応 | 弱い | クロスプラットフォーム対応 (Web+アプリ) |
また、UAとGA4では計測方法が変わったことで、計測する指標の定義にも違いが発生しています。その分、UAとGA4間で数値にずれが生じることは避けられません。並走実装した際に焦らないよう、定義についてしっかり学んでおきましょう。
特に、注意すべきなのは「流入元」が変わった際の計測です。UAでは一度ページを離脱した場合には同一セッションではなくなりますが、GA4では初期設定で30分以内のセッションは同一セッションとみなされます。そのため、GA4ではセッション数が目減りしたように見える可能性があります。
指標名 | UA | GA4 | データへの影響 |
---|---|---|---|
セッション | 30分無操作 流入元の変更 日付変更時 で切れる | 30分無操作 | UA > GA4 |
セッション の長さ | 最後のページ 表示時間 - 最初のページ 表示時間 | 最後のイベント 発生時間 - Session_Start イベント発生時間 | PVよりイベント が多いサイトで GA4の方が 長くなる場合あり |
ユーザー | CookieIDの ユニーク数 | CookieIDのユニーク数 Googleのシグナル (ON・OFF可) | ユーザー識別で 誤差が出る場合 有り |
離脱率 | セッション内で 最後にPVが 発生したページ にカウント | セッション内で 最後にPVが 発生したページに カウント | セッション定義で 離脱率カウントの ページが変わる 場合有り |
直帰率 | セッションでの ページ閲覧が 1ページで 離脱した場合 にカウント | 直帰率は存在せず、 エンゲージメントに内包 | エンゲージメント要件 ・10秒以上滞在 ・次ページへ遷移 ・コンバージョン |
ページビュー(UA) 表示回数(GA4) | ページ表示時に 1回カウント | ページ表示時に 1回カウント | 特になし |
インターフェースとレポートの違い
GA4では、インターフェース(UI)も大幅に刷新されています。UAでは左サイドバーに多数の定型レポートが並び、特定の指標にすぐアクセスできる構造でしたが、GA4は分析ハブ(Explore)を中心としたカスタマイズ型のレポート設計が主流です。
UI上の主な違いは以下の通りです。
項目 | ユニバーサルアナリティクス (UA) | Google Analytics 4 (GA4) |
---|---|---|
レポート画面 | 既存レポートが 豊富に用意されている | レポート数が少なく、 構成はシンプル |
デフォルト画面 | 行動・集客・ コンバージョンなど分類 | ライフサイクル (集客、エンゲージメント等) 単位で表示 |
カスタマイズ性 | 低い (標準レポート中心) | 高い (自由にレポート作成可) |
分析ハブ | なし | あり (深掘り分析が可能) |
またGA4では、機械学習を活用した「予測指標」(例:購入の可能性が高いユーザーの抽出など)も組み込まれており、単なる過去分析にとどまらず、未来予測を活用したマーケティングが可能になります。
目標設定・コンバージョン管理の違い
UAでは、コンバージョン(目標)は「ページ到達」「イベント」「滞在時間」「ページビュー数」などから選択し、1プロパティあたり20件までという制限がありました。一方GA4では、あらかじめ登録したイベントを「コンバージョン」としてマークすることで、柔軟に設定できるようになっています。
また、UAでは目標設定の変更が履歴として残らず管理が煩雑でしたが、GA4ではイベント自体にパラメータを加えて条件を分岐させるなど、より細かいコンバージョン条件の設計が可能です。
比較項目 | ユニバーサルアナリティクス (UA) | Google Analytics 4 (GA4) |
---|---|---|
コンバージョン定義 | ページ到達や時間など | 任意イベントに チェックを入れる方式 |
上限数 | 20件 プロパティ | 30件 プロパティ(編集も容易) |
柔軟性 | 制限が多い | 高い (パラメータ分岐も可能) |
計測指標 | セッション単位 での目標達成数 | ユーザー単位 でのコンバージョン数も可 |
データ保持期間・サンプリングの違い
UAでは、無料版でも最大26か月間のデータ保持が可能でした。GA4ではデフォルトで2か月(最大14か月)と短めですが、プライバシー保護の観点から制限されています。また、サンプリング(母集団の一部を分析に使う手法)についても違いがあります。
比較項目 | ユニバーサルアナリティクス (UA) | Google Analytics 4 (GA4) |
---|---|---|
データ保持期間 | 50ヵ月 | 最大14か月 (無料) |
デフォルト保持期間 | 14ヵ月 | 2か月 (変更可) |
サンプリング | 一定件数を超えると発生 | 有料級分析も非サンプリング (BigQuery推奨) |
生データエクスポート | GA360のみ可能 | BigQueryと無料連携可 |
GA4では、生データをBigQueryと無料で連携できる点も大きな利点です。これにより、自社サーバー上での高度な集計やBIツール連携も現実的になります。
このように、GA4は単なるバージョンアップではなく、アクセス解析の前提そのものが大きく変わる革新的なツールです。特にイベント中心のデータ構造、機械学習による予測、自由な分析UIなど、マーケティングにおけるデータ活用の幅を大きく広げるポテンシャルを持っています。
GA4の主な機能と特徴
Google Analytics 4(GA4)は、従来のユニバーサルアナリティクス(UA)とは異なる全く新しい設計思想で構築されており、より柔軟かつ多角的にユーザー行動を分析できるツールです。特に、「イベントベースの計測方式」や「クロスデバイス計測」といった次世代のトラッキング手法、さらには「BigQuery連携」や「機械学習を活用した予測インサイト」といった高度な分析機能が大きな特徴です。
ここでは、GA4が備える代表的な機能とその活用可能性について、4つのポイントに分けて詳しく解説します。
イベントベースの計測方式
GA4最大の特徴とも言えるのが、「イベントベースの計測方式」です。
従来のUAでは「セッション(訪問)」を軸にした計測モデルが採用されており、ページビューやコンバージョンなどを特定のカテゴリやアクション、ラベルの組み合わせで管理していました。しかしGA4では、すべてのユーザー行動をイベントとして記録し、柔軟かつ詳細に計測できるようになっています。
GA4におけるイベントの分類は以下の通りです。
- 自動収集イベント:page_view や first_visit など
- 拡張計測イベント:スクロール、アウトバウンドクリック、ファイルダウンロードなど(設定不要で有効)
- 推奨イベント:Googleが用途別に推奨する名前付きイベント(例:purchase, sign_up)
- カスタムイベント:独自の名前とパラメータで定義できるイベント
これにより、GA4は計測指標の設計自由度が非常に高く、目的に応じてデータ構造を最適化することが可能です。
以下が標準イベント名の一覧です。
自動設定イベント名 | 指標名 | 計測内容 |
---|---|---|
page_view | ページビュー数 | ページビューイベントの計測 (オフには出来ません) |
scroll | スクロール数 | ページの高さ「90%」までスクロールすると スクロールイベントを計測 ページの下部表示を計測したい場合に利用 |
click | 離脱クリック | ユーザーが現在閲覧しているドメインから 別ドメインに移動するリンクをクリックした際に 離脱クリックイベントを計測 |
view_search_results | サイト内検索 | サイト内で検索を行った際に サイト内検索イベントを計測 |
video_start video_progress video_complete | 動画 エンゲージメント | サイトに埋め込まれた動画を視聴すると、 動画再生・進捗・完了などのイベントを計測 YouTube動画のみが自動で取得可能 |
file_download | ファイルの ダウンロード | 指定した拡張子のリンクがクリックされると ファイルダウンロードイベントを計測 |
表のとおり、計測方法の変更で今まで計測していた「ページビュー」「コンバージョン」などは全て計測設定する必要があります。よく利用されるイベントは、初期設定で用意されていますので名称もこの機会に覚えてしまいましょう。
その他、自身で計測したいイベントがある場合には都度設定する必要がありますので、ご注意ください。
クロスデバイス計測
ユーザーは、スマートフォン・PC・タブレットなど複数のデバイスを使ってサービスを利用するのが当たり前になっています。GA4では、このようなマルチデバイス環境に対応するために、クロスデバイス計測機能が標準で搭載されています。
GA4は以下の3つのIDソースをもとにユーザーを識別します。
- ユーザーID(User-ID):ログインユーザーのID(最も正確)
- Googleシグナル:Googleアカウントにログインしているユーザーの統計情報
- デバイスID:ブラウザやアプリごとの識別子(Cookieや広告ID)
これにより、あるユーザーが「スマホで商品を閲覧 → PCで購入」といった行動をした場合でも、同一ユーザーとして統合的に分析できます。
BigQuery連携とデータ活用
GA4では、BigQuery(Googleのクラウド型データウェアハウス)との連携が無料で利用可能になった点も大きな進化です。
従来のUAでは、BigQuery連携は有料版(GA360)のみの特典でしたが、GA4では無料版でも利用できるため、中小企業や個人でも生データの抽出・統合・自由な加工が実現可能になりました。
BigQueryを活用することで以下のような高度な分析が可能です:
- ローデータからのLTV分析やファネル分析
- 外部データベースとの統合分析
- SQLを用いた複雑なデータ処理
- Looker StudioなどBIツールとの連携可視化
この連携により、GA4は「アクセス解析ツール」から「ビジネスインテリジェンス基盤」へと進化を遂げたと言えるでしょう。
機械学習による予測インサイト
GA4では、Googleの機械学習技術を活用して、ユーザー行動を分析するだけでなく、将来の行動を予測する「予測インサイト」を表示できます。
主な予測機能には以下のようなものがあります。
- 購入確率の高いユーザーの抽出
- 離脱リスクの高いユーザーの特定
- 今後7日以内に購入する可能性のあるユーザーリストの自動生成
これらのインサイトは、Google広告のオーディエンスに活用することもでき、LTVの高いユーザーへの広告配信最適化にも貢献します。
GA4の使い方【基本編】
GA4は高機能なツールである一方、従来のUAと構造や画面が大きく異なるため、初めて触れる方にとっては戸惑う部分も少なくありません。ここでは、GA4の基本的な使い方を習得するために、特によく使う「レポート画面の見方」「ユーザー属性・エンゲージメントの確認」「コンバージョンの設定と確認方法」の3つに分けて解説します。
実務ですぐに役立つ機能から順を追ってご紹介するので、GA4の操作に不安がある方も、ぜひ参考にしてください。
レポート画面の見方
GA4のレポート画面は、左側メニューの「レポート」からアクセスできます。レポート画面は大きく「ライフサイクル」と「ユーザー」に分かれており、マーケティングファネルに沿った構成になっています。
- 集客レポート(Acquisition):ユーザーがどこから来たかを確認(例:自然検索、広告、SNS)
- エンゲージメント(Engagement):ページビューやイベント、スクロールなどの行動を確認
- 収益化(Monetization):ECサイトなどの収益情報(設定済みの場合)
- 保持率(Retention):リピーターの行動や流入傾向を分析
- ユーザー(Demographics & Tech):年齢、性別、デバイス、ブラウザなどのユーザー属性を確認
画面上部のプルダウンやフィルタ機能を使うことで、特定の期間・ユーザー層・トラフィックソースに絞り込むことも可能です。
ユーザー属性・エンゲージメントの確認方法
GA4では、ユーザーがどのような属性を持ち、どのような行動を取っているかを細かく分析することができます。
ユーザー属性
「ユーザー」>「ユーザー属性」からアクセス可能で、以下のようなデータを確認できます。
- 年齢層
- 性別
- 地域(国・都道府県など)
- 言語
- 関心カテゴリ(Googleシグナルを有効にすると使用可能)
エンゲージメント
「ライフサイクル」>「エンゲージメント」>「イベント」から、ユーザーが起こしたイベント一覧と回数、平均エンゲージメント時間などを確認できます。
特に確認すべき指標
- 平均エンゲージメント時間:1ユーザーあたりの平均滞在時間
- イベント数:スクロール、クリック、ページビューなどのアクションが自動で記録される
- ページとスクリーン:ページ別の表示回数や滞在時間を分析可能
コンバージョンの設定と確認方法
GA4では、イベントをコンバージョンとしてマークすることで目標の達成状況を把握できます。UAとは異なり、ページ到達やフォーム送信などを“イベント”として計測・管理します。
基本の設定手順
- 左メニューの「管理」>「イベント」を開く
- 自動収集・カスタムイベントの一覧が表示される
- 対象イベントの右側にある「コンバージョンとしてマーク」をオンにする
※コンバージョン専用の新規イベントを作成する場合は、「カスタムイベント」から条件を定義して追加する必要があります。
確認方法
- 左メニュー「レポート」>「エンゲージメント」>「コンバージョン」から確認可能
- 各コンバージョンの発生回数やユーザーごとのCV数が表示されます
GA4の設定方法【初期設定から移行まで】
GA4(Google Analytics 4)は、従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)とは仕様が異なるため、初めて導入する際にはしっかりとした設定が必要です。特に、UAからの移行をスムーズに行うためには、プロパティの作成からタグの設定、イベントのカスタマイズまでを段階的に進めることが重要です。
このセクションでは、GA4導入のために必要な「初期設定の手順」から「GTM(Googleタグマネージャー)でのタグ設置」「UAからの移行」「イベントのカスタマイズ」までをわかりやすく解説します。
GA4プロパティの作成手順
GA4の設定は、まずGoogle Analyticsの管理画面から新しいGA4プロパティの作成を行うことから始まります。
プロパティ作成の手順
- Google Analyticsにログインし、左下の「管理」をクリック
- 「アカウントを作成」または既存アカウントを選択
- 「プロパティを作成」を選択
- プロパティ名、レポートのタイムゾーン、通貨を設定
- ビジネスの情報(業種、従業員数、利用目的)を選択
- 「ウェブ」「アプリ」「両方」から計測対象を選び、「ストリーム」を作成
- 表示される測定ID(G-XXXXXX)を控える
Googleタグマネージャー(GTM)での設定方法
GA4タグの設置には、Googleタグマネージャー(GTM)を使う方法がもっとも推奨されます。コードの変更なしで柔軟にタグを管理できるため、マーケターにも扱いやすいツールです。
GTMを使ったGA4タグ設定手順
- GTMにログインし、設定したいウェブサイトのコンテナを開く
- 「タグ」>「新規」>「タグの設定」をクリック
- 「Google アナリティクス:GA4 設定」を選択
- 測定ID(G-XXXXXX)を入力
- トリガーを「All Pages(全ページ)」に設定
- 保存して公開する
この設定により、すべてのページにGA4の基本タグが発火し、ページビューの記録が開始されます。
UAからGA4への移行ステップ
Googleは2023年7月にUAの計測を終了しており、GA4への移行はすでに必須のステップとなっています。以下の手順で、UAと並行してGA4を導入・移行していくことが可能です。
UAからGA4への主な移行ステップ
- UAアカウントにログイン
- 管理画面 > 「GA4設定アシスタント」を開く
- 「新しいGA4プロパティを作成」を選択(必要に応じて手動で作成)
- ウェブストリームが自動作成される(タグ設置は別途必要)
- GTMまたはサイトのheadタグにGA4タグを設置
- イベント・目標の設定をGA4側でも再定義(完全自動では移行されない)
- 旧UAとの並行運用期間中にGA4のレポートを使い慣れる
GA4でのイベント設定・カスタマイズ方法
GA4では、基本的なユーザー行動(ページビュー、スクロール、クリックなど)は自動的に計測されますが、フォーム送信や特定ページの到達など、独自に追跡したい行動は「カスタムイベント」として設定する必要があります。
カスタムイベントの追加手順
- 「管理」>「イベント」>「イベントを作成」をクリック
- 既存イベントを元に新しいイベントを定義する
- 例:
page_view
にパラメータを加えて、特定ページだけを追跡するなど - 作成後、「コンバージョンとしてマーク」をオンにすれば目標として計測可能
また、GTMを使えばフォーム送信・動画再生・ボタンクリックなどをトリガーにしたカスタムイベントも柔軟に設定可能です。
GTMでイベント設定する例
- タグタイプ:「GA4イベント」
- イベント名:
form_submit
- パラメータ:
form_id
,page_path
など - トリガー:フォーム送信トリガーなど
GTM設定の具体的な設定方法と画面遷移
GA4の設定方法は、現状の計測状況によって変わります。
以下の4つのパターンを確認して、自社に合った導入方法を選択することが重要です。
パターン1:GTMを導入済みで、UA/GA4を新たに導入する方
パターン2:GTMを導入済みで、UAを既に導入済みの方
パターン3:タグを直接設置で、UA/GA4を新たに導入する方
パターン4:タグを直接設置で、UAを既に導入済みの方
今回は、D2C RではGTMでの設置を推奨しておりますので、GTMでの設置方法をご紹介します。
以下のSTEPで設置を進めてみてください。
- GA4のプロパティを作成する
- 初期設定を済ませる
- GTMを設置してGA4タグを設定する
- コンバージョン設定を行う
GA4のプロパティを作成する
管理タブのプロパティの作成を押して、サイトのURLを記載した後に、レポートのタイムゾーンを日本に変更してください。UAを同時に導入される方は、[詳細オプションを表示]を押して、[ユニバーサル アナリティクス プロパティの作成]にチェックを押すことで同時に作成できます。
初期設定を済ませる
最低限設定しておきたい項目を作成時に設定しておきましょう。特に以下2点です。
・データ保持期間を2ヵ月から14ヵ月に変更
・デフォルトイベントの計測をONに変更
GTMを設置してGA4タグを設定する
GTM自体をお持ちでない方は以下のヘルプを参考に設置を進めてください。(Googleヘルプ)
GTMにはあらかじめGA4のタグテンプレートが用意されています。画像のようにGA4テンプレートを選択し、GA4上で確認できる[測定ID]を記載すれば設定完了です。UAを同時に導入される方は、UA用のタグテンプレートも用意されていますので、UAに続くIDを管理画面から確認して記載することで同時に計測が可能です。
コンバージョン設定を行う
GA4ではコンバージョンの設定をイベントとして設定する必要があります。簡単なランディングページ到達などの場合には、[Page_location]などのURLの選択と[ページビュー]のイベントを同時に選択することで特定のイベントを計測することができます。
ただし、この設定だけではコンバージョンとして計測されません。しっかりと[コンバージョンとしてマークを付ける]を設定することを忘れないでください。計測漏れの原因になります。ここまで設定ができたら、コンバージョンイベントの発火確認とデータが集まるのを待つのみです。
また、設置するページが複雑な作りになっていたり、パラメータごとに計測を分けるといった高度な設定を行いたい場合には導入支援企業様にご相談いただくことをお勧めいたします。
GA4導入でよくある悩み・注意点
Google Analytics 4(GA4)は、高機能で柔軟なアクセス解析ツールである一方、従来のユニバーサルアナリティクス(UA)からの構造変更が大きく、移行時や運用初期に戸惑いや設定ミスが多発しやすいのも事実です。
このセクションでは、GA4を導入する際によくある悩みや注意点を、「移行タイミング」「設定ミス」「レポート画面の違い」「外部連携の落とし穴」といった観点で具体的に解説します。これらを事前に理解しておくことで、スムーズな運用スタートにつながります。
移行タイミングと過去データの扱い
GA4導入の最大の課題のひとつが、移行のタイミングとUAの過去データをどう扱うかという点です。
UAは2023年7月に計測を終了しており、以後はGA4に完全移行が求められますが、GA4とUAのデータは完全には連携・統合できません。そのため、以下のような対処が必要です。
よくある悩みと対処法
- GA4の導入が遅れた場合
UA終了後にGA4を設定しても、それ以前の行動データは取得できません。
導入は早めに行い、一定期間の並行運用が理想です。 - 過去データとの比較ができない
UAとGA4では指標の定義が異なるため、単純な数値比較は困難です。
KPIの設計をGA4用に見直すことが重要です。 - データ保存
UAの過去データは、2024年以降ダウンロードもできなくなる可能性があるため、
CSVやBigQueryへのエクスポートを早期に行うことを推奨します。
設定ミスが多いポイント
GA4は柔軟に設定できる反面、「自由度の高さ」が逆にミスや漏れにつながりやすい構造です。特にGTMタグの設定ミスやコンバージョン設定の不備は、正確なデータ計測に直結するため注意が必要です。
代表的なミスとその対策
よくあるミス | 対策方法 |
---|---|
測定IDの入力ミス | 測定ID(G-XXXXXXX)を再確認し、 GTMタグ内に正確に反映させる |
イベントの発火漏れ | GTMでプレビュー確認し、 イベント発生条件を事前検証 |
コンバージョン設定忘れ | イベントを登録後、 「コンバージョンとしてマーク」する必要あり |
テスト環境の計測除外漏れ | 「内部トラフィックの除外設定」 で社内IPをブロックする |
設定が完了したら、GTMのデバッグモードやリアルタイムレポートで必ず動作確認を行いましょう。
レポートの見慣れなさと学習コスト
GA4のインターフェースはUAとは大きく異なり、特に初学者にとっては「どこで何が見られるのか分からない」と感じるケースが多くあります。
主な違いと対処法
- レポート名やカテゴリが変更されている
例:「行動」→「エンゲージメント」、「ユーザー」→「ユーザー属性」など - 標準レポートが少ない/自由にカスタマイズ可能
「探索(Explore)」機能を使えば、UAのような詳細分析も可能 - 指標の意味が異なる
例:「直帰率」がなくなり、「エンゲージメント率」へ変更
解決策
- Google公式のGA4ヘルプやYouTubeチュートリアルを活用
- 標準レポートに慣れるまでは「探索レポート」でUAに近い形を自作すると効率的
外部ツールとの連携に関する注意点
GA4は、Google広告やBigQuery、Looker Studio(旧データポータル)など、さまざまなツールと連携できますが、UAとは連携仕様や連携方法が異なる点に注意が必要です。
主な注意点
- Google広告とのリンクは別途設定が必要
「管理」>「リンク設定」>「Google 広告」と進み、再リンクが必要 - eコマース設定の構造が異なる
GA4では「アイテム」「イベント」「パラメータ」で構成されており、UAと実装方法が異なる - Looker Studioとのデータ接続制限
GA4の無料版は一部指標に制限あり。探索レポートを活用する方法も併用推奨 - BigQuery連携は手動で設定する必要あり
対策
- 各ツールでGA4専用の接続マニュアルを参照
- 設定後は必ずテストレポートを作成し、データが意図どおりに流れているか確認
GA4導入に不安がある方は、D2C Rにご相談ください
GA4の導入・移行・設計には専門的な知識が求められます。初期設定のミスやKPI設計のズレは、後のマーケティング判断にも大きな影響を与える可能性があります。
D2C Rでは、GA4を活用したデータ分析支援・実装設計・ダッシュボード構築まで一気通貫でサポート。自社の課題や目的に合わせて、最適なトラッキングと可視化環境をご提供いたします。
\ ご相談はいつでも無料 /
GA4の活用事例・分析パターン
Google Analytics 4(GA4)は、従来のアクセス解析にとどまらず、ユーザー行動や収益構造の深掘り、LTV(顧客生涯価値)の分析など、より戦略的な意思決定を支援するツールとして活用できます。
ここでは、GA4の主要な活用方法として代表的な3つの分析パターンを紹介します。
- 流入チャネル別のコンバージョン分析
- ユーザーの行動傾向やLTVの可視化
- データエクスポートを活用した外部ツールとの連携分析
これらのパターンを参考に、自社に合った分析設計やKPIモニタリングの体制づくりに役立ててください。
流入元ごとのコンバージョン分析
マーケティング施策の効果を把握するうえで欠かせないのが、流入チャネル別のコンバージョン分析です。GA4では、「集客」>「トラフィック獲得」から、各流入経路(Organic Search、Paid Search、Social、Referralなど)ごとの成果を確認できます。
活用のポイント
- 特定の流入経路におけるコンバージョン率の比較
- 予算投下した広告チャネルの費用対効果の評価
- リファラースパムや無効トラフィックの洗い出し
また、GA4では「ファーストユーザーの参照元」や「セッションごとの流入元」など、ユーザー起点・訪問起点の両方でチャネルを把握できる点も特徴です。
LTV・ユーザー行動分析
GA4のイベントベース構造を活かせば、ユーザー単位での行動分析やLTV(顧客生涯価値)計測も可能になります。
分析例
- ユーザー属性×イベント回数の組み合わせで、どのセグメントがリピートしているか把握
- ページ遷移パターンの可視化(パス分析)で、離脱ポイントや回遊ルートを特定
- 「収益化」レポートがある場合、流入元別・属性別のLTV分析も可能
GA4では「探索(Explore)」機能を使って、ファネル分析・セグメント比較・自由なクロス集計を行えるため、UAよりもはるかに柔軟にユーザー行動を深堀りできます。
データエクスポートとダッシュボード活用
GA4の強みのひとつが、BigQueryへの無料連携やLooker Studio(旧データポータル)との連携による可視化・共有の自由度です。
BigQuery連携
- イベント単位の生データをSQLで自在に加工・集計できる
- 外部のCRM、広告データなどと統合した高度な分析が可能
- 複雑なファネルやLTV計算にも対応
Looker Studio連携
- マーケティングチームや経営層向けに見やすいダッシュボードを作成
- 自動更新・外部共有ができ、レポート作成の手間を削減
- 指標をKPIに応じて並び替え・色分けも自由
GA4をさらに使いこなすためのツール・連携
Google Analytics 4(GA4)は単体でも強力なアクセス解析ツールですが、他のGoogleサービスや外部データ基盤と連携することで、より高度なデータ分析・可視化・広告運用が実現可能になります。
ここでは、GA4を本格的に活用していくために不可欠な3つの連携方法を解説します。
- BigQueryとの連携による生データ分析
- Google Looker Studioによるダッシュボード可視化
- Google広告との連携によるリマーケティングとCV最適化
マーケター・分析担当者・広告運用者それぞれにとって有益な機能ばかりですので、ぜひ活用をご検討ください。
BigQueryとの連携方法
GA4の大きな強みのひとつが、BigQueryと無料で連携できる点です。これにより、イベント単位の生データをSQLベースで自由に集計・統合でき、他システムとのデータ連携も実現します。
連携設定手順
- GA4管理画面の「管理」>「BigQueryのリンク」を選択
- プロジェクトとデータセット(保存先)を選択
- 「データをストリーミングまたは毎日エクスポート」などを選んでリンク完了
活用例
- 生ログからLTV分析、離脱ポイントの特定、広告効果の詳細評価
- 外部CRMや購買データと結合した統合マーケティング分析
- TableauやPower BIなどのBIツール連携による社内可視化
Google Looker Studio(旧データポータル)との連携
GA4で収集したデータは、Google Looker Studio(旧:Googleデータポータル)と連携させることで、わかりやすいダッシュボードとして可視化できます。非エンジニアのチームやクライアントにも共有しやすいため、GA4データの社内浸透に非常に有効です。
連携手順
- Looker Studioにログインし、「レポートを作成」
- データソースに「Google Analytics(GA4)」を選択
- GA4プロパティを選択して接続
- 表・グラフ・フィルタ・期間セレクタなどを自由に配置してダッシュボードを構成
活用例
- マーケティングKPI(流入数・CV数・CVR)のダッシュボード化
- チャネル別の成果比較、広告ROIの見える化
- 社内・外部共有用のレポートを自動更新で生成
▼Looker Studioについて解説した記事はこちら
広告(Google Ads)との連携と計測強化
GA4とGoogle広告(Google Ads)を連携させることで、広告の成果を正確に把握し、ターゲティングやコンバージョン最適化の精度を高めることができます。
連携手順
- GA4管理画面 > 「Google広告とのリンク」
- Google広告アカウントを選択し、リンクを有効化
- GA4のイベントやコンバージョンをGoogle広告側で使用可能にする(インポート)
活用メリット
- 広告クリック後の行動分析(例:クリック→コンバージョンまでの流れ)
- CVイベントをGoogle広告側の自動入札最適化に活用
- GA4の予測オーディエンス(購入確率が高いユーザー)を広告配信対象に設定
また、コンバージョンの再定義やイベントのパラメータ追加によって、より細かい成果指標(フォーム別、商品別など)を広告と連携させることも可能です。
GA4と外部ツールの連携設計も、D2C Rにお任せください
GA4は、単体でも強力なツールですが、BigQueryやGoogle広告、Looker Studioとの連携により真価を発揮します。D2C Rでは、これらの連携を踏まえたトラッキング戦略の立案から、実装、BIレポート作成まで一貫して支援可能です。マーケティング施策のPDCAをスピーディーに回すデータ基盤づくりをお手伝いします。
「GA4を活用した分析環境を整えたい」「データドリブンで事業成長を目指したい」という方は、ぜひご相談ください。
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まとめ
GA4(Google Analytics 4)は、従来のユニバーサルアナリティクス(UA)とは大きく異なる構造と機能を備えた、次世代のアクセス解析ツールです。イベントベースの計測方式やクロスデバイス分析、機械学習を活用した予測機能、さらにはBigQuery・Looker Studio・Google広告との連携など、高度なマーケティング施策の基盤として活用できるポテンシャルを持っています。
その一方で、導入や設定には注意すべきポイントも多く、UAとの違いを正しく理解したうえで、目的に応じた計測設計・運用体制を構築することが成功のポイントです。
この記事を参考に、GA4の基本的な使い方から応用的な活用法までを押さえ、データに基づいた意思決定と継続的な改善につなげていきましょう。