パートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)の概要から入稿方法まで、徹底解説!
皆川 菜穂
こんにちは。メディア部の皆川です。
ここ数年間のトレンドである「インフルエンサーマーケティング」。
Instagramには、インフルエンサーとのタイアップ投稿を広告主側が広告配信に利用することができる
「パートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)」という手法があるのをご存じでしょうか。
「インスタグラマー」という職業が生まれるほど、特にインフルエンサーの投稿が注目されるInstagramで、
「パートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)」は効果を最大化するための重要な手段です。
今回は、そんな「パートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)」の概要から、設定方法、注意点まで徹底解説いたします!
目次
パートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)とは
Instagramのブランドコンテンツ広告とは、
クリエイター(インフルエンサーやパブリッシャー)が投稿したオーガニック投稿を、
企業・ブランドが自社の広告として配信できるInstagram広告の配信方法の1つとなります。
企業・ブランド側は、クリエイターの投稿であることで、新規ユーザーにアプローチでき、
クリエイター側は自身の投稿を企業の投稿として広く配信してもらうことで、自身の認知度を高めることができるため
両者とってメリットのある広告の配信形態なのです。
また、Metaのプラットフォームにてクリエイターコンテンツを配信する場合、
通常のキャンペーンにパートナーシップ広告を取り入れると、パフォーマンスが最も高くなると言われております。
https://www.facebook.com/business/help/1168446653551639
「タイアップ投稿」との違い
パートナーシップ広告と、混同して認識されやすいものとして、「タイアップ投稿」がありますが、
この2つの違いはどこにあるのでしょうか。
その違いは、誰が、誰のアカウントで該当の投稿を配信するかという点にあります。
下記の図をご覧ください。
ステルスマーケティングについて
共通点の部分に記載したように、
広告主側が、パートナーシップ広告としてインフルエンサーの投稿を配信する際に
2者の関係性を配信先のユーザー明確にしたうえで、配信する必要があります。
この仕組みに導入の背景には、ステルスマーケティングの横行があります。
以前から、インフルエンサーと企業が連携してコンテンツを配信することはありました。
しかし、企業からインフルエンサーに対して金銭や商品の授受がありながらも、それを隠した広告宣伝が行われていたのです。
そのため、Instagramではプラットフォーム上の透明性を高めるために、
クリエイターと企業の間に報酬の授受が存在することが、ユーザーにもわかるように配信する仕組みの導入に至ることになりました。
実際にパートナーシップ広告の配信時には
アカウント名の下に「広告(英語ではSponsored)」と表示されるのに加え、
キャプション欄の冒頭に「XXX(ブランド名)とのタイアップ投稿」と明記されます。(上部画像赤枠部分)
このように、インフルエンサーとブランドの関係の透明性が高いことは
パートナーシップ広告の魅力ともいえるでしょう。
Meta公式記事 Instagram、ブランドコンテンツ広告の提供開始を発表
パートナーシップ広告の魅力/メリット
次に、パートナーシップ広告を配信することにおけるメリットをご紹介させていただきます。
パートナーシップ広告の魅力とは
先程、ステルスマーケティングのご説明の際に、パートナーシップ広告の魅力について、少し触れましたが、
そのほかにも、パートナーシップ広告を配信する魅力は3つあります。
①企業(広告主)のアカウントのフォロワーでない、新規ユーザーにアプローチすることができる
②Meta社の広告データを活用し、さらなる詳細なターゲティングと配信先の拡張ができる
③Instagramインサイト・Facebook広告マネージャーから効果測定ができる
①企業(広告主)のアカウントのフォロワーでない、新規ユーザーにアプローチすることができる
インフルエンサーは数万~数百万のフォロワーを抱えている、かつ、
それらのフォロワーからの関心を強く集めることが可能な、訴求力の高いコンテンツを作成する能力が非常に高いです。
また、インフルエンサーのフォロワーが「〇〇が宣伝してる商品/サービスなら、自分も利用したいかも」
と思ってくれる可能性が高いので、
既存の配信ではアプローチできなかった新規のユーザーを獲得できるというメリットがあります。
②Meta社の広告データを活用し、さらなる詳細なターゲティングと配信先の拡張ができる
Facebook広告の代表的な魅力の1つとして、数あるSNS広告の中でもターゲティング精度が高い点が挙げられます。
実名登録のSNSであるため、年齢や地域、趣味嗜好、職業などの蓄積されている様々なデータから、
属性を指定することで、詳細かつ正確なターゲティングが可能です。
そのため、パートナーシップ広告広告の配信時に、Meta社の高いターゲティングツールを活用することで、
インフルエンサーのフォロワー以外にも配信ができるので、
宣伝する商品への関心が高そうなユーザーに、訴求力の高い広告配信を行うことで、
広告に対するアクションの可能性が上がる可能性も大いに期待できます。
③Instagramインサイト・Facebook広告マネージャーから効果測定ができる
Instagramが提供する「インサイト」やFacebookの「広告マネージャー」も活用することで、
パートナーシップ広告配信における広告効果を様々な視点から測定することができます。
Instagramのインサイト機能では、アカウントのフォロワー数の推移や、フォロワー層の詳細、
広告に対するアクションや、アクションのタイミング等、フォロワーに関する情報を得ることが可能です。
このインサイトと、広告マネージャによる効果測定を合わせることで、今後の配信に役立てたり、
新たな施策を講じていくこともできるのです。
パートナーシップ広告の目的/種類/フォーマット
次に、実際にパートナーシップ広告が、どんな目的、配信面、フォーマットで
配信可能なのかについてお話させていただきます。
パートナーシップ広告で配信可能な目的
パートナーシップ広告配信時に利用可能な、配信目的は下記の6つとなります。
すべての目的を網羅できており、認知獲得問わず利用の幅が広いことが分かります。
・売上
・認知
・エンゲージメント
・トラフィック
・アプリの宣伝
・リード
パートナーシップ広告の配信先
パートナーシップ広告に対応している配信面としては、下記です。
・フィード
・発見タブ
・ストーリーズ
・リール
パートナーシップ広告のフォーマット
静止画、動画、カルーセル広告の配信が可能です。
そのほかにも、インフルエンサーが過去にライブ配信していたものや、ストーリーズの投稿も配信可能となっております。
Metaヘルプ記事 Instagramパートナーシップ広告の作成方法
パートナーシップ広告の配信の仕方
それでは実際に、パートナーシップ広告を配信する際に、どんな設定作業が発生するのか
インフルエンサー側の対応、企業側の対応の2つに分けてご説明させていただきます。
配信設定手順(投稿レベルのアクセス許可)
配信設定手順としてはいくつかあるのですが、
今回は、インフルエンサーの広告主に対する各投稿へのアクセス許可を通じ、
投稿を広告として宣伝する権限を広告主側に付与してもらう方法をご紹介いたします。
以下の皆さまに推奨されておりますので、ご参照ください。
・Instagram/Facebookアプリにおける広告のアクセス許可を、インフルエンサー側に実施してもらいたい広告主様。
・投稿ごとにアクセス許可を管理したい広告主様。
・広告主が該当広告内で、タグ付けまたはメンションされているかいないかに関わらず、
既存のあらゆるオーガニック投稿をパートナーシップ広告として宣伝したい広告主様。
前提条件①
Facebook広告でInstagramの配信面に広告を出稿する場合、
広告主がFacebookページを持っていればInstagramへの配信は可能でした。
しかし、パートナーシップ広告をInstagramへ配信したい場合は、Instagramアカウントが必須となります。
パートナーシップ広告の出稿をInstagramの配置面にて検討している場合は、
Instagramアカウントの所持状態の確認を忘れないでください。
前提条件②
パートナーシップ広告を作成する場合、
広告主/インフルエンサーの双方が、利用条件を満たしている必要があります。
■Instagramの利用条件
https://www.facebook.com/help/instagram/1372533836927082
■Facebookの利用条件
https://www.facebook.com/business/help/906775900606811
利用資格のステータスを確認する方法
①プロフィールに移動し、右上の をタップします。
②[設定]をタップします。
④[ブランドコンテンツ]をタップします。
⑤[ステータス]をタップします。
Instagramの投稿からパートナーシップ広告を許可する(インフルエンサー側作業)
インフルエンサーの投稿レベルのアクセス許可を広告主に共有する方法は、下記2種類ございます。
①投稿レベルの設定
[ブランドパートナーによる宣伝を許可]の切り替えボタンをオンにし、
パートナーシップ広告としてブランドコンテンツを宣伝する権限を広告主に付与します。
※InstagramとFacebookで利用可能
②パートナーシップ広告コード
パートナーシップ広告コードを共有し、パートナーシップ広告としての
任意のコンテンツを宣伝する権限を広告主に付与します。
※Instagramのみで利用可能
内容をご確認していただき、皆さまがご対応しやすい方法を選んでいただければと存じます。
①投稿レベルの設定
まず、[投稿レベルの設定]の手順では、クリエイターがPRの際に使用する投稿の作成段階で、下記のような設定が必要です。
①新規投稿を作成している画面で、一番下部にある[詳細設定]を選択します。
②詳細設定の中の[ブランドコンテンツ]→[タイアップ投稿ラベルを追加]をタップし、オンにします。
③ブランドパートナーの追加画面にて該当アカウントを追加し、[ブランドパートナーによる宣伝を許可]をオンに設定します。
上記の対応により、広告主側の管理画面にてパートナーシップ広告を設定する、下準備が整います。
次に、PRに使用する投稿の作成後の対応事項のご説明をいたします。
①投稿画面の右上にある3つのドットから、「編集」をタップします。
②「タイアップ投稿ラベルを追加」をタップし、「タイアップ投稿ラベルを追加」をオンにします。
③「ブランドパートナー」をタップし、該当のブランドパートナーを追加します。
④「ブランドパートナーによる宣伝を許可」をオンにします。
②パートナーシップ広告コード
ここからは、アクセス許可を共有する2つ目の方法である「パートナーシップ広告コード」の共有の方法について、
ご説明します。
①Instagramアプリ内で、パートナーシップ広告として配信したい既存の広告に移動します。
②投稿の右上にある3つのドットから、[編集]をタップ後、投稿の上部にある[タイアップ投稿ラベルを追加]をタップします。
③[パートナーシップ広告コードを生成]切り替えボタンをオンにし、その投稿がブランドコンテンツなのであれば
[タイアップ投稿ラベルを追加]の切り替えボタンをオンにします。
④下部に表示されるコードを、広告主(ブランド)に共有します。
https://help.instagram.com/797201308253238
管理画面における広告の入稿フロー(広告主側作業)
パートナーシップ広告の作成方法
それでは、インフルエンサーの投稿のアクセス許可をもらったところで、
広告主側の広告マネージャに、実際に入稿する作業に入りましょう。
前提、広告マネージャでパートナーシップ広告を作成するには、
ビジネスのInstagramおよびFacebookページでの広告を作成および編集する権限を持っている必要がありますので
ご注意ください。
それでは早速ご説明に参ります。
①広告レベルの[広告に表示する名前]セクションにて、[パートナーシップ広告]の切り替えボタンをオンにします。
②メインのアイデンティティで[識別情報を選択]をクリックし、
広告ヘッダーに1つ目のアカウントとして表示したいアカウントを選択します。
③[完了]をタップします。
パートナーからのパートナーシップ広告コードを持っている場合は、
代わりに[パートナーシップ広告コードを入力]をクリックします。
④[パートナーのアイデンティティ]で[識別情報を選択]をクリックし、再度、同じ手順を繰り返します。
広告ヘッダーに2つ目のアカウントとして表示したいアカウントを選択します。
表示するアカウントの設定が終わったので、次に、既存の投稿をパートナーシップ広告に変換する方法をご紹介をいたします。
①クリエイティブ入稿画面にて、広告主のFacebookページとInstagramアカウントに間違いがないか、確認します。
②広告設定にて[既存の投稿を使用]を選択します。
③[広告クリエイティブ]セクションで[投稿を選択]を選択し、
パートナーコンテンツのタブに移動して投稿を選択します。
④右下の[公開]を選択して、パートナーシップ広告を公開すれば、入稿完了です。
パートナーシップ広告の注意点
広告主とインフルエンサーの間で、広告利用に関する契約を結んでおく
パートナーシップ広告とは、連携したクリエイターのオーガニック投稿を、
広告主のPR広告として配信する手法です。
両者の承認によって成り立つ配信形態であるため、広告を配信する前に、
配信期間や権利、インフルエンサーへの報酬等について、配信後にトラブルが発生しないよう、
両者合意のもと明確な契約を結んでおく必要があります。
広告主はインフルエンサーのブランドコンテンツ広告投稿のキャプション・コメントを管理することはできない
パートナーシップ広告は、あくまでクリエイターの投稿になっております。
そのため、投稿のキャプションやコメントを管理する権限はインフルエンサー側にあり、
インフルエンサーが作成した投稿の内容がそのままブランドコンテンツ広告として配信されることになります。
そのため、投稿のキャプションや、コメントの管理についても、
事前にインフルエンサーをすり合わせをしておくことが重要となります。
おわりに
いかがでしょうか。
この記事では、ユーザーに対する影響力を持つインフルエンサーとコラボレーションすることで
広告効果を最大化させるパートナーシップ広告についてご紹介いたしました。
また、冒頭にもご紹介させていただきましたが
Metaのプラットフォームにでクリエイターコンテンツを配信する場合、
通常のキャンペーンにパートナーシップ広告を取り入れると、パフォーマンスが最も高くなると言われていますので
是非こちらの記事を参考に実施をご検討ください。
今まではブランドコンテンツ広告の名称でしたが、パートナーシップ広告に名称が変更されているので
再度入稿フロー等、ご確認していただけますと幸いです。
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メディアデザイン本部ソーシャルメディアソリューション部所属。新卒でD2C Rに入社。 MetaやLINEなどSNS媒体を中心に運用型広告の運用を担当。 趣味は、音楽、漫画、服。 最近はメルカリでお手頃価格で掘り出し物を見つけることにハマってます!!