Media 2022.03.22

動画アクションキャンペーン(VAC)とは?TrueViewアクション広告との違いを解説

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小宮山 智大

みなさん、こんにちは。
D2C Rのメディア部の小宮山です。 現在はGoogle担当として窓口を務めております。

動画広告配信といえば、外すことはできないYouTube広告。
今回はその中でも、Googleがコンバージョン獲得に特化した広告商品としてリリースした「動画アクションキャンペーン(VAC)」についてまとめました。今まで利用されていた、TrueViewアクション広告は新規作成が停止され、今後は動画アクションキャンペーン(VAC)の利用が推奨されています。

本記事では動画アクションキャンペーン活用のメリット、TrueViewアクション広告との違い、設定手順について解説しますので、ぜひご一読ください!

この記事を読んでいる方へ

▼2024年3月の媒体アップデート情報
・Yahoo!の画像アセットの提供開始
・TikTokのカルーセル広告が一般利用可能に
・Xのバーティカル広告や最適化学習の強化
・LINEのトークリストで動画に対応
など広告担当者必見の内容になっています。

詳しく知りたい

動画アクションキャンペーン(VAC)とは?

皆さんはYouTube広告で獲得施策を行う時にどんな配信を行っていますか?
長く配信している案件では、まだTrueViewアクション広告を利用しているケースも多いのではないでしょうか。

動画アクションキャンペーン(Video Action Campaign:以下、VAC)とは、TrueViewアクション広告の次世代商品で、YouTube広告の中でもコンバージョン獲得に特化している商品です。
1つのキャンペーンを設定するだけで、YouTube上の様々な面でコンバージョン見込みの高いユーザーに対して配信ができます。TrueView forアクション広告から配信面の追加が行われ、より多くのユーザーにリーチできるように改善されています。

また、VACとは逆にリーチに特化した動画リーチキャンペーン(VRC)という広告商品が用意されています。
こちらの記事で解説していますので、是非ご覧ください。

動画リーチキャンペーン(VRC)とは?メリットや入稿規定・設定方法を解説

YouTube広告フォーマット一覧

YouTube 広告の広告タイプと広告フォーマットついてご紹介します。
それぞれの広告フォーマットを一気に確認したい方はこちらの記事をご確認ください。

YouTube広告とは?種類・ターゲティング・目的別に徹底解説!

下の表のように、 YouTube広告は、様々な配信目的に合わせて広告フォーマットが用意されています。
その中でも、動画アクションキャンペーン(VAC)は多くの配信面にリーチを行い、コンバージョンを獲得できる点が最大の特徴です。

ファネル 広告タイプ 広告フォーマット 課金形態 配信場所
認知
動画リーチキャンペーン(VRC) バンパー広告
スキップ可能なインストリーム広告
CPM YouTube 動画再生ページ
Google 動画パートナー
YouTube Select 広告 YouTube Select 広告 CPM YouTube 動画再生ページ
マストヘッド広告 マストヘッド広告 CPM YouTubeのトップページ
アウトストリーム広告 アウトストリーム広告 vCPM Google 動画パートナー
TrueView リーチ スキップ可能なインストリーム広告 CPM YouTube 動画再生ページ
Google 動画パートナー
バンパー広告 バンパー広告 CPM YouTube 動画再生ページ
Google 動画パートナー
比較検討
TrueView インストリーム スキップ不可のインストリーム広告 CPV YouTube 動画再生ページ
Google 動画パートナー
インフィード動画広告
(旧:TrueView ディスカバリー)
インフィード動画広告 CPC
YouTube 検索結果
YouTube の関連動画の横
モバイル版 YouTube のトップページ
行動
TrueView アクション TrueView アクション広告
CPV
YouTube動画
Google 動画パートナー
動画アクションキャンペーン(VAC) スキップ可能なインストリーム広告
インフィード動画広告
YouTube 動画再生ページ
Google 動画パートナー
YouTube 検索結果
YouTube の関連動画の横
モバイル版 YouTube のトップページ

 

CPC:広告のリンク先を1クリックするたびに課金される形式です。
   ユーザーが動画広告のサムネイルもしくは見出しをクリックすると、広告料金が発生します。
CPM:インプレッション単価とも言われ、1,000回表示されるごとに広告費用が発生します。
vCPM:ビューアブルインプレッション単価とも言われ、視認されたインプレッションのみに広告費用が発生します。
CPV:広告動画を1回再生するたびに、料金が発生する形式です。
   YouTubeの場合は、ユーザーが広告動画を30秒以上(動画が30秒未満の場合は、最後まで)視聴された場合に費用が発生します。

VACで配信するメリット

①コンバージョンを獲得しやすい
②ターゲティングによる最適化
③配信設計の簡素化

VACで配信する3つのメリット

①コンバージョンを獲得しやすい

従来のTrueViewアクション広告ではTureViewインストリームと比較して、CTRが200%増、CPAが40%減と高い効果を上げてきました。
しかし、動画アクションキャンペーン(VAC)では更に効果が改善され、TrueViewアクション広告と比較してコンバージョン獲得数自体が全体で20%増加する結果が出ているとGoogleより発表されています。

②ターゲティングによる最適化

Googleが保有する検索行動データからオーディエンスを拡張することで、コンバージョン獲得に繋がりやすいユーザーにリーチすることで獲得効率を高めます。
商品を検索したユーザーの約半数がYouTubeで詳細を確認するというデータもあるため、検索行動データ利用によって獲得効率が向上しています。

また、Google広告で利用できるターゲティングも全て利用できるため、様々なユーザーへのリーチが可能です。

③配信設計の簡素化

従来のTrueView forアクション広告に比べ、配信面が拡大し、YouTubeが保有する様々な配信面に1つのキャンペーンで自動最適化します。
Googleの機械学習によって、配信面ごとに予算を最適化し、より効率的に獲得が行うことができるようになっています。

TrueViewアクション広告とVACの違い

TrueViewアクション広告との大きな違いを2点紹介いたします。

配信面の拡大

YouTube動画再生ページやGoogle動画パートナーへの配信に加え、YouTube Home Feed面、TV面の追加が行われました。
近年はYouTubeをテレビで視聴するユーザーが増えているため、更に多くのリーチが期待できます。
VACの配信面
・YouTube 動画再生ページ
・YouTube の「次のおすすめ」
・YouTube 検索結果
・Google 動画パートナー
・YouTube Home Feed 
・TV面 

VACの広告配信面

引用元:Google広告ヘルプ「Google動画パートナー」より

 

広告フォーマットの追加

TrueViewアクション広告と比べ、「長い広告見出し」「説明文」が追加され、より訴求内容を詳しく伝えることが可能になりました。
長い広告見出しと説明文は、インフィード動画広告としてYouTube Home Feedに表示される際に利用されます。

設定 TrueViewアクション広告 VAC
最終ページURL
表示パス
行動を促すフレーズ
広告見出し
長い広告見出し
説明文
クリエイティブ オプション(任意)
コンパニオン バナー

 

VACの入稿規定

インストリームとインフィード動画広告の2つのフォーマットが利用されます。
アップロードする動画は10秒以上である必要があるため注意が必要です。

機能 仕様
行動を促すフレーズ 半角 10 文字(全角 5 文字)以内
広告見出し 半角 15 文字(全角 7 文字)以内
スキップ可能なインストリーム広告のフォーマットで使用されます
長い広告見出し 半角 90 文字(全角 45 文字)以内
インフィード動画広告のフォーマットで使用されます
説明文 半角 70 文字(全角 35 文字)以内
クリエイティブ オプション(任意) スキップ可能なインストリーム広告のフォーマットで使用可能
・サイトリンク表示オプション
・リードフォーム表示オプション
・Merchant Center の商品フィード
クリエイティブオプションを追加すると、広告の全体的な外観が変化する場合がある。
1 つのキャンペーンで一度に配信できるクリエイティブ オプションは 1 つのみ。

VACの推奨設計

VACを配信する際に、推奨とされる初期設定についてご紹介します。

入札戦略と予算設定

・入札戦略
配信開始時は「コンバージョンの最大化」から開始し、
最適化に十分なコンバージョンが獲得できた後、「目標コンバージョン単価(tCPA)」に切り替える。

・日予算設定
検索と併用する場合:実績CPA30倍
ディスプレイと併用する場合:実績CPAの20倍
動画と併用する場合:実績CPAの10倍
※CPAの基準値は商材により異なるため、目安になりますのでご注意ください。

オーディエンス設定

・配信開始時
検索されたキーワードなどのカスタムオーディエンスや、リマーケティングで配信を開始します。
検索されたキーワードをターゲティングに利用する場合には、コンバージョン率の高いキーワードを10~15個使用してください。

・配信安定後
オーディエンスの拡大によりリーチユーザーを増やし、コンバージョン増加に向けて調整してください。

クリエイティブ

・配信開始時
5つ以上のクリエイティブバリエーションを用意することが推奨とされています。
しかし、動画を複数用意することは難しいケースが多いと思いますので、CTAや見出しの変更で変化をつけて配信を行ってみてください。

・配信安定後
サイトリンク表示オプションを利用し、コンバージョン率を高める。

VAC導入までの3つのSTEP

STEP1 配信目的を3つの中から選択する

目標を「販売促進」、「見込み顧客の獲得」、「ウェブサイトのトラフィック」から選択してください。
次に、キャンペーンタイプを「動画」を選択してください。VACの設定方法:キャンペーン目標を選択

STEP2 入札戦略を選択する

入札戦略を「コンバージョン数の最大化」と「目標コンバージョン単価」の2つから選択してください。VACの設定方法:入札戦略の設定

STEP3 ターゲティングを設定する

オーディエンス セグメント設定から、カスタムオーディエンスやリマーケティング設定を行ってください。
先ほどの推奨設定通り、商材にあったキーワードやWebサイトからのリマーケティングがおススメです。VACの設定方法:ターゲティングの設定

まとめ

本記事で説明した動画アクションキャンペーンのポイントを以下にまとめました。

動画アクションキャンペーン(VAC)とは?

・TrueViewアクション広告の次世代商品で、YouTube広告の中でもコンバージョン獲得に特化している商品
・1つのキャンペーンで、YouTube上の様々な配信面でコンバージョン見込みの高いユーザーに対して配信が可能

>> 配信フォーマットごとの違いはこちら

VACを配信するメリットとは?

①コンバージョンを獲得しやすい
②ターゲティングによる最適化
③配信設計の簡素化

>> メリットの詳細はこちら

TrueViewアクション広告とVACの違い

・通常の動画再生ページに加え、YouTube Home Feed面・TV面の独自の面に配信が可能
・配信フォーマットが追加され、より詳しい内容をユーザーに伝えることが可能

>> 変更点の詳細はこちら

おわりに

いかがでしたでしょうか。
この記事では、YouTube広告の動画アクションキャンペーン(VAC)についてご紹介いたしました。

VACを活用することで、既存の検索・ディスプレイ・動画に追加してキャンペーンの規模を拡大することで、コンバージョンの獲得を増やすことができます。
TrueViewアクション広告からも配信面やクリエイティブでアップデートが行われていますので、この機会に配信キャンペーンの切り替えを検討してみると良いかもしれません。

他のYouTube広告については、以下の記事にてまとめておりますので、ぜひご確認ください。

YouTube広告とは?種類・ターゲティング・目的別に徹底解説!

【BLSとは?】ブランドリフトサーベイの活用方法とアウトプット事例

動画リーチキャンペーン(VRC)とは?メリットや入稿規定・設定方法を解説

【VASって何?】Google動画広告シーケンスの活用方法

YouTube広告の予約型メニューとは?マストヘッド・YouTube Selectを徹底解説

▼Google広告について知りたい方はこちら

【2023年版】Google広告(旧アドワーズ)とは?広告の種類と強みを徹底解説

この記事を読んでいる方へ

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・Yahoo!の画像アセットの提供開始
・TikTokのカルーセル広告が一般利用可能に
・Xのバーティカル広告や最適化学習の強化
・LINEのトークリストで動画に対応
など広告担当者必見の内容になっています。

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小宮山 智大

M&S本部 戦略企画室所属。新卒で総合情報メディア会社に入社後、不動産事業会社を経て、D2C Rに参画。 広告運用コンサルタントやプランナーを経験後、プロジェクト推進に従事。3匹の愛猫とリモートワーク。

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