【Meta広告】Advantage+ セールスキャンペーンとは?
みなさん、こんにちは!
本日は、Meta(Facebook)広告を運用するうえで理解必須の「Advantage+ セールスキャンペーン」について、
導入するメリットや注意点、運用のコツから設定方法まで画像付きで解説していきます。
Meta広告とは?ターゲティング・広告フォーマット・運用方法まで要点を徹底解説!
目次
Advantage+ セールスキャンペーン(ASC)とは?
Advantage+ セールスキャンペーン(以下ASC)とは、「売上」を目的としたキャンペーンで使用することができる、
Meta広告のWebコンバージョン獲得向けキャンペーンメニューの一つです。
元々は「Advantage+ ショッピングキャンペーン」という名称でしたが、現在は「Advantage+ セールスキャンペーン」に変更されています。
今では、業界を問わず多くの広告主がASCを活用することで広告効果の改善に成功しています。
※従来は一部の広告主のみ利用が可能でしたが、2023年9月以降、すべての広告主が「売上」目的で利用可能となっています。
最新の機械学習で効果を最大化
従来の機械学習モデルをさらにアップデートした最新の機械学習モデルを活用することで、
最小の労力で広告を最適化させることが可能となっています。
ピクセルや通常キャンペーンの配信実績などの広告アカウント内に蓄積されたデータをもとに、
コンバージョンに繋がりそうなユーザーをある程度セグメントしてから配信するため、
通常のキャンペーンと比較しても、パフォーマンスや効率の改善が期待できます。
Web系獲得案件であれば相性◎
”セールスキャンペーン”という名称ではあるものの、ECなどのセールスプロモーション以外にも、
請求数アップや契約数アップなどWeb上での「コンバージョン」を目的とした商品/サービスへの活用が可能です。
参考:Advantage+ セールスキャンペーンについて|Meta
Advantage+ セールスキャンペーン(ASC)と通常のキャンペーンの違いは?
では、ASCと通常のキャンペーンにはどのような違いがあるのかについて解説していきます。
ASCと通常キャンペーンの違い一覧表
ASCと通常キャンペーンの違いは以下の表の通りです。
機械学習モデルやターゲティングの自由度、入稿可能な広告本数など様々な面で違いがあるため、
それぞれの特徴について解説していきます。
| Advantage+ ショッピングキャンペーン |
通常キャンペーン (コンバージョン目的) |
|
| 機械学習 | 改良された機械学習モデル | 従来の機械学習モデル |
|
キャンペーン数
|
ASCの上限数はなく、 最大5,000件/アカウント (広告費等によって変動あり)。 |
最大5,000件/アカウント (広告費等によって変動あり) |
| 広告 セット数 |
1キャンペーンあたり1広告セット (ASCを複数作成する場合は キャンペーンを分ける) |
通常は最大5,000件/アカウント (広告費等によって変動あり) |
|
広告
|
最大150本/広告セットの入稿が可能 | 最大50本/広告セットの入稿が可能 |
| 静止画・動画・カルーセル ・コレクション広告を利用可能 ※通常キャンペーンと同様 |
静止画・動画・カルーセル ・コレクション広告を利用可能 |
|
| 同じピクセルを使用している 既存のコンバージョン目的キャンペーン内で、 パフォーマンスの高い”おすすめの広告”を ASCにインポートして使用ができる |
||
| 入札 | 自動入札(目標CPAは設定可能) | 自動入札・手動入札 |
| 最適化 イベント |
下記の標準イベントおよび 任意のカスタムイベント 購入/カートに追加/チェックアウト開始 /支払い情報の追加/ウィッシュリストに追加 コンテンツビュー/登録完了/トライアル開始 /サブスクリプション登録/検索 ※従来は「購入」イベントのみ選択可能 だったが、2024年4月より最適化に 選択できるイベントが拡大 |
標準イベント・カスタムイベント |
ASCの特徴について
機械学習による自動ターゲティング
「配信面」×「オーディエンス」×「広告クリエイティブ」のうち最適な組み合わせが最新の機械学習により自動的に検証されます。
手動で設定する項目は国、地域、最低年齢のみとなり、他は効果がよりよくなるように自動でターゲティングが決定されます。
新規顧客と既存顧客への配信割合を設定できる
カスタムオーディエンスを既存顧客として定義し、既存顧客への配信割合を設定することで、
1つのASC内で既存顧客と新規顧客への配信の出しわけが可能です。
それにより、広告管理画面にて新規顧客と既存顧客の数値内訳を確認できるため、
合わせた広告クリエイティブの分析をすることでプロモーションの目的を最大化することができます。
また、既存顧客への配信を行わない設定も可能です(詳細は後述しています)
クリエイティブを最大150本まで入稿/配信可能
通常キャンペーンでは最大50本まで入稿が可能でしたが、
一方でASCでは最大150本まで入稿が可能となっており、
効率的に広告クリエイティブの検証を進めることができます。
おすすめの広告の抽出
同じピクセルを使用している既存のコンバージョン目的キャンペーンで
パフォーマンスの高い広告が”おすすめの広告”として抽出されます。
広告セット階層でASCにインポートすることで使用することが可能です。
導入は通常キャンペーンよりも簡単!
・自動ターゲティングのため細かな設定が不要
・通常キャンペーンと同じ広告クリエイティブを使用可能
・配信開始後も最新の機械学習を最大限活用した運用で工数削減
といった点から、配信開始~運用までの工数が大幅に削減されるため、ASCの導入自体は非常に簡単です。
Advantage+ セールスキャンペーン(ASC)の運用のコツ
ほとんどの機能が自動化されているASCですが、自動化に任せて配信をすれば効果が必ず安定するというわけでもありません。
ASCをさらに効果的に運用するコツをお伝えします。
ASC運用のコツ①広告クリエイティブの推奨本数
ASCにおいては10~16本の同時配信が推奨とされています。
Meta社の統計的に16本が当たり広告クリエイティブが発掘されやすい本数であり、
それ以上は改善度合いが低いうえに学習がかかりにくいため非推奨となっています。
また、本数が少なすぎて勝ち広告クリエイティブが発掘できていない場合、
CPMを引き上げることで予算消化が行われる可能性が高まるため、広告クリエイティブ数の担保は重要となります。
ASC運用のコツ②広告クリエイティブの質を高める
前提として、ASCに限らずMeta広告では広告クリエイティブの質を高めることで推定アクション率を引き上げ、
入札(CPM)を抑ええつつ、CVRを高める運用が理想となります。
推奨本数は10本~16本と多いですが、数に任せて質を疎かするのではなく、
アンケートやSNS等からユーザーインサイトを深く分析した上でバナーデザインやコピーを考えるなど、
1つ1つの広告クリエイティブの質を高めることが重要になります。
ASC運用のコツ③初めは通常キャンペーンと並走させる
ASCを導入する際は、通常キャンペーン(類似オーディエンスやリターゲティング)とASCを並走させ、
初めは全体予算の10%~20%程度で開始し、成果に応じて全体予算の30%以上をASCに割り振るのが推奨とされています。
ASCは同じアカウント内で配信中の他のキャンペーンデータも加味して機械学習が進むため、
ASCと通常キャンペーンを組み合わせることで相乗効果でCPAの改善を図ることができます。
– 通常キャンペーンで効果が良かった場合:ASCでも近しいユーザーに配信される
– 通常キャンペーンで効果が悪かった場合:ASCの方では違うオーディエンス層に配信されていく
ASC運用のコツ④学習のかけなおしを検討する
一般的に機械学習の完了後は平均して15%~30%ほどのCPA改善が見込めるとされています。
配信ステータスが「情報収集中」となっており、学習進度60%~70%くらいのタイミング(目安CV30件程度)で
CPAが目標よりも大きく上振れている場合は、ASCを複製するなど学習のかけなおしを検討することをおすすめします。
Advantage+ セールスキャンペーン(ASC)の設定方法
ASCでは詳細ターゲティングや配信面などの細かいターゲティングを手動で設定する必要がなくなり、
キャンペーンの作成が非常にシンプルに最適化された形になっています。
それでは、各項目の設定方法について解説していきます。
キャンペーン/広告セット階層
①購入タイプ「オークション」、目的「売上」を選択します
②右側に表示されるキャンペーンスコア内に「 Advantage+ セールスキャンペーン」がオンになるように設定を進めます
広告セット階層
③キャンペーン/広告セットの名前
キャンペーン/広告セットの名前には任意の名前を入力します。
④特別な広告カテゴリ
信用、雇用、住宅、社会問題など特別な広告カテゴリに含まれる場合はカテゴリを選択します。
⑤パフォーマンスの目標
– 「コンバージョン数の最大化」
コンバージョン数を最大化しつつ予算を全額消化します。
– 「コンバージョン値の最大化」
購入額が高くなる可能性が高い人に広告を表示しようとします。
⑥ピクセル
計測に使用するピクセルを選択します。
⑦コンバージョンイベント
下記の標準イベント、または任意のカスタムイベントが利用可能です。
購入/カートに追加/チェックアウト開始/支払い情報の追加/ウィッシュリストに追加
コンテンツビュー/登録完了/トライアル開始/サブスクリプション登録/検索
元々、ASCではコンバージョンイベントを標準イベントの「購入」のみ選択可能でしたが、
2024年4月より「購入」以外の標準イベントや任意のカスタムイベントも選択可能となり、配信途中でもASCの追加を検討しやすい仕様に変更になりました。
⑧アトリビューション設定
コンバージョンを広告の成果としてカウントする日数を設定します。
デフォルトは「クリックスルー:7日間」「エンゲージビュー(動画のみ):なし」「ビューテスルー:1日間」が表示されています。
⑨予算と掲載期間
「広告セットの消化金額の制限」や配信スケジュール、予算スケジュールを設定することが可能です。
⑩オーディエンス
オーディエンスは「Advantage+ オーディエンス」を適用します。
国設定、言語設定、年齢の下限(18~25歳)、オーディエンス除外を設定することが可能です。
⑪配置
配置は「Advantage+ 配置」を適用し全配置面を設定します。
その他、ブランドセーフティーに関する設定やブロックリストも配置の項目内で変更が可能です。
広告階層
広告階層ではASC特有の設定項目はありません。
通常のキャンペーンと同じように広告名や画像ファイル、
メインテキストなどの必要項目を入力し、広告を作成していきます。
地域/年齢/配置面の除外設定
Meta広告において特定の要素を除外する方法は以下の2パターンがあります。
①広告マネージャの「広告アカウント設定」画面にて、「地域」「最低年齢」「配置面」の設定を行う
②広告アカウント全体に除外設定を適用する
広告マネージャより「すべてのツール」⇒「広告設定」を選択
上記『②』を設定する場合は「最低年齢」「配置面」に関しては、ASC以外の通常キャンペーンにも設定内容が反映されてしまうため注意が必要です。
地域の除外をしたい場合
1.「広告設定」のアカウント制御から「オーディエンス制御」を選択します。
2.「このビジネスは特定の地域でのみ宣伝できる」をオンにし、設定/除外したい地域を検索して追加します。
3.変更を確認を押し、保存します。
※ASC、通常キャンペーンを問わず、アカウント内のすべてのキャンペーンに自動で適用されます。
※地域の設定を適用したくない通常キャンペーンがある場合は、後で広告セット単位の編集画面から設定を変更することが可能です。
最低年齢を設定したい場合
1.「広告設定」のアカウントの管理から「オーディエンス制御」を選択します。
2.「年齢制限付きの商品またはサービスを宣伝している」をオンにし、プルダウンから最低年齢を選択します。
3.変更を確認を押し、保存します。
※ASC、通常キャンペーンを問わず、アカウント内のすべてのキャンペーンに自動で適用されます。
※広告セット単位で最低年齢の変更は可能ですが、「オーディエンス管理」で設定した年齢よりも下の年齢を選択することはできません。
例:オーディエンス管理での最低年齢を20歳に設定した場合、広告セット単位では最低年齢20歳以上に変更できるが、18歳や19歳への変更は不可。
配置の除外をしたい場合
1.「広告設定」のアカウントの管理から「配置の制御」を選択します。
2.「このビジネスは特定の配置でのみ宣伝できる」をオンにし、除外したい配置のチェックを外します。(チェックされている配信面には引き続き配信されます)
3.変更を確認を押し、保存します。
※ASC、通常キャンペーンを問わず、アカウント内のすべてのキャンペーンに自動で適用され、広告セット単位での設定変更も不可です。
新規顧客と既存顧客の予算割合を設定したい場合
広告設定内「オーディエンスのセグメント」から「既存の顧客」として設定したいカスタムオーディエンスを選択し、保存します。
広告セットの編集画面へ戻り、「予算と掲載期間」の「既存顧客の予算上限」にチェックを入れます。
0%~100%までの任意の値を入れる事で、「既存顧客」への予算割合を設定可能です。
※既存顧客の上限予算を「0%」にすると「除外扱い」になります。
※消化する金額が設定した割合を下回る可能性はありますが、上回らないように消化されます。
まとめ
ASCでは通常のキャンペーンと比較し自動化される部分が増えたことで運用工数の削減にも繋がるだけでなく、
進化した機械学習で広告成果の改善を期待することができます。
自社のプロモーションに活用する際は、まずは配信の10%~30%ほどをASCに切り替えて、
まずは少額から開始してみることをおすすめします。
ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
Meta Advantage/Meta Advantage+の機能を一挙ご紹介
編集者
CANVAS編集部
編集者
CANVAS編集部
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