潜在層と顕在層の違いとは?Web広告での効果的なアプローチ方法を解説

みなさん、こんにちは。
デジタルマーケティングが進化する現在、ただ広告を配信するだけでなく、「誰に向けて届けるか」という視点がますます重要になっています。その中でカギとなるのが「潜在層」と「顕在層」というターゲット分類の考え方です。
今回は、潜在層と顕在層の基本的な違いから、それぞれのユーザー層に対して有効なWeb広告のアプローチ方法、さらに成果を最大化するための戦略までを詳しく解説します。ユーザーの認知段階を正しく理解することで、広告効果を飛躍的に高めることが可能になります。
広告運用の成果を一歩先に進めたい方にとって、必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。
潜在層と顕在層とは?
Web広告やマーケティング戦略を立てる際には、「潜在層」「顕在層」というターゲット分類を理解することが非常に重要です。なぜなら、ユーザーのニーズがどの段階にあるかによって、有効なアプローチ方法がまったく異なるからです。さらに、近年では「明確層」や「準顕在層」、「非認知層」といった細分化された分類も登場し、より精緻な広告戦略が求められています。
ここでは、各層の定義とその違いについて詳しく解説していきます。
非認知層|自分に関係があるとすら思っていない層
非認知層とは、課題やニーズの存在にすら気づいておらず、情報との接点もほとんどないユーザー層を指します。たとえば、慢性的な肩こりを感じていたとしても、それが自分にとって解決すべき問題であるという意識がなく、「整体」や「マッサージ」といったキーワードすら頭に浮かんでいない状態です。
この層の最大の特徴は、「自分ごと化」がまったくできていないことです。そのため、直接的な訴求や商品紹介では関心を引くことができません。まずは「気づき」のきっかけを提供することが重要です。
潜在層|まだニーズが顕在化していない層
潜在層とは、自分自身で「課題」や「ニーズ」をまだ明確に認識していないユーザー層を指します。たとえば、「肩こりがひどい」という自覚はあるものの、それを「整体に行こう」や「マッサージ器を買おう」といった行動に結びつけていない状態です。
この層に対しては、問題提起型のコンテンツやインサイト喚起型の広告が有効で、興味を引き出すことが大切です。
準顕在層|課題を感じているが、まだ行動には移っていない層
準顕在層とは、潜在層と顕在層の中間に位置するユーザー層で、ニーズは感じているものの、まだ行動には移っていない状態です。たとえば、「肩こり 原因」「在宅勤務 疲れやすい」といった曖昧な検索を行っている段階です。
この層に対しては、問題提起+課題解決への導線を提示するコンテンツが効果的です。課題解決型の資料やパンフレットなども有効な手段になります。
顕在層|ニーズが明確で行動に移そうとしている層
顕在層は、すでに自分のニーズや課題を明確に認識し、それに対して具体的な解決策を探している段階のユーザー層です。たとえば「東京都内でおすすめの整体院」「マッサージ器 比較」などの検索を行っている人が該当します。
この層には、商品紹介や比較コンテンツ、口コミ、LP(ランディングページ)などが特に効果を発揮します。
明確層|購入や申し込みをほぼ決意している層
明確層は、顕在層よりさらに一歩進んで「購入や申し込みをほぼ決意している層」を指します。たとえば、「◯◯整体院 予約」「マッサージ器 型番」で検索しているユーザーがこれにあたります。
広告施策では、限定キャンペーンや即時性のある訴求(例:「本日限定10%OFF」「今すぐ予約」など)が有効で、コンバージョンに直結しやすい層です。
潜在層と顕在層の主な違い
区分 | ユーザーの状態 | 有効な施策 |
---|---|---|
非認知層 | 課題の存在にすら気づいておらず 関心がない | ストーリーブランディング ライフスタイル提案型動画広告 |
潜在層 | 課題を認識していない 気づいていない | 課題提起型コンテンツ 動画広告など |
準顕在層 | 課題をぼんやりと 感じ始めている | 啓蒙記事 ハウツーガイド 無料資料提供 |
顕在層 | ニーズを明確に認識し 行動を検討中 | 商品紹介 比較LP レビューコンテンツなど |
明確層 | 商品やサービスの 選定段階にある | 予約フォーム 特典付きLP 限定オファー |
Web広告でターゲット分けが必要な理由
Web広告において高い成果を得るためには、広告を「誰に届けるか」を最初に明確にすることが欠かせません。つまり、ユーザーの状態や興味関心、ニーズの成熟度に応じてターゲットを層別化する(=セグメンテーション)ことが、戦略立案の起点となります。
特に、潜在層・顕在層といった「認知段階」に基づくターゲティングは、広告の目的やKPI(成果指標)を設定するうえでも非常に有効です。ここでは、なぜターゲット分けが重要なのかを2つの観点から解説します。
広告の配信目的が明確になる
ターゲットを分けることで、広告を通じて「何を達成したいのか」が明確になります。
たとえば、潜在層に対してはブランドの認知やニーズの喚起が主な目的となるため、「まず知ってもらうこと」がゴールになります。一方、顕在層に向けた広告では、比較・検討を経て購入や申し込みにつなげることが主な目的です。
ターゲットの段階が異なれば、広告の設計やメッセージ内容も当然変わってきます。「今このユーザーに何を届けるべきか」が明確になることで、無駄な配信や予算の浪費を防ぐことができます。
広告の手法やKPIが明確になる
ターゲットが明確になることで、最適な広告手法の選定と、成果の測定基準(KPI)の設定も容易になります。
たとえば、潜在層にはYouTube広告やディスプレイ広告などの認知拡大に強い媒体が適しており、KPIも「インプレッション数」や「リーチ数」などが重要になります。一方、顕在層に対してはリスティング広告や商品リマーケティングが有効で、KPIは「クリック数」「CVR(コンバージョン率)」などに重点が置かれます。
このように、ターゲットの状態に応じて使用する媒体・広告手法・クリエイティブの内容・KPIの指標が具体化されるため、より戦略的で成果に直結する広告運用が可能になります。
潜在層・顕在層への効果的なアプローチ方法
Web広告において成果を最大化するには、ユーザーの認知段階に応じた適切なアプローチが欠かせません。特に、まだニーズが明確になっていない「潜在層」と、すでに課題を認識し情報収集を始めている「顕在層」とでは、訴求内容も配信するタイミングも大きく異なります。
ここでは、潜在層と顕在層、それぞれに対して有効なアプローチ方法について詳しくみていきます。
潜在層に響く広告アプローチとは?
潜在層は、自身の課題をまだ明確に意識しておらず、具体的な商品やサービスの検討段階には至っていません。そのため、この層に対しては「自分ごと化」や「問題提起」を通じて気づきを与えるようなアプローチが有効です。
例えば、課題に気づいていないユーザーに対しては、「こんなお悩みありませんか?」といった共感を喚起するコピーや、「◯◯の原因は実は△△だった」といった意外性を含んだコンテンツが有効に働きます。また、直接的な売り込みよりも、役立つ情報を提供することを優先した広告設計が好まれます。動画広告やSNS広告、ネイティブ広告など、ユーザーの生活動線上で自然に接触できるメディアを活用し、ストーリーテリングやユーザー体験に寄り添うような構成が好ましいです。
このように、潜在層へのアプローチでは、まず興味を引き、課題を認識させるまでの「認知フェーズ」に重点を置くことが重要です。すぐに成果につながるとは限りませんが、長期的にブランド想起や顧客獲得につながる重要なフェーズといえます。
顕在層に響く広告アプローチとは?
顕在層は、すでに自分のニーズや課題を明確に認識しており、それに対する解決策を積極的に探している状態です。この層に対しては、的確で説得力のある情報提供によって、「比較・検討」をサポートするようなアプローチが求められます。
たとえば、商品の特徴やベネフィットを端的に伝えるだけでなく、価格や機能の違い、導入事例、口コミ・レビューといった信頼性の高い情報をセットで提示することで、ユーザーはより具体的な判断がしやすくなります。また、検索連動型広告やリターゲティング広告のように、能動的に情報を探しているユーザーにピンポイントでリーチできる手法も非常に効果的です。
この層では、「今すぐ利用したい」「どこが一番良いかを判断したい」といった心理が働いているため、期間限定キャンペーンや無料トライアル、特典訴求といった即時性のある施策が行動を後押しします。広告コピーも、曖昧な表現ではなく、数値や成果の裏付けがある明確なメッセージが効果的です。
つまり、顕在層には「比較・検討→行動」という流れをスムーズに進めるための“最後の一押し”となる情報提供が求められます。
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ターゲットごとのWeb広告の種類
Web広告の成果を最大化するためには、ユーザーのニーズがどの段階にあるかを見極め、それぞれに適した広告手法を使い分けることが重要です。特に「潜在層」と「顕在層」では、情報収集の目的や態度が大きく異なるため、同じ広告手法では十分な成果を得ることが難しくなります。
ここからは、ターゲット層ごとにどのような広告手法が効果的かを、代表的な種類ごとに詳しく解説します。
潜在層
潜在層はまだ自分自身の課題やニーズに気づいていないか、関心が漠然としている状態にあるユーザーです。この段階では「自分ごと化」や「気づきの喚起」が広告の目的となり、接触のハードルを下げる設計が求められます。
ドコモ広告(Lemino / DOOH)
潜在層へのアプローチには、ユーザーの生活導線上で自然に接触できる広告が効果を発揮します。ドコモが提供する動画配信サービス「Lemino」や、DOOH(屋外広告)ネットワーク「LIVE BOARD」を活用することが可能です。
Leminoでは、ドラマや映画などの動画コンテンツを視聴しているユーザーに対して、興味関心に基づいた動画広告を挿入でき、視聴環境に応じた訴求が可能です。また、LIVE BOARDでは、位置情報や天候、時間帯などのリアルタイムデータを活用し、全国のデジタルサイネージに広告を配信できます。これにより、まだニーズが明確でないユーザーにも違和感なくブランドを印象づけることができます。
\ ドコモ広告で認知を獲得 /
ディスプレイ広告(GDN・YDN)
GoogleやYahoo!のディスプレイネットワークを活用した広告は、情報収集目的でさまざまなWebサイトを閲覧しているユーザーに向けて自然な形で露出できます。特に、視認性の高いバナー形式で表示されるため、まだニーズが顕在化していないユーザーに対しても認知のきっかけを与えることが可能です。
SNS広告(Instagram、Facebook、X、TikTokなど)
SNS広告は、ユーザーの興味関心に合わせて配信できるため、潜在層に対して「共感」や「ライフスタイル提案」といった切り口で訴求するのに適しています。特に動画フォーマットを活用することで、商品・サービスのストーリーを自然に伝えることができ、態度変容を促進します。
YouTube広告(TrueView、インストリーム広告)
動画を視聴中のユーザーに配信されるYouTube広告は、潜在層へのブランディング施策として非常に有効です。商品や課題に対する興味を持っていないユーザーでも、映像と音声の訴求によって強く印象づけることができます。視聴完了率や視聴単価などの指標で効果測定も可能です。
顕在層
顕在層はすでに自分のニーズや課題を認識しており、積極的に解決策を探している段階にあります。このようなユーザーには、より具体的な商品情報やベネフィットを提示し、「比較・検討」から「行動」へとスムーズに導く広告手法が有効です。
ドコモ広告(docomo Ad Network)
顕在層に対しては、ニーズが顕在化しており、購買や資料請求といったアクションに直結しやすい広告手法が求められます。docomo Ad Networkは、まさにそのようなターゲットに最適な広告配信ネットワークです。
docomo Ad Networkは、dポイントクラブ会員などドコモが保有する1億超のユーザーデータを活用し、年齢・性別・興味関心・購買傾向などの高精度なセグメントに基づいて広告配信が可能です。さらに、検索履歴や購買行動、アプリ利用履歴といった具体的な行動データをもとに広告を届けられるため、「今まさにサービスを比較検討しているユーザー」へのアプローチにも最適です。
\ ドコモ広告で顧客を獲得 /
検索連動型広告(Google広告、Yahoo!広告)
「◯◯ おすすめ」「△△ 比較」といった具体的な検索語句に応じて表示されるリスティング広告は、顕在層との親和性が非常に高い手法です。今まさに情報を探しているユーザーに対して、ニーズにマッチした広告をタイミングよく届けることができます。クリック率やCVR(コンバージョン率)が高く、費用対効果に優れています。
リターゲティング広告
一度Webサイトを訪れたユーザーに対して、他のサイトやSNS上で再度広告を表示するリターゲティング(リマーケティング)広告は、検討中の顧客に対する再訴求に効果を発揮します。カート落ちやフォーム離脱など、明確な行動履歴に基づいて配信できるため、成約直前のユーザーに対する“最後のひと押し”として非常に有効です。
商品リスト広告(ショッピング広告)
ECや物販系サービスにおいては、Googleショッピング広告やCriteoなどの商品リスト型広告が効果的です。ユーザーの検索意図に応じて商品画像や価格情報を直接表示できるため、比較・検討段階にある顕在層に対して強力な訴求力を持ちます。とくにスマートフォン上では視認性も高く、即時の購買行動につながりやすい形式です。
潜在層・顕在層を知るためには?
潜在層・顕在層を正しく把握することは、Web広告やマーケティング施策において最も基本かつ重要なステップです。なぜなら、ユーザーのニーズ段階がわからなければ、どれだけ優れた広告を配信しても適切なタイミングや訴求内容を外してしまい、成果に結びつきません。
しかし、「このユーザーが今どのフェーズにいるのか」を可視化するのは簡単なことではありません。
ユーザーの行動データから意識段階を見極める
潜在層か顕在層かを判断するうえで重要なのが、「ユーザーがどんな行動を取っているか」を知ることです。たとえば、「疲れやすい 原因」と検索している段階ではまだ潜在層ですが、「整体院 料金」や「◯◯マッサージ 比較」など具体的なサービス名を検索している場合は、顕在層またはそれ以上の明確層に分類できます。
Webサイト内の行動データ(ページ滞在時間、閲覧ページ数、離脱ページなど)や、SNSでの投稿内容、広告クリック後のアクションも、意識段階を見極める重要な材料になります。
ペルソナやカスタマージャーニーでは不十分な理由
従来のマーケティングでは、ペルソナ設計やカスタマージャーニーの設計を通じてユーザー理解を進める手法が一般的でした。もちろんこれらの手法は重要ですが、実際のユーザーが常にそのとおりに行動してくれるとは限りません。生活環境、心理的背景、情報感度などが複雑に絡み合っており、一律の仮説では捉えきれない層が存在します。
とくに潜在層は、「自分が顧客である」という自覚すらないことも多く、アンケートやヒアリングでは十分なインサイトが得られないケースもあります。だからこそ、実際の行動ログに基づいた“リアルなデータ”に目を向ける必要があるのです。
docomo data squareで“本当に届く相手”が見えてくる
こうしたデータ分析を強力に支援するのが、NTTドコモが提供する「docomo data square」です。docomo data squareは、ドコモが保有する数千万規模のユーザーデータをもとに、年齢・性別・興味関心・購買行動・位置情報などを掛け合わせた高度な分析・可視化が可能なデータプラットフォームです。
潜在層・顕在層といった購買フェーズに基づくユーザー分類はもちろん、商圏分析、広告配信シミュレーション、ユーザーセグメントの可視化など、マーケティングに必要な“ユーザー理解の地図”を描くための基盤として活用できます。
特に、Web広告施策を実行する前段階で「今、どんなユーザーが潜在的に存在しているのか」「どの地域に集中しているのか」を把握することで、広告設計の精度が飛躍的に高まります。
\ 1億超データのドコモデータ分析 /
まとめ
本記事では、Web広告において欠かせない「潜在層」と「顕在層」の基本的な違いから、それぞれに有効なアプローチ方法、具体的な広告手法、そしてターゲットを正確に把握するための分析手段までを体系的に解説してきました。ユーザーの認知段階によって、届けるべきメッセージや選ぶべき媒体、設定すべきKPIは大きく変わります。
「潜在層・顕在層を見極めたうえで、最適な広告戦略を構築したい」
「データを活用して成果につながる広告施策を打ちたい」
そんな方は、D2C Rまでぜひご相談ください。ドコモデータを活用した分析ノウハウと実行力をもとに、戦略立案から広告運用・クリエイティブ制作まで一気通貫でサポートいたします。