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最終更新日: 2025年03月05日

ビュースルーコンバージョンとは?仕組みや各媒体の計測方法・効果的な設定法を紹介

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みなさん、こんにちは。

デジタル広告が普及する現代では、ユーザーの行動をより深く理解し、効果的なマーケティング施策を展開することが求められています。その中でも注目されているのが「ビュースルーコンバージョン」という概念です。

今回は、ビュースルーコンバージョンの基本的な仕組みから、各広告媒体における計測方法、さらに効果的な活用方法までを詳しく解説します。指標を正しく理解することで、広告の間接的な効果を見逃さず、より最適な戦略を立てることができるようになります。

広告効果を総合的に評価し、より成果を上げたい方は必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。

ビュースルーコンバージョンとは?

ビュースルーコンバージョンとは?

デジタル広告の効果測定において、ビュースルーコンバージョン(View Through Conversion)は重要な指標の一つです。この指標は、ユーザーが広告をクリックしなくても、広告を「見た」ことが最終的な成果に影響を与えた場合にカウントされます。ビュースルーコンバージョンを理解し活用することで、広告の間接的な効果を評価し、広告戦略全体を最適化することが可能になります。

本節では、ビュースルーコンバージョンの基本的な定義や概念、そして似た指標であるクリックスルーコンバージョンとの違いについて詳しく解説します。

定義と概要

ビュースルーコンバージョンとは、広告がユーザーに「表示」された後、クリックされることなく、別の経路を通じてコンバージョン(購入や資料請求などの成果)が発生した場合に計測されるコンバージョンです。これは広告の間接的な影響を測定するために利用されます。

たとえば、ユーザーがSNSで表示された広告を見たが、クリックせずに後日ウェブサイトを直接訪問して購入した場合、その購入はビュースルーコンバージョンとして記録される可能性があります。

クリックスルーコンバージョンとの違い

ビュースルーコンバージョンとよく比較されるのがクリックスルーコンバージョン(Click Through Conversion)です。この二つは広告効果を測るための指標ですが、計測対象となるユーザー行動が異なります。

項目クリックスルー
コンバージョン
ビュースルー
コンバージョン
計測対象となる行動ユーザーが広告をクリックして
コンバージョンに至った場合
ユーザーが広告をクリックせず、
表示のみでコンバージョンに至った場合
広告との接触形式広告をクリックして
直接的に行動を起こした場合
広告を視認した後、
別の経路で行動を起こした場合
計測される目的広告の直接効果を測定広告の間接効果や
認知度の影響を測定
主な利用ケースクリックを促進する目的の広告認知向上やブランディング目的の広告
アトリビューション期間広告クリック後に発生した
コンバージョンを一定期間計測
広告表示後に発生した
コンバージョンを一定期間計測
計測の条件ユーザーが広告を
「クリック」する必要がある
ユーザーが広告を
「表示」する(クリックは不要)
使用される広告媒体主に検索広告や
リターゲティング広告など
主にディスプレイ広告や
SNS広告・動画広告

ビュースルーコンバージョンの仕組み

ビュースルーコンバージョンの仕組み

ビュースルーコンバージョンは、ユーザーが広告を「閲覧」した事実と、最終的にコンバージョンに至った行動を結びつける指標です。広告が直接的なアクションを促すだけでなく、間接的に影響を与える可能性を示すため、広告の効果を包括的に評価するために活用されています。

本章では、ビュースルーコンバージョンがどのように計測されるのか、その仕組みを解説するとともに、各広告媒体での具体的な計測条件について説明します。

計測方法と期間

ビュースルーコンバージョンの計測には、広告がユーザーに表示された履歴を追跡する仕組みが用いられます。主にCookieや広告IDを活用してユーザーの行動を記録します。

計測方法

  1. 広告の表示
    広告がユーザーのブラウザやアプリに表示される。
  2. ユーザーの行動追跡
    広告をクリックしなくても、広告が表示された際に付与されたCookieやIDを基に行動を追跡。
  3. コンバージョンの発生
    広告表示後、ユーザーが購入や問い合わせなどの目標を達成した場合、ビュースルーコンバージョンとして記録。

計測期間(アトリビューションウィンドウ)

広告が表示されてからビュースルーコンバージョンとして認識されるまでの期間をアトリビューションウィンドウと呼びます。この期間は媒体や広告主の設定によって異なり、一般的には以下の範囲で設定されます:

  • デフォルト設定:1日~30日
  • 短期間:1~7日(認知度向上を目的としたキャンペーンに適用されることが多い)
  • 長期間:30日以上(高額商品の購入や熟慮を必要とする商材の場合)

各広告媒体における計測条件

各広告媒体では、ビュースルーコンバージョンを計測するための条件や設定が異なります。主要な媒体の特徴を以下にまとめます。

広告媒体計測条件アトリビューションウィンドウ
Google広告広告の50%以上が
1秒以上表示された場合
(動画広告は2秒以上)
1,3,7,14,21,30日間で指定可能
※カスタムも可能
(デフォルトは1日間)
Yahoo!広告広告の50%以上が
1秒以上表示された場合
1日間
Meta広告広告が1%以上
表示された場合
1日間
X広告広告が1ピクセル以上
表示された場合
1~90日間で
指定可能

ビュースルーコンバージョンを計測するメリット

ビュースルーコンバージョン(VTC)は、広告の間接的な効果を可視化し、広告戦略全体の最適化に役立つ重要な指標です。特に、クリック行動だけでは測定できないユーザーの潜在的な反応や広告の影響を評価できる点が大きなメリットです。

ここでは、ビュースルーコンバージョンを計測することで得られる3つの具体的なメリットについて解説します。

ユーザー行動の可視化

ビュースルーコンバージョンを計測することで、ユーザーが広告を「見た後」にどのような行動を取ったかを明らかにすることができます。これにより、広告の直接的なクリックデータに加えて、間接的な影響も含めた包括的なユーザー行動を見ることができます。

主なポイント

  • 広告表示後の行動追跡
    広告を閲覧した後に、検索エンジンや直接訪問を経由してサイトにアクセスしたケースを把握可能。
  • ユーザー心理移行の把握
    どのような広告を見せたことで、行動に影響を与えた場合を分析可能。

広告の間接効果の評価

広告の効果はクリック数だけで判断できない場合があります。ビュースルーコンバージョンを活用することで、広告がどの程度間接的にユーザーの意思決定に影響を与えたのかを評価できます。

主なポイント

  • ブランド認知の測定
    クリックしなくても、広告がユーザーにどの程度ブランドや商品を認知させたかを評価。
  • 広告の多角的な効果測定
    クリック以外の影響力を測ることで、広告全体のROIを正確に把握できる。

実例

たとえば、ディスプレイ広告やSNS広告は直接的なクリック率が低い場合も多いですが、ビュースルーコンバージョンを計測することで、広告が購入や問い合わせに貢献していることを確認できます。

効果的な広告運用戦略の策定

ビュースルーコンバージョンを活用することで、広告キャンペーンをより効果的に運用するためのインサイトが得られます。これにより、広告予算の配分や戦略の見直しが可能になります。

主なポイント

  • 広告配信の最適化
    ビュースルーコンバージョンが多い広告枠や媒体を特定し、配信戦略を最適化。
  • 広告クリエイティブの改善
    間接効果が高いクリエイティブを特定し、今後の広告制作に反映。
  • 予算の効率的な配分
    クリックだけでなく、間接効果も含めた指標を基に予算配分を調整。

実例

複数の広告キャンペーンを実施した際、ビュースルーコンバージョンのデータを活用して「直接的な効果は薄いが間接的な影響が大きい」広告を評価することで、全体の成果を向上させた事例もあります。ビュースルーコンバージョンを意味のないものとするかどうかは、分析次第です。

各媒体のビュースルーコンバージョン計測設定・確認方法

ビュースルーコンバージョンは広告の間接的な効果を把握するための重要な指標ですが、計測方法や設定は各媒体ごとに異なります。

ここからは、主要な広告媒体ごとのビュースルーコンバージョンの計測設定や確認方法を詳しく解説します。具体的な手順やポイントをしっかりと抑えておきましょう。

Google広告の場合

Google広告の場合

設定手順

  1. Google広告アカウントにログイン。
  2. [目標] > [コンバージョン] > [設定]を選択。
  3. 新しいコンバージョンアクションを設定し、ビュースルーコンバージョンの計測期間を設定。

確認方法

  • [キャンペーン]タブで、表示項目の設定から[ビュースルーコンバージョン数]を確認。

Yahoo!広告の場合

Yahoo!広告の場合

設定手順

  • Yahoo!広告ではデフォルトでビュースルーコンバージョンが設定されています。

確認方法

  • 管理画面の[レポート]で、表示項目から[ビュースルーコンバージョン数]を設定して確認。

Meta広告の場合

Meta広告の場合

設定手順

  1. Meta広告マネージャーにログイン。
  2. Metaピクセルを設置してコンバージョンイベントを設定。
  3. 広告セットでビュースルーコンバージョンウィンドウはデフォルトで1日が選択される。

確認方法

  • 広告マネージャー内で、[アトリビューション設定を比較]で項目を設定して確認。

X広告の場合

X広告の場合

設定手順

  1. X広告アカウントにログイン。
  2. キャンペーン設定で、ビュースルーコンバージョントラッキングを有効化。
  3. アトリビューションウィンドウをカスタマイズ(例: 1~30日間)。

確認方法

  • [キャンペーンパフォーマンス]レポートで、データのカスタマイズから[ポストビュー]という名称のコンバージョンデータを確認。

ビュースルーコンバージョン計測時の注意点

ビュースルーコンバージョンを正確に計測することは、広告効果を総合的に評価する上で重要です。しかし、その特性上、いくつか注意すべきポイントがあります。

ここでは、計測時に特に気を付けたい3つの重要なポイントを解説します。

クリックスルーコンバージョンとの重複に注意

ビュースルーコンバージョンを計測する際、クリックスルーコンバージョンとの重複に注意が必要です。特に同じユーザーが広告をクリックした後にコンバージョンに至った場合、その行動がどちらのカテゴリにカウントされるのかは媒体の設定に依存します。

一部の広告プラットフォームでは、クリックスルーコンバージョンが優先されるため、同一ユーザーの行動がビュースルーとしてカウントされないケースがあります。このため、どちらの指標も独立して分析し、重複が発生する仕組みを理解することが重要です。

例えば、あるキャンペーンでクリック数が少ないにもかかわらずビュースルーコンバージョンが多い場合、それが純粋なビュースルーなのか、クリックスルーとの重複によるものなのかを見極める必要があります。

計測期間設定の重要性

ビュースルーコンバージョンは、広告が表示されてから一定期間内に発生したコンバージョンを追跡します。この期間を「アトリビューションウィンドウ」と呼びますが、その設定が結果に大きな影響を与えます。

例えば、アトリビューションウィンドウを短期間(1~7日)に設定すると、認知目的の広告では効果が過小評価される可能性があります。一方、長期間(30日以上)に設定すると、他の広告やマーケティング施策の影響が結果に含まれ、ビュースルーコンバージョンとして過大評価されるリスクがあります。

広告の目的や商品特性に応じて適切な期間を選定することが重要です。高額商品やBtoB商材では長期間の検討が必要なため長めのウィンドウが適していますが、獲得型のキャンペーンや割引セールでは短期間の設定が有効です。

媒体ごとの定義の違いを理解する

ビュースルーコンバージョンの定義や計測条件は、広告媒体ごとに異なります。例えば、ある媒体では広告が画面の50%以上表示されることが条件とされる一方、別の媒体では表示時間も計測条件に含まれることがあります。

この違いを把握しないと、媒体間のデータを単純に比較してしまい、広告効果を誤解する可能性があります。そのため、先にご説明した通り、以下のポイントを事前に確認することが重要です。

  • 広告が「表示された」とカウントされる条件
  • アトリビューションウィンドウのデフォルト設定
  • 計測データの提供形式やタイミング

具体例として、Google広告では「50%以上の面積が1秒以上表示」とされますが、Meta広告では「広告が1%以上表示」が条件です。このような違いを理解した上で、媒体ごとの評価基準を設ける必要があります。

ビュースルーコンバージョンの効果的な活用方法

ビュースルーコンバージョンデータを活用することで、広告予算の配分やブランド認知施策、コンバージョン評価を総合的に最適化することが可能です。単なる数値の確認にとどまらず、広告戦略全体を改善するためにどのようにビュースルーコンバージョンを活用すべきかを解説します。

広告予算の最適配分

広告キャンペーンの効果を正確に評価するためには、直接的なクリック数だけでなく、クリック率が低い広告でも、ビュースルーコンバージョンが多い場合、その広告は間接的にコンバージョンを促している可能性があります。

活用ポイント

  • 予算配分の見直し
    クリックが少なくてもビュースルーコンバージョンが高い広告に予算を割くようにする。
  • 広告フォーマットの最適化
    バナー広告や動画広告など、視認効果の高い形式を優先的に活用するように改善する。
  • ROIの最大化
    ビュースルーコンバージョンを含む総合的なROI(投資対効果)を基に広告の見直し基準を設定する。

たとえば、予約型のディスプレイ広告や認知型の動画広告はクリック率が低い傾向にありますが、ビュースルーコンバージョンを分析することで、予算の適切な配分を実現できます。

認知向上やブランディング施策への応用

ビュースルーコンバージョンは、ユーザーが広告を「見た」という行動を可視化できるため、認知向上やブランディング施策にも活用できます。

活用ポイント

  • 認知効果の測定
    広告表示後に間接的なコンバージョンが増加しているかを確認。
  • ターゲティング精度の向上
    視聴接触したユーザーのオーディエンスをセグメントリスト化して再アプローチ。
  • ブランドイメージの強化
    広告接触後にユーザーのブランド認知が促進されているかを確認。

まとめ

ビュースルーコンバージョンは、デジタル広告における重要な指標であり、広告の間接的な効果を可視化することで、より包括的な広告戦略の構築を可能にします。

デジタル広告の競争が激化する現代において、ビュースルーコンバージョンを正しく活用することは、広告の成果を最大化するための重要なポイントです。D2C Rでは認知施策と獲得施策を同時並行したマーケティング施策の評価を様々なクライアントで行っておりますので、少しでもお困りの際にはこちらからお問い合わせください。

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