Data 2022.08.30

GA4(Google Analytics 4)とは?UAとの違いや設定方法を解説

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小宮山 智大

みなさん、こんにちは。
D2C R コミュニケーションデザイン部の小宮山です。

2023年7月にデータ保持終了が決定したUniversal Analytics(以降UA)。
今回は後続サービスとして活用が期待されるGoogle Analytics4(以降GA4)について解説します。
UAとGA4では計測の方法やUIなど全てが異なるため、UAを使い込んでいた方も学習に時間を要することが予想されます。

この記事では、UAとGA4の違いから設定方法・注意点までご紹介しますので、ぜひご一読ください。

この記事を読んでいる方へ

▼2024年4月の媒体アップデート情報
・Xの2024年Q3のテイクオーバー商品情報解禁
・TikTokのカルーセル広告のアップデート
・LINEのA/Bテスト機能
・LINEで一部のYahoo!オーディエンスが利用可能に
など広告担当者必見の内容になっています。

詳しく知りたい

GA4(Google Analytics 4)とは?

Google Analyticsは、Googleが提供する無料アクセス解析ツールです。
現在利用されているUAは3世代目のツールとなり、WEB解析の領域で広く利用されてきました。

今回、UAの提供が2023年7月に終了することが予告され、注目を集めているのがGA4です。
2020年に提供が開始されたWEBとアプリを統合して計測が可能となった4世目のツールとなります。
これまでの変遷を振り返ると以下です。

Google Analyticsの進化過程

GA4を導入するメリット

GA4を導入するメリットは大きく3つあります。

①WEBとアプリを統合した計測

従来は専用SDKで計測を行っていたアプリ計測をFirebaseを利用してGoogle Analyticsにまとめることで、
WEBとアプリを統合したデータとして計測することが可能となりました。
更に計測の方法では、UserID・シグナル・デバイスIDによって同一ユーザーを判別することができます。

UAとGA4のレポーティングの違い・変更点

②Googleのシグナルを使った予測機能

GA4では計測したイベントを元データとして、機械学習モデルを使った「予測指標」を利用することが可能になりました。
通常機械学習を自社で行うことは高度な知識と人的リソースを必要としますが、
これを様々なサービスで培った機械学習モデルをGA4に組み込むことでサイト運営者が簡単に利用できるようになっています。

ただし、現在利用できる予測モデルはアプリやECなどの「購入」を行うようなサイトに限られており、
「今後 7 日以内に商品購入する可能性の高いユーザー」、「今後7日以内に利用しなくなる可能性が高いユーザー」や
「売上の高い可能性のあるユーザー」といった、購入に関わる場合のみ利用できます。

GA4の予測オーディエンス

③プライバシーを考えたデータ収集

GA4は、EUをはじめとした諸外国でGDPR、CCPAといったプライバシー法を制定する中で、
計測を柔軟に変化できるようなツールへと進化していくために作られています。
今までCookieやIDに頼っていた計測を個々のサービスでのUserIDや、
前段で述べたGoogleサービスのシグナルを利用することで、プライバシーを守る時代に即した造りになっています。

また、データ収集を国ごとに無効化する機能を搭載することで、各国でのプライバシー規制に対して柔軟に対応することもできます。

UAとGA4の違い・変更点

UAとGA4には大きく4つの違いがあります。

①計測方法とデータ保持期間の違い

UAとGA4では根本的に計測する仕組みに違いがあります。
UAではページ単位で計測され、ページに対してのセッションを元にレポートや分析を行っていました。
一方で、GA4ではイベント単位での計測に代わり、ユーザー単位でどんなイベントが行われたのかという分析に代わります。

また、注意しておきたいのが、UAとGA4のデータ保持期間の違いです。
UAでは50ヵ月だった保持期間が、GA4では14ヵ月まで短縮されます。
GA4は、年比較が辛うじて行えるレベルの保持期間のため、
BigQueryとの連携による保存やローデータのダウンロードを定期的に行うことが必要になります。

変更点 GA4 UA
計測単位 イベント ページ
計測方法 ユーザー セッション
データ保持期間(初期) 2ヵ月 14ヵ月
データ保持期間(最大) 14ヵ月 50ヵ月

 

表のとおり、計測方法の変更で今まで計測していた「セッション」「ページビュー」「コンバージョン」などは
全て計測設定する必要があります。
よく利用されるイベントは、初期設定で用意されていますので名称もこの機会に覚えてしまいましょう。
その他、自身で計測したいイベントがある場合には都度設定する必要がありますので、ご注意ください。

自動設定イベント名 指標名 計測内容
page_view ページビュー数 ページビューイベントの計測(オフには出来ません)
scroll スクロール数 ページの高さ「90%」までスクロールするとスクロールイベントを計測
ページの下部表示を計測したい場合に利用
click 離脱クリック ユーザーが現在閲覧しているドメインから
別ドメインに移動するリンクをクリックした際に離脱クリックイベントを計測
view_search_results サイト内検索 サイト内で検索を行った際にサイト内検索イベントを計測
video_start
video_progress
video_complete
動画エンゲージメント ユーザーがサイトに埋め込まれた動画を視聴すると、
動画再生・進捗・完了などのイベントを計測
本機能ではYouTube動画のみが自動で取得可能
file_download ファイルのダウンロード 指定された拡張子のリンクがクリックされると
ファイルダウンロードイベントを計測

 

②計測指標の定義の違い

UAとGA4では計測方法が変わったことで、計測する指標の定義にも違いが発生しています。
その分、UAとGA4間で数値にずれが生じることは避けられません。
並走実装した際に焦らないよう、定義についてしっかり学んでおきましょう。

特に、注意すべきなのは「流入元」が変わった際の計測です。
UAでは一度ページを離脱した場合には同一セッションではなくなりますが、
GA4では初期設定で30分以内のセッションは同一セッションとみなされます。
そのため、GA4ではセッション数が目減りしたように見える可能性があります。

指標名 UA GA4 データへの影響
セッション 以下のタイミングで切れる
30分無操作
流入元の変更
日付変更時
以下のタイミングで切れる
30分無操作
UA > GA4
セッション
の長さ
最後のページ表示時間
-最初のページ表示時間
最後のイベント発生時間
-Session_Startイベント発生時間
PVよりその他イベントが多いサイトの場合、
GA4の方が長くなる可能性あり
ユーザー CookieIDのユニーク数 CookieIDのユニーク数
Googleのさまざまなシグナル(ON・OFF可)
ユーザー識別の違いにより、
誤差が出る場合が多い
離脱率 セッション内で最後に
ページビューが発生した
ページにカウント
セッション内で最後にページビューが
発生したページにカウント
セッションの定義が変わるため、
離脱率がカウントされるページが
変わる可能性あり
直帰率 セッションでのページ閲覧が
1ページで離脱した場合に
カウント
直帰率は存在せず、エンゲージメントに内包 GA4のエンゲージメント要件
・10秒以上滞在
・次のページへ遷移している
・コンバージョンイベント
ページビュー(UA)
表示回数(GA4)
ページ表示時に1回カウント ページ表示時に1回カウント 特になし

 

③画面上のUIの違い

UAとGA4ではレポートの形式が一新されており、似ているところと言えばホーム画面くらいでしょう。
その他のカスタムレポート生成画面や、ユーザー属性やコンバージョン計測のレポートは全く新しいレポートとして表示されますので、
今までUAを使いこなしていた方は再学習が必要になります。

また、GA4では新しく「探索」というレポートが用意されており、
主にユーザー分析やコンバージョン分析に用いるレポートが複数用意されています。

UAとGAのレポート画面の違い

④機械学習の活用

UAでは一部のみに提供されていた機械学習機能ですが、GA4ではGoogleがデータを自動的に解析し、
購買意欲や離脱意欲が高いユーザーをリスト化することができるようになっています。
生成されたリストをGoogle広告と連携し、配信に活かすことも可能になっています。

現在は主にEC運営者向けに提供が行われていますが、
今後単一LPやメディア運営者向けの機能開放が行われる可能性もありますので、最新情報には注意しておきましょう。

GA4に移行する理由

ここまで確認して、GA4でのアップデートが多く、導入する手間がかかりそうだと感じた方も多いのではないでしょうか。
しかし、UAを良く使っている方は必ず移行する必要があります。

Googleから2023年7月に終了することが予告されており、事業の重要なKPIをUAで計測している場合には
来年7月に突然数値を見ることができなくなってしまいます。
そのため、2022年6月にはUAと同時にGA4を並走実装することが推奨とされています。
なぜなら、昨年対比での数値を確認することができなくなってしまうからです。

もし、導入が進んでいない場合には早急にGA4の実装を進めることをお勧めいたします。

GA4の設定方法

GA4の設定方法は、現状の計測状況によって変わります。
以下の4つのパターンを確認して、自社に合った導入方法を選択することが重要です。

 パターン1:GTMを導入済みで、UA/GA4を新たに導入する方
 パターン2:GTMを導入済みで、UAを既に導入済みの方
 パターン3:タグを直接設置で、UA/GA4を新たに導入する方
 パターン4:タグを直接設置で、UAを既に導入済みの方

UAとGA4の導入フローチャート

おすすめの設定方法

今回は、D2C RではGTMでの設置を推奨しておりますので、GTMでの設置方法をご紹介します。
以下のSTEPで設置を進めてみてください。

STEP1:GA4のプロパティを作成する
STEP2:初期設定を済ませる
STEP3:GTMを設置してGA4タグを設定する
    (UAを同時に設置する方は同時に設定)
STEP4:コンバージョン設定を行う

STEP1:GA4のプロパティを作成する

管理タブのプロパティの作成を押して、サイトのURLを記載した後に、レポートのタイムゾーンを日本に変更してください。
UAを同時に導入される方は、[詳細オプションを表示]を押して
[ユニバーサル アナリティクス プロパティの作成]にチェックを押すことで同時に作成できます。

GA4のプロパティを作成する

STEP2:初期設定を済ませる

最低限設定しておきたい項目を作成時に設定しておきましょう。特に以下2点です。
・データ保持期間を2ヵ月から14ヵ月に変更
・デフォルトイベントの計測をONに変更

初期設定を済ませる

STEP3:GTMを設置してGA4タグを設定する

GTM自体をお持ちでない方は以下のヘルプを参考に設置を進めてください。(Googleヘルプ)
GTMにはあらかじめGA4のタグテンプレートが用意されています。
画像のようにGA4テンプレートを選択し、GA4上で確認できる[測定ID]を記載すれば設定完了です。
UAを同時に導入される方は、UA用のタグテンプレートも用意されていますので、
UAに続くIDを管理画面から確認して記載することで同時に計測が可能です。

GTM上でGA4タグを設定する

STEP4:コンバージョン設定を行う

GA4ではコンバージョンの設定をイベントとして設定する必要があります。
簡単なランディングページ到達などの場合には、[Page_location]などのURLの選択と[ページビュー]のイベントを
同時に選択することで特定のイベントを計測することができます。

ただし、この設定だけではコンバージョンとして計測されません。
しっかりと[コンバージョンとしてマークを付ける]を設定することを忘れないでください。計測漏れの原因になります。
ここまで設定ができたら、コンバージョンイベントの発火確認とデータが集まるのを待つのみです。

また、設置するページが複雑な作りになっていたり、
パラメータごとに計測を分けるといった高度な設定を行いたい場合には導入支援企業様にご相談いただくことをお勧めいたします。

コンバージョン設定を行う

まとめ

本記事で説明したGoogle Analytics4のポイントを以下にまとめました。

GA4(Google Analytics 4)とは?

Google Analyticsは、Googleが提供する無料アクセス解析ツールです。
2020年に提供が開始されたWEBとアプリを統合して計測が可能となった4世目のツールとなります。

>> GA4を導入するメリットはこちら

UAとGA4の違い・変更点とは?

UAとGA4には大きく4つの違いがあります。

①計測方法とデータ保持期間の違い
②計測指標の定義の違い
③画面上のUIの違い
④機械学習の活用

>> 変更点の詳細はこちら

さいごに

今回はGA4の基本的な概要や仕組みから、UAとの違いと注意点をまとめさせていただきました。
変更点が多いですが、より広告出稿における分析の自由度が上がったようにも思えます。
ぜひこの機会に基本を抑えて自社サイトの分析に活かしていただけますと幸いです。

広告のご出稿についてはこちらからご確認ください。

この記事を読んでいる方へ

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小宮山 智大

M&S本部 戦略企画室所属。新卒で総合情報メディア会社に入社後、不動産事業会社を経て、D2C Rに参画。 広告運用コンサルタントやプランナーを経験後、プロジェクト推進に従事。3匹の愛猫とリモートワーク。

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