富裕層・高所得者層向け広告とは?おすすめの媒体・オンオフ施策・ターゲティング手法を紹介
CANVAS編集部
みなさん、こんにちは。
マーケティングにおいてターゲット層を明確に理解することは非常に重要なポイントです。その中でも、特に注目を集めるのが「高所得者層」や「富裕層」と呼ばれる層です。国民の中でも多くの資産を持つ富裕層へのマーケティングが近年注目されてきています。
高所得者層や富裕層は、一般層とは異なる生活スタイルや消費傾向を持つ特別な市場となっています。この記事では、最新のデータを基に、高所得者層と富裕層の定義や分類について詳しく解説するとともに、彼らの消費行動や生活スタイルについても掘り下げていきます。
「高所得者層と富裕層の違いって?」「どのように分類されているの?」といった疑問をお持ちの方や、富裕層をターゲットとしたマーケティングを検討している方にとって、具体的なデータを交えた実践的な内容をお届けします。ぜひ最後までお付き合いください。
目次
富裕層・高所得者層の定義と分類
マーケティングや広告戦略において「富裕層」や「高所得者層」という言葉を耳にすることが多いですが、具体的にどのような基準で分類されるのか、また特徴はどういったものなのかを理解することが重要です。
ここからは、富裕層と高所得者層の違い、資産規模による分類、そして彼らの生活スタイルや消費傾向について詳しく解説していきます。
富裕層と高所得者層の違い
富裕層と高所得者層は、一見すると同義のように感じられますが、その定義や分類基準には明確な違いがあります。一般的に富裕層は「資産の保有額」、高所得者層は「年収」で分類されます。この違いを認識しているか否かで、マーケティングやターゲティング施策の方向性が大きく変わります。
ここからはそれぞれの定義について詳しく解説していきます。
富裕層
富裕層は、「保有する純金融資産が一定以上の金額に達している層」として定義されることが多いです。日本では、野村総合研究所が公表するデータによると、純金融資産が1億円以上の世帯を富裕層としています。さらに、この中でも純金融資産が5億円以上の世帯は「超富裕層」として分類されます。
富裕層は、収入が高いだけでなく、資産運用に積極的であることが特徴です。不動産や株式、投資信託など多様な資産を保有し、それらを通じてさらなる富を築いています。また、富裕層の消費行動は投資志向が強く、単なる「商品を買う」行為以上に、資産価値の向上を意識した選択を行う傾向があります。
また、高級住宅地やリゾート地、高価な娯楽や限定的なサービスを好む傾向があります。こうした特徴を踏まえたマーケティングは、単なる物販にとどまらず、資産価値や特別感を訴求する必要があると考えられます。
高所得者層
高所得者層は、一般的には「年間所得が一定水準を超える層」を指します。日本では、税法上、年間収入が約1,000万円以上の人々が高所得者層に該当するとされることが多いです。しかし、この定義は地域や時代、さらに業種によっても異なる場合があります。
高所得者層は、その高い収入により、他の所得層と比較して可処分所得が多いことが特徴です。そのため、高額商品やプレミアムサービスへの支出意欲が高い傾向があります。ただし、富裕層と異なり、必ずしも多額の資産を保有しているわけではないため、貯蓄や資産運用よりも、消費やライフスタイルに重点を置くケースが目立ちます。
高所得者層は、ライフステージや価値観によって消費傾向が異なります。例えば、若年層の高所得者層はトレンドに敏感で、最新のガジェットやファッションにお金を使う傾向があります。一方で、ミドルエイジの高所得者層は、家族のための支出や教育費、趣味に対する投資に重点を置く場合が多いです。
富裕層の資産規模による分類
一言で富裕層といっても、保有する資産規模によってさらに細分化されています。金額の大小によって生活スタイルすらも異なりますので、注意が必要です。以下は、野村総合研究所から発表されている純金資産保有額の階層別世帯数です。
以下のように、富裕層は一握りの世帯数となっていますが、富裕層・超富裕層の世帯数は2019年以降は増加傾向にあります。
超富裕層:純金融資産5億円以上(全世帯の0.2%)
富裕層:純金融資産1億円以上5億円未満(全世帯の2.6%)
準富裕層:純金融資産5,000万円以上1億円未満(全世帯の6.0%)
アッパーマス層:純金融資産3,000万円以上5,000万円未満(全世帯の13.4%)
マス層:純金融資産3,000万円未満(全世帯の77.8%)
富裕層の職業による分類
富裕層に分類される方々は、特定の職業に集中している傾向があります。以下に、代表的な職業カテゴリーを挙げ、それぞれの特徴と訴求サービス例をご紹介します。
職業分類 | 特徴 | 訴求サービス例 |
---|---|---|
経営者・企業役員 | 企業の成功により高収入を得ており、 安定した資産形成が可能 |
時間効率サービス ビジネス高級アイテム ステータスアイテム |
医師・弁護士などの専門職 | 職業上の信用が収入に直結、 高品質なサービスの利用に積極的 |
教育関連サービス リラクゼーション商品 高級ブランド |
投資家・不動産オーナー | 収入の多くが不労所得であり、 ライフスタイルの自由度が高い |
資産運用関連サービス 高級レジャーやリゾート 将来の資産継承 |
IT技術者・スタートアップ創業者 | 時間の自由度が高く、 多拠点居住のライフスタイルを好む |
スマートホームデバイス 高級サブスク 高級ガジェット |
公務員・高級官僚 | 安定した高収入と確実な年金、 退職後の資産運用に積極的 |
高級書籍や文化イベント 資産運用サービス 地域密着型の高級住宅 |
富裕層・高所得者層の生活スタイルと消費
富裕層や高所得者層は、一般的な消費者とは異なる特有のライフスタイルと消費行動を持っています。特に、消費においては「質」や「価値」が重視される傾向があるなど、違いがあります。
ここからは、生活スタイルと消費行動の特徴について詳しく解説していきます。
富裕層の生活スタイルと消費
富裕層の生活スタイルでは、日常生活においても高品質で洗練されたものを求め、居住地やライフスタイルにその価値観が反映されています。例えば、住まいは都心部の高級住宅地や、広大な敷地を持つ郊外の一戸建て、あるいは海外の別荘などを所有していることが多いです。
消費面では「投資的消費」が目立ちます。例えば、高級ブランドの時計やジュエリー、不動産への支出は、単なる物欲を満たすだけではなく、資産価値を高める目的も含まれています。また、アートやクラシックカーなどのコレクションは、趣味であると同時に資産としての側面も兼ね備えています。
高所得者層の生活スタイルと消費
高所得者層の生活スタイルは、富裕層ほどの極端さはないものの、やはり一般的な層よりも「質」を重視しています。彼らは日常的に利便性や効率性を追求する生活を送っており、住まいや移動手段、趣味などにこだわりがあります。都市部の高層マンションや便利な立地の住宅を選び、通勤やプライベートの両方で利便性を重視しています。
消費行動においては、トレンドへの敏感さが特徴的です。高所得者層は、新しいテクノロジーやサービスを早期に取り入れる傾向があります。例えば、最新のスマートデバイスやエコフレンドリーな車、高品質のフィットネス器具などへの関心が高いです。これに加えて、趣味や自己投資への支出も目立ちます。ゴルフやヨガなどの習い事、高級レストランでの食事、旅行先での特別な体験など、物だけでなく経験にもお金を使うことを好みます。
富裕層・高所得者層に共通する消費の特徴
富裕層と高所得者層に共通する特徴として、「体験価値」への投資があります。たとえば、高級ホテルやリゾート地での滞在、専属シェフによるプライベートディナー、芸術や音楽イベントへの参加などが挙げられます。物質的な満足だけでなく、心の豊かさを求める消費傾向があります。
また、環境や社会貢献を意識した消費も増えています。持続可能なブランドやサービスを選び、エコフレンドリーな選択をすることで、社会的責任を果たす姿勢を示す傾向があります。
富裕層・高所得者層向けのおすすめ広告媒体
富裕層・高所得者層に効果的にリーチするためには、適切な広告媒体を選定することが重要です。この層は一般的なターゲット層とは異なる消費行動や趣向を持つため、しっかりと届けたい層に向けたメディアを活用する必要があります。
ここでは、オンライン広告媒体とオフライン広告媒体に分けて、それぞれの特徴や具体的な実施方法について解説していきます。
オンライン広告媒体
オンライン広告は、ターゲティングの精度が高く、富裕層や高所得者層を効果的にリーチするための主要な手法です。特に、趣味嗜好や地域、年齢、収入などを細かく指定できるプラットフォームを活用することで、ターゲット層に直接アプローチできます。
ドコモ広告
ドコモ広告は、NTTドコモが提供する広告プラットフォームで、NTTドコモ回線契約者の豊富なユーザーデータを基にした精緻なターゲティングが可能です。特に、ドコモユーザーの通信データを活用することで、富裕層や高所得者層が住むエリアターゲティングや購買・決済データ等を反映した広告配信ができます。また、D2C Rでは上記のデータを利用した富裕層パッケージの販売も行っております。
\ 富裕層ターゲティングをするならドコモデータ /
Google広告
Google広告は、検索/ディスプレイ/YouTube等様々な広告出稿が可能なプラットフォームで、特定のキーワード検索や地域、行動履歴に基づいたターゲティングが可能です。また、世帯収入でのターゲティングが用意されているため、収入を富裕層・高所得者層に寄せて配信を行うことが可能です。加えて、商品やサービスにもよりますが、高品質や高級をキーワードにした広告配信も可能です。
Yahoo!広告
Yahoo!広告は、日本市場において特に強力なリーチ力を持つ広告プラットフォームです。年齢や収入に基づいたターゲティングが可能で、富裕層の地域に配信が可能な「エリアターゲティング」やGoogle広告と同様に検索データを活用した「サーチターゲティング」にも活用しているため、設定を調整することで富裕層に絞り込むことでアプローチが可能です。
Microsoft広告
Microsoft広告(旧Bing広告)は、富裕層に人気のあるPCユーザーに対して効果的な広告媒体です。特にビジネスパーソンが多く利用するプラットフォームのため、企業の役職者や高所得者層をターゲットにしたB2B広告の訴求や経営者向けの広告配信が可能です。また、LinkedInのプロフィールターゲティングが日本でローンチしたため、企業や業界単位でのターゲティングも可能になりました。
Meta広告
Meta広告はInstagramやFacebookを活用したターゲティング広告が特徴です。特に、興味関心やライフスタイルに基づいて、富裕層の嗜好に合った広告を配信できます。Meta広告ではユーザーの登録情報を基に「役員」「中小企業のオーナー」「代表取締役」などの役職や、「大手企業」「外資系企業」などの勤務先、先にお伝えした「医療従事者」のような高所得者層をターゲティングすることが可能です。また、既存顧客情報をお持ちの場合には類似ターゲティングによる富裕層へのリーチ拡大もできます。
LINE広告
LINE広告は、日本国内で最も利用者が多いメッセージアプリを活用した広告プラットフォームです。LINE広告では推定収入(収入上位51%以下/21~50%/11~20%/10%)で高所得者へセグメントすることが可能ですし、国民のほとんどが利用するツールですので漏れなく富裕層にアプローチするには欠かせない媒体です。
UNIVERSE Ads
UNIVERSE Adsは、複数のデータパートナーを提携を行っており、非常に多くの購買やWEB行動データを保有しています。企業IPアドレスや投資関連メディアデータを活用することで、富裕層をターゲティングすることが可能です。
WEB媒体
富裕層向けの専門的なWEBメディアを活用する方法も効果的です。富裕層や高所得者層が頻繁に訪れるメディアに広告を掲載することで、より信頼性の高いアプローチが可能です。
ZUU online
『ZUU online』は、富裕層や高所得者層に向けた金融・投資情報を中心に提供するWEBメディアです。株式投資、不動産運用、相続対策など、高度な専門知識を求める読者が利用しています。
Forbes Japan
『Forbes Japan』は、ビジネスリーダーや起業家に向けた情報を発信する高級志向のWEBメディアです。リーダーシップや企業の社会的責任に関する内容を重視する読者層が閲覧しています。
ナショナルジオグラフィック日本版
『ナショナルジオグラフィック日本版』は、自然科学や探検、環境問題に興味を持つ読者層に支持されるWEBメディアです。この媒体の読者は、自然保護や持続可能性に関心があり、高学歴かつ高所得者層が多いことが特徴です。
オフライン広告媒体
オフライン広告は、富裕層が日常的に接する物理的な空間やイベントを活用する方法です。オンライン広告と異なり、直接的な体験やブランド接触を通じて深い印象を与えられる点が強みです。
タクシー広告
タクシー広告は、高級住宅地やビジネス街を移動する富裕層に直接訴求できる効果的な手法です。後部座席のモニターを活用した動画広告や車内ポスターでブランドメッセージを伝えることができます。
NTTドコモグループのデジタルOOH「LIVE BOARD(ライブボード)」は、複数のタクシー広告の配信面と提携しており、同時に掲載を行うことでタクシーを利用する富裕層・高所得者層にリーチすることが可能です。
GROWTH
GROWTHは、タクシー内モニター広告を提供するサービスで、主に都市部を中心に展開されています。このサービスでは、車内に設置されたディスプレイを通じて、動画広告や静止画広告を流すことが可能です。広告配信エリアをビジネス街や高級住宅地に限定することで、富裕層や高所得層に特化した広告展開が可能です。LIVE BOARDの配信面として追加されています。
TOKYO PRIME
TOKYO PRIMEは、プレミアムなタクシー広告サービスとして、主に東京都内を中心に展開されています。このサービスは、車外広告と車内広告の両方を組み合わせ、より広範囲かつ深い影響力を持つ広告展開が可能です。LIVE BOARDとのセット商品がありますので屋外広告との組み合わせも可能です。
サイネージ広告
サイネージ広告は、都市部や商業施設、駅、空港など、富裕層や高所得者層が日常的に訪れる場所で目にすることができるデジタルディスプレイ広告です。
短時間で強い印象を残すことができるため、富裕層が好むラグジュアリー商品やサービスの広告に最適です。
LIVE BOARD
LIVE BOARDは、日本初の屋外デジタル広告プラットフォームとして、リアルタイムでターゲティング可能なサイネージ広告を展開しています。主要な都市部や交通拠点に設置されたデジタルサイネージを活用し、富裕層や高所得者層が頻繁に通るエリアに特化した広告配信が可能です。
ダイレクトメール(DM)
ダイレクトメール(DM)は、富裕層や高所得者層にパーソナルで直接的なアプローチが可能な広告手法です。特に高級感のあるデザインや限定オファーを含む内容を送ることで、ターゲットの興味を引きつけやすく、直接的な行動を促すことができます。
ドコモのダイレクトメール送付サービス
ドコモダイレクトメール送付サービスは、NTTドコモが保有する大規模なユーザーデータを活用して、ターゲットに応じたパーソナライズされたDMを送付できる広告サービスです。特に富裕層や高所得者層が多く住むエリアや特定の年齢層、関心に応じた広告配信が可能です。
送付を許可している方にしかダイレクトメールが送付されないため、ブランド棄損が無く、しっかりとターゲットとしたユーザーの自宅に届けることができます。
イベント
富裕層向けのイベントは、直接的な体験を提供する絶好の場です。高級車の展示会、ワインの試飲会、アートギャラリーのプレビューなど、彼らの興味関心に応じたイベントを出展することができれば、ブランド体験を深めることができます。
雑誌・フリーペーパー
富裕層向けの雑誌やフリーペーパーは、ブランドの世界観を伝えるために最適な広告媒体です。特定のコミュニティの信頼性の高い媒体として富裕層にリーチできます。
富裕層・高所得者層への効果的なターゲティング手法
富裕層や高所得者層をターゲットにしたマーケティングでは、ライフスタイルや消費傾向を深く理解し、的確なアプローチを行うことが重要です。媒体側でも様々なデータが用意されていましたが、ここからは具体的なターゲティングの方法について解説します。
データ分析によるターゲットとセグメント
富裕層へのプロモーションを行う上で、まずは保有するデータを基にセグメント化することが重要です。以下のようなデータを使ってセグメントを作成します。
- 購買データ:高額商品の購入履歴、利用サービスの分析
- 行動データ:オンライン行動(サイト閲覧履歴、広告クリック)、イベント参加状況
- 社会経済的データ:居住地域、職業、資産規模
これらのデータを分析し、共通する特性を持つグループをセグメントとして設定します。例えば、「資産1億円以上で高級時計を所有している男性」や「ラグジュアリーホテルを頻繁に利用する女性」など、具体的なターゲット像を描いていきます。
ペルソナ設定とカスタマージャーニーの設計
セグメント化したターゲットを基に、具体的なペルソナ(架空の顧客像)を設定します。ペルソナには、以下のような詳細な情報を設定していきます。
- 年齢、性別、職業、年収
- 趣味やライフスタイル
- 価値観や購買動機
例えば、ペルソナの一例として以下のような人物像を設定できます。
「40代男性、年収2000万円、都心在住。週末はゴルフを楽しみ、ワインにこだわりがある。車は高級外車を所有。」
その後、カスタマージャーニーを設計します。カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスに興味を持ち、購入や利用に至るまでの過程を可視化したものです。例えば、SNSで高級ゴルフ用品の広告を目にし、専用ランディングページを訪問、購入に至るなどを自社商品に対して設計します。
このように富裕層のペルソナや行動を可視化することで、オンライン/オフラインでの媒体選びや施策の設計が容易になりますので、ぜひ実施してみてください。
まとめ
富裕層・高所得者層市場は、日本の経済成長とともにその重要性を増し、企業にとって大きな可能性を秘めたターゲット層です。購買力や独自の消費傾向を正確に把握し、心理的特徴や行動パターンに寄り添った広告戦略を展開することが重要です。
富裕層・高所得者層をターゲットにしたマーケティング戦略の展開にお困りの際は、データとクリエイティブの融合に強い専門チームにご相談ください。市場を理解し、最適な広告施策を設計することで、持続可能な成功を目指しましょう。
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