【Googleデマンドジェネレーションキャンペーンとは?】配信面・運用方法・GDAとの違いを徹底解説
高倉 優
こんにちは。D2C R メディア担当の高倉です。
今回はGoogle広告におけるデマンドジェネレーション キャンペーンについてご紹介したいと思います。
2023年9月にGoogleファインド広告のアップグレードとしてデマンドジェネレーション キャンペーンの提供が開始されました。
デマンドジェネレーション キャンペーンでどんなユーザーへリーチできるのか、
ファインド広告やGDA(Google Display Ads)との違い等、今後の導入のきっかけになればと思いご紹介させていただきます。
目次
デマンドジェネレーション キャンペーンとは
はじめに、デマンドジェネレーション キャンペーンについて簡単にご紹介したいと思います。
デマンドジェネレーション キャンペーンとは、YouTubeショート・インフィード・インストリームのYouTube面や、Discover面、Gmail面の、Googleが提供するサービスに広告配信ができ、30億人を超えるユーザーにリーチできるメニューになります。
配信面は上記の3つの面に限定されますが、ファインド広告同様にGoogleのサービスのみに配信されるため
ブランドセーフティの観点では信頼できるメニューとなっております。
下記より5つの配信面について説明致します。
Discover
DiscoverとはGoogleアプリやブラウザのGoogle検索窓の下に表示されるフィードを指します。
このフィード面はユーザーの検索履歴等の利用情報をもとにユーザーが興味関心を示しそうな情報を
Googleが判別し表示してくれます。
このDiscoverフィードに広告を表示できるのがデマンドジェネレーション キャンペーンの特徴の1つです。
以前はAndroidのみローンチされていましたが2020年7月よりiOSでも配信可能となりました。
Gmail
Gmailにおいては受信メールの一番上に表示されます。
この配信面においてはGDAでも表示されます。
YouTube インフィード
フィードでは動画の視聴履歴や検索履歴等からユーザーに適したオススメの動画をGoogleが判別し表示しております。
(現在はYouTubeアプリのみ表示対応)
ユーザーへのオススメの動画に馴染んで広告を表示できることが本フィード面の特徴の1つになります。
YouTube インストリーム
YouTubeでの動画の再生前後または再生中に動画コンテンツを表示するときに配信されます。
スキップ可能なインストリーム広告とスキップ不可のインストリーム広告の2種類があり、
前者では再生開始から5秒が経過するとユーザーは広告をスキップできるようになります。
YouTubeショート
YouTubeのショート動画の投稿の合間に配信されるインフィード形式の短い縦型動画機能で、
モバイルアプリで視聴できます。
ファインド広告との違い
ファインド広告との違いは以下になります。
デマンドジェネレーション キャンペーンでは新しい機能が追加され、リーチできる広告枠や広告フォーマットが増えています。
ファインド広告 | デマンド ジェネレーション キャンペーンでの追加項目 | |
配信先 | ・Gmail ・Google検索 ・Discover ・YouTubeホーム |
・YouTubeインストリーム ・YouTubeショート |
クリエイティブ | ・画像 ・商品フィード |
・動画 ・プレビュー機能のアップデート ・ABテスト機能 |
入札タイプ | ・コンバージョン数の最大化 ・目標コンバージョン単価 ・目標広告費用対効果 |
・クリック数の最大化 |
レポート 計測 |
・通常レポート ・アセットレポート ・ユニークリーチ ・データドリブンアトリビュージョン |
・ブランドリフト ・コンバージョン経路レポート ・コンバージョンリフト |
オーディエンス | ・Googleオーディエンス ・最適化されたターゲティング |
・類似セグメント ・デバイスターゲティング |
GDA(Google Display Ads)との違い
ここからは、類似メニューであるGDAとの違いについてご説明いたします。
ターゲティングの違い
先ほどご説明した配信面の違いの他に、GDAと大きく異なる点としてターゲティングの違いがあります。
下記はGDAとデマンドジェネレーション キャンペーンでできるターゲティングをまとめた表になります。
配信面が先ほど説明したGoogle独自の3つのフィード面に絞られているため、
プレースメントターゲティングなどのサイトを指定した配信機能は使用できません。
ただし、カスタムアフィニティ等を駆使した興味関心/購買意欲の高いユーザーへのターゲティングは
GDA同様使用でき、Discover/YouTube/Gmail面というGoogle独自のプラットフォーム上で
ターゲティングを行えることがデマンドジェネレーション キャンペーンの特徴になります。
カスタムセグメントの定義も異なる
また、カスタムセグメントの定義についてもGDAとデマンドジェネレーション キャンペーンでは異なります。
GDAではキーワードやURLを活用しGoogle側で購買意欲の高いオーディエンスへターゲティングを行いますが、
デマンドジェネレーション キャンペーンでは実際にユーザーが検索で使用した語句基準でターゲティングをします。
つまり実際のユーザーの検索行動ベースで人をターゲティングできるため、
確度が高いユーザーへリーチできることが最大の強みになります。
YouTubeの視聴者リマーケティング
現在GDAではできないYouTubeの視聴者リマーケティングも
デマンドジェネレーション キャンペーンでは可能となっております。
この機能により、動画広告を視聴したユーザーをターゲティングした広告配信が可能になり
コンバージョン獲得効率が改善される可能性があります。
デマンドジェネレーション キャンペーンのメリット
上記までの説明でデマンドジェネレーション キャンペーンの基本的な特徴とGDAの違いについてご紹介しましたが、
次にメリット/デメリットをご紹介させていただきます。
まずはメリットを4つご紹介致します。
ターゲティングの精度が高い
Googleアカウントへログインしているユーザーの行動情報(検索履歴やサイトの閲覧情報)を活用し広告配信を行います。
昨今Cookie規制の流れがありますがGoogle独自のデータを活用するためCookie規制の影響を受けません。
よって、Googleプラットフォーム上のデータを活用しターゲティングできるため、ユーザーのプライバシー保護の規制が強くなる中で精度の高い配信を行えます。
類似セグメント
デマンドジェネレーション キャンペーンでは類似セグメントの使用が可能になりました。
類似セグメントでは既存顧客リスト(※モバイルデバイスIDを除く)や広告主のウェブサイトやアプリでのアクティビティ、YouTubeコンテンツのエンゲージメントなど、
自社の顧客データからなる「基となるリスト」の情報をもとに、似た特徴をもつ他の見込みユーザーを発掘します。
類似セグメントには以下のリーチオプションがあります。
・類似性の高いユーザーに限定:配信対象ユーザーを2.5%に絞り、最も類似するユーザーにリーチします
・バランス重視(デフォルト):配信対象ユーザーを5%に絞り、リーチと類似性の最適なバランスを目指します
・幅広いユーザーにリーチ:配信対象ユーザーを10%に絞り、類似度の低いユーザーも含めリーチを最大にします
データを基にした類似セグメントへの配信で、成果を見込めるユーザーへの効率よいリーチを広げることができます。
カスタムセグメント
上記GDAとの差異で説明した通りデマンドジェネレーション キャンペーンは
検索行動ベースで人をターゲティングできるため、確度が高いユーザーへリーチできることが最大の強みになります。
もし検索キャンペーンを既に配信している場合は、
検索キャンペーンでコンバージョン数が多いキーワード上位20~30位を目安にリストを作成、
検索キャンペーンを動かしていない場合はキーワードプランナーを使いリストを作成することをお勧めします。
カルーセル広告を活用した視覚的訴求
デマンドジェネレーション キャンペーンでは通常のイメージ広告(画像1枚+広告文)形式だけではなく、
配信面に合わせ自然に溶け込むカルーセル広告を使用できることが
デマンドジェネレーション キャンペーンの強みの1つです。
複数画像を見せることでストーリー性を持たせ、より視覚的訴求を行えます。
デマンドジェネレーション キャンペーンのデメリット
メリットの多いデマンドジェネレーション キャンペーンですがデメリットもあるので下記3点ご紹介いたします。
配信面の指定不可
特定の配信面を指定することは不可となります。
Googleサービスを利用するユーザーに広くリーチできるメニューとなります。
キャンペーンで設定できる調整レバーに制限
デマンドジェネレーション キャンペーンはGoogle側の機械学習に重きを置いているため、
予算や入札単価の設定等必要最小限の設定で配信できる一方、
キャンペーン上で設定できる項目は少なくなっています。主に下記は設定不可です。
・個別単価設定を使った入札戦略
・プレースメント ターゲティング(プレースメントの除外を含む)
・フリークエンシー キャップ
・広告のローテーション
・コンテンツ ターゲット
審査基準
デマンドジェネレーション キャンペーンはユーザー体験を大切にするため、審査基準が高い傾向にあります。
不快なものや挑発的なもの、クリックを促すような画像は低品質なクリエイティブとみなされるため
Google公式のガイドラインを確認しましょう。
▼参考:クリエイティブのガイドライン
https://support.google.com/adspolicy/answer/9311119?hl=ja&ref_topic=9177153&visit_id=638162067849200115-710580019&rd=1
▼参考:広告アセットの入稿規定、推奨仕様
https://support.google.com/google-ads/answer/12563349?hl=ja
デマンドジェネレーション キャンペーンの導入事例
デマンドジェネレーション キャンペーンの特徴やGDAとの差異、
メリット/デメリットをご紹介してきましたが実際にどのように導入していくべきか参考例をご紹介させていただきます。
①GDAのリマーケティング予算をデマンドジェネレーション キャンペーンへ分配する
現在GDAでリマーケティングを行っている場合、
まずはGDAと並行してデマンドジェネレーション キャンペーンでもリマーケティングを実施することをおススメします。
GDAとデマンドジェネレーション キャンペーンでは基本的には配信面が異なるため、 配信面の違いで検証を行います。
②デマンドジェネレーション キャンペーンのカスタムセグメントを活用し、リーチするユーザーの拡大を行う
リマーケティングによる検証後、効果が合ってきたら次にカスタムセグメントも導入しましょう。
Googleの検索動向ベースでターゲティングを行うことで
GDAやデマンドジェネレーション キャンペーンのリマーケティングだけでは
リーチできないユーザーへ積極的にターゲティングを実施しましょう。
上記ステップはあくまで例ですが、
リマーケティングだけではデマンドジェネレーション キャンペーンの特性を最大限に活かせてはいないので
可能であれば早めにカスタムセグメントでのターゲティングを導入することをおススメします。
また、GDAとは異なりコントロールレバーは少ないため、
キャンペーンの自動最適化の推移をモニタリングしていく必要があります。
配信から2~3週間経過後の効果を見て効果検証を行い、
デマンドジェネレーション キャンペーンを継続するか判断していただければと思います。
課金形態
課金発生タイミングは下記表の通りです
配信面 | 課金タイミング |
Discover | イメージ広告:ウェブサイトへの遷移 動画広告:エンゲージビュー |
YouTube | イメージ広告:ウェブサイトへの遷移 動画広告:インプレッション |
Gmail | 最初のクリック |
注意点としてGmailはサイト遷移までにクリックが2回あります。
1回目のクリック⇒メールが展開される
2回目のクリック⇒展開されたメール内でクリックしウェブサイトへ遷移
Gmailは1回目のクリックで課金が発生するので、YouTubeやDiscoverとは異なることも認識いただければと思います。
また、Discoverの動画広告のエンゲージ ビューの定義は
動画が5 秒以上視聴された後にクリックして再生、
またはリンクがクリックされた場合にエンゲージ ビューとしてみなされます。
まとめ
GDAと異なる配信面やターゲティングができる点や昨今のCookie規制の流れを考慮すると
デマンドジェネレーション キャンペーンは今後デジタル広告市場において重要度が高くなると思います。
ぜひ積極的に導入されてみてはいかがでしょうか!
以上、デマンドジェネレーション キャンペーンの紹介になりました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
メディアデザイン本部PFS部所属。2社目でWeb広告業界へ。約6年間アプリ案件の広告運用に携わった後2024年にD2C Rへ入社。趣味はサッカー観戦です。