人間観察のすすめ
早崎 侑也
特にこんな人におすすめ!な記事です
・ユーザー分析が苦手…
・普段何気なくユーザー分析をしているけど、これでいいのかな…
・そもそもユーザー分析についてあまり考えたことなかった…
という方はぜひ読んでみてください。
こんにちは。ストラテジックプランナーの早﨑です。
初投稿なので、簡単に自己紹介を。
大阪出身で、太陽の塔の近くで育ちました。
新卒のときはクリエイティブ担当として、コスメ企業のマーケティング支援(獲得領域)に従事。
D2C Rに転職した後、マーケティング戦略の策定を担当しています。
趣味は銭湯です。赤ちゃんのときは泣いていてもお風呂に入れたら笑顔になったくらい、生粋の風呂好きです。
…さて本題に行きましょう。
テーマ:普段どうやってユーザー分析していますか?
マーケティングに関わる人なら、誰しもが必要なスキル、
「ユーザー分析」
マーケティングに関わる上で、必要なスキルはたくさんありますが、
個人的に最も会得が難しいスキルなんじゃないかと思っています。
(インサイト発見のテンプレートなんて存在せず、どんな著書を読んでもユーザーを地道に観察しろ!という根性論ばかり)
確立された方法が無い故に、マーケターとしての色が最も出るポイントだと思っています。
僕は新卒からマーケティングに関わっていますが、そんなユーザー分析が大っ嫌いでした。
商品を使っている人の気持ちがわからなかったし、理解する努力もしていなかった。
ただ紆余曲折あり、今ではプライベートでも人間観察をするほど、人を分析するのが好きになりました。
そこで今回は、元々ユーザー分析アレルギーだった人間がおすすめする分析方法をご紹介できればと思います。
もちろん正解はないので、1つの例として参考になれば嬉しいです。
ユーザー分析が嫌いな人にまずやってほしいこと
まず過去の僕みたいに「ユーザー分析が嫌いです…」という言う人へ。
結論を言うと、自分を観察してみることから始めてみませんか?です。
でたよ、就活みたいなこと言うじゃん…
と自分でも思いました。笑
もうちょっと頑張って読んでください…
というのも、いきなりユーザー分析を好きになろう!なんてハードルが高いと思っています。
なので、まずは人を分析する思考プロセスを身につけましょう!という提案です。
ちなみに、僕はこんな順序で分析力を習得してきました。
自分観察ってみんな自然と行っていると思うんですよね。
それをまずは意識的に且つ、効率よく行ってみることをおススメします。
どんな方法で?
僕の場合は、頭によぎった言葉・感情を全て言語化することから始めました。
社会人1年目って、とにかく色々悩む時期と思っていて
「本当にこの仕事で良かったのかな…」
「将来、自分は何をしていたら幸せなんだろう…」
とか、考えたことないでしょうか?
当時の自分は仕事も上手くいかないし、モヤモヤするけど何に不満を感じているかもわからない…
そんなとき、思ったこと全てノートに書き出してみることにしました。(STEP1)
(当時のノート)
感じたこと、行動したこと、頭によぎったことを何でも全て言語化する。
それだけの作業ですが、今まで気づけていなかった自分の感情や価値観(目を背けていた部分)を発見できるようになったんです。
そうしたら、次はどうしてその感情が湧いたのかをひたすら深掘りし続ける。(STEP2)
あとは、この分析対象を自分→他人へと移していくだけ。
まずは自分を利用して、観察・分析する態勢を身につけることをおすすめします。
観察するときに着目してほしいこと
「無意識化で行われる言動」に着目してみてください。
・会話の中で反射的に出た一言
・咄嗟に取った行動
こういった言動にこそ、人の価値観が現れやすいからです。
今度は他人の観察(STEP3)→分析(STEP4)を例として出しますね。
①同僚Aさんとのやり取り
ある時、僕から同僚に質問しました。
早﨑:「お疲れ様~、〇〇の提出っていつまでだったか覚えてる?」
A :「あ、たしか再来週の会議までだったと思う!ちょっと待ってね。」(←調べてくれてる)
A :「うん、やっぱり合ってる!」
早﨑:「わざわざありがとう!助かる><」
A :「ううん、こちらこそありがとう!」(←なぜ??)
質問した僕はお礼を言います。(これは当たり前)
すると、相手から「こちらこそありがとう」と返事が来ました。
いや、なんで?言う必要なくない?(STEP3)
言葉を発した背景にある心理が気になったので、思わず理由を聞いてしまいました。
すると返ってきた答えが
「いや、頼って聞いてくれて嬉しかったから!」
あ、なるほど~と思うと同時に、自分観察だけでは決して出てこない感情だなと。笑
でも、どうしてAさんはこの感情が浮かんだのでしょうか。(STEP4)
諸説ありますが、人間の価値観が決まるのは10歳前後と言われています。
故に、親の教育方針・小学校までの出来事が大きく影響及ぼしているケースがほとんどです。
Aさんに幼少期の話を聞いてみると、
「私、親から褒められたことがほとんどないの。テストで点数良くても、興味示してくれなかったな。
けど学校の先生や友人からは褒められることが多くて嬉しかった!」
Aさんの場合は、学校で承認してくれる人と出会い、
それまで満たされなかった承認欲求が刺激されてもっと渇望するするようになったのかもしれません。
良い悪いではなく、これがAさんの価値観なんだな~ということです。
ここまで分析できれば、Aさんが発した言葉の意味も自ずと納得できますよね。
②友人Bさんとの会話
あるとき、学生時代の話をしていました。
早﨑:「学生時代、勉強得意やった?」
B :「あんまりなんよね、自分でも不思議。」(←自意識タイプw)
早﨑:「確かに意外やな。」(←とりあえず合わせるタイプw)
B :「でも数学の確率はめっちゃ得意やってん」
早﨑:「そうなんや、確率とか懐かしいな~」
B :「旧帝大に受かった人らでも聞いてくるくらいやって、それくらい確率はできた。」
早﨑:「確率への自信すごいな(笑) 俺は数学苦手やったからすごいわ。」
B :「まあでも確率だけやからな~。」
「旧帝大に受かった人らでも聞いてくる」という言葉に引っかかりました。(STEP3)
些細な言葉のチョイスではありますが、あえて付け足されたように感じたからです。
その一言を付け加えた背景にある心理はなにか?(STEP4)
過去の話を深掘りしていると、出てくるのは強烈な言葉ばかり。
「部活動でずっとレギュラーだったのに、ある時ライバルに負けてベンチ要因になったことが人生最大の屈辱」
「学生時代、何もせず遊んでばかりのやつを心底見下していたわ」
総じて、他者より優れている・いないという視点で自分を評価しているように映りました。
「そういえば親から、あの子は勉強ができてすごいよね~とか言われてたな」
「あとテストの点数悪かったら、泣くまで怒られてたりもした」
そもそも他人と比較するようになったのは、親の厳しい教育が影響しているかもしれませんね。
「旧帝大に受かった人らでも聞いてくる」という言葉を紐解いていくと、Bさんの価値観が少しだけわかった気がしました。
いざ、ユーザー分析
STEP1~4を日常的に繰り返すことで、人間の感情を分析をする癖がついてきます。
じゃあ肝心なのは、その癖をしっかりユーザー分析に活かすということですね。
これも人それぞれですが、僕はバナー広告をクリックするユーザーの心理分析に活きました。
ある時「ユーザーはバナーをクリックする瞬間どんな気持ちなんだろうか?」と迷走状態に陥ってしまい…
・いつも通り、自分がどんな広告(ニュースでも可)をクリックしたのか?を観察(STEP1)
・どうしてクリックしたくなったのかを深掘り(STEP2)
・電車で隣に座っている人の携帯を覗き見(STEP3)※良い子はマネしないように
・その人になぜその広告をクリックしたのか聞きたい。(STEP4)※願望
などのプロセスを踏むことで、自分なりの解を見つけて迷走状態から脱することができました。
ちなみにユーザー分析のスキルは、仕事以外でも高めることができます。
たとえば、「マッチングアプリ」
「マッチングアプリ」ってWeb広告運用(コスメ)と構造がとても似ていると思っていて。
・たくさんのアイコン写真が並ぶ中から、どうして自分をクリックしたくなるのか。(CTR)
・どうしてプロフィールを最後まで読みたくなるか。(読了率)
・どうしていいねを押したくなるか。(CVR)……
例えばCTRが課題なら、アイコンをブラッシュアップする必要があるが、単に盛れているアイコンを使えばいいのか?
そもそもクリックしたくなる理由は「顔が好みだから」という理由だけなのか?
顔が好みじゃなくても、クリックしたくなるときってどんな感情を抱いたときなのか?
などなど、アホみたいなことを大真面目に考えています。笑(PDCAを回した結果、同年代いいね数で上位0.01%になりました)
余談にはなりましたが、ユーザー分析を極めていくと実はこんなメリットも生まれます。
おわり
楽しんでもらえたでしょうか。
冒頭にも書きましたが、ユーザー分析の方法は100人いれば100通りあります。
正解がない分、分析をどこまで行うかもその人の自由です。
ただ僕のようにユーザー分析が苦手だっていう人は、まず自分を実験台にしてみると興味が湧きやすいのでおすすめですよ。
特に「無意識化に行う言動」は価値観が現れやすいので、ぜひ観察してみてください!
色んな思考プロセスを知って、自分なりの分析を確立していきたいですね!
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1時間は歩けるくらい散歩が好き。 1時間は浸かれるくらい銭湯が好き。 仕事も頑張ります。