ブロード配信とは?メリットとデメリットや配信のポイント、Meta広告での活用法を解説
るぼっと
みなさん、こんにちは。
マーケティングに関する情報を発信しています。D2C Rのるぼっとです。
本日取り上げたのは「ブロード配信」です。上司から配信はブロードでお願い!と言われたけど、ブロードって何だろう…。
そんなあなたに、この記事をみればブロード配信の基本的な説明やメリット・デメリット、配信する時のポイント、オススメなMeta広告での活用方法について理解できます。
ブロード配信の何が良いのかを理解して、広告配信に活かしてみてください。
あなたのビジネスが「もっと成長しますように!」
目次
ブロード配信とは?
ブロード配信とは、特に細かなターゲット設定を行わずに、広範囲のオーディエンスにリーチする配信手法です。この手法は、Meta広告(旧Facebook広告)やGoogle広告などの大規模プラットフォームで利用されることが多いです。
ブロード配信の特徴は、特定の興味や行動パターンに基づく狭いターゲティングではなく、広いオーディエンスへの露出を最大化できることです。広告露出を最大化することで、プロダクトやサービスに新しい顧客を開拓して、これまでに届かなかったブランド認知を高める機会や顧客獲得のチャンスを増やすことができます。
近年では、広告媒体の機械学習精度も非常に高くなっているため、従来のリストや興味関心ターゲティングよりも配信効果が高い事例も増えてきています。
しかし、ブロード配信にはメリットとデメリットもありますので、適切な商材や運用が必要になってきます。たとえば、リーチは最大化できるものの、コンバージョン率やクリック率が影響を受ける可能性があります。
この後、ブロード配信のメリットとデメリットを具体的に掘り下げていきます。
ブロード配信のメリットとデメリット
ブロード配信のメリット
まずは、ブロード配信について説明していきます。
リーチを最大化できる
ブロード配信の最大の利点は、その広範囲なリーチ力にあります。ターゲットを絞らず、もしくは最低限のターゲティングで広告を配信することで、これまでに届くことのなかったオーディエンスにアプローチすることが可能です。
より広いユーザーに広告を届けることで、未知の顧客層に対してもブランド認知を上げたり、意外な顧客層からの関心や利用を引き出すことができます。特に、新しい市場を開拓したい場合やブランド認知度を高めたい場合に、ブロード配信は非常に有効な戦略といえます。
クリック単価(CPC)が安い
ブロード配信のもう一つのメリットは、ターゲティングを絞って配信した時と比べて、相対的にクリック単価(CPC)が低くなることです。ターゲットを広範囲にして配信することで、広告の入札競争が少なく、CPCが下がる傾向にあります。
特に広告予算が限られている中小企業やスタートアップ企業にとって、費用対効果の高い広告戦略になります。低いCPCで広範囲にリーチできるため、広告予算を有効に活用することができます。記事の後半ではブロード配信が有効に働くポイントも解説していますので、ご覧ください。
配信設計が簡単
ブロード配信は配信設計が比較的簡単という利点もあります。詳細な分析やターゲティングが不要なので、配信前の細かな広告キャンペーンの設計やデータの整理などに時間がかかりません。基本的な設定のみですぐに配信が開始できます。
そのため、市場の動向に素早く対応し、新しいキャンペーンを迅速に開始することができます。特に広くたくさんの施策を行うマーケティングチームにとっては、効率的で時間を節約できるアプローチともいえます。
ブロード配信のデメリット
次に、ブロード配信のデメリットについて説明していきます。
コンバージョン率(CVR)が低くなる
ブロード配信は広範囲のオーディエンスにリーチするために、特定のニーズや関心を持つユーザーに対する効果が薄れることがあります。その結果として、コンバージョン率(CVR)が低下する可能性があります。
あらゆるターゲットに広く配信されるので、関連性の低いユーザーに表示されることも多く、直接的に購入や問い合わせに繋がらない可能性があります。ただし、前段のメリットで述べたCPCの抑制とトレードオフの関係にあります。CVRの低下よりもCPCの抑制が大きい場合には、結果としてCPAが改善するので有効な施策となります。そのため、結果の数値をよく比較して微調整を行う必要があります。
クリック率(CTR)が低くなる
ブロード配信のもう一つのデメリットは、クリック率(CTR)の低下です。ターゲットが広範囲であるため、広告の内容が配信しているユーザーにとって関連性が薄い場合が多くなります。
結果として、広告へのクリック数が少なくなり、全体のクリック率が下がる傾向にあります。この問題を解決する方法として、クリエイティブを特定のターゲットに絞らずに作成したり、ターゲティングのパターン分けするなど、配信されたユーザーにとって関連性の高いものにする努力が必要になってきます。
ブロード配信を行う上でのポイント
ここまでメリットとデメリットをご説明しましたが、ブロード配信には合う商材と合わない商材、配信上で気を付けるべきポイントがあるので、1つ1つ解説します。
toC商材の製品やサービスであること
ブロード配信が特に効果的なのは、一般消費者向け(toC)の商材です。これは、toC商材が幅広い人々の日常生活や個人的な興味・欲求に直接関連しているため、広範囲のオーディエンスにアプローチしても関連性が高く出やすいからです。
例えば、ファッション、美容、ライフスタイル関連の製品やサービスは、多様な顧客層に共鳴しやすい傾向にあります。したがって、ブロード配信を用いる際は、toC商材がどのように多様な消費者ニーズや悩みに応えるものなのかを考慮することが大切です。また、逆にtoB商材では対象者やニーズが限られるために、ブロード配信で関連性が生まれづらいので要注意です。
ターゲットユーザーが多いこと
ブロード配信を成功させるには、ターゲットユーザーの層が広いことが重要です。商品やサービスが広範囲のユーザーに響く可能性が高いほど、ブロード配信の効果は良くなっていきます。
例えば、日常生活に密接に関連する商品や、年齢や性別を問わず幅広い層に受け入れられるサービスは、ブロード配信に適しています。このような商材では、たくさんのユーザーが関心を持つ可能性があるので、広範囲にわたって配信することができます。
クリエイティブを網羅していること
ブロード配信では、クリエイティブの内容が特に重要です。幅広いユーザーに対応するためには、多種多様なクリエイティブが必要です。一つの広告で全てのオーディエンスに訴求するのではなく、ブロード配信であってもターゲットのデモグラや悩みについて、それぞれ異なるメッセージやビジュアルを作ることが大切です。
例えば、年齢層や興味に応じて異なるイメージやキャッチコピーを使うことで、より多くのユーザーに訴求することが可能です。
コンバージョンポイントが深くないこと
ブロード配信では、コンバージョンポイントが深くないことが重要です。ユーザーが商品やサービスに関心を持ってから最終的なアクション(購入や登録など)に至るまでのプロセスが短いほうが、関心度が高くても低くてもアクセスしやすく、実際のコンバージョンに繋がりやすい傾向があります。
フォームが何種類も用意されていたり、本人確認に書類提出が必要だったり、複雑で最終コンバージョンまでいろんな手順が必要とする商材は、ブロード配信での効果が限られる可能性があります。
Meta広告でのブロード配信がオススメな理由
特にブロード配信が広く使われているのは、Meta広告です。その理由について3つ解説します。
参照:https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/
リーチ範囲が広い
Meta(旧称Facebook)広告は、FacebookやInstagramなどのプラットフォームがあるため、リーチ範囲が非常に広いことが大きな強みです。世界中に数十億のアクティブユーザーを抱えるこのプラットフォームは、確定データを利用した年齢、興味、地域などの広範囲なオーディエンスにリーチすることができます。
全年齢層でいつも利用されているSNSがあるので、ブロード配信の効果を大いに発揮できます。特定のニッチな市場に限定されることなく、たくさんのユーザーへ効果的にアプローチできるため、新しい顧客層の開拓やブランド認知度の向上に繋がります。
機械学習の精度が高い
Meta広告のもう一つの特長は、高度な機械学習とアルゴリズムによるターゲティング精度の高さです。Meta広告では、ユーザーの行動パターン、興味関心、以前の広告反応などのデータを基に、最も適切なオーディエンスに広告を配信していきます。
ブロード配信においても、この高度な機械学習アルゴリズムは、広告の関連性を高め、効率的にリーチが進みます。コンバージョンが溜まれば、ブロード配信から始めたとしても、しっかりとコンバージョンに近いユーザーに最適化されていくので、無駄なく配信が行えます。
ASCなどブロード配信メニューがある
Meta広告は、機械学習に力を入れており、ブロード配信を含めて多様なメニューと機能を搭載しています。例えば、advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)などの機能は、性別以外の設定がなく、Meta広告内のほぼすべてのオーディエンスにリーチすることを可能です。
これらの機能は、広告の作成と最適化を自動化し、効果的なブロード配信をおこないます。複雑なターゲティング設定に時間を費やすことなく、より広いオーディエンスへのアクセスを最大化することができる魅力的な機能です。
Meta広告のブロード配信で成果を出すためのポイント
Meta広告でしっかりと成果を出すために必要なポイントをまとめたので、こちらも参考にしてみてください。
十分な予算設定を行う
ブロード配信の成功には、十分な広告予算の確保が不可欠です。特にMeta広告においては、広範囲に渡るオーディエンスへのリーチを最大化するためには、適切な予算設定が必要です。
予算が少なすぎると、広告の露出が不十分になり、潜在的なリーチやコンバージョンの機会を逃す可能性があります。したがって、ブロード配信では目標達成に必要な広告露出を確保するための適切な予算を割り当てることが重要です。
コンバージョン計測を確実に設定する
効果的なブロード配信キャンペーンの運用には、コンバージョン計測の精度が不可欠です。Meta広告では、ピクセルやコンバージョンAPIなどのツールを使用して、ユーザーの行動やコンバージョンを正確に追跡します。
これにより、広告のパフォーマンスを正確に評価し、ROIを最大化するためのデータ駆動型の意思決定が可能になります。正確な計測は、広告戦略の最適化と予算配分の効率化に直結します。
ターゲティングは除外だけ行う
ブロード配信では、ターゲティングは主に除外を中心に行います。不適切なオーディエンスを効果的に除外することにより、広告の関連性を高め、無駄な広告費の支出を防ぎます。
例えば、特定の地域や年齢層、興味関心が自社の製品やサービスと無関係である場合、これらのセグメントを意識的に除外することが重要です。これにより、ブロード配信の効率と効果を向上させることができます。
クリエイティブはターゲットに向けて作る
ブロード配信では、多様なオーディエンスにアプローチするために、クリエイティブの設計が重要です。メッセージやビジュアルは、幅広いオーディエンスに共感を呼び起こすように工夫する必要があります。
これには、異なるユーザーグループに適したクリエイティブのバリエーションを用意することが効果的です。これにより、広告の共感性と関連性を高め、より多くのユーザーへのリーチを実現できます。
結果をすぐに判断しない
ブロード配信においては、広告キャンペーンの成果を即座に判断しないことが肝心です。Meta広告の場合、特にキャンペーンの初期段階では、アルゴリズムが最適化を行うために一定の時間が必要です。
そのため、短期間のデータに基づいて即座に結果を判断するのではなく、適切な期間を経て効果を評価することが重要です。長期的な視点でキャンペーンを評価し、必要に応じて戦略を調整します。
ブロード配信の事例
D2C Rでは様々なプロダクトやサービスのプロモーションをサポートしております。
Meta広告でブロード配信を行ったことで改善した事例をご紹介します。
化粧品商材の事例
ターゲティング | 配信金額 | CPC | CTR | CPM | CVR | CPA |
類似ターゲティング | ¥500,000 | ¥430 | 0.23% | ¥989 | 1.40% | ¥36,000 |
ブロード | ¥1,000,000 | ¥250 | 0.17% | ¥425 | 1.12% | ¥28,000 |
旅行商材の事例
CPMとCPCが抑制され、露出を増やすことに繋がりました。
ターゲティング | 配信金額 | CPC | CTR | CPM | CVR | CPA |
類似ターゲティング | ¥800,000 | ¥100 | 1.65% | ¥1,650 | 48% | ¥550 |
ブロード | ¥2,500,000 | ¥76 | 0.86% | ¥652 | 29% | ¥630 |
さいごに
この記事では、ブロード配信の基本的な説明とメリット・デメリット、ブロード配信でのポイント、Meta広告での効果的な活用方法まで、幅広く解説しました。ブロード配信を適切に実施すれば、ブランド認知度の向上や新規顧客層の獲得、そして最終的なビジネス成長に繋がります。
最大限の成果を出すためには、ブロード配信と従来のターゲティングのバランスを考慮して、多様なユーザーへ配信を行うことが重要です。
D2C Rでは、デジタル広告を中心にプロモーション領域のサポートを増やしています。もし、広告配信でお困り際にはプランニングからクリエイティブまで一貫してサポートが可能ですので、ぜひお問い合わせください。
D2C Rの有志で作られたロボット「るぼっとくん」。業務や広告媒体のことを日々学習しています。業界的にHOTな話題やマーケターに役立つ情報をCANVASで発信していきます!将来の夢は、色々な人と『ともに成長をつくる。』こと。