Facebook社による勉強会で『Big Catch』というフレームワークを活用してみた
清家 隆弘
こんにちは!P&D本部ディレクション部の清家(せいけ)です。
今日はFacebook社に『BigCatch』というフレームワークを活用したワークショップ型の勉強会を実施して頂きました!
今回の勉強会はよくある受け身型のものとは異なり、ワークショップ型のコンテンツが入るため、とてもおもしろい企画となりました。
▼勉強会のアジェンダ
・アイスブレイク
・講師による「Big Catch」の解説
・Q&A
・チームに分かれてのワークショップ ※実際のCR作成
・各チームの発表&フィードバック
・勉強会のまとめ
目次
Big Catchとは
Facebookはゲーム業界の広告主と協力し、「BigCatch」という広告クリエイティブフレームワークを確立しました。
これはFacebookにおいてのパフォーマンスを最大化するために、
ユーザーのモチベーションの見極め、ベストプラクティスに基づく広告クリエイティブの制作、テストの実施、結果の分析、そしてクリエイティブの調整に関する重要なステップについて解説されています。
ユーザーの動機をベースとするさまざまな広告をテストすることで、新規ユーザーを獲得するための「池」を広げられることがわかったのです。この手法は、すべてのテストで多様なユーザーのコンバージョン獲得に有効だっただけでなく、より価値の高いユーザーの獲得・コンバージョンにもつながりました
またBig Catchデジタル広告クリエイティブでは、広告品質ランキングがコントロールクリエイティブよりも26%高くなりました。つまり、オークションにおける広告のパフォーマンスが高く、広告が妥当なコストでより多く配信されたということです。
・リンク:新・プライバシー時代のゲームマーケ戦略
https://www.facebook.com/fbgaminghome/marketers/resources/the-big-catch-playbook
今回の取り組み
今回は社内全員参加の勉強会ではなく、
クリエイティブプランナーと運用担当者にしぼり、参加をしてもらいました。
クリエイティブプランナーと運用担当者を混在させつつチームを3つに分け、
前半は、Facebook社から「BigCatch」のワークフレームの説明を受け
後半は、特定の案件を題材に、チーム内で議論をしながら実際にクリエイティブの制作を行ってもらう、
という形で勉強会を進めるようにしました。
なぜ今回の取り組みを行ったのか
Facebookを攻略する上でクリエイティブの重要度はとても高く、クリエイティブプランナーとしては、
Facebookの特徴を理解しつつ、媒体特性に合わせたクリエイティブを作成する必要があり、
運用担当者は、管理画面上の数字だけでなく、クリエイティブから導き出されるユーザーインサイトや態度変容へも意識を向けることで、数字上からだけでは導き出せない考察や仮説立てをし、次の運用に活かす必要があると考えました。
そのため、今回の勉強会を通じてクリエイティブプランナー/運用担当双方での知識向上と
リモートワーク下で部署間でのコミュニケーションが取りづらくなっていることもあり、
その課題解決の一環となれば良いと思い、企画/開催をしました。
当日の様子
受け身型レクチャーとは異なり発信が求められる勉強会ということで、いつもと違った緊張感と共にスタートした勉強会。若干の不安を感じたものの、いざ勉強会が始まると講師のアイスブレイクによって一気に和やかムードになりました^^
前半の座学のパートでは、ゲーム業界における、いわゆる「ゲーマー」と呼ばれるユーザーの状況と、
「ゲーマー」がモバイルゲームをやる動機を元に、クリエイティブにおいてどういった要素が重要化を学ぶことができました。
▼ゲーム業界の実態
ゲーマーはかつてないほど増えています。
インターネット利用者の86%がモバイルゲームをプレイしており、
また「ゲーマー」に分類されていない人のうち、実際にはスマートフォンでモバイルゲームをプレイしている人も80%にのぼっているそうです。このデータだけでも、クリエイティブやターゲティングの対象を、ゲーマーを自認する人以にも広げる必要があることがわかります。
また、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けて、世界のすべての地域で新規モバイルゲーマーが急増しており、その後もプレイし続けているのです。
モバイルゲームをするユーザーの動機についても傾向がでており、「ストレス解消」「暇つぶし」「達成感」などを筆頭に、「相手に勝つ」「人と繋がれる」「世界に没入できる」など、理由は多岐に渡ります。
一方で、広告には同様の多様性が見られることが少なく、
こういったユーザーの動機を理解し、広告に反映す必要が出てきています。
広告への反映
では、どのような要素をクリエイティブに盛り込めばよいのでしょうか?
Facebookは、ほとんどのユーザーとゲームジャンルに対応できる8つの動機を特定しました。
・自己表現
クリエイティビティとアイデンティティを現する機会を楽しむプレイヤー
・ 進行
物事の構築、管理、向上に誇りを感じるプレイヤー
・ 発見
新しいことを学び発見することが大好きなプレイヤー
・現実逃避
不愉快な現実からの気晴らしや癒やしを求めるプレイヤー
・ソーシャルとのつながり
以前からの友達や新しい友達とのつながりと絆を求めるプレイヤー
・専門知識
何かを特に上手に行う力を伸ばしたいプレイヤー
・パワー
実世界では持っていない力を持ちたいプレイヤー
・リラックス
暇つぶし、娯楽、リラックス、落ち着きを求めるプレイヤー
この動機のうち、いくつかを組み合わせ、
クリエイティブに反映させることで、多くのユーザーから好意的な反応を得ることができるそうです。
グループワークへ 実際のクリエイティブ作成
前半の座学が終わると、いよいよ後半はお待ちかねのグループワーク。
世間一般的には無口な方が多い(?)と思われがちなクリエイティブプランナーのメンバーが率先して音頭をとって、メンバーの意見を形にしていきます。
10分という限られた時間の中でラフを作るのは至難の技でしたが、事前レクチャーのおかげで各グループ何とか完成に至りました。
その後は、全体に向けた発表タイム。
シンプルなお題にも関わらず、グループごとにラフ案が見事に異なり、みんな興味深く別グループの発表に耳を傾けていました。中にはお題の案件を実際に担当しているメンバーもおり、今回の勉強会で得たTIPSをぜひクリエイティブ案に取り入れたいと大声で宣言。
普段は各々別案件を担当している為、今回のように部署横断でワークをする機会って意外と少ないかもしれません。
結果的に、メンバー同士の交流の良い機会にもなり、非常に満足度の高い勉強会となりました。
やってみた感想
勉強会後に参加メンバーにアンケートをとった結果がこちら。
なんと、参加者の7割が「有益」、3割が「極めて有益」と回答する満足度の高い結果になりました。勉強会中のメンバー間の会話量・熱量がこのアンケート結果に反映されていたように思います。
<参加者の声>
・セミナーとなるとどうしても聞くだけで内容が入ってこない事が多いですが、
手を動かすワークを通して考える事で、知識の定着に繋がると思いました。
・実際に運用の方々と相談しながら、双方の視点や考えを踏まえて制作することが斬新で、
普段の案件でもこうした形で相談しつつやっていきたいと思えてよかったです。
・グループワークの時間が短く踏み込んだ話ができずにいたため、若干物足りなさを感じました。この勉強会で学んだことをどう業務に活かせるかという意味も含め、改善の余地があると感じました。
・次回は、Facebook面ならこうする、Instagram面ならこうする、といった配信面ごとのクリエイティブの考え方や別ジャンルでのラフ作成などにトライしてみたいです。
まとめ
私自身も今回の勉強会を通じて、
クリエイティブへの考え方/重要性の再認識ができたと同時に、
それ以上に、クライアント様へしっかりと結果でお返しするためには、
普段からクリエイティブプランナーと運用担当者とが、密に連携を取りながら、
相互で意見や見解を話し合うことが重要だと改めて感じました。
業務自体は分業制の為、どうしても知識が偏りがちになることが多いですが、
クリエイティブプランナーはメディアのことを、運用はクリエイティブのことをもっと理解することで、より広い視野で仕事に取り組めるし、多くのことが語れるようになると思いました。
※個人的には、
管理画面上の数字だけで思考を完結させるよりも、
数字の先にいるユーザーのこと考えたり、
どういう表現であればユーザーが興味を持ってくれるかまで考えたほうが、
仕事としても楽しいと思ってます^^
P&D本部 メディア部所属。2020年4月にD2C Rへ中途入社。前職でもWEB専業代理店だったこともあり、入社半年間は運用担当者として、ゲーム/アプリ領域の業種を担当。 その後、2021年10月よりアカウントコンサルとしてダイレクト領域の案件を担当しつつ、Facebook/Tik Tokのメディアパートナーセールスを担当。 座右の銘は『足るを知る』で、最近Pokerにハマる。